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第五部・ブルーメンブラットヴィル 編
城
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「ごめんなさい」
なんだかんだ言って、彼が自分を一番に考えて甘やかしてくれるのが嬉しい。
(そのうち、何かお礼しないとな……。えっちな方向の……)
そんな事を考えながら、ひとまず今日は寝る事にした。
**
翌日はゆっくりめに起きて、朝食は一階にある食堂まで食べに行く事にした。
朝食会場は十時頃まで対応しているようだ。
「ビュッフェ楽しみだな」
エレベーターで階下に向かう途中、香澄は他に誰もいないのをいい事にワクワクしながら呟く。
「基本的に、こっちは高級ホテルでもベースは似たり寄ったりだけどな」
「パンとか……ハム、チーズ?」
「だな。ハム、ソーセージ、チーズは種類が豊富にあると思う。あと、サーモンも特徴的かな。ノルウェーが近いし」
「ああ!」
日本のスーパーでもお馴染みの産地を聞き、香澄は納得して手をぽんと打つ。
「あと割と、ニシンとかそういうのを料理した魚料理も多い。フルーツはそのままのとか、カットしたのとかが置いてある。俺はカットしたのにヨーグルトを掛けるかな」
「うんうん。何か昨日ホテルでチラッと、リンゴ丸囓りしてる人みた。ワイルド」
「だな。こっちではそうして食べるのはメジャーだ。双子もよくやってる」
「へぇ!」
「パンの種類はとにかく多いし、シリアル系の種類もふんだんにある。ジュースのサーバーも種類が多いし、コーヒー、紅茶はウエイターが淹れてくれるよ。なんなら、目の前でカフェオレにもしてくれる」
「それは嬉しい!」
「卵料理は定番かな」
「確かに。世界共通そう」
一階につき、朝食会場に向かうと、こんなにゴージャスなお城みたいな場所で、ビュッフェでいいのだろうか? という場所に着く。
『おはよう』
佑は入り口にいたタキシード姿の男性に声を掛け、部屋のカードキーを見せる。
『おはようございます。お席までご案内します』
長身の男性は丁寧に対応してくれ、二人を空いている席までつれて行ってくれた。
「テーブルセットもあるんだね」
空席には後宮レストランのように、プレートの上にナプキン、左右にはカトラリーが並んでいる。
グラスも複数並べられ、普通のレストランと違うのはソーサーとカップがあらかじめ置かれているところだ。
「わぁ……! 種類が凄い!」
目に入るビュッフェ会場には、あふれんばかりの食べ物がある。
キラキラと目を輝かせた香澄を見て佑は笑い、「行こうか」とトレーが置かれている場所に向かった。
好きな物をとって席に着き、ゆっくり食べていると、小山内や呉代、久住に小金井、佐野を見つけた。
「お。私服姿、初めて見たかも」
「ああ、そうだな。普段はスーツが多いから」
「今日、これからどうするの?」
「これ食べたあと、少しゆっくりしてから散歩でもするか?」
「うん!」
せっかく海外に来たのに、閉じこもってばかりでは勿体ない。
高級ホテルも満喫したいが、やはりその土地ならではの景色を楽しみたい。
食事が終わったあとは昼前まで部屋でゆっくりし、身支度を終えてからブルーメンブラットヴィルの街に出てみた。
気温は体感的に二十度前後、最低気温が十度少しぐらいらしい。
ホテルを出て歩いてすぐには中心部とおぼしき広場があり、どんと城がそびえ立っている。
城の周りには湖があり、跳ね橋を使って観光客が出入りしている。
「すご……っ」
城とは聞いていたが目の前にある緑に囲まれた城は、おとぎ話に出てくるような尖塔がいくつもそびえ、日差しを反射してスカイブルー、ライムグリーンなどに尖塔の屋根が光っている。
なんだかんだ言って、彼が自分を一番に考えて甘やかしてくれるのが嬉しい。
(そのうち、何かお礼しないとな……。えっちな方向の……)
そんな事を考えながら、ひとまず今日は寝る事にした。
**
翌日はゆっくりめに起きて、朝食は一階にある食堂まで食べに行く事にした。
朝食会場は十時頃まで対応しているようだ。
「ビュッフェ楽しみだな」
エレベーターで階下に向かう途中、香澄は他に誰もいないのをいい事にワクワクしながら呟く。
「基本的に、こっちは高級ホテルでもベースは似たり寄ったりだけどな」
「パンとか……ハム、チーズ?」
「だな。ハム、ソーセージ、チーズは種類が豊富にあると思う。あと、サーモンも特徴的かな。ノルウェーが近いし」
「ああ!」
日本のスーパーでもお馴染みの産地を聞き、香澄は納得して手をぽんと打つ。
「あと割と、ニシンとかそういうのを料理した魚料理も多い。フルーツはそのままのとか、カットしたのとかが置いてある。俺はカットしたのにヨーグルトを掛けるかな」
「うんうん。何か昨日ホテルでチラッと、リンゴ丸囓りしてる人みた。ワイルド」
「だな。こっちではそうして食べるのはメジャーだ。双子もよくやってる」
「へぇ!」
「パンの種類はとにかく多いし、シリアル系の種類もふんだんにある。ジュースのサーバーも種類が多いし、コーヒー、紅茶はウエイターが淹れてくれるよ。なんなら、目の前でカフェオレにもしてくれる」
「それは嬉しい!」
「卵料理は定番かな」
「確かに。世界共通そう」
一階につき、朝食会場に向かうと、こんなにゴージャスなお城みたいな場所で、ビュッフェでいいのだろうか? という場所に着く。
『おはよう』
佑は入り口にいたタキシード姿の男性に声を掛け、部屋のカードキーを見せる。
『おはようございます。お席までご案内します』
長身の男性は丁寧に対応してくれ、二人を空いている席までつれて行ってくれた。
「テーブルセットもあるんだね」
空席には後宮レストランのように、プレートの上にナプキン、左右にはカトラリーが並んでいる。
グラスも複数並べられ、普通のレストランと違うのはソーサーとカップがあらかじめ置かれているところだ。
「わぁ……! 種類が凄い!」
目に入るビュッフェ会場には、あふれんばかりの食べ物がある。
キラキラと目を輝かせた香澄を見て佑は笑い、「行こうか」とトレーが置かれている場所に向かった。
好きな物をとって席に着き、ゆっくり食べていると、小山内や呉代、久住に小金井、佐野を見つけた。
「お。私服姿、初めて見たかも」
「ああ、そうだな。普段はスーツが多いから」
「今日、これからどうするの?」
「これ食べたあと、少しゆっくりしてから散歩でもするか?」
「うん!」
せっかく海外に来たのに、閉じこもってばかりでは勿体ない。
高級ホテルも満喫したいが、やはりその土地ならではの景色を楽しみたい。
食事が終わったあとは昼前まで部屋でゆっくりし、身支度を終えてからブルーメンブラットヴィルの街に出てみた。
気温は体感的に二十度前後、最低気温が十度少しぐらいらしい。
ホテルを出て歩いてすぐには中心部とおぼしき広場があり、どんと城がそびえ立っている。
城の周りには湖があり、跳ね橋を使って観光客が出入りしている。
「すご……っ」
城とは聞いていたが目の前にある緑に囲まれた城は、おとぎ話に出てくるような尖塔がいくつもそびえ、日差しを反射してスカイブルー、ライムグリーンなどに尖塔の屋根が光っている。
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