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第十三部・イタリア 編

おねだり ☆

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 緩急のついた突き上げに香澄の頭はすぐに真っ白になり、口端から透明な糸を垂らして喘ぎ続けた。

「外と中と、どっちが気持ちいい?」

 そう尋ねる佑は、相変わらず親指で香澄の肉真珠を撫で続けている。

 お腹の中はみっちりと佑の質量で満たされ、体の深部がジンジンと疼くほど、重たい快楽を与えてくる。

 いっぽう外からは一瞬で脳天にヅンッと伝わる分かりやすい淫悦が絶え間なく送られ、外と中の両方から香澄は理性を奪われていた。

「やぁああ……っ、ど、どっちもやぁ、やぁあっっ」

 体を揺さぶられながら頭を左右に振ると、顔にサラサラと黒髪が当たる。

「どっちも嫌? おかしいな」

 佑が笑い、キュッと香澄の肉芽を摘まんだ。

「ひんっ」

 強すぎる刺激がまた全身を震わせて脳天まで響き、二度目の絶頂が来た。
 佑の指はそのままさや越しに陰核をコリコリと揺さぶり、香澄は歯を食いしばったまま涎を垂らして耐える。

「うーっ、うぅうっ、んぅーっ!」

 蜜壷がヒクついて止まらなくなり、香澄は潤んだ目で必死に佑を睨んだ。

「そんな可愛い顔をしても駄目だよ」

 やはり楽しそうな佑は、片手で香澄の腰を押さえてズンッとまた強く突き上げてきた。

「っあぐっ! う、ぅう……っ」

 涙を流し、香澄はまた一瞬意識を飛ばしかける。

「……っも、も、だめぇっ、――だからぁっ、お、終わっ、……てっ」

 ぐすぐすと鼻を啜り、香澄はおかしくなりそうな悦楽にまみれて懇願する。

 もうとっくに彼女の膣内はきつくうねり、佑を何度も吸い上げているはずだった。
 だというのに佑は嬉々とした顔のまま香澄を攻め続けるので、彼の絶倫具合に気が遠くなる。

「おねだりをする時は?」

 愉悦の籠もった目で見られ、香澄は「うーっ」と顔を歪めて泣く。

 ブルブルと震える手で佑の頬を包み、彼の唇を舐めてから唇を押しつけた。
 顔を離し、佑の綺麗なヘーゼルの瞳を覗き込んで、〝お願い〟をする。

「おね……がい、な、中で……、達って?」

 恥ずかしい言葉を口にし、子宮がキュウンと疼いてまた新たな蜜が滴った。
 途端に、香澄を試すような目で見ていた佑が、目を細めて幸せそうに笑う。

「分かった」

 ペロリと自分の唇を舐め、佑は香澄の背中を支えてカウチソファの上に押し倒した。
 ぐっぷぐっぷと何度か屹立を抜き差ししたあと、佑は香澄の腰を抱えて彼女を蹂躙し始めた。

「あぅっ、あああぁあ……っ、んんぅうっ、んあああぁっ」

 濡れそぼった蜜壷からジュボジュボと凄まじい音が立ち、硬い亀頭で最奥を何度も小突かれ香澄の目の前で光が明滅する。

 平らなお腹を波打たせてのたうつも、佑の親指がピンッと香澄の肉芽を弾いてくる。
 そのたびに香澄は腰を弓なりに反らし、つま先を閉じて喉を晒した。

 ベッドの上でなら枕やシーツを手で手繰って掴めたが、今はソファの上なので掴む物がない。
 鉤爪状になった手は懸命にカウチソファの側面を引っ掻き、つま先が何度も跳ねる。

 太い一物が蜜壷を何度も行き来し、鰓の張った雁首で蜜を掻き出されては、また押し込まれて新たな蜜が出る。

「だめぇえ……っ、もぉ、だめぇええ……っ」

 哀れっぽい声を上げた香澄は、ぐすぐすと泣きながら蜜洞をわななかせるしかできない。

 何度も絶頂に追いやられ、もう幾度気を失いかけたか分からない。
 そのたびに佑がたくましい肉槍で香澄を突き上げ、現実と言う名の快楽地獄に引き戻すのだ。

「もう少し……っ、だから」

 佑の両手は香澄の乳房を捏ね回し、乳首をキュッと引っ張る。

 いつもなら先端を優しく引っかかれる刺激が丁度いいぐらいなのに、感じすぎた今は強い刺激でもたやすく香澄を絶頂に追い立てる。

 キスマークのついた柔らかな双丘を何度も揉まれ、佑の指の感触を覚えた頃に、ふ……とその手が離れて脇腹や二の腕、お腹とあらゆる場所に優しく触れてくる。

 ふわぁっと全身が浮き上がりそうなほど優しい快楽を与えられたかと思うと、次の瞬間にズンッと凶暴な肉棒で重たい淫悦を打ち込まれ息が止まる。

 香澄は全身におびただしい汗を掻き、せわしなく呼吸を繰り返していた。

 口をついて出る嬌声も、もう自分のものではないように思える。

 肉体がある世界とは別次元の高い場所で、意識だけがフワフワと浮いていた。

「ああぁああ……、あぁあ……あーっ、あぁあああ……っ」

 か細くなった声は弱々しく、目も虚ろになっている。

 香澄の口端から零れた糸を佑は指で拭い、その指をしゃぶった。
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