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第十一部・スペイン 編

もっと褒めて ☆

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「香澄は俺以外の人を気にして、よく思われたいって思う?」

「う、ううん!? まさか!」

 慌てて否定すると、佑が微笑む。

「じゃあ、いいじゃないか。麻衣さんや地元の友達はすでに香澄の味方だ。香澄の事が好きな人は変わらない。なら自分を嫌う人、雑に扱う人を気に掛ける必要はない」

 その笑顔を見て、心がフワッと軽くなった。

「ありがとう。ちょっと自信ついた」

「〝最高のパートナー香澄ちゃん〟は細かなメンテナンスが必要な精密商品だからな。オーナーがきちんと手入れして可愛がる必要あるんだ」

「んふふふふっ……。なぁにそれ?」

 香澄は軽やかに笑って佑に抱きついた。



**



 香澄はキングサイズのベッドの上に仰向けになり、バスローブを広げられた姿で裸体を晒していた。

「ん……、ふ」

 香澄の滑らかな肌を、佑の掌が這い回る。
 撫でているだけなのに、彼は「気持ちいい……」と呟いて微笑んでいた。

「香澄は最高の女だよ。こんなに気持ちいい肌、他に知らない」

 佑はスルスルと香澄を撫で、彼女を褒める。

「ん……」

 優しい掌に撫でられているだけで、香澄は腰を揺らし感じていた。
 まるで佑の掌から、じんわりと快楽のエキスが染みこんでいるようだ。

「もっと……、褒めて……」

 彼に褒められると、すべてを肯定される気持ちになる。
 ただ性的に興奮されるより、〝佑〟に求められていると思うと、この上なく気持ちよかった。

「肌が白くて、柔らかいのに張りがある。最高の触り心地だよ。ここは……思わず口づけたくなるほど可愛い色をしてる」

 佑の手が胸のふくらみを撫で、先端にある突起に触れたかと思うと、ちゅ……とそこにキスを落とした。

「あ……」

 コクンと香澄の喉が上下する。
 佑は彼女の乳首に何度もキスをしたあと、ねっとりと舐めてきた。

「ん……、ん……」

 それだけで秘所からトロリと蜜が溢れ、香澄はまた腰を揺らす。

 先ほどから佑は香澄の体を撫でては、優しいキスを繰り返している。
 飛行機の中では「我慢できない」と抱かれたのに、今はたっぷり焦らされていた。
 香澄の体内で育てられた疼きが徐々に大きくなり、「もっと強い刺激がほしい」と期待が高まる。

「おいしい……。いつまでも舐めて味わってたい」

 熱で低くかすれた声を耳にし、香澄の喉がまた鳴る。

「んゃ……、あ……。ん……。焦らさない、で……」

 香澄の膝はすでに開かれていて、その間に佑の腰が入っている。

 しようと思えば挿入できるのに、佑は屹立を花弁に擦りつける事すらしていない。

 大切にじっくりと時間をかけて、佑は手と舌で香澄を堪能する。
 愛撫し、褒め称え、身も心もトロリと満たしておきながら、決定的な刺激は与えない。

 目を潤ませた香澄は腰をくねらせ、行き場のない疼きを懸命に堪えていた。

 クリクリと乳首を弄られ、キュッと摘ままれる。
 時に先端を軽く引っかかれ、耐えがたい掻痒感で涙目になってしまう。

「たすく……さん……」

 思わず彼の耳を軽く引っ張ると、笑みを湛えた彼が顔を上げる。

「ん?」

 優しく細められた目が、香澄のおねだりを欲しているのは言われずとも分かった。

「その……。もっと……気持ち良くして……?」

 目を潤ませて顔を真っ赤にした香澄は、羞恥を堪え自身の手で花弁を開いた。
 くぱ……と小さな音がし、まだ佑に触れられていない場所がすでに濡れているのを知る。

 途端に、佑の目にあからさまな欲情が宿った。
 綺麗な色の目がとろりと細められ、彼の喉が微かに上下する。

 そしてやっと――、彼の屹立が香澄の花弁に押し当てられた。

「あっ……ン、あ、ぁ……っ」

 それまでの優しい愛撫が嘘のように、ぬちっぬちっと太竿で花弁を擦られ、いやらしい水音が耳を刺激する。
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