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第十一部・スペイン 編

歪んだ怒り ☆

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 香澄が怖じ気づいている間に、佑は下着姿になった。

 そしてベッドの上にいる香澄に迫り、悪辣に笑う。

(やっぱり抱かれる!?)

 ゾクッとした香澄は、悲鳴交じりに言う。

「……嘘でしょ!? 朝も起き抜けにしたんだよ!?」

 情けない声で悲鳴を上げるが、あっけなく佑に押し倒されニットを脱がされる。

「男と会ってたんだろ。香澄に拒否権はないと思うが」

「そんな風に言わないで!」

 佑はネチネチと絡み、ニット越しに香澄の胸を揉んできた。

「……ね、ねぇ……。ふざけてるように見えるけど、実はすごい怒ってる?」

「よく分かったな」

 怯えた香澄の問いに、佑はにっこりと笑う。

 香澄は引き攣った笑いを浮かべている間、ニットスカートが引きずり下ろされ、トップスも脱がされた。

 プツンとブラジャーのホックが外され、ストッキングのクロッチに爪を立てられたかと思うと、力任せに引き裂かれる。

「――――」

 固まった香澄を見て佑は妖艶に笑い、覆い被さってきた。

「ん――――」

 怯えるべき状況だというのに、佑にキスをされただけで香澄はすぐ蕩けてしまった。

 ちゅ、ちゅ、と啄まれたあとに唇を舐められ、上唇も下唇もたっぷりねぶられたあと吸われる。
 わなないて開かれた歯列を、佑の舌が「もっと開いて」というようになぞった。

「ん……っ、ふ、――ぅ」

 小さく開いた口に、佑の舌がスルリと入り込む。

 肉厚な舌にくちゅ、ちゅぷと口腔を舐め回され、頭がだんだんボゥッとしてくる。
 乳房を揉まれて甘い疼きが体を襲い、香澄は腰を微かに揺らす。

「んっ」

 やにわに乳首をキュッと摘ままれ、一際強い刺激が下腹部に走った。

「知ってるか? 男は好みの女なら、服の上からでも裸を想像できるんだ。勝手に乳首の形や色だって想像する。香澄はどんな風に想像されたんだろうな?」

「そ……んな、な……っ、ぃ」

 フェルナンドは香澄に何もいやらしい事をしなかった。

 特別好意を抱いていた訳ではないが、友達になった人を好色な男のように言われ、香澄は首を振る。

 何より、佑が人を悪く言うのが悲しかった。

「ふぅん? 俺は余計な心配をしているのかな」

 佑の指は、クロッチの上から秘所を上下になぞってくる。
 キスと胸への刺激だけで、そこはすでに濡れていた。

 佑が指を動かすたびにクチュ……と水音が聞こえ、香澄は自分の体のはしたなさに懊悩した。
 ちゃんと話し合いたいのに、無理矢理抱かれようとしている状況で、香澄は被虐的な悦びを得ていた。

「ほら、すぐ濡らすいやらしい体だ。雄は繁殖しやすい雌を見破るものなんだよ。自分の遺伝子をより優秀に継いでくれる、美しくて母性に溢れたメスを好むんだ」

 嫉妬からのでまかせなのか、本当なのか分からない。
 佑はただ言葉で香澄をいじめ、下着越しにクチクチと秘唇を弄ぶ。

「ん……っ、ん、た、佑さん、のほうが、すぐやらし……っ、事、するじゃない」

 赤面した香澄は佑を睨むが、一向に効き目がない。

「俺は香澄の婚約者だ。好きな女を抱いて何が悪い?」

 指がつぷっと蜜口に入り込み、入り口近くの好い場所を擦ってきた。

「ン、あぁ、あ……っ、ゃ、そこ……っ」

 濡れた小さな口が、チュッチュッと佑の指に吸い付く音がする。
 いやらしい蜜を纏わせた指が蜜孔に出入りする感触に、香澄の頬が熱を持つ。

「こんなに感じる体をしているくせに、生意気言うんじゃない」

「ひぅ……っ」

 乳首をコリッとつねったあと、佑はもう片方の乳首を舐めてくる。

 佑は円を描くように乳輪を舐めてから、わざとチュウッチュバッと卑猥な音をたてて乳首を吸った。
 秘所からはジュクジュクと音がし、蜜が掻き出されてはさらに溢れる。

「香澄は感じやすいから、を触られたらすぐ達くだろ?」

「あ……っ、ン、あぁっ、や、――んーっ、ぁあっ」

 を探り当てられると、もう駄目だった。

 香澄は激しく腰をくねらせ、身体を支配しようとする淫悦をなんとかやり過ごそうとする。
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