251 / 1,544
第六部・社内旅行 編
ここ、好きでしょう? ☆
しおりを挟む
「再会した時は『久しぶり』とか社交辞令での『綺麗になった』ぐらいしか言っていないよ。十年以上会っていなかったから、そもそも話題もないし。俺が言う以上の褒め言葉は、アロクラが自動的に言ってくれる」
「そっかぁ……。やっぱりお二人はすべての女性にああいう感じなんだね。ちょっと安心した」
もし自分が佑の婚約者という立場で、特別に接されていたのならどうしよう……と、つい深く考えるところだった。
コネクターナウの通知も異常な数字がつくし、必要以上に気に入られていたのなら、どうやって今後かわしていったらいいのか少し悩んでいた。
が、彼らが「女の子」の話をしていたのは聞いていたし、女性には等しく優しくしている中の一人……とは思っていたのだが。
「香澄。あんまりアロクラの言葉は真に受けるなよ? 香澄が可愛いのは事実だけど、あいつらは色んな言葉が多すぎるから」
「うん、分かってる」
騒がしい双子を思い出し、香澄は思わず笑う。
側にいた時はとんでもない存在感があり、あちこち引っ張られて疲れてしまうが、安全圏まで避難したあとでは「面白い人たちだな」という感想がある。
常に一緒にいるのは御免被りたいが、嫌いな訳ではないし、彼らのストレートさは美徳だと思っている。
なので本当にたまになら、一緒に過ごすのもアリだと思っている。
「あ、そうだ。温泉」
お風呂の水面を見ていたからか、香澄は会社の懇親会を思い出した。
「ん? 温泉? どこか行きたい?」
「や、そうじゃなくて。会社の……」
デートかと思って目を輝かせた佑だったが、スンッとテンションを下げる。
「そうか、もう少しだな。……行きたい?」
「ん、うーん……」
行きたいのは山々なのだが、休養中の自分が懇親会だけ顔を出すのは気が引ける。
モゴモゴと言葉を選んでいると、「そうか」と佑が頷いた。
「じゃあ、香澄とはまったくの私用で行こう。草津には俺の馴染みの宿があるから、そこに二人で泊まればいい。俺は一応他の社員と同じホテルに部屋を取るけど、早々に切り上げて香澄の方に向かうから」
「うーん。それならいいのかもしれないけど……。勿体ないよ?」
「社員との懇親会は社用だし、香澄との宿は婚約者用だし、無駄な出費ではないと思うけど?」
「譲らないね?」
佑もこうと決めたら譲らない部分がある。
思わず微笑むと、佑は口端をもたげ不敵に笑った。
「好きな女の望みなら、何だって叶えたいと思うのは男の甲斐性じゃないか」
「ふふ……。じゃあ、お言葉に甘えようかな? でも皆と過ごす時間は、ちゃんと会社の人たちと一緒にいてね?」
「社長としての務めはちゃんと果たすよ。けど、移動は社員たちは貸し切りバスだけど、俺は車で別行動なのは変わらない。レクレーション的な事は社員同士で任せるよ。幹事もいるし。俺はホテルで合流して、少し挨拶をして一緒に食事をする程度でいいと思っている。というか、毎年そうだ」
「毎年そうなの?」
目を瞬かせまじまじと見ると、彼は少しばつが悪そうに視線を逸らす。
「社員の事は大事だけど、余暇はのんびり過ごししたい。もうそんなに若くないと思ってるし、はしゃぐのは若い社員同士でいいかな……と」
「……もおおおお……。精神年齢おじいちゃんだなぁ!」
バシャ! と水音をたてて佑の腰をまたぐと、香澄は向かい合わせに座る。
「駄目だよ? そういうの。色々億劫になる気持ちは分かるけど、そういう時こそ若者からエキスを搾り取らないと!」
「エキス……しぼり……ふ、くっ……」
香澄の言い方がツボだったのか、佑は口元を押さえて肩を震わせる。
「じゃあ、一番側にいる若者からエキスを搾り取ろうかな?」
「ん!?」
顎をすくわれたかと思うと唇が重なり、手を握られて導かれたのは佑の屹立だ。
半分勃ったモノを握らされたからか、香澄は無意識に手を動かしてしまった。
「ん……、ん」
ヌル……と口内で佑の舌が蠢いただけで、ゾクゾクと名状しがたい快楽が沸き起こる。
腰が反り、揺れたお尻を佑が撫で回す。
「んぅ……ん、ふぅ……う」
深いキスに意識を絡め取られながら、香澄は愛しさを込めて彼の肉棒をしごいた。
ムクムクと大きくなるそれを愛する手つきも、随分慣れてきたものだと思う。
(ここ、好きでしょう?)
