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第十一部・スペイン 編

調べられる感度 ☆

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「……ぁ、……はぁ……」

 クチュ……と二人の唇から銀糸が引き、ふつりと切れる。
 佑は濡れた香澄の唇を、物欲しそうな目で見つめてきた。

 一生懸命抵抗していたのに、脚は開かれて佑の腰が入っている。
 パステルカラーのルームウェアの股間に、硬くなった佑の熱がゴリゴリと押しつけられる。

 香澄は布越しに感じる彼の興奮に赤面し、小さく首を横に振った。

「駄目。本当にここでは駄目。声が聞こえちゃう」

 小声で訴えても、佑は愛しそうな目で香澄を見つめて腰を押しつけてくるのみだ。

「ん……っ、ん、だ、め……ったら」

「駄目」と言っているのに、下着の奥で花弁がヒクついている。
 ジュンと潤んだ秘唇は甘く疼いて熱を持ち、佑の熱杭を咥えたいと望んでいた。

「本当に駄目か? 気持ち良くなりたくない?」

 佑の手がルームウェアの裾から入り込み、胸を揉んでくる。

「あ……、ん……ん……」

 乳房を円を描くように揉まれ、掌に摩擦されて乳首が凝っていく。
 親指で乳首をピン、ピンと横なぎに弾かれるたび、子宮に甘い振動が伝わった。

 口内に溜まった唾液をゴクッと嚥下した時、また佑がキスをしてくる。

「ン……、む、――――ふ」

 温かい舌がねっとりと絡まり、香澄の思考は気持ちよさに絡め取られていく。
 気が付けば香澄は佑の舌を迎え入れ、舐めては絡め、吸っていた。
 口元からクチュクチュと濡れた音がし、キスだけで下着を濡らしてしまう。

 小さく息を吸うと、大好きな佑の香りがする。
 深みがあって官能的で、もっと嗅ぎたいと香澄に思わせる、誘惑の香りだ。

(好き……)

 キスに夢中になった香澄は、乳房を揉まれ先端を優しく弄られただけで、ピクピクと体を跳ねさせていた。

 佑はキスをして愛撫しながら、香澄の感度が変わっていないか確かめていた。

 それを知らず、香澄は与えられる気持ちよさに素直に反応する。

 パンティの布地の奥で、花弁は淫らに濡れそぼっていた。
 それが屹立に摩擦され、小さく水音を立てている。

(入れてほしい……。佑さんが欲しい……)

 香澄もその動きに合わせ、腰を揺らし始めた。

 愛情たっぷりのキスに、彼女はすっかり陥落していた。

 躾けられた体は、佑の愛撫に淫らに反応して絶頂を思い出そうとしている。
 カリカリと乳首を引っかかれ、疼きが耐えきれないほど高まった頃、キュウッと引っ張られた。

 痛みを感じないギリギリの強さで刺激を与えられ、子宮にジワァッと悦楽が広がっていく。

(あとちょっとで、胸だけで達っちゃう……!)

「ん……む、……ん、んぅ」

 さらに口内を舐め回され、ゾクゾクとした淫悦が体を支配する。

 我慢できなくなった香澄は、自分の腹部にソロリと手を這わせた。
 こっそりズボンの中に手を入れ、突起だけでも、と指を伸ばす。

 そこに股間をぐぅっと押しつけられ、手に感じた屹立の硬さに膣壁がヒクついた。

「手」

 クスッと笑って指摘され、香澄は顔を真っ赤にする。

「あ、あの……、これ、は…………」

 恥ずかしくなって手を外すが、とっさに掴まれて指先を口に含まれた。

「アッ……」

 瞠目する香澄の前で、彼女の指をしゃぶった佑が艶然と笑った。

「こんなになってるのに『駄目』なのか?」

「う……」

 欲しくて欲しくて堪らない。

「ちょ、……ちょっと。……だけなら」

 小さな声で前言撤回し、香澄は潤んだ目で佑を見上げた。

「……その上目遣い、腰にクる。今すぐ突っ込みたい」

 熱に浮かされたような声で言い、佑は舌なめずりする。

「……ま、待って。その前に何か……。声出ちゃうから、口を塞ぐ物……」

 香澄は「うんしょ」と体を反転させ、顔を枕に押しつけてうつ伏せになった。

 それからチラッと佑を振り向き、小声で一言告げる。

「……いいよ」
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