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第六部・社内旅行 編
深夜の雑談
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「佑さん……。明日も朝から会社でしょ? 海外出張のあとにこんな事して……。倒れちゃったらどうするの?」
ジョン・アルクールのキャンドルがユラユラと揺れ、バスルーム内は幻想的な雰囲気だ。
「香澄とセックスできない方が、気がおかしくなって倒れるよ」
「もう……。はぐらかさないで」
ふあ……と欠伸をし、香澄は佑の胸元に顔をつけて目を閉じる。
「分かってるだろうけど、海外出張の翌日はスケジュールを軽めに調整してる。松井さんもそこまで鬼じゃないよ」
「……何回か鬼って言っていたの聞いたけど……」
「ふっふっ……。気のせいだよ」
ちゅ、と香澄の額にキスを落とし、佑は笑う。
「んー……。明日からおやつが増える」
佑に買ってきてもらったトリュフヌガーとチョコレートを思い出し、香澄はニヤニヤする。
「俺は? 俺が家にいて嬉しくない?」
「嬉しいよ」
ふふふ、と笑って香澄は彼の両頬に手を当て、ちゅ、ちゅとキスをする。
するとそれに応えるように背中や太腿が撫でられ、この甘い時間を愛おしく思った。
「佑さんの次の一日オフは……、んーと……あ、今週の週末は何もなかったっけ」
「スケジュール、覚えてた? 仕事の事は完全にオフにして考えて良かったのに」
「……っていうか、好きな人の行動を把握していたい、とか……、そっちだけど」
悪戯っぽく笑と、優しく口づけられた。
「どんな動機でも嬉しいよ。次の週末か……。どこか行きたい所があるのか? 食べたい物とか」
「ううん、そういうのはいいの。そうじゃなくて、家で佑さんとゆっくりイチャイチャしてたい」
首を横に振る香澄の額に、佑が口づけた。
「お盆休みの期間になったら、一緒に札幌に行こうか」
「ふふ、それは素敵だね」
札幌の話をされると、とても嬉しくなる。
「登別とか洞爺湖、定山渓とか温泉があったっけ。湯治になるかな?」
「有名な温泉ホテルは一杯あるよ」
香澄は目を輝かせて相槌を打ち、ローカルCMのテーマソングを口ずさむ。
「東京みたいに夜景が綺麗……とかは藻岩山とか函館かな。都会的な所は太刀打ちできないけど、温泉街とかは静かでゆっくりできると思うよ」
「香澄は冬に雪だるまを作ったりするのか?」
雪だるまと言いながら、佑はいきなり香澄の胸を揉んできた。
「んっ……。ゆ、雪だるま? 作らないかなぁ。子供の頃は作ったかもだけど、雪なんて珍しくもないし、大人になると作らなくなるものだよ?」
「ふぅん……。雪まつりとか有名だよな」
もちもちたぷたぷと乳房を弄んでいるその手つきは、雪だるまを作っているつもりなのだろうか。
「あ……、あれは、……ん。あれは大雪像は自衛隊の方がやっているし、小さいのは有志とか……」
「香澄の雪像を作りたいな」
「もぉぉ……、大人の無駄な遊び……」
「可能なら自分で作りたいけど、東京の積雪量だとまず無理だ。なら札幌で有志の人にデザインを託して……」
佑が暴走し始めたので、香澄はペチッと彼の肩を叩いた。
「佑さん! 佑さんは私が関わるとどんどん頭が悪くなるから、あんまり私の事を考えない方がいいよ!」
「……頭悪いかな」
「うん、とっても」
真顔で頷いた途端、ギュウッと抱き締められた。
「だって好きなんだ。仕方がないだろ。香澄の体だったらどこもかしこも一級品の値打ちがある。後世に継ぎたいほど胸もお尻も形がいいと思っている。顔だって可愛いし、声なんて録音しておきたいし」
「わああああ! それ! そういうの! 褒めはいいから!」
褒められ慣れていない香澄は、佑のストレートすぎる褒め言葉を聞くと一気に恥ずかしくなってしまう。
むしろこのレベルになると、「頭大丈夫かな?」と心配にもなる。
「なんだ。照れ屋だな」
「日本人は元来シャイだと思うよ」
溜め息をついたあと、何となくエミリアの事を思い出した。
「……エミリアさんの事も、いつも褒めるの?」
