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第十二部・パリ 編
悪夢の寝起き
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(……でも本当に気持ち良かった。ヤバイ。中ふわんふわんで温かくて、それなのに締め付けが良くて……)
感触を思い出していると、また分身がムクムクと元気になってきたので、必死に欲望を抑えた。
「……はぁ」
佑は自身の息子に「我慢しろ」というように下腹をトントンと叩き、洗面所に向かう。
お湯でタオルを濡らして絞ると、ベッドルームに戻って丁寧に香澄の体を拭き始める。
(この作業、好きなんだよな。香澄が気を失ってる時に奉仕というか、綺麗にできるのがまた……)
汗を掻いた肌を優しく拭い、胸やお腹、臀部を拭く時はさらに丁寧になる。
(俺とはまったく肌質も違うよなぁ……。なんだこの生き物)
細くて柔らかくて、少し力加減を間違えると壊してしまいそうな香澄に触れていると、ある種の怖さも覚える。
最後に慎重に秘部を清拭すると、洗面所でタオルを洗い、自分は軽くシャワーを浴びた。
ベッドルームに戻ると、朝の四時近くになっている。
(今度こそちゃんと寝よう)
モソモソとベッドに潜り込んであくびをすると、佑は香澄を抱き枕にして目を閉じた。
**
目が覚めると目の前に佑の寝顔がある。
(珍しい……。佑さんの寝顔を見られる事、あんまりないんだよな)
香澄は目を擦って瞬きをし、飽きる事なく彼の寝顔を見る。
(格好いい……。睫毛長い……)
佑のすべてが好きだけれど、見た目が格好いいのも好きな理由の一つだ。
佑が極端に痩せたり太ったりしても、彼への愛情は変わらない自信がある。
けれど彼が激務の中でこの肉体をキープしているのは、体調を崩さず仕事をやり抜くという鋼の精神に直結しているのだろう。
その上、生まれ持っての美貌があるので、天が何物も与えた存在だと思う。
(……好き……)
佑を見ているだけで胸がときめき、キュンキュンしてくる。
胸の奥で疼く衝動を抑え、香澄は佑が起きるまで寝顔を見続けようと思った。
けれど五分ほどして佑がギュッと眉間に皺を刻んだ。
(起きたのかな?)
そう思ったが、佑は苦痛を堪える表情になり、寝言を言うように唇を震わせる。
やがて「やめろ」と小さな声で呻く彼を見て、香澄は目を見開いた。
(悪い夢でもみてるの? どうしよう……起こしたほうがいい?)
起き上がって佑の髪を撫でようと思ったが、香澄が動いた瞬間、佑が信じられない瞬発力で抱き締めてきた。
「!」
物凄い力で抱かれ、香澄は一瞬息を詰まらせる。
「た、佑さん!?」
思わず声を出して彼を呼ぶと、ふ……と脱力した佑がぼんやりと目を開く。
「……ぁ……、香澄……?」
佑の顔色は青白く、目も虚ろだ。
「…………っ」
心配になった香澄は、ガバッと抱きついて彼の後頭部や背中を何度も撫でた。
「大丈夫だよ。悪い夢はもう見ないから。私が側にいるよ」
抱き締めた佑の体は強張っていて、微かに震えている。
こんな姿を知らない香澄は、自分の持てうるすべてで彼を慰めたいと思っていた。
「……大丈夫だ。少し嫌な夢を見ただけで……」
「えっと……。……おっぱい揉む?」
丁度全裸だったので、香澄は佑の手を掴むとパフッと自身の胸に導いた。
彼は一瞬呆気にとられた顔をしたものの、素直に頷いた。
「…………揉む……」
佑はのそりと起き上がり、ヘッドボードに寄りかかると香澄を抱き寄せ、後ろから胸を揉んできた。
大きな手の中でポヨポヨと乳房が弄ばれ、恥ずかしいながらも少し安堵する。
ネタ半分で言ってみたが、佑が乗ってくれて助かった。
「……大丈夫?」
「彼の〝男の見栄〟のためにも、あまり弱っている所を見ない方がいいのかな?」と思った。
けれど、結婚するならどんな姿だって受け入れなくてはと思った。
もしも佑が倒れてしまったら、「格好がつかない」など言わせず看病するつもりだ。
だから、うなされたのを見た程度でたじろいではいけない。
香澄の気持ちが伝わったのか、佑は彼女の肩に顔を埋めてくる。
「……ん。大丈夫……。目覚めたら香澄がいるから、すぐに元気が出た」
