667 / 1,544
第十一部・スペイン 編
誘惑の仕返し
しおりを挟む
「ふぅん?」
小さな電子音が聞こえたのは、佑がスマホを操作したからだろうか。
(あれ? 撮影されてる?)
不安になって彼のほうを見ようと思った時、剥き出しのお尻を撫でられた。
「ひぁっ」
ピクンッと体を震わせ顔を上げると、やはり佑が動画を撮っている。
彼はニヤニヤ笑いながら、空いた手で香澄を撫でてきた。
「んぅ……っ、ん、や、やぁっ」
佑は香澄の太腿やお尻を撫で、体勢が崩れたところで、まるで犬猫にするかのようにお腹を撫でくり回す。
「んふっ、ん、も、もぉっ、佑さんっ?」
「香澄、笑って」
「やだ、撮影されながらとかやだ! 変態っぽいよ?」
佑の手が胸元の布に触れ、たやすくその下に潜り込んで柔肉を直に揉んできた。
「俺は一か月、香澄が食器を洗う動画だけで性欲を抑えたんだ。万が一のため、もっと色っぽい動画があってもいいだろ? なるべく起きてる時の動画がいい」
「お、起きてる時って、私が寝てる間に動画撮ってたの!?」
ガバッと起き上がった香澄は、目をまん丸にして佑を凝視する。
食器を洗う動画で性欲をどう宥めたのかも疑問だが、寝ている間に動画を撮られたというのは聞き捨てならない。
「え? 当たり前だろ?」
「ちょ……っ、い、いかがわしい動画じゃない?」
「半分は寝顔だよ」
「も、もう半分は?」
「んー……。想像に任せるかな?」
「あぁぁ……」
香澄は肺の中の空気を絞り出すような溜め息をつき、脱力してベッドの上に転がった。
佑はまたスマホで香澄を撮影し、まっすぐな黒髪を手で弄んではサラサラと零す。
あまりにも愛しそうな目で見てくるので、怒るに怒れない。
「……へんたい」
「香澄だけの変態だよ」
大きな手が頬を撫で、唇をプルンと弾く。
「佑さんは変態だから、ここから先のお触りは駄目です」
「ええ? それは生殺しだろ。俺は下着一枚で待ってたのに」
佑は不服そうな声で言ってから、構わず香澄の二の腕をすべすべと撫でる。
「駄目です。踊り子さんに触れないでください」
香澄は冗談めかして言うと、起き上がって膝立ちになり、照れながら自分の手で胸を寄せてみせた。
誘惑するように胸を強調し、「我慢してください」とわざとツンとして言う。
それに乗った佑は、変な交渉をしてくる。
「じゃあ、五十万出すから触らせてください」
「ええ!? お、お金で解決するのは駄目です。それに一回のエッチにご、五十……」
「安いか? なら倍で百万」
「い、いらないから! お金なんていらないの」
「じゃあ、タダで抱かせてくれる?」
綺麗な顔で微笑まれ、香澄は「う……」と言葉に詰まる。
「だって佑さんいっつもエッチな事するんだもん。たまにお休みしないと、体に悪いよ? ……多分」
「ふぅん? それはぜひ、エビデンスをお聞きしたいですね?」
佑はスマホを置き、両手を彼女の体にかざす。
香澄の体に触れないように空中で輪郭をたどり、その肢体を視姦した。
「う……っ、手が……。目が、エッチ……」
意地悪していたつもりだったのに、逆に追い詰められている。
〝自分の行動一つでアウトになる〟状態に香澄は焦りを覚えた。
どれだけ煽ったつもりでも、気がつけば攻められている。
何だかんだで誤魔化していたが、今とても恥ずかしいランジェリーを着ている。
ブラジャーとパンティより布面積が多いはずなのに、どうもこのヒラヒラはいやらしい。
じわじわと赤面する香澄に、佑が迫る。
「『セックスは体に悪い』の根拠は? 納得できるように説明したら諦めてあげるよ」
余裕たっぷりに微笑んでいる佑は、香澄が絶対に説明しきれないと分かっている。
「うー……。そ、そんな……。諦めるとか、絶対にダメって言ってる訳じゃなくて……」
弱った香澄は言い訳を考えるが、何を口にしても論破されてしまいそうだ。
「じゃなくて?」
佑は楽しそうに先を促す。
香澄が自分を拒絶するなどあり得ないと分かっているから、こんなにも余裕がある。
彼にとってはこの時間も、焦らしプレイの一つなのかもしれない。
そう思うと「敵わないな……」と思い、香澄は降参した。
小さな電子音が聞こえたのは、佑がスマホを操作したからだろうか。
(あれ? 撮影されてる?)
不安になって彼のほうを見ようと思った時、剥き出しのお尻を撫でられた。
「ひぁっ」
ピクンッと体を震わせ顔を上げると、やはり佑が動画を撮っている。
彼はニヤニヤ笑いながら、空いた手で香澄を撫でてきた。
「んぅ……っ、ん、や、やぁっ」
佑は香澄の太腿やお尻を撫で、体勢が崩れたところで、まるで犬猫にするかのようにお腹を撫でくり回す。
「んふっ、ん、も、もぉっ、佑さんっ?」
「香澄、笑って」
「やだ、撮影されながらとかやだ! 変態っぽいよ?」
佑の手が胸元の布に触れ、たやすくその下に潜り込んで柔肉を直に揉んできた。
「俺は一か月、香澄が食器を洗う動画だけで性欲を抑えたんだ。万が一のため、もっと色っぽい動画があってもいいだろ? なるべく起きてる時の動画がいい」
「お、起きてる時って、私が寝てる間に動画撮ってたの!?」
ガバッと起き上がった香澄は、目をまん丸にして佑を凝視する。
食器を洗う動画で性欲をどう宥めたのかも疑問だが、寝ている間に動画を撮られたというのは聞き捨てならない。
「え? 当たり前だろ?」
「ちょ……っ、い、いかがわしい動画じゃない?」
「半分は寝顔だよ」
「も、もう半分は?」
「んー……。想像に任せるかな?」
「あぁぁ……」
香澄は肺の中の空気を絞り出すような溜め息をつき、脱力してベッドの上に転がった。
佑はまたスマホで香澄を撮影し、まっすぐな黒髪を手で弄んではサラサラと零す。
あまりにも愛しそうな目で見てくるので、怒るに怒れない。
「……へんたい」
「香澄だけの変態だよ」
大きな手が頬を撫で、唇をプルンと弾く。
「佑さんは変態だから、ここから先のお触りは駄目です」
「ええ? それは生殺しだろ。俺は下着一枚で待ってたのに」
佑は不服そうな声で言ってから、構わず香澄の二の腕をすべすべと撫でる。
「駄目です。踊り子さんに触れないでください」
香澄は冗談めかして言うと、起き上がって膝立ちになり、照れながら自分の手で胸を寄せてみせた。
誘惑するように胸を強調し、「我慢してください」とわざとツンとして言う。
それに乗った佑は、変な交渉をしてくる。
「じゃあ、五十万出すから触らせてください」
「ええ!? お、お金で解決するのは駄目です。それに一回のエッチにご、五十……」
「安いか? なら倍で百万」
「い、いらないから! お金なんていらないの」
「じゃあ、タダで抱かせてくれる?」
綺麗な顔で微笑まれ、香澄は「う……」と言葉に詰まる。
「だって佑さんいっつもエッチな事するんだもん。たまにお休みしないと、体に悪いよ? ……多分」
「ふぅん? それはぜひ、エビデンスをお聞きしたいですね?」
佑はスマホを置き、両手を彼女の体にかざす。
香澄の体に触れないように空中で輪郭をたどり、その肢体を視姦した。
「う……っ、手が……。目が、エッチ……」
意地悪していたつもりだったのに、逆に追い詰められている。
〝自分の行動一つでアウトになる〟状態に香澄は焦りを覚えた。
どれだけ煽ったつもりでも、気がつけば攻められている。
何だかんだで誤魔化していたが、今とても恥ずかしいランジェリーを着ている。
ブラジャーとパンティより布面積が多いはずなのに、どうもこのヒラヒラはいやらしい。
じわじわと赤面する香澄に、佑が迫る。
「『セックスは体に悪い』の根拠は? 納得できるように説明したら諦めてあげるよ」
余裕たっぷりに微笑んでいる佑は、香澄が絶対に説明しきれないと分かっている。
「うー……。そ、そんな……。諦めるとか、絶対にダメって言ってる訳じゃなくて……」
弱った香澄は言い訳を考えるが、何を口にしても論破されてしまいそうだ。
「じゃなくて?」
佑は楽しそうに先を促す。
香澄が自分を拒絶するなどあり得ないと分かっているから、こんなにも余裕がある。
彼にとってはこの時間も、焦らしプレイの一つなのかもしれない。
そう思うと「敵わないな……」と思い、香澄は降参した。
22
お気に入りに追加
2,511
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる