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第七部・双子襲来 編
双子の反撃
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「ただし、その壊滅的な服のセンスとだらしない体型を改めたらね? 俺たちのマスコットガールになるなら、最低限の服のセンスとプロポーションがないと、隣に立つ資格すらないよ」
笑顔で言い放ったアロイスの言葉に、三人の笑顔が凍った。
(あぁ……)
香澄は内心頭を抱え、双子の反撃を見守るしかない。
双子は佑と同じで、やられたら倍以上に返さないと気が済まないタイプだ。
おまけに彼らは笑顔のままとんでもない毒を吐く。
相手の気分を害してもなんとも思わない、天性の雰囲気クラッシャーだ。
「僕たちがどうしてカスミと一緒にいるか分かる? 洗練されてて性格も可愛いからだよ。プロポーションがいい上に、好きな男のために健気な努力を惜しまない。しかもそれを『努力してます』って主張せず、いつも控えめだ。そういう日本人の女の子は大好きだよ? もう無条件で愛したいぐらいに」
脚を組み腕も組んだクラウスは、三人のつま先から頭のてっぺんまでを舐めるように見る。
「まず右側の子。靴が汚い。磨いてない上に踵の内側が傷付いてて、がに股なの丸出し。だから骨盤も歪むしお腹も出てる。スマホばっか見てるからか、首が前に出てて格好悪いよ。背中が曲がってますますお腹が出る。あとトップスをインするのはいいけど、お腹が出てると興ざめだ」
明野の顔が羞恥に赤くなり、慌てて自分の腹部を押さえ靴を確認する。
「左側の子はラクしようとしてスニーカーでカジュアルに崩してるけど、キレイめコーデに全然合ってなくてぶち壊し。服はそれなりにいい物なのに、アクセサリーがチープすぎてバランスが取れてない。あと丸顔なのに大ぶりのアクセントピアスつけてて、丸い顔が余計丸く見える」
明野が反射的に、バッとピアスに手を掛けた。
クラウスの目が捕食者のように、飯山に向けられる。
「真ん中の子は自分の外見を分かってるみたいで、色のセンスもコーディネイトもまぁまぁ合格。高いヒール履いても膝がカクカクしないのは合格点」
飯山は安堵したように口角を上げる。
「でも臭い! 隠れて煙草吸ってるでしょ? 通っただけでプンプン匂うんだよね。それを誤魔化すように香水つけてるから、ほんっとうに臭い。飲食店来ないでくれる?」
外見を指摘されるならまだしも、「臭い」と言われて飯山の顔がカァッと赤くなった。
「おまけに煙草吸ってるから、歯が黄ばんでるよ。その様子だとお酒も結構飲むんじゃない? 赤ワインが美味しいのは分かるけど、歯の黄ばみが本当に酷い」
「…………っ」
図星だったのか、飯山は口を引き結び顔を引き攣らせたまま、何も言わない。
クラウスが全員のファッションチェックを終えたあと、アロイスがより明るい笑みを浮かべる。
「最低限それを直してダイエットして、性格も叩き直してきたら俺たちの所においで。孔があるなら一回ぐらい使ってあげる」
(うわぁ……)
最後の最後で下品なとどめがきて、香澄は頭痛を抑えて三人を見やる。
「最っ低。いいのは顔だけの、口うるさい下半身男じゃないの」
飯山が吐き捨て、席から立ち上がる。
「その最低な男の外見だけ見て、媚びた顔してたのが君たちだろ? どこの国の男かも分からない、知ろうとしない。外見と肩書きだけで判断して、発情期の猫みたいな声を出す。自分たちにワンチャンあると思ってるの? 僕たちが日本語を理解してないと思って、平気で連れを愚弄した。ハッキリ言って君たちみたいな存在、僕たちにとって〝女の子〟でもないただのゴミなんだけど。会話してやっただけでもありがたく思ってくれない?」
クラウスの言葉のあとにすかさずアロイスが続く。
「だからクビにされるんだよ。外でも社内いじめの延長してるから、人間性の程度が知れる。カスミがタスクに何か一言いったら、自分たちの再就職も絶望的だって考えないの? おめでたいね」
アロイスの言葉を聞き、益田と明野は佑が自分たちの再就職にまで影響を与えるかもしれないと、考えていなかったようだった。
彼女たちは香澄に縋るような目を向けてくる。
「あの、赤松さん。今の冗談だから」
「そうそう。赤松さんって社長秘書だし、選ばれた人だなーって思ってるし……」
見え透いたお世辞を言われ、香澄は何とも言えない気持ちになる。
「私は佑さんに何も言いません。ですから……」
もうこれ以上、この場の空気を吸っていたくない。
今にも席を立ちたい気分になったまま、香澄は彼女たちに向ける言葉を考える。