「なぜそこでエミリア」
「何となく」
我ながら気にしいだと思うが、あんな金髪碧眼の美女を見せられて心中穏やかでいられない。
ジョン・アルクールのキャンドルがユラユラと揺れ、バスルーム内は幻想的な雰囲気だ。
「香澄とセックスできない方が、気がおかしくなって倒れるよ」
「もう……。はぐらかさないで」
ふあ……と欠伸をし、香澄は佑の胸元に顔をつけて目を閉じる。
「分かってるだろうけど、海外出張の翌日はスケジュールを軽めに調整してる。松井さんもそこまで鬼じゃないよ」
「……何回か鬼って言っていたの聞いたけど……」
「ふっふっ……。気のせいだよ」
ちゅ、と香澄の額にキスを落とし、佑は笑う。
「んー……。明日からおやつが増える」
佑に買ってきてもらったトリュフヌガーとチョコレートを思い出し、香澄はニヤニヤする。
「俺は? 俺が家にいて嬉しくない?」
「嬉しいよ」
ふふふ、と笑って香澄は彼の両頬に手を当て、ちゅ、ちゅとキスをする。
するとそれに応えるように背中や太腿が撫でられ、この甘い時間を愛おしく思った。
「佑さんの次の一日オフは……、んーと……あ、今週の週末は何もなかったっけ」
「スケジュール、覚えてた? 仕事の事は完全にオフにして考えて良かったのに」
「……っていうか、好きな人の行動を把握していたい、とか……、そっちだけど」
悪戯っぽく笑と、優しく口づけられた。
「どんな動機でも嬉しいよ。次の週末か……。どこか行きたい所があるのか? 食べたい物とか」
「ううん、そういうのはいいの。そうじゃなくて、家で佑さんとゆっくりイチャイチャしてたい」
首を横に振る香澄の額に、佑が口づけた。
「お盆休みの期間になったら、一緒に札幌に行こうか」
「ふふ、それは素敵だね」
札幌の話をされると、とても嬉しくなる。
「登別とか洞爺湖、定山渓とか温泉があったっけ。湯治になるかな?」
「有名な温泉ホテルは一杯あるよ」
香澄は目を輝かせて相槌を打ち、ローカルCMのテーマソングを口ずさむ。
「東京みたいに夜景が綺麗……とかは藻岩山とか函館かな。都会的な所は太刀打ちできないけど、温泉街とかは静かでゆっくりできると思うよ」
「香澄は冬に雪だるまを作ったりするのか?」
雪だるまと言いながら、佑はいきなり香澄の胸を揉んできた。
「んっ……。ゆ、雪だるま? 作らないかなぁ。子供の頃は作ったかもだけど、雪なんて珍しくもないし、大人になると作らなくなるものだよ?」
「ふぅん……。雪まつりとか有名だよな」
もちもちたぷたぷと乳房を弄んでいるその手つきは、雪だるまを作っているつもりなのだろうか。
「あ……、あれは、……ん。あれは大雪像は自衛隊の方がやっているし、小さいのは有志とか……」
「香澄の雪像を作りたいな」
「もぉぉ……、大人の無駄な遊び……」
「可能なら自分で作りたいけど、東京の積雪量だとまず無理だ。なら札幌で有志の人にデザインを託して……」
佑が暴走し始めたので、香澄はペチッと彼の肩を叩いた。
「佑さん! 佑さんは私が関わるとどんどん頭が悪くなるから、あんまり私の事を考えない方がいいよ!」
「……頭悪いかな」
「うん、とっても」
真顔で頷いた途端、ギュウッと抱き締められた。
「だって好きなんだ。仕方がないだろ。香澄の体だったらどこもかしこも一級品の値打ちがある。後世に継ぎたいほど胸もお尻も形がいいと思っている。顔だって可愛いし、声なんて録音しておきたいし」
「わああああ! それ! そういうの! 褒めはいいから!」
褒められ慣れていない香澄は、佑のストレートすぎる褒め言葉を聞くと一気に恥ずかしくなってしまう。
むしろこのレベルになると、「頭大丈夫かな?」と心配にもなる。
「なんだ。照れ屋だな」
「日本人は元来シャイだと思うよ」
溜め息をついたあと、何となくエミリアの事を思い出した。
「……エミリアさんの事も、いつも褒めるの?」
「なぜそこでエミリア」
「何となく」
我ながら気にしいだと思うが、あんな金髪碧眼の美女を見せられて心中穏やかでいられない。
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