(……本当ならいいのにな)
佑の声にはまだダメージが残っている気がする。
気丈に振る舞っているが、元気でないのは確かだ。
感触を思い出していると、また分身がムクムクと元気になってきたので、必死に欲望を抑えた。
「……はぁ」
佑は自身の息子に「我慢しろ」というように下腹をトントンと叩き、洗面所に向かう。
お湯でタオルを濡らして絞ると、ベッドルームに戻って丁寧に香澄の体を拭き始める。
(この作業、好きなんだよな。香澄が気を失ってる時に奉仕というか、綺麗にできるのがまた……)
汗を掻いた肌を優しく拭い、胸やお腹、臀部を拭く時はさらに丁寧になる。
(俺とはまったく肌質も違うよなぁ……。なんだこの生き物)
細くて柔らかくて、少し力加減を間違えると壊してしまいそうな香澄に触れていると、ある種の怖さも覚える。
最後に慎重に秘部を清拭すると、洗面所でタオルを洗い、自分は軽くシャワーを浴びた。
ベッドルームに戻ると、朝の四時近くになっている。
(今度こそちゃんと寝よう)
モソモソとベッドに潜り込んであくびをすると、佑は香澄を抱き枕にして目を閉じた。
**
目が覚めると目の前に佑の寝顔がある。
(珍しい……。佑さんの寝顔を見られる事、あんまりないんだよな)
香澄は目を擦って瞬きをし、飽きる事なく彼の寝顔を見る。
(格好いい……。睫毛長い……)
佑のすべてが好きだけれど、見た目が格好いいのも好きな理由の一つだ。
佑が極端に痩せたり太ったりしても、彼への愛情は変わらない自信がある。
けれど彼が激務の中でこの肉体をキープしているのは、体調を崩さず仕事をやり抜くという鋼の精神に直結しているのだろう。
その上、生まれ持っての美貌があるので、天が何物も与えた存在だと思う。
(……好き……)
佑を見ているだけで胸がときめき、キュンキュンしてくる。
胸の奥で疼く衝動を抑え、香澄は佑が起きるまで寝顔を見続けようと思った。
けれど五分ほどして佑がギュッと眉間に皺を刻んだ。
(起きたのかな?)
そう思ったが、佑は苦痛を堪える表情になり、寝言を言うように唇を震わせる。
やがて「やめろ」と小さな声で呻く彼を見て、香澄は目を見開いた。
(悪い夢でもみてるの? どうしよう……起こしたほうがいい?)
起き上がって佑の髪を撫でようと思ったが、香澄が動いた瞬間、佑が信じられない瞬発力で抱き締めてきた。
「!」
物凄い力で抱かれ、香澄は一瞬息を詰まらせる。
「た、佑さん!?」
思わず声を出して彼を呼ぶと、ふ……と脱力した佑がぼんやりと目を開く。
「……ぁ……、香澄……?」
佑の顔色は青白く、目も虚ろだ。
「…………っ」
心配になった香澄は、ガバッと抱きついて彼の後頭部や背中を何度も撫でた。
「大丈夫だよ。悪い夢はもう見ないから。私が側にいるよ」
抱き締めた佑の体は強張っていて、微かに震えている。
こんな姿を知らない香澄は、自分の持てうるすべてで彼を慰めたいと思っていた。
「……大丈夫だ。少し嫌な夢を見ただけで……」
「えっと……。……おっぱい揉む?」
丁度全裸だったので、香澄は佑の手を掴むとパフッと自身の胸に導いた。
彼は一瞬呆気にとられた顔をしたものの、素直に頷いた。
「…………揉む……」
佑はのそりと起き上がり、ヘッドボードに寄りかかると香澄を抱き寄せ、後ろから胸を揉んできた。
大きな手の中でポヨポヨと乳房が弄ばれ、恥ずかしいながらも少し安堵する。
ネタ半分で言ってみたが、佑が乗ってくれて助かった。
「……大丈夫?」
「彼の〝男の見栄〟のためにも、あまり弱っている所を見ない方がいいのかな?」と思った。
けれど、結婚するならどんな姿だって受け入れなくてはと思った。
もしも佑が倒れてしまったら、「格好がつかない」など言わせず看病するつもりだ。
だから、うなされたのを見た程度でたじろいではいけない。
香澄の気持ちが伝わったのか、佑は彼女の肩に顔を埋めてくる。
「……ん。大丈夫……。目覚めたら香澄がいるから、すぐに元気が出た」
(……本当ならいいのにな)
佑の声にはまだダメージが残っている気がする。
気丈に振る舞っているが、元気でないのは確かだ。
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