【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
上 下
194 / 1,559
第五部・ブルーメンブラットヴィル 編

変な気を起こしたら駄目だからね?

しおりを挟む
 これから一緒に風呂に入るとなると、急に緊張してきてしまった。

 コクコクと紫蘇ジュースを飲むが、途中から味が分からなくなってしまう。
 ただいたずらに口の中が酸っぱく、香澄は唇を曲げていた。

「あ……あの。毎回佑さんに介助してもらう訳じゃないからね。変な気を起こしたら駄目だからね?」
「変な気って?」

 佑は分かっていて質問を返し、ニヤニヤと笑う。

「もおお……。……さ、触ったり……とか」
「触らないと介助できないな?」

 グッと肩が組まれ、耳元で佑が低く囁く。
 耳から全身にぞくんっと言い知れぬ感覚が走ってゆき、香澄は身を縮込ませる。

(さ、斎藤さんがいるのにぃぃ~~)

 けれど、チラッと彼女を見ても素知らぬ顔をしてキッチン仕事をしている。

「……介助の範囲内ならお願いしたいけど、必要以上にむ、胸を揉んだりとか……そういうことをしたら駄目って言ってるの」

 努めて小声でポショポショと言い、釘を刺す。

「ふぅん?」

 長い脚をゆったりと組み、佑はスプリッツァをクイッと飲み干す。
 そのあと香澄のグラスが空になっているのを見て、にこぉ、と笑った。

「じゃあ、行こうか。介助のための道具とかは、もう発注して用意してあるから」
「えっ……」

 ヒョイと抱き上げられたかと思うと、そのままバスルームに連れ込まれる。
 洗面の前にある籐の椅子に座らされると、佑が香澄のワンピースを脱がせにかかった。

「あっ……、あ、もう……」

 バンザイをさせられ、ストライプのワンピースが脱がされる。
 そしてすぐに背中でプツンとブラジャーが外された。

「少し待ってて」

 そう言って佑は香澄の目の前で服を脱ぎだし、いきなりのストリップにドキドキする。

 リラックスした表情でシャツのボタンを外す姿も、手つきがやけにいやらしく見える。
 その下に着ていたTシャツをグイッと脱ぐと、思わず惚れ惚れする肉体が現れた。
 トレーニングを欠かさないバキバキに割れた胸板や腹筋に目を奪われていると、腰のベルトに手がかかり、黒いテーパードパンツが下ろされる。
 黒いボクサーパンツのみになった佑は、靴下も脱いでポイッと脱衣籠に放った。

「さて、香澄の仕上げをしようか」

 支えられて立ち上がると、香澄は洗面台に手をつく。
 佑が目の前に跪き、うっとりとした顔で香澄の腹部にキスをした。

「……佑さん……」

 お腹にキスをされ、恥ずかしい。

 入院している間、いい食事をたくさん出してもらったものの、ほとんど運動らしい運動ができていなかった。
 リハビリはしていたものの、いつものようにジョギングなどは勿論していない。
 なので数キロ増えていてもおかしくない。お腹もそれに伴って肉が増えていても仕方がなく、恥ずかしくて堪らない。

「ん。香澄のお腹、ふわふわしてて気持ちいい。あまり鍛えすぎるなよ? 鍛えるのは体型をキープする程度でいいから」
「もう……。お腹のお肉が好きなんてやめて。恥ずかしいの」

 じわ、と赤面しつつ香澄は佑の髪の毛を梳る。

「下着、脱がせるよ」
「……うん」

 総レースのパンティが脱がせられ、この上なく恥ずかしい。

「さて、これがギプスカバーだけど、つけてみようか」

 佑が差し出したのは、円いシリコンの中心に放射状に切れ目が入り、その下に厚いビニールが続いている物だ。

「水漏れの心配はないと思う」
「ありがとう。こういう専門の道具もあるんだね。私てっきりビニール袋に足を入れて輪ゴムで止めるのかなー……って、ぼんやり思ってた」

 佑が差し出したギプスカバーをしばし眺め、それから香澄は左脚を入れてみる。
 ビニールの中にギプスの脚が収まり、膝の上辺りに青いシリコンがぴったりと嵌まった。

「髪洗う前に、ブラシかけておこうか」
「うん」

 こういう時、佑はとても丁寧でマメだと思う。
 女性である香澄ですら、疲れた時や知識のなかった頃は髪を洗う前にブラッシングをするなど失念してしまう。

 なのに佑は香澄に関わることなら、何でも知って自分で行動する。
しおりを挟む
感想 560

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...