329 / 1,549
第七部・双子襲来 編
懐かしのホテルで ☆
しおりを挟む
駐車場からホテル内部に入る入り口には、支配人と思しき男性とコンシェルジュ、他のスタッフが出迎えている。
「お帰りなさいませ、御劔様」
うやうやしくお辞儀をした支配人に、佑は「またお世話になります」と微笑んだ。
荷物はポーターが運んでくれ、佑と香澄はホテル内に案内される。
佑は〝お得意さん〟になるぐらい札幌に来ているようで、このホテルに来た時の対応もスムーズだ。
双子も佑の同行者として連絡していたからか、佑たちと一緒にスイートルームのあるフロアまで移動する。
「じゃあ、俺たちはここで」
同じフロアだが部屋は違う。
佑はニッコリと微笑むと、香澄の肩を抱いて悠々といつもの部屋へ入った。
背後から双子の文句が聞こえた気がしたが、ドアに閉ざされて聞こえなくなる。
「わぁ、懐かしい」
二十二階のスイートルームは記憶にあるままだ。
リビングのテーブルにはウェルカムフルーツが用意されてあり、シャンパンも冷やされてあった。
「ここで……採寸されたっけ」
あの時の恥ずかしさを思い出して呟くと、佑がクスクス笑う。
「ごめん。あれは俺も半ば強引だった。どうしても香澄と話したくて、君の気を引きたくて思いつく限りの手を使った」
「……でしょー……。何か変だと思ったもん」
ゆっくりソファに歩み寄って腰を下ろすと、札幌の夜景や遠くに見える藻岩山の明かりを見る。
佑も香澄の隣に座り、肩を組むとちゅっと頬にキスをする。
「おいで、香澄」
佑が両腕を広げて甘やかに微笑む。
その顔を見ただけできゅんと胸が切なくなった香澄は、彼の胸の中に飛び込んだ。
佑の膝の上に乗り、肩口にスリスリと顔を押しつけていると、耳を甘噛みされた。
「あの時、見初めてくれてありがとう」
香澄は彼の耳に囁き、耳朶にキスをする。
無言で抱き締められ、抱き締め返し、二人は互いの体温と香りに酔ってゆく。
香澄の背中と腰を支えていた佑の手が、スル……と下りて柔らかい生地越しに尻肉を揉んだ。
「ん……」
もぞ……と腰を蠢かせると、少し身を引いた佑が香澄の顎を捉え、顔を傾けキスをしてきた。
「んぅ……、ん、……ちゅ」
香澄も積極的に佑の唇をついばみ、二人は舌で探り合う。
佑が香澄のカットソーを引っ張って、インしていたウエストから引き抜く。
そして裾から手が侵入し、あっという間にブラジャーのホックを外した。
「あ……っ」
香澄は締め付けがなくなり、心許ない声を上げる。
彼女の胸の先端を、佑はクニクニと指の腹で転がし、少しずつ勃起させていった。
「ん……っ、ふ、……うぅ、んむ、……ぅっ」
昂ぶってきた香澄は、自分で佑の腰を跨いで向かい合わせになった。
ズボンの上から佑の股間を撫でると、既にそこは硬くなって盛り上がっている。
(佑さん……。欲しがってくれてる)
嬉しくなった香澄は、自分も同じように彼のTシャツの裾から手を入れ、割れた腹筋をなぞり、胸板を撫で回す。
(男の人も感じるのかな……)
指で佑の乳首をクリクリと弄り回すと、佑に下唇を甘噛みされた。
「んぅっ」
「……こら」
低くうなった佑に押し倒されたかと思うと、佑は香澄の服と下着を脱がせ、自分もTシャツを脱いで放り投げる。
急に彼の本気を感じた香澄は、今さらになって照れてストップをかけようとする。
「あの……、するの? シャワー入らない? 夏だしちょっと気になる」
両手で胸を隠し照れながら尋ねても、佑の手は止まらない。
香澄のスカートを捲り上げるとパンティに手をかけ、躊躇いなくねじり下ろそうとする。
――と。
ぐぅぅ……と色気のない音がし、香澄はバッと腹部を押さえた。
佑が目をまん丸にしている前で、香澄のお腹がまた、くぅ……きゅるる……と空腹を訴える。
「っごめ……っ、ごめんなさいっ」
香澄はあまりに恥ずかしくて、お腹を抱えたままソファの背もたれに顔を埋めた。
懸命に庇っているというのに、トドメにぐぉん……と猫のうなり声のような音が鳴る。
「お帰りなさいませ、御劔様」
うやうやしくお辞儀をした支配人に、佑は「またお世話になります」と微笑んだ。
荷物はポーターが運んでくれ、佑と香澄はホテル内に案内される。
佑は〝お得意さん〟になるぐらい札幌に来ているようで、このホテルに来た時の対応もスムーズだ。
双子も佑の同行者として連絡していたからか、佑たちと一緒にスイートルームのあるフロアまで移動する。
