上 下
644 / 1,549
第十一部・スペイン 編

ようやく訪れた絶頂 ☆

しおりを挟む
「俺も好きだよ、香澄」

 片脚が抱え上げられ、より結合が深くなる。
 最奥までどちゅんっと突き上げられて、香澄の目の前で光が明滅した。

「あぅっ、うーっ、うぅうっ、んっ、んあぁあっ、やぁあっ」

 香澄は必死に両手でシーツを握りしめた。
 佑は深い場所で香澄をグリグリといじめつつ、蜜まみれの真珠に指を滑らせる。

「っきゃああぁあっ!」

「っく……」

 敏感な場所を弄られて香澄は悲鳴を上げ、思いきり佑の屹立を締め付ける。
 同時に佑も低くうなり、愛しい女の乱れっぷりに口端をもたげた。

 頭の中が真っ白になって意識がフワフワし怖いほどだ。
 それなのに佑は香澄の秘玉を攻めるのをやめず、耐えがたい悦楽が次々と波のように押し寄せてきた。

「すご……っ、キツ……」

 口元で香澄の締め付けを讃美しつつ、佑は滝のような汗を流して香澄を穿ち続けた。

「んーっ、んんぅぅぅっ、あ、……っぁ、も……っ、ダメぇ……っ! おねが……っ、達って……っ、達ってぇ!」

 香澄は子供のように両手で目元の涙を拭い、しゃくり上げて佑に懇願する。

「ん……、待って。も……少し……っ」

 佑が何をしても、悦楽を拾ってしまいつらい。

 深くまで突き上げられ一番の弱点を優しく撫でられ、意識が何度も薄れかけては、快楽にまみれた現実に戻る。
 何度もいきんで頭がボーッとし、口から制御できない嬌声が迸る。

「うぅううぅっ、うーっ、また……っ、達く……っ、達く……っ、……ぁ――――」

 ここではないどこかを見た目から涙を流し、香澄は口端からタラリと新しい糸を垂らす。
 ガクガクと体が震え、蜜壷が激しい収斂を繰り返す。

「ぁ――――く……っ」

 ジュプジュプと香澄を穿っていた佑も、ひときわ強く締め付けられて絶頂を迎えた。
 背中を丸めて歯を食いしばり、それでもなお佑は香澄を見つめたまま果てようとする。

 佑はずんっ、ずんっと最後に何度か腰を叩きつけ、香澄の一番奥深い場所で欲望を解放した。

「……んーっ、ん……ん……あぁああぁ…………ぁ……」

 自分の体内で佑が吐精しているのを感じ、香澄は本能の声を上げる。
 激しい情交の終わりに安堵し、脱力したところをもう一度突き上げられ、香澄は「あぅ……っ」とかすれた声を漏らした。

 佑の肉棒の震えが収まったのを知り、汗みずくになった香澄は、今度こそ力なく目蓋を伏せる。

「香澄……」

 熱でかすれた声で名を呼び、佑が繋がったまま覆い被さってきた。

「ん……」

 疲れ切った体を抱き締められ、唇、頬や額、鼻先とあらゆる場所にキスをされる。

 多幸感に包まれて意識が落ちそうになった間際、フワッと佑のウード&ベルガモッドが鼻腔をくすぐり、深い法悦を覚えた。



**



「ん……、ぁ……れ」

 ふぅっと意識が戻ると部屋は暗くなっている。
 きょろりと周囲を見ると、豪奢な寝室が間接照明でぼんやりと照らされていた。

 体を撫でられ、隣に佑がいる事に安堵する。

「いま……何時……?」

 かすれた声で尋ねると、体を撫でていた手がとまり、佑はベッドサイドに置いた高級時計を持ち上げる。
 そして「二時前」と返事をした。

「まだ……寝れるね……」

 身じろぎして佑の胸板に頬を押しつけると、優しく後頭部を撫でられる。

「明日も明後日も特に用事はないから、ゆっくり寝ていいよ。時差もあったし疲れているだろ」

「……うん……。でも何だか勿体ないな……」

「俺は一日中、こうやって香澄を愛でてたいけど」

 佑は香澄の背中から腰、お尻をすべすべと撫でる。

「こすってもランプの魔神は出てきませんよ」

「ふふ。こすったら香澄の肌が傷むじゃないか。こうやって優しく優しく、極上の肌を掌で味わうんだ」

 言葉通り佑の手は何度も香澄の肌をたどる。

 撫で終わっても飽きずにまた最初の位置に戻り、また肌の上を滑らせていく。
しおりを挟む
感想 556

あなたにおすすめの小説

『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!

臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。 やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。 他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。 (他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

鳴宮鶉子
恋愛
辣腕同期が終業後に淫獣になって襲ってきます

処理中です...