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第七部・双子襲来 編

懐かしのホテルで ☆

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 駐車場からホテル内部に入る入り口には、支配人と思しき男性とコンシェルジュ、他のスタッフが出迎えている。

「お帰りなさいませ、御劔様」

 うやうやしくお辞儀をした支配人に、佑は「またお世話になります」と微笑んだ。

 荷物はポーターが運んでくれ、佑と香澄はホテル内に案内される。

 佑は〝お得意さん〟になるぐらい札幌に来ているようで、このホテルに来た時の対応もスムーズだ。
 双子も佑の同行者として連絡していたからか、佑たちと一緒にスイートルームのあるフロアまで移動する。

「じゃあ、俺たちはここで」

 同じフロアだが部屋は違う。
 佑はニッコリと微笑むと、香澄の肩を抱いて悠々といつもの部屋へ入った。

 背後から双子の文句が聞こえた気がしたが、ドアに閉ざされて聞こえなくなる。

「わぁ、懐かしい」

 二十二階のスイートルームは記憶にあるままだ。
 リビングのテーブルにはウェルカムフルーツが用意されてあり、シャンパンも冷やされてあった。

「ここで……採寸されたっけ」

 あの時の恥ずかしさを思い出して呟くと、佑がクスクス笑う。

「ごめん。あれは俺も半ば強引だった。どうしても香澄と話したくて、君の気を引きたくて思いつく限りの手を使った」
「……でしょー……。何か変だと思ったもん」

 ゆっくりソファに歩み寄って腰を下ろすと、札幌の夜景や遠くに見える藻岩山の明かりを見る。

 佑も香澄の隣に座り、肩を組むとちゅっと頬にキスをする。

「おいで、香澄」

 佑が両腕を広げて甘やかに微笑む。
 その顔を見ただけできゅんと胸が切なくなった香澄は、彼の胸の中に飛び込んだ。
 佑の膝の上に乗り、肩口にスリスリと顔を押しつけていると、耳を甘噛みされた。

「あの時、見初めてくれてありがとう」

 香澄は彼の耳に囁き、耳朶にキスをする。

 無言で抱き締められ、抱き締め返し、二人は互いの体温と香りに酔ってゆく。
 香澄の背中と腰を支えていた佑の手が、スル……と下りて柔らかい生地越しに尻肉を揉んだ。

「ん……」

 もぞ……と腰を蠢かせると、少し身を引いた佑が香澄の顎を捉え、顔を傾けキスをしてきた。

「んぅ……、ん、……ちゅ」

 香澄も積極的に佑の唇をついばみ、二人は舌で探り合う。

 佑が香澄のカットソーを引っ張って、インしていたウエストから引き抜く。
 そして裾から手が侵入し、あっという間にブラジャーのホックを外した。

「あ……っ」

 香澄は締め付けがなくなり、心許ない声を上げる。
 彼女の胸の先端を、佑はクニクニと指の腹で転がし、少しずつ勃起させていった。

「ん……っ、ふ、……うぅ、んむ、……ぅっ」

 昂ぶってきた香澄は、自分で佑の腰を跨いで向かい合わせになった。
 ズボンの上から佑の股間を撫でると、既にそこは硬くなって盛り上がっている。

(佑さん……。欲しがってくれてる)

 嬉しくなった香澄は、自分も同じように彼のTシャツの裾から手を入れ、割れた腹筋をなぞり、胸板を撫で回す。

(男の人も感じるのかな……)

 指で佑の乳首をクリクリと弄り回すと、佑に下唇を甘噛みされた。

「んぅっ」
「……こら」

 低くうなった佑に押し倒されたかと思うと、佑は香澄の服と下着を脱がせ、自分もTシャツを脱いで放り投げる。

 急に彼の本気を感じた香澄は、今さらになって照れてストップをかけようとする。

「あの……、するの? シャワー入らない? 夏だしちょっと気になる」

 両手で胸を隠し照れながら尋ねても、佑の手は止まらない。
 香澄のスカートを捲り上げるとパンティに手をかけ、躊躇いなくねじり下ろそうとする。

 ――と。

 ぐぅぅ……と色気のない音がし、香澄はバッと腹部を押さえた。
 佑が目をまん丸にしている前で、香澄のお腹がまた、くぅ……きゅるる……と空腹を訴える。

「っごめ……っ、ごめんなさいっ」

 香澄はあまりに恥ずかしくて、お腹を抱えたままソファの背もたれに顔を埋めた。

 懸命に庇っているというのに、トドメにぐぉん……と猫のうなり声のような音が鳴る。
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