【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

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第七部・双子襲来 編

見せつけキス

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 緊張と羞恥で頭がおかしくなりそうなのに、佑に与えられるキスの気持ちよさの方が上回ってしまう。

 柔らかでぬめらかな舌に何度も舌をヌルヌルと弄ばれていると、頭の中がボーッとして、何も考えられなくなってきた。
 無意識に舌を絡めると、ジュウッと舌を吸われた。

「ぁ……、は……ん。ん、んぅ、ん、ちゅ、……ぁ、は……」

 やんわりと佑の頭を抱き締めると、ご褒美と言わんばかりに尻肉を揉みしだかれる。
 ぎゅう……と大きな手で揉まれるたびに、花芯からポトリと蜜を滴らせてしまいそうだ。

 香澄の腰は揺れ、気持ちが昂ぶってくる。

 ――と。

「やっべ……。勃つ」
「カスミってこんな色っぽかったの? クソ、あの尻揉みたい」

「――――っ」

 双子が背後にいたのを忘れかけていた香澄は、ビクッとして思わず顔を離す。
 目の前には咎めるような目をした佑がいて、少し睨まれた。

 だが彼は「まぁいいか」と呟いたあと、双子に向かって告げた。

「いいか? 香澄に触っていいのは俺だけだ。ここは俺の家で、俺は香澄に何をしてもいい。お前らは部外者だから、ここにいたいなら常識の範囲内で大人しくしてろ。俺の香澄を見て性欲が溜まったなら、とっととここを出てホテルに戻って女を呼んでくれ」

 香澄を抱き締めて顔を見せないまま、佑は御劔邸の主として命令をくだす。

「あー……くっそ。言ってること正論なだけに反論できねぇ」
「僕もカスミに触りたいよ! 抱き締めるだけでいいから!」

 わめくクラウスに、佑はにっこり笑って親指で玄関の方を差した。

「Geh raus(出てけ)」
「…………」

 きっぱりとした『NO』に、さすがにクラウスも半眼になり黙り込む。

 今まで双子におちょくられる事はあっても、佑は香澄に気遣って、それほど強い対応をしないでいた。

 だがここは彼の家だ。

 不在中に上がり込んで、彼の婚約者に触れていいはずがない。

 ここでは佑が法で、香澄が女主人だ。
 その法を破ったのなら、幾ら従兄であってもその身に分からせるやり方で、意志を示さなくてはいけない。

「あの……。佑さん。恥ずかしい……」

 蚊が鳴くような声で香澄が不満を漏らす。
 けれど窘めるようにチュッとキスをされただけだった。

「香澄? 君にはもっと早く報告してもらいたかった。奴らが押しかけてきて逆らえなかったのは想像できるけど、メッセージの一つを飛ばすぐらいできるだろう?」

 もう怒ってはいないけれど、佑の言う事はもっともだ。

「ご……、ごめんなさい。日本だし、家から放り出したらどうなるか心配で……」

 香澄らしいともいえる答えを聞き、佑は深い溜め息をつく。

「こいつらはもうとっくに成人してるし、金も腐るほど持ってる。来日した時はいつも星のつくホテルに泊まっているし、東京には友達もいる。日本語が話せるから通訳いらずだし、観光がしたければ自分たちで勝手に行動すればいい。腹が減ったら自分で店に行けばいい。香澄が気を遣う相手じゃない。分かる?」

「う……、はい……」

「香澄がお人好しで、つい世話を焼きたがる気持ちは分かる。だが世の男は世話を焼かなくても、一人で旅行を楽しめるから大丈夫だ。君が心を砕くのは、俺一人だけで十分だよ。これ以上ダメンズメーカーになったら駄目だ」

 香澄からよく「駄目人間製造機」と言われている意趣返しなのか、とんでもない二つ名を与えられかける。

「ごめんなさい……」

 しょんぼり謝った時、なぜか双子がフォローしてきた。

「そう言うなってタスク。カスミはケガしてるのにデートに付き合ってくれたり、ご飯作ってくれたり、一緒にスーパー行って時期でもないゾウニ作ってくれたんだぜ? 部屋も風呂も用意してくれたし、ホテルのコンシェルジュ並みの働きだったよ」

「そうそう。カスミの手料理んまかったなぁ」

 フォローしてると思いつつ、双子はさりげなく佑を煽っている。
 それに気付かない佑でもなく、ジロリと双子を睨んだ。

「……お前ら、わざとだろ。出張に行ってた俺が一番香澄の手料理食いたいのに……。俺だって雑煮好きなんだよ」

 雑煮と言われて、香澄はハッとキッチンの鍋を思い出した。

「あ……あ! 昆布!」

 お仕置きですっかり忘れていたが、鍋の中に昆布を入れっぱなしだった。

「昆布?」

 香澄は一旦よじよじと佑の膝の上から下りた。
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