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第十一部・スペイン 編

寝かせたあとに ☆

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「あっ、あっ、ぃ――――くっ、達くっ、達くっ、の……ぁ、あっ」

「鏡を見て達けたら、少し休憩にしよう」

「んっ」

 休憩したいと思っても、香澄の腰はいやらしく動いて止まらない。
 グッチュグッチュと激しい音がするたびに新しい愛蜜が溢れ、佑の下腹部や洗面台にまで滴り落ちる。

(鏡……見なきゃ……。終わっちゃいけないんだ……)

 とうに焼き切れた思考のなか、香澄はノロノロと鏡を見る。

 鏡には、はしたなく脚を広げた自分が映っていて、花弁に佑の肉棒を含み愛蜜を垂らしていた。

 白い胸は佑の手でムニュムニュと揉まれ、肉真珠もいじめられている。

「あぁああぁ……っ、あぁ、あーっ、ぁあ……っ」

(やらしい……。嫌だ。いやらしい。恥ずかしい。気持ちいい)

 香澄は憚らない嬌声を上げながら、心の中で支離滅裂な感情を交差させる。

「っあぁあああぁ――――っ!!」

 とうとう香澄はプシャッと潮をしぶかせ、思い切り佑を締め付けて絶頂した。

「頑張ったな」

 ポン、と頭が撫でられ、さらによしよしと何度も撫でられる。

「ん……。がん、……ばっ、……た……」

 へた……と体を力を抜くと、佑がしっかりと抱き締めてくれた。
 逞しい胸板に体を預けて呼吸を整えていると、「場所を変えようか」と言われる。

「ん……。…………え……?」

 佑はぼんやりとした香澄を抱き、繋がったまま洗面台を下りる。

「ちょ……っ、待っ……て」

 太腿をしっかり支えられているものの、香澄は彼に抱きついた格好だ。
 佑は構わず歩き、ベッドルームを目指す。

「ゃ、あ、……あっ、ん、ぁ、うーっ」

 一歩ごとに振動が加わり、いまだ漲ったままの佑の切っ先が、香澄の最奥をグリグリといじめる。

 やっとベッドに辿り着いたかと思うと、ベッドの端に寝かされて片脚を担ぎ上げられ、すぐにガツガツと穿たれた。

「ぃあ、あぁあっ、やぁあっ、やすむって、――ぃ、いったぁっ、の、にぃっ」

 両手でベッドカバーを引っ張り涙目で訴えるが、彼は悪びれもせずに言う。

「移動中はピストンしてなかったじゃないか」

「もぉぉおっ、やぁあああっ」

 ――こんなはずじゃなかった!

 そう思うものの、もう遅い。

 香澄の体は開発され、自分でも〝トレーニング〟をしているので、敏感に感じてしまってつらいほどだ。

 香澄は泣きながら逃げようと試みた。

 体をひねらせ、ほふく前進をするように両腕で体を引きずり、枕に手を伸ばす。

 だが香澄は、抵抗された佑が嗜虐的に笑ったのに気付いていなかった。

「あんっ」

 腰を掴まれてズルッと引き戻されると、うつ伏せにされ、後ろからガンガンと突かれる。

「んーっ、んあああぁあっ、あぁああーっ、ぁああぁ、あーっ!」

 香澄はなりふり構わず喘ぎ、枕を掴んで涙を流す。
 しかしその枕を佑に奪われ、腰の下に挟まれてしまう。

 すると角度を得て最奥まで屹立が出入りするようになり、さらに官能の坩堝にたたき落とされた。

「ぁ……っ、きもち……、香澄の中、最高だ……っ」

 佑は香澄の体の両側に手をつき、激しく腰を叩きつける。

「やぁああぁっ、きも――っち、ぃっからっぁ! も、……っ、あぁああぁっ!」

 ビクンビクンと体を跳ねさせた香澄は、絶頂したまま戻ってこられない。
 せっかく顔を洗ったばかりなのに、涙と涎でグシャグシャだ。

「っ――――出る……っ」

 佑が低く唸り、体を重ねたかと思うときつく香澄の首筋に噛みついた。

「んンーっ!! っ…………ン、――――ぁ、……あっ」

 噛みつかれて痛みを感じるが、今は何をされても気持ちよさしか得ない。
 激しく痙攣した香澄は思いきり佑を締め付け、彼の腕の中で脱力していった。

 膣内で佑の怒張がドクンドクンと脈打ち、最奥を濡らす。

 香澄は佑のぬくもりや荒い呼吸を感じながら、目を閉じて意識を手放した。





 佑は疲れ切ってぐっすり眠った香澄の体を清拭する。

 お湯で湿らせたタオルで丁寧に拭いたあと、風邪をひかないように羽根布団を被せた。

 自分は軽くシャワーで体を流し、下着を穿いてバスローブを羽織った姿でスマホを手に取る。

 そのあとベッドルームから一番離れた部屋まで歩き、ドアを閉める。
 一人掛けのソファにドサッと座り込んで溜め息をつき、どこかに電話を掛けた。

 数回のコール音のあと、「Allo?」と相手が出る。

 佑は頭の中をフランス語に切り替え、声量を抑え気味で話し始めた。
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