心の中で問いかけ、香澄は掌を上に向けると雁首を人差し指と中指で挟む。
「そっかぁ……。やっぱりお二人はすべての女性にああいう感じなんだね。ちょっと安心した」
もし自分が佑の婚約者という立場で、特別に接されていたのならどうしよう……と、つい深く考えるところだった。
コネクターナウの通知も異常な数字がつくし、必要以上に気に入られていたのなら、どうやって今後かわしていったらいいのか少し悩んでいた。
が、彼らが「女の子」の話をしていたのは聞いていたし、女性には等しく優しくしている中の一人……とは思っていたのだが。
「香澄。あんまりアロクラの言葉は真に受けるなよ? 香澄が可愛いのは事実だけど、あいつらは色んな言葉が多すぎるから」
「うん、分かってる」
騒がしい双子を思い出し、香澄は思わず笑う。
側にいた時はとんでもない存在感があり、あちこち引っ張られて疲れてしまうが、安全圏まで避難したあとでは「面白い人たちだな」という感想がある。
常に一緒にいるのは御免被りたいが、嫌いな訳ではないし、彼らのストレートさは美徳だと思っている。
なので本当にたまになら、一緒に過ごすのもアリだと思っている。
「あ、そうだ。温泉」
お風呂の水面を見ていたからか、香澄は会社の懇親会を思い出した。
「ん? 温泉? どこか行きたい?」
「や、そうじゃなくて。会社の……」
デートかと思って目を輝かせた佑だったが、スンッとテンションを下げる。
「そうか、もう少しだな。……行きたい?」
「ん、うーん……」
行きたいのは山々なのだが、休養中の自分が懇親会だけ顔を出すのは気が引ける。
モゴモゴと言葉を選んでいると、「そうか」と佑が頷いた。
「じゃあ、香澄とはまったくの私用で行こう。草津には俺の馴染みの宿があるから、そこに二人で泊まればいい。俺は一応他の社員と同じホテルに部屋を取るけど、早々に切り上げて香澄の方に向かうから」
「うーん。それならいいのかもしれないけど……。勿体ないよ?」
「社員との懇親会は社用だし、香澄との宿は婚約者用だし、無駄な出費ではないと思うけど?」
「譲らないね?」
佑もこうと決めたら譲らない部分がある。
思わず微笑むと、佑は口端をもたげ不敵に笑った。
「好きな女の望みなら、何だって叶えたいと思うのは男の甲斐性じゃないか」
「ふふ……。じゃあ、お言葉に甘えようかな? でも皆と過ごす時間は、ちゃんと会社の人たちと一緒にいてね?」
「社長としての務めはちゃんと果たすよ。けど、移動は社員たちは貸し切りバスだけど、俺は車で別行動なのは変わらない。レクレーション的な事は社員同士で任せるよ。幹事もいるし。俺はホテルで合流して、少し挨拶をして一緒に食事をする程度でいいと思っている。というか、毎年そうだ」
「毎年そうなの?」
目を瞬かせまじまじと見ると、彼は少しばつが悪そうに視線を逸らす。
「社員の事は大事だけど、余暇はのんびり過ごししたい。もうそんなに若くないと思ってるし、はしゃぐのは若い社員同士でいいかな……と」
「……もおおおお……。精神年齢おじいちゃんだなぁ!」
バシャ! と水音をたてて佑の腰をまたぐと、香澄は向かい合わせに座る。
「駄目だよ? そういうの。色々億劫になる気持ちは分かるけど、そういう時こそ若者からエキスを搾り取らないと!」
「エキス……しぼり……ふ、くっ……」
香澄の言い方がツボだったのか、佑は口元を押さえて肩を震わせる。
「じゃあ、一番側にいる若者からエキスを搾り取ろうかな?」
「ん!?」
顎をすくわれたかと思うと唇が重なり、手を握られて導かれたのは佑の屹立だ。
半分勃ったモノを握らされたからか、香澄は無意識に手を動かしてしまった。
「ん……、ん」
ヌル……と口内で佑の舌が蠢いただけで、ゾクゾクと名状しがたい快楽が沸き起こる。
腰が反り、揺れたお尻を佑が撫で回す。
「んぅ……ん、ふぅ……う」
深いキスに意識を絡め取られながら、香澄は愛しさを込めて彼の肉棒をしごいた。
ムクムクと大きくなるそれを愛する手つきも、随分慣れてきたものだと思う。
(ここ、好きでしょう?)
心の中で問いかけ、香澄は掌を上に向けると雁首を人差し指と中指で挟む。
32
お気に入りに追加
2,511
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる