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第九部・贖罪 編
佑さんがほしいの。今すぐ ☆
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「俺の方が体が大きいから、俺の勝ち」
ギュウッと抱き締められ、香澄は思わずクスクス笑う。
「もー……。物理攻撃はずるい」
そのあともしばらく、彼の首元に手を当て、体をすり寄せたり匂いを嗅いだり、とにかく佑を感じようとした。
――不安で堪らず、ただ佑に触りたい。
――触れ合って、体温を感じて安心したい。
――いっその事、全裸で絡み合って事後の彼の体重を感じたい。
(……淫乱って思われるかな)
いつもなら雰囲気たっぷりに誘えたかもしれないのに、なぜだか今は不安のせいか自分に自信が持てず、思い切った事が言えない。
「香澄? 何がしたい? 横になりたいか?」
佑も何かを察してくれているのか、懸命に香澄の望みを叶えようとしてくれている。
香澄は少し唇を開き――閉じて、を繰り返し、しばらく迷ったあと、ポショッと彼の耳元で囁いた。
「……佑さんに直に触りたい。……えっちしたい」
佑は微かに目を見開いた。
そして返事をする代わりに、彼女を抱く指先にク……と力を込める。
「……ダメ?」
そろりと窺う視線の先には、すでに熱を孕んだ佑の瞳があった。
「……ダメじゃない。俺もしたい。すっごいしたい。…………でも、いいのか?」
まるで愛し合う事がいけない事のように言う佑に、香澄はほんのり頬を染めて笑う。
「……佑さんがほしいの。今すぐ」
慣れているはずなのに、今はとても恥ずかしい。
体がこの上なく熱くなり、香澄はまた佑の肩口に顔を埋めた。
リビングのソファから抱き上げられて運ばれ、香澄が下ろされたのは主寝室のベッドの上だった。
寝かされると同時に佑が覆い被さり、余裕のないキスを仕掛けてくる。
キスをしながら彼は自分のTシャツの裾に手をかけ、息継ぎのタイミングで捲り上げて脱いだ。
「っは…………ぁ」
懸命に酸素を求める香澄は、間接照明に照らされて筋肉の陰影を作る、佑の肉体に興奮した。
「……すき」
佑が好きで、つい本音が漏れた。
優しいところは泣き出しそうなぐらい好きだし、顔も好みすぎて直視できない。
鍛え上げられた肉体を見た時は、漫画のキャラクターのように鼻血を噴いてしまいそうになる。
目の前で御劔佑という一人の男性がいるだけで、どうしようもない想いに駆られて一杯一杯になってしまう。
香澄はキャミソールとタップパンツ姿だ。
まずタップパンツが下着ごと引きずり下ろされ、プリンとしたお尻が出てしまう。
体を火照らせ期待していると、佑の手が少し迷ってキャミソールを脱がせてくる。
「……胸は変な感じしないか?」
「どうして?」
胸の膨らみを撫でる手つきが優しすぎて、どこかもどかしい。
いつもなら遠慮無く揉み、すぐに乳首を虐めてくるのに。
質問に質問で返した香澄の様子を見てから、佑は少し迷ったあとやんわりと胸を揉んだ。
「痛くないか?」
「? ううん、痛くないよ?」
佑は香澄をじっと見下ろし、何かに迷っているようだった。
やがて、「ちょっと触って」と香澄の手を導く。
「ん……?」
自分で胸を揉むよう促されたのかと思ったが、佑はどうやら乳首を触らせたいらしい。
不思議に思って指先を這わせると、何か濡れた感触がある。
「なに……これ」
濡れた指先を顔に近付け、匂いを嗅いでみる。――が、特に匂いはしない。
「香澄はいま、一時的におっぱいが出ているんだ」
「……なんで?」
自然に考えるのなら、乳が出るのは出産後だろう。
だが今の香澄はそういう事も考えられず、ただ不思議に思うだけだ。
佑は少し言葉を迷わせ、遠回しな言い方をする。
「今は香澄の体に、おっぱいを出す成分が溜まってしまっているんだ。そのうち収まって出なくなるから、心配しなくていい。下着にくっつくとかあるみたいだから、斎藤さんに頼んで母乳パッドというのを買っておいてもらった」
「……そんなに出るの?」
香澄は首を傾げる。
ギュウッと抱き締められ、香澄は思わずクスクス笑う。
「もー……。物理攻撃はずるい」
そのあともしばらく、彼の首元に手を当て、体をすり寄せたり匂いを嗅いだり、とにかく佑を感じようとした。
――不安で堪らず、ただ佑に触りたい。
――触れ合って、体温を感じて安心したい。
――いっその事、全裸で絡み合って事後の彼の体重を感じたい。
(……淫乱って思われるかな)
いつもなら雰囲気たっぷりに誘えたかもしれないのに、なぜだか今は不安のせいか自分に自信が持てず、思い切った事が言えない。
「香澄? 何がしたい? 横になりたいか?」
佑も何かを察してくれているのか、懸命に香澄の望みを叶えようとしてくれている。
香澄は少し唇を開き――閉じて、を繰り返し、しばらく迷ったあと、ポショッと彼の耳元で囁いた。
「……佑さんに直に触りたい。……えっちしたい」
佑は微かに目を見開いた。
そして返事をする代わりに、彼女を抱く指先にク……と力を込める。
「……ダメ?」
そろりと窺う視線の先には、すでに熱を孕んだ佑の瞳があった。
「……ダメじゃない。俺もしたい。すっごいしたい。…………でも、いいのか?」
まるで愛し合う事がいけない事のように言う佑に、香澄はほんのり頬を染めて笑う。
「……佑さんがほしいの。今すぐ」
慣れているはずなのに、今はとても恥ずかしい。
体がこの上なく熱くなり、香澄はまた佑の肩口に顔を埋めた。
リビングのソファから抱き上げられて運ばれ、香澄が下ろされたのは主寝室のベッドの上だった。
寝かされると同時に佑が覆い被さり、余裕のないキスを仕掛けてくる。
キスをしながら彼は自分のTシャツの裾に手をかけ、息継ぎのタイミングで捲り上げて脱いだ。
「っは…………ぁ」
懸命に酸素を求める香澄は、間接照明に照らされて筋肉の陰影を作る、佑の肉体に興奮した。
「……すき」
佑が好きで、つい本音が漏れた。
優しいところは泣き出しそうなぐらい好きだし、顔も好みすぎて直視できない。
鍛え上げられた肉体を見た時は、漫画のキャラクターのように鼻血を噴いてしまいそうになる。
目の前で御劔佑という一人の男性がいるだけで、どうしようもない想いに駆られて一杯一杯になってしまう。
香澄はキャミソールとタップパンツ姿だ。
まずタップパンツが下着ごと引きずり下ろされ、プリンとしたお尻が出てしまう。
体を火照らせ期待していると、佑の手が少し迷ってキャミソールを脱がせてくる。
「……胸は変な感じしないか?」
「どうして?」
胸の膨らみを撫でる手つきが優しすぎて、どこかもどかしい。
いつもなら遠慮無く揉み、すぐに乳首を虐めてくるのに。
質問に質問で返した香澄の様子を見てから、佑は少し迷ったあとやんわりと胸を揉んだ。
「痛くないか?」
「? ううん、痛くないよ?」
佑は香澄をじっと見下ろし、何かに迷っているようだった。
やがて、「ちょっと触って」と香澄の手を導く。
「ん……?」
自分で胸を揉むよう促されたのかと思ったが、佑はどうやら乳首を触らせたいらしい。
不思議に思って指先を這わせると、何か濡れた感触がある。
「なに……これ」
濡れた指先を顔に近付け、匂いを嗅いでみる。――が、特に匂いはしない。
「香澄はいま、一時的におっぱいが出ているんだ」
「……なんで?」
自然に考えるのなら、乳が出るのは出産後だろう。
だが今の香澄はそういう事も考えられず、ただ不思議に思うだけだ。
佑は少し言葉を迷わせ、遠回しな言い方をする。
「今は香澄の体に、おっぱいを出す成分が溜まってしまっているんだ。そのうち収まって出なくなるから、心配しなくていい。下着にくっつくとかあるみたいだから、斎藤さんに頼んで母乳パッドというのを買っておいてもらった」
「……そんなに出るの?」
香澄は首を傾げる。
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