そもそも佑に告げ口するつもりなどない。
だが双子に煽られた彼女たちは、香澄から納得する言葉を引き出すまで諦めなさそうな感じがする。
その時、アロイスが口を開いた。
笑顔で言い放ったアロイスの言葉に、三人の笑顔が凍った。
(あぁ……)
香澄は内心頭を抱え、双子の反撃を見守るしかない。
双子は佑と同じで、やられたら倍以上に返さないと気が済まないタイプだ。
おまけに彼らは笑顔のままとんでもない毒を吐く。
相手の気分を害してもなんとも思わない、天性の雰囲気クラッシャーだ。
「僕たちがどうしてカスミと一緒にいるか分かる? 洗練されてて性格も可愛いからだよ。プロポーションがいい上に、好きな男のために健気な努力を惜しまない。しかもそれを『努力してます』って主張せず、いつも控えめだ。そういう日本人の女の子は大好きだよ? もう無条件で愛したいぐらいに」
脚を組み腕も組んだクラウスは、三人のつま先から頭のてっぺんまでを舐めるように見る。
「まず右側の子。靴が汚い。磨いてない上に踵の内側が傷付いてて、がに股なの丸出し。だから骨盤も歪むしお腹も出てる。スマホばっか見てるからか、首が前に出てて格好悪いよ。背中が曲がってますますお腹が出る。あとトップスをインするのはいいけど、お腹が出てると興ざめだ」
明野の顔が羞恥に赤くなり、慌てて自分の腹部を押さえ靴を確認する。
「左側の子はラクしようとしてスニーカーでカジュアルに崩してるけど、キレイめコーデに全然合ってなくてぶち壊し。服はそれなりにいい物なのに、アクセサリーがチープすぎてバランスが取れてない。あと丸顔なのに大ぶりのアクセントピアスつけてて、丸い顔が余計丸く見える」
明野が反射的に、バッとピアスに手を掛けた。
クラウスの目が捕食者のように、飯山に向けられる。
「真ん中の子は自分の外見を分かってるみたいで、色のセンスもコーディネイトもまぁまぁ合格。高いヒール履いても膝がカクカクしないのは合格点」
飯山は安堵したように口角を上げる。
「でも臭い! 隠れて煙草吸ってるでしょ? 通っただけでプンプン匂うんだよね。それを誤魔化すように香水つけてるから、ほんっとうに臭い。飲食店来ないでくれる?」
外見を指摘されるならまだしも、「臭い」と言われて飯山の顔がカァッと赤くなった。
「おまけに煙草吸ってるから、歯が黄ばんでるよ。その様子だとお酒も結構飲むんじゃない? 赤ワインが美味しいのは分かるけど、歯の黄ばみが本当に酷い」
「…………っ」
図星だったのか、飯山は口を引き結び顔を引き攣らせたまま、何も言わない。
クラウスが全員のファッションチェックを終えたあと、アロイスがより明るい笑みを浮かべる。
「最低限それを直してダイエットして、性格も叩き直してきたら俺たちの所においで。孔があるなら一回ぐらい使ってあげる」
(うわぁ……)
最後の最後で下品なとどめがきて、香澄は頭痛を抑えて三人を見やる。
「最っ低。いいのは顔だけの、口うるさい下半身男じゃないの」
飯山が吐き捨て、席から立ち上がる。
「その最低な男の外見だけ見て、媚びた顔してたのが君たちだろ? どこの国の男かも分からない、知ろうとしない。外見と肩書きだけで判断して、発情期の猫みたいな声を出す。自分たちにワンチャンあると思ってるの? 僕たちが日本語を理解してないと思って、平気で連れを愚弄した。ハッキリ言って君たちみたいな存在、僕たちにとって〝女の子〟でもないただのゴミなんだけど。会話してやっただけでもありがたく思ってくれない?」
クラウスの言葉のあとにすかさずアロイスが続く。
「だからクビにされるんだよ。外でも社内いじめの延長してるから、人間性の程度が知れる。カスミがタスクに何か一言いったら、自分たちの再就職も絶望的だって考えないの? おめでたいね」
アロイスの言葉を聞き、益田と明野は佑が自分たちの再就職にまで影響を与えるかもしれないと、考えていなかったようだった。
彼女たちは香澄に縋るような目を向けてくる。
「あの、赤松さん。今の冗談だから」
「そうそう。赤松さんって社長秘書だし、選ばれた人だなーって思ってるし……」
見え透いたお世辞を言われ、香澄は何とも言えない気持ちになる。
「私は佑さんに何も言いません。ですから……」
もうこれ以上、この場の空気を吸っていたくない。
今にも席を立ちたい気分になったまま、香澄は彼女たちに向ける言葉を考える。
そもそも佑に告げ口するつもりなどない。
だが双子に煽られた彼女たちは、香澄から納得する言葉を引き出すまで諦めなさそうな感じがする。
その時、アロイスが口を開いた。
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