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第十一部・スペイン 編

ようやく訪れた絶頂 ☆

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「俺も好きだよ、香澄」

 片脚が抱え上げられ、より結合が深くなる。
 最奥までどちゅんっと突き上げられて、香澄の目の前で光が明滅した。

「あぅっ、うーっ、うぅうっ、んっ、んあぁあっ、やぁあっ」

 香澄は必死に両手でシーツを握りしめた。
 佑は深い場所で香澄をグリグリといじめつつ、蜜まみれの真珠に指を滑らせる。

「っきゃああぁあっ!」

「っく……」

 敏感な場所を弄られて香澄は悲鳴を上げ、思いきり佑の屹立を締め付ける。
 同時に佑も低くうなり、愛しい女の乱れっぷりに口端をもたげた。

 頭の中が真っ白になって意識がフワフワし怖いほどだ。
 それなのに佑は香澄の秘玉を攻めるのをやめず、耐えがたい悦楽が次々と波のように押し寄せてきた。

「すご……っ、キツ……」

 口元で香澄の締め付けを讃美しつつ、佑は滝のような汗を流して香澄を穿ち続けた。

「んーっ、んんぅぅぅっ、あ、……っぁ、も……っ、ダメぇ……っ! おねが……っ、達って……っ、達ってぇ!」

 香澄は子供のように両手で目元の涙を拭い、しゃくり上げて佑に懇願する。

「ん……、待って。も……少し……っ」

 佑が何をしても、悦楽を拾ってしまいつらい。

 深くまで突き上げられ一番の弱点を優しく撫でられ、意識が何度も薄れかけては、快楽にまみれた現実に戻る。
 何度もいきんで頭がボーッとし、口から制御できない嬌声が迸る。

「うぅううぅっ、うーっ、また……っ、達く……っ、達く……っ、……ぁ――――」

 ここではないどこかを見た目から涙を流し、香澄は口端からタラリと新しい糸を垂らす。
 ガクガクと体が震え、蜜壷が激しい収斂を繰り返す。

「ぁ――――く……っ」

 ジュプジュプと香澄を穿っていた佑も、ひときわ強く締め付けられて絶頂を迎えた。
 背中を丸めて歯を食いしばり、それでもなお佑は香澄を見つめたまま果てようとする。

 佑はずんっ、ずんっと最後に何度か腰を叩きつけ、香澄の一番奥深い場所で欲望を解放した。

「……んーっ、ん……ん……あぁああぁ…………ぁ……」

 自分の体内で佑が吐精しているのを感じ、香澄は本能の声を上げる。
 激しい情交の終わりに安堵し、脱力したところをもう一度突き上げられ、香澄は「あぅ……っ」とかすれた声を漏らした。

 佑の肉棒の震えが収まったのを知り、汗みずくになった香澄は、今度こそ力なく目蓋を伏せる。

「香澄……」

 熱でかすれた声で名を呼び、佑が繋がったまま覆い被さってきた。

「ん……」

 疲れ切った体を抱き締められ、唇、頬や額、鼻先とあらゆる場所にキスをされる。

 多幸感に包まれて意識が落ちそうになった間際、フワッと佑のウード&ベルガモッドが鼻腔をくすぐり、深い法悦を覚えた。



**



「ん……、ぁ……れ」

 ふぅっと意識が戻ると部屋は暗くなっている。
 きょろりと周囲を見ると、豪奢な寝室が間接照明でぼんやりと照らされていた。

 体を撫でられ、隣に佑がいる事に安堵する。

「いま……何時……?」

 かすれた声で尋ねると、体を撫でていた手がとまり、佑はベッドサイドに置いた高級時計を持ち上げる。
 そして「二時前」と返事をした。

「まだ……寝れるね……」

 身じろぎして佑の胸板に頬を押しつけると、優しく後頭部を撫でられる。

「明日も明後日も特に用事はないから、ゆっくり寝ていいよ。時差もあったし疲れているだろ」

「……うん……。でも何だか勿体ないな……」

「俺は一日中、こうやって香澄を愛でてたいけど」

 佑は香澄の背中から腰、お尻をすべすべと撫でる。

「こすってもランプの魔神は出てきませんよ」

「ふふ。こすったら香澄の肌が傷むじゃないか。こうやって優しく優しく、極上の肌を掌で味わうんだ」

 言葉通り佑の手は何度も香澄の肌をたどる。

 撫で終わっても飽きずにまた最初の位置に戻り、また肌の上を滑らせていく。
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