「じゃあ、俺たちはここで」
同じフロアだが部屋は違う。
佑はニッコリと微笑むと、香澄の肩を抱いて悠々といつもの部屋へ入った。
背後から双子の文句が聞こえた気がしたが、ドアに閉ざされて聞こえなくなる。
「わぁ、懐かしい」
二十二階のスイートルームは記憶にあるままだ。
リビングのテーブルにはウェルカムフルーツが用意されてあり、シャンパンも冷やされてあった。
「ここで……採寸されたっけ」
あの時の恥ずかしさを思い出して呟くと、佑がクスクス笑う。
「ごめん。あれは俺も半ば強引だった。どうしても香澄と話したくて、君の気を引きたくて思いつく限りの手を使った」
「……でしょー……。何か変だと思ったもん」
ゆっくりソファに歩み寄って腰を下ろすと、札幌の夜景や遠くに見える藻岩山の明かりを見る。
佑も香澄の隣に座り、肩を組むとちゅっと頬にキスをする。
「おいで、香澄」
佑が両腕を広げて甘やかに微笑む。
その顔を見ただけできゅんと胸が切なくなった香澄は、彼の胸の中に飛び込んだ。
佑の膝の上に乗り、肩口にスリスリと顔を押しつけていると、耳を甘噛みされた。
「あの時、見初めてくれてありがとう」
香澄は彼の耳に囁き、耳朶にキスをする。
無言で抱き締められ、抱き締め返し、二人は互いの体温と香りに酔ってゆく。
香澄の背中と腰を支えていた佑の手が、スル……と下りて柔らかい生地越しに尻肉を揉んだ。
「ん……」
もぞ……と腰を蠢かせると、少し身を引いた佑が香澄の顎を捉え、顔を傾けキスをしてきた。
「んぅ……、ん、……ちゅ」
香澄も積極的に佑の唇をついばみ、二人は舌で探り合う。
佑が香澄のカットソーを引っ張って、インしていたウエストから引き抜く。
そして裾から手が侵入し、あっという間にブラジャーのホックを外した。
「あ……っ」
香澄は締め付けがなくなり、心許ない声を上げる。
彼女の胸の先端を、佑はクニクニと指の腹で転がし、少しずつ勃起させていった。
「ん……っ、ふ、……うぅ、んむ、……ぅっ」
昂ぶってきた香澄は、自分で佑の腰を跨いで向かい合わせになった。
ズボンの上から佑の股間を撫でると、既にそこは硬くなって盛り上がっている。
(佑さん……。欲しがってくれてる)
嬉しくなった香澄は、自分も同じように彼のTシャツの裾から手を入れ、割れた腹筋をなぞり、胸板を撫で回す。
(男の人も感じるのかな……)
指で佑の乳首をクリクリと弄り回すと、佑に下唇を甘噛みされた。
「んぅっ」
「……こら」
低くうなった佑に押し倒されたかと思うと、佑は香澄の服と下着を脱がせ、自分もTシャツを脱いで放り投げる。
急に彼の本気を感じた香澄は、今さらになって照れてストップをかけようとする。
「あの……、するの? シャワー入らない? 夏だしちょっと気になる」
両手で胸を隠し照れながら尋ねても、佑の手は止まらない。
香澄のスカートを捲り上げるとパンティに手をかけ、躊躇いなくねじり下ろそうとする。
――と。
ぐぅぅ……と色気のない音がし、香澄はバッと腹部を押さえた。
佑が目をまん丸にしている前で、香澄のお腹がまた、くぅ……きゅるる……と空腹を訴える。
「っごめ……っ、ごめんなさいっ」
香澄はあまりに恥ずかしくて、お腹を抱えたままソファの背もたれに顔を埋めた。
懸命に庇っているというのに、トドメにぐぉん……と猫のうなり声のような音が鳴る。
44
お気に入りに追加
2,546
あなたにおすすめの小説
『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!
臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。
やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。
他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。
(他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)
地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~
あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる