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第八部・イギリス捜索 編
狂宴の終焉 ★
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『こちらはカスミさん。とても可愛い子でしょう? アジア人フェチの方ならきっとお気に召すはずよ』
香澄の下ろしっぱなしの髪がサラリと掻き上げられ、エミリアが香澄の剥き出しの腕を撫でた。
『脱毛済みで手入れが行き届いている肌だから、触っただけで勃起(エレクト)しちゃうかも』
エミリアの言葉に、男性たちがドッと笑った。
中には香澄の姿を見て、早くもズボンの上から股間を撫でている者もいる。
『それにオプションとして、今ならこんな事もできるのよ』
エミリアが香澄の乳房を掴み、搾るように握った。
すると先端からピュクッと白い乳汁が溢れ、乳房を伝ってゆく。
おぉー……と周囲がどよめき、中には拍手する者もいた。
『でも出産直後じゃないから安心して? 薬の副作用なの。いずれ薬が抜けたらコレもなくなるわ。同時に意識もハッキリしてくるかもしれないけれど……。その時はいい〝ご主人様〟が躾けてくれるといいわね?』
胸の前で掌を合わせてニッコリ笑い、エミリアは言葉を続けた。
『いつもならここでオークションをしてもらうけど、今日は特別よ。じゃんけんで勝った人から、自由に犯していいわ。もちろん中出しOK。最後は誰かが引き取ってくれると助かるわ。私、この子いらないの』
無邪気に笑ったあと、エミリアは香澄を犯す男を募り手を上げた。
『じゃあ、この子を犯したいっていう人、手を上げて! 全員抱けるから焦らなくて大丈夫よ』
エミリアの言葉に男たちが雄叫びを上げ、我も我もと手を上げた。
異様な熱気に包まれたパーティー会場は、周囲から聞こえる喘ぎ声も増えてクライマックスに達していた。
もう早ズボンを下げてペニスを出している者もいる。
気の早い一物をしごいてやる気を見せている男を、エミリアが指さして狂ったように笑った。
ぼんやりと座った香澄は、ただ「騒がしいな」としか思えなかった。
体に力が入らない野医で座っている体勢はつらく、早く横になって眠りたいとだけ思っていた。
周りの物たちが何と言っているか理解できない。
世界から分厚い膜を一枚通して、自分が存在しているように思えた。
先ほどからエミリアが自分に触れているのも、「触られている」とは分かるのだが、きちんと触覚が働いているのかも分からない。
(何だったっけ……)
のったりとした思考のなか、懸命に〝何か〟を考えようとした時――。
いきなり、強い力で体が抱き上げられた。
体ごと仰向けになったので、香澄は自然と自分を抱き上げた人物を目にする事になる。
そこには仮面をつけた黒髪の男性がいて、香澄を見て口角を上げていた。
争ってじゃんけんをする男たちの間をすり抜け、黒髪の男性が香澄を抱き上げた。
それを見てエミリアが笑った。
『あら、あなた気が早いわね? そんなにがっつかなくても大丈夫よ?』
その時、もう一人黒髪の男性がツカツカと近付いたかと思うと、思いきり彼女の頬を叩いた。
バンッ! と凄まじい音がし、エミリアは弾みでガラスのキャビネットにぶつかり派手な音を立てる。
『な――――、何なの! 何するのよ!』
エミリアがヒステリックな声を上げ、男性を罵る。
――が、男性がマスクを取り、その下から現れた顔を見て、彼女は驚愕した。
ルージュを塗られた唇が、震えながら呟く。
『お…………にい、さま……』
目元にあったマスクをむしり取ったのは、青い目を怒りで爛々と光らせた、整った顔立ちの男性だ。
ハッとしてエミリアが香澄を抱き上げた男性を振り向くと、黒髪の彼は自分のジャケットを脱いで彼女に被せていた。
彼は床にうずくまったまま香澄を抱き締め、体を震わせ泣いている。
エミリアが状況を判断して何か言う前に、出入り口近くにいた招待客が『警察だ!!』と叫んだ。
そこから先は、大混乱となった。
何人もの警察がなだれ込んで招待客を検挙しようとし、客の護衛たちと格闘する羽目になる。
「タスク! 無事か!」
その中を双子がすり抜け、香澄を抱き締めてうずくまる黒髪の男性――佑と、兄に打たれて放心しているエミリアを見つけた。
香澄の下ろしっぱなしの髪がサラリと掻き上げられ、エミリアが香澄の剥き出しの腕を撫でた。
『脱毛済みで手入れが行き届いている肌だから、触っただけで勃起(エレクト)しちゃうかも』
エミリアの言葉に、男性たちがドッと笑った。
中には香澄の姿を見て、早くもズボンの上から股間を撫でている者もいる。
『それにオプションとして、今ならこんな事もできるのよ』
エミリアが香澄の乳房を掴み、搾るように握った。
すると先端からピュクッと白い乳汁が溢れ、乳房を伝ってゆく。
おぉー……と周囲がどよめき、中には拍手する者もいた。
『でも出産直後じゃないから安心して? 薬の副作用なの。いずれ薬が抜けたらコレもなくなるわ。同時に意識もハッキリしてくるかもしれないけれど……。その時はいい〝ご主人様〟が躾けてくれるといいわね?』
胸の前で掌を合わせてニッコリ笑い、エミリアは言葉を続けた。
『いつもならここでオークションをしてもらうけど、今日は特別よ。じゃんけんで勝った人から、自由に犯していいわ。もちろん中出しOK。最後は誰かが引き取ってくれると助かるわ。私、この子いらないの』
無邪気に笑ったあと、エミリアは香澄を犯す男を募り手を上げた。
『じゃあ、この子を犯したいっていう人、手を上げて! 全員抱けるから焦らなくて大丈夫よ』
エミリアの言葉に男たちが雄叫びを上げ、我も我もと手を上げた。
異様な熱気に包まれたパーティー会場は、周囲から聞こえる喘ぎ声も増えてクライマックスに達していた。
もう早ズボンを下げてペニスを出している者もいる。
気の早い一物をしごいてやる気を見せている男を、エミリアが指さして狂ったように笑った。
ぼんやりと座った香澄は、ただ「騒がしいな」としか思えなかった。
体に力が入らない野医で座っている体勢はつらく、早く横になって眠りたいとだけ思っていた。
周りの物たちが何と言っているか理解できない。
世界から分厚い膜を一枚通して、自分が存在しているように思えた。
先ほどからエミリアが自分に触れているのも、「触られている」とは分かるのだが、きちんと触覚が働いているのかも分からない。
(何だったっけ……)
のったりとした思考のなか、懸命に〝何か〟を考えようとした時――。
いきなり、強い力で体が抱き上げられた。
体ごと仰向けになったので、香澄は自然と自分を抱き上げた人物を目にする事になる。
そこには仮面をつけた黒髪の男性がいて、香澄を見て口角を上げていた。
争ってじゃんけんをする男たちの間をすり抜け、黒髪の男性が香澄を抱き上げた。
それを見てエミリアが笑った。
『あら、あなた気が早いわね? そんなにがっつかなくても大丈夫よ?』
その時、もう一人黒髪の男性がツカツカと近付いたかと思うと、思いきり彼女の頬を叩いた。
バンッ! と凄まじい音がし、エミリアは弾みでガラスのキャビネットにぶつかり派手な音を立てる。
『な――――、何なの! 何するのよ!』
エミリアがヒステリックな声を上げ、男性を罵る。
――が、男性がマスクを取り、その下から現れた顔を見て、彼女は驚愕した。
ルージュを塗られた唇が、震えながら呟く。
『お…………にい、さま……』
目元にあったマスクをむしり取ったのは、青い目を怒りで爛々と光らせた、整った顔立ちの男性だ。
ハッとしてエミリアが香澄を抱き上げた男性を振り向くと、黒髪の彼は自分のジャケットを脱いで彼女に被せていた。
彼は床にうずくまったまま香澄を抱き締め、体を震わせ泣いている。
エミリアが状況を判断して何か言う前に、出入り口近くにいた招待客が『警察だ!!』と叫んだ。
そこから先は、大混乱となった。
何人もの警察がなだれ込んで招待客を検挙しようとし、客の護衛たちと格闘する羽目になる。
「タスク! 無事か!」
その中を双子がすり抜け、香澄を抱き締めてうずくまる黒髪の男性――佑と、兄に打たれて放心しているエミリアを見つけた。
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