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第十部・ニセコ 編

今からでも、俺の子を孕めよ ☆

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「待って! まだ、――――ぁ、あ、……ぁっ」

 一か月ぶりに佑とキスをして、香澄ははしたなく濡らしていた。
 それを知られるのを恥ずかしいと思う間もなく、狭隘な蜜孔に怒張した熱杭が押し入ってくる。

「はぁ……っ、――ぁ、あ! ……ぁ、…………あー……」

 香澄は大きく息を吸い、目を見開いて歓喜に打ち震えた。

 彼の屹立は大きくて、久しぶりに受け入れたそれはとてつもない圧迫感を与えてくる。
 それなのに一か月ぶりに彼を迎えられたのが嬉しくて、香澄はさらにジュン……と濡らしてしまった。

 佑が腰を動かし、香澄の蜜壷を掻き混ぜてくる。

「駄目ぇっ! 動かないでぇっ! ~~~~っ、あっ、あぁっ!」

 あと一歩の刺激で絶頂してしまうという時に、カリの部分で膣壁を引っ掻かれ、香澄はのけぞって絶頂した。
 あまりに久しぶりの絶頂に、香澄は言葉を失い頭の中を真っ白にさせ、涎を垂らす。

「く……っ」

 思いきり締め付けられ、佑は喉の奥でうなって射精感を堪える。

「――――入れただけで達ったのか? 誰にそんな体にされた?」

 ヒクヒクとわななく香澄の蜜壷を味わいながら、佑は低い声で尋ね、香澄の首に手を掛ける。

「はぁ……っ、――あ、あ、……あ、……ぁあ……っ」

 今の絶頂で、香澄はどぷりと愛蜜を零していた。

 まだ蜜壷は屹立の形に馴染んでいないが、それでも順応能力高く柔らかく包み込もうとしている。
 蜜壷をヒクつかせ、佑の射精を促しながら、香澄は一か月ぶりの絶頂に晒されて目の前をチカチカと瞬かせていた。

(こんな体にしたのは、佑さんしかいない……っ)

 唇からは力の入らない嬌声しか漏れず、香澄は心の中で言い返す。

「ん…………っ、ン、んん、ぅ、……うー……っ、ん、うぅ」

 心の中では言い返す気力はあるのに、体は猥りがましくもきつく蜜壷をうねらせ、彼の吐精を誘っていた。

 いつも、佑は香澄が苦しがる事は決してしない。
 首を絞めるなど絶対にしない。

 今だって喉に手を添えているだけで、力は何も入れていないのに、香澄は一方的に被虐的な悦びを得てさらに膣奥を痙攣させていた。

 首に佑の手の温かさがあるだけで、圧倒的に支配されているという感覚に陥ったのだ。

 ――何でもいい。

 ――佑さんにされるなら、何だっていい。

 考える事を放棄し、香澄はただ、側に佑が自分を貫く現実に酔いしれた。

「……いやらしい女」

 悲しげな、どこか蔑むような、それでいて愛しさに溢れ、自分を受け入れてくれる彼女への歓喜が籠もった声がする。

 ――この声も好き。

 ――何を言われてもいい。

 諦めにも似た感情を抱き、香澄はとろりとした愉悦の中で微笑む。

 やがて佑は腰を本格的に動かし始め、濡れそぼった場所からはグチュッグチュッと彼を咀嚼する音が聞こえる。

 律動に合わせて揺れる香澄の豊かな乳房を見て、佑は興奮を煽られる。
 白くまろやかな双丘を両手で揉み、自由に形を変えながら、彼は拗ねた子供のように感情を叩きつける。

「……今からでも、俺の子を孕めよ……っ」

 香澄は勝手に気持ちよくなっていても、いまだ誤解の解けきっていない佑は苦しんでいた。
 その声は、あと少し何かがあれば、すべてを崩壊させ理性までも失ってしまう、あやうい声だった。

「……なに、言ってる、の……っ」

 佑の子供は産みたい。

 けれど、今の二人は決定的に食い違っている。

 何より香澄はピルを継続して飲んでいるし、彼がここで吐精しても妊娠しないだろう。

 しかし彼は、香澄が誰かに抱かれたと思い込んでいて――。

「くそっ」

 佑はうなり、一際強く彼女を突き上げた。

「っああぁうっ」

 すっかり濡れそぼった場所は、彼の動きに敏感に淫悦を得る。
 香澄は体をのたうたせて悦楽を表現し、本能で佑を締め付けた。

 ――気持ちいい。

 忘れていた肉の悦びに歓喜の声を上げたあと、うっすら目を開く香澄の胸元に、ポトポトッと温かい雫が滴ってきた。
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