【R-18】【重愛注意】拾われバニーガールはヤンデレ社長の最愛の秘書になりました

臣桜

文字の大きさ
上 下
163 / 1,559
第五部・ブルーメンブラットヴィル 編

飴と鞭

しおりを挟む
「目が死んでた。この一瞬で何を思いだしてた?」

 鋭く問われ、香澄の目がスイー……と斜めに泳いだ。

「ふん……」

 四つ這いになって目を細めた佑は、問答無用で一度は脇に置いた避妊具を手に取り、容赦なく昂ぶったモノに被せる。

「夫になる男とホテルのベッドにいるのに、余計な事を考えた香澄には、やっぱりお仕置きが必要なようだ」
「そっ……そんなぁ! い、今の回想には理由があって……」

 悲鳴を上げても、グイッと脚を開かれ肉芽をピンと親指で弾かれた。

「ひぃんっ」

 まだ快楽の残滓を残していた体は、それだけでも敏感に反応してしまう。

「ゆ、許して?」
「反省せず許していたら、学習しなくなるだろう? 躾には飴と鞭が必要だ。幸い、飴と鞭が同居しているお仕置きだけどな?」

 グプ……と硬い切っ先が蜜口に当てられ、わざとゆっくり肉棒が進入してくる。

「う……うううう……、ぁ……やぁ……」

 半開きになった唇から悲鳴とも喘ぎともつかない声が漏れて――、やがてその声は紛れもない喘ぎ声となった。





 最上級の部屋から艶めかしい声が止んだのは、空が白み始めた頃である。

 海外に出て開放的になるのは、観光できるからと浮かれる気持ちだけではない。
 普段様々な制約を受けている人間が、バカがつくほど己に素直になって女を愛する気持ちもなのだ。

(何か……対策……を、至急……)

 もう指先一本ピクリとも動かせなくなった香澄は、朦朧とした頭で打開策を考えようとして――オチた。



**



「んぁ……ふ」

 ベッドの上でゆっくり伸びをすると、少し皺の寄ったシーツの上で香澄の手が滑った。半円を描くように動いて――、胴にまわった腕に引き寄せられる。

「おはよ」

 背後から低い声が耳たぶを掠り、昨晩の快楽の残滓を思い出す。
 彼の声もまた寝起きで少し掠れていたので、やけにそれがセクシーだと思った。

「ん……おはよ……。今……何時……」

 ベッドサイドのスマホに手を伸ばす前に、佑が自分の腕時計を持ち上げた。
 当たり前だが、香澄の腕より佑の腕の方が長い。
 佑がとても精巧な作りの――きっと目が飛び出るほどバカ高い腕時計を見て、無造作に戻す。

「……七時半」

 まだどこか眠たそうな声を聞いて、香澄はホ……と安堵の息をつく。

「シャワー……浴びてくる。ご飯も食べないと……」

 そう言って、香澄はゆっくり起き上がる。

(う……)

 思った通り腰が重怠く、意識せず吐息が漏れた。

「つらい?」

 振り向くと、鍛え上げられた上半身を惜しげもなく晒した佑が、髪を乱し気だるげな表情で見上げている。

 日本人的な顔なのに、鼻筋はスッと高くて目元の彫りも深い。
 肌の色も黄色人種のそれと違って、髪の色も地の色なのに綺麗な茶色だ。
 目の色だって決して日本人にはない、黄色や黄緑、緑が混じった薄茶のヘーゼル。

(……綺麗な人)

 男性に見とれるという経験は、日本に住んでいてそうそうないと思う。
 海外慣れしていない香澄にとっては、初めて間近に接したクォーターだ。

「ん? お腹痛い?」

 香澄がボゥッとしているので、何か勘違いした佑はのそりと起き上がり、指の背で香澄の頬を撫で下ろす。

「……う、ううん。大丈夫」

 昨晩、せっかく着てもすぐ剥がされてしまった、トロリとしたシルク生地のキャミソールを着て、揃いのタップパンツを穿く。
 あふ……と欠伸を噛み殺して窓辺に向かうと、重厚で高そうなカーテンを開いた。

「……朝は街が静かなんだね」
「通勤する人はいるけど、店の方は日本のように早朝から働こうっていう人は少ないからな。あと日曜日になると閉店法っていう法律があって規制がかかるから、まず店とかは機能しないよ」

「あぁー……、なんか聞いたことがある。ヨーロッパに旅行に行った同僚とか上司が、街がスッカラカンだったと言ってたような」

 カーテンを開けてからゆっくり室内を歩くが、まだ股の間に何か挟まっている感覚がある。
しおりを挟む
感想 560

あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない

若松だんご
恋愛
 ――俺には、将来を誓った相手がいるんです。  お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。  ――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。  ほげええっ!?  ちょっ、ちょっと待ってください、課長!  あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?  課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。  ――俺のところに来い。  オオカミ課長に、強引に同居させられた。  ――この方が、恋人らしいだろ。  うん。そうなんだけど。そうなんですけど。  気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。  イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。  (仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???  すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。

青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。 その肩書きに恐れをなして逃げた朝。 もう関わらない。そう決めたのに。 それから一ヶ月後。 「鮎原さん、ですよね?」 「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」 「僕と、結婚してくれませんか」 あの一夜から、溺愛が始まりました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...