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第七部・双子襲来 編

公開処刑

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「……頼むから、本当にやめてくれ」

 心底うんざりという顔で言い捨て、佑は双子の向かいにドサッと腰掛ける。

 やがて、とた、とた、と頼りない香澄の足音が聞こえた。

「あーあ。可哀相に。ふらついてるぞ。どんだけ激しかったんだよ」
「っていうか、声聞こえなかったんだけど?」

「お前らに聞かせる香澄の声なんて、欠片もない」

 ジト目の双子に佑はピシャリと言い捨て、彼女を迎えるために立ち上がった。





 いっぽう香澄は、逆流して下着を濡らす精液の感触に真っ赤になっていた。

 まだガクガクと震える脚で懸命に歩いているのだが、今にも腰が抜けて座り込んでしまいそうだ。

 それでも下に佑と双子がいるのに、いつまでも休めない。
 階下から争う物音は聞こえないものの、佑がとてつもなく怒っていたので、双子とどんな会話を交わすか心配で堪らない。

 双子を庇いたい訳ではない。
 ただ、争い事が嫌なだけだ。

 腹部に振動がかからないように丁寧に歩を進めるが、生理の時のようにお腹の中で何かが滴るのが分かり、何とも言えない気持ちになる。

(もう……。一杯出しすぎ)

 唇を突き出し赤面しつつも、香澄は佑が下着を穿かせてくれて良かったと心底思っていた。

 こんなに沢山出されてしまっては、今頃あの高級な寝具に染みをつけてしまっていた。
 その前の口淫で、もうすでに濡らしてしまってはいたのだが……。

(してたって、やっぱりバレちゃってるのかな……。どうしよう、恥ずかしい)

 壁に手をついてエレベーターまで向かうと、ポチリと一階のボタンを押す。

(どんな顔をしてリビングに入ったらいいのかな……)

 悩みながらも一階についてドアが開いた時、玄関ホールに彼のスーツケースやお土産が置きっぱなしなのに気付いた。

(部屋まで持っていってあげよう)

 そう思ってスーツケースの取っ手に手を出した時、リビングから佑が出てきた。

「いいよ、俺がやるから」

 さっきの今で彼の姿を見て、ドキンッと鼓動が高鳴る。

 思わず固まっている香澄の顔を覗き込み、佑は申し訳なさそうな、それでも……という顔をする。
 それから溜め息をつき、やはり折れてくれた。

「ごめん。乱暴にしすぎた。大丈夫だった?」

 心配してくれたと分かった途端、香澄は思わず笑顔になった。

「うん、大丈夫」

 香澄がニコニコ笑っているからか、佑も思わず苦笑いする。

「ごめん。愛してる」

 チュッとキスをしてくれたものだから、それですべてを許してしまった。

(やっぱり優しい……)

 惚れた弱みなのかもしれないが、やはり佑が好きで堪らない。
 彼は香澄の手からヒョイと荷物を受け取ると、玄関ホールの隅に荷物を纏めた。

「あとから自分で持って行くから、香澄は重たい物を手にしなくていいからな?」
「ん、ありがとう」

 それから彼は「おいで」と手を引いて、香澄をリビングにへ連れて行った。

(強制連行! まだ心の準備が!)

 思わず冷や汗を垂らした香澄は、必死に逃走を試みる。

「あ……。の。た、佑さんのコーヒー淹れるね」

 双子がジッと自分を見てくうるので恥ずかしくて堪らず、香澄はキッチンに逃走しようとする。

 だが佑に腕を掴まれてソファまでつれて行かれると、問答無用で彼の膝の上に乗せられた。
 しかも彼の腰を跨いで向かい合わせになる体勢だ。

(駄目ー!! 対面座位!!)

 心の中で絶叫した香澄は、必死に抵抗する。

「ちょ……っ、あのっ。お、お二人に背中向けてますし、人前でこんな……」
「人前? 気を遣うような〝人〟じゃないから大丈夫だ」

 ニッコリと黒い笑みを浮かべた佑は、彼女を抱き寄せキスをしてきた。

「んん!?」

 双子が見ている前でキスをされ、香澄は慌てて両手を突っ張らせ抵抗する。
 だが話にならない力で抱き締められ、後頭部と腰をしっかり押さえられた上で深いキスをされてしまう。

「ん……、んぁ。……ぁん、ん、……んぅ」

 佑の大きな手が香澄の腰からお尻を撫で回し、時にぎゅうっと尻たぶを掴む。
 そのたびに快楽の残滓が刺激され、香澄は新たに蜜を滴らせた。

 背中に双子の視線が突き刺さるほど感じる。
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