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第十三部・イタリア 編
生贄うさぎの朝 ☆
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狼は生贄のうさぎを、何一つ残さず喰らい尽くそうとしている
ギラギラとした目は香澄の下腹部を執拗に見て、いつそこに自分の子が宿るのか虎視眈々と狙っているかのようだ。
「あぅうううぅっ、うーっ、んあぁああ……っ、うーっ、ぅあああぁ……っ」
もう可愛い声など出せない香澄は、本能の声を上げて体をくねらせる。
佑は香澄の片脚を抱え上げ自分の肩に担ぐと、より深いところまで屹立を突き刺してぐりぐりと子宮口をいじめた。
「っきゃあああぁああ……っ!」
香澄が悲鳴を上げ堪らず小さな孔から蜜潮を漏らしたのを見て、佑の興奮も限界に達したようだった。
「――――く、……ぅっ」
低く唸った彼は何度もずんずんと香澄の蜜洞に腰を叩きつけ、狭い膣道で肉棒を膨らませた。
香澄の中でぐぅっと佑の質量が増えたかと思うと、ビクビクと脈動して先端から白い欲望をまき散らす。
「あぁあ……、――――あぁあああ…………」
佑を膣奥で吸い上げる香澄は、すべてが終わった安堵に、気の抜けた声を漏らした。
まだ佑は仕上げに何度か香澄を突き上げていたが、最後の一滴まで注ぎ終わると、長い溜め息をついて倒れ込んだ。
触れ合った肌の間で二人分の汗が交じり合う。
佑は荒々しい呼吸ごと、香澄の唇を貪る。
互いの胸からドッドッドッ……と激しい鼓動が伝わり、なぜだか涙が出るほどその力強い音が愛しかった。
目に映るのは見慣れた白金台の室内で――。
(帰って……きたんだ……)
香澄は安堵しきって、ぐったりと目を閉じてしまった。
**
(あれ……)
再び目を覚ますと、香澄は佑の寝室にいた。
寝室のカーテンは閉じられていて、何時か分からない。
けれど隣に佑のぬくもりがあるので、まだ彼が眠っている時間なのだと理解した。
モソリと体を動かして確かめると、キャミソールとタップパンツを身につけている。
(着せてくれたんだ)
ふ……とリビングで激しく交じり合ったのを思いだす。
ドロドロになった体も、いつものように清拭してくれたのだろう。
(……ついつい、身を任せちゃうな)
うっすら微笑むと、香澄は佑の肩にスリスリと顔を押しつけた。
「……ん……?」
佑が寝ぼけた声を出し、香澄の方に寝返りを打ちがてら抱き寄せてくる。
「……まだ夜だから、……ねて……」
かすれた声で言われて頭にキスをされ、胸一杯に温かな気持ちが溢れた。
ぎゅう……と佑を抱き締め、彼の香りを鼻腔いっぱいに吸い込んで目を閉じる。
また意識が眠りの淵に落ちていくのは、すぐの事だった。
「…………」
また目が覚めて、香澄は瞬きをする。
気配で分かっているけれど、隣を見ても佑の姿はなかった。
「えっと……」
寝室のカーテンは遮光カーテンだが、隙間から微かに光が漏れていて、もう朝だと分かった。
「フェリシア、いま何時?」
寝室に置いてあるフェリシアに話し掛けると、〝彼女〟が返事をする。
月曜日の午前十時三分と応えられ、香澄は絶望した。
「おぁぁん……」
また寝過ごした事に気付き、香澄は猫のような声を出す。
「佑さん、もう出社しちゃったかぁ……」
もそりと起き上がり、フェリシアにまた声を掛けてカーテンを開けてもらう。
少し期待してベッドサイドを見ると、いつものブロックメモに佑の書き置きがあった。
『おはよう。今日は何時起きかな(笑)? 体調が戻るまでゆっくりしていて構わないから、今日も好きに過ごして。元気なら出掛けてもいいけど、必ず離れに連絡をして護衛をつけてもらう事。 佑』
「……んふふ」
佑の綺麗な文字を見てニヤニヤ笑い、香澄はメモを持って私室まで移動すると、デスクの引き出しからポケットアルバムを出す。
そして透明なポケットにメモを入れると、隣のメモ欄に今日の日付を書いた。
ギラギラとした目は香澄の下腹部を執拗に見て、いつそこに自分の子が宿るのか虎視眈々と狙っているかのようだ。
「あぅうううぅっ、うーっ、んあぁああ……っ、うーっ、ぅあああぁ……っ」
もう可愛い声など出せない香澄は、本能の声を上げて体をくねらせる。
佑は香澄の片脚を抱え上げ自分の肩に担ぐと、より深いところまで屹立を突き刺してぐりぐりと子宮口をいじめた。
「っきゃあああぁああ……っ!」
香澄が悲鳴を上げ堪らず小さな孔から蜜潮を漏らしたのを見て、佑の興奮も限界に達したようだった。
「――――く、……ぅっ」
低く唸った彼は何度もずんずんと香澄の蜜洞に腰を叩きつけ、狭い膣道で肉棒を膨らませた。
香澄の中でぐぅっと佑の質量が増えたかと思うと、ビクビクと脈動して先端から白い欲望をまき散らす。
「あぁあ……、――――あぁあああ…………」
佑を膣奥で吸い上げる香澄は、すべてが終わった安堵に、気の抜けた声を漏らした。
まだ佑は仕上げに何度か香澄を突き上げていたが、最後の一滴まで注ぎ終わると、長い溜め息をついて倒れ込んだ。
触れ合った肌の間で二人分の汗が交じり合う。
佑は荒々しい呼吸ごと、香澄の唇を貪る。
互いの胸からドッドッドッ……と激しい鼓動が伝わり、なぜだか涙が出るほどその力強い音が愛しかった。
目に映るのは見慣れた白金台の室内で――。
(帰って……きたんだ……)
香澄は安堵しきって、ぐったりと目を閉じてしまった。
**
(あれ……)
再び目を覚ますと、香澄は佑の寝室にいた。
寝室のカーテンは閉じられていて、何時か分からない。
けれど隣に佑のぬくもりがあるので、まだ彼が眠っている時間なのだと理解した。
モソリと体を動かして確かめると、キャミソールとタップパンツを身につけている。
(着せてくれたんだ)
ふ……とリビングで激しく交じり合ったのを思いだす。
ドロドロになった体も、いつものように清拭してくれたのだろう。
(……ついつい、身を任せちゃうな)
うっすら微笑むと、香澄は佑の肩にスリスリと顔を押しつけた。
「……ん……?」
佑が寝ぼけた声を出し、香澄の方に寝返りを打ちがてら抱き寄せてくる。
「……まだ夜だから、……ねて……」
かすれた声で言われて頭にキスをされ、胸一杯に温かな気持ちが溢れた。
ぎゅう……と佑を抱き締め、彼の香りを鼻腔いっぱいに吸い込んで目を閉じる。
また意識が眠りの淵に落ちていくのは、すぐの事だった。
「…………」
また目が覚めて、香澄は瞬きをする。
気配で分かっているけれど、隣を見ても佑の姿はなかった。
「えっと……」
寝室のカーテンは遮光カーテンだが、隙間から微かに光が漏れていて、もう朝だと分かった。
「フェリシア、いま何時?」
寝室に置いてあるフェリシアに話し掛けると、〝彼女〟が返事をする。
月曜日の午前十時三分と応えられ、香澄は絶望した。
「おぁぁん……」
また寝過ごした事に気付き、香澄は猫のような声を出す。
「佑さん、もう出社しちゃったかぁ……」
もそりと起き上がり、フェリシアにまた声を掛けてカーテンを開けてもらう。
少し期待してベッドサイドを見ると、いつものブロックメモに佑の書き置きがあった。
『おはよう。今日は何時起きかな(笑)? 体調が戻るまでゆっくりしていて構わないから、今日も好きに過ごして。元気なら出掛けてもいいけど、必ず離れに連絡をして護衛をつけてもらう事。 佑』
「……んふふ」
佑の綺麗な文字を見てニヤニヤ笑い、香澄はメモを持って私室まで移動すると、デスクの引き出しからポケットアルバムを出す。
そして透明なポケットにメモを入れると、隣のメモ欄に今日の日付を書いた。
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