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第四部・婚約 編
露天風呂
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「佑さん、そんな変態を言ってたら、全国のファンが泣きますよ」
「ん? ファンなんていいよ」
佑はそう言って、香澄の乳房をポヨポヨと揉んでくる。
「あー、『ファンなんて』っていけないんだ」
「表向きは〝綺麗に〟ファンサービスしてるから大丈夫だよ。ファンは恋人と風呂に入ってる俺の事なんて知らないからいいんだ、っていう意味」
「もぉ……」
口の減らない佑にむくれて見せてから、香澄は思わず笑う。
「……私は佑さんのヌードを知ってる、数少ない女です」
ふふん、と自慢げに言うと同時に、当たり前だけれど他にもいるのだな、と思って少し悲しくなる。
「〝数少ない女〟じゃなくて、〝最後の女〟じゃないか?」
「ん? んー……、ふふ、……へへ。そう、……ならいいな」
彼に今まで彼女がいるのは当たり前として、自分が結婚相手で文字通り佑の人生で最後の女になれるのなら、これ以上の事はない。
「俺は〝二番目の男〟だけど、一番目なんて目にないぐらい、〝初めて〟を沢山味わわせて、沢山満足させて、『他の男なんていらない』って思わせる自信があるよ」
佑が自信たっぷりに言うので、香澄は嬉しくなってにっこり笑う。
「それはもう、現時点でもとても思ってる」
「そう? お褒めにあずかり光栄」
佑が後ろからギュッと抱き締め、頬にキスをしてきた。
「あーあ、いい気持ち! お部屋についてる露天風呂なんて初めて!」
「そっか。じゃあ次の温泉もそういう部屋にしような」
佑が香澄の頭にちゅ、とキスをする。
「ふふ、大浴場も好きだけど。前にね、洞爺湖にあるホテルでインフィニティバスに、麻衣と入ったの! 目の前に洞爺湖があって、温泉がそのまま続いてるみたいで、気持ち良かったよ」
「ふぅん、そっか。気持ちよさそうだな。それ、個室?」
「ううん? 大浴場」
「そっか…………」
佑はうなって黙ってしまった。
「どしたの?」
ちゃぷ、と水音を立てて彼を振り向くと、難しい顔をしている。
「……いや、インフィニティバスの個室温泉なかったかな、と思って」
「大浴場嫌い? あ……そっか」
ついつい自分の感覚で話していたので、佑が一般人に交じって大浴場に入るリスクを失念していた。
「いや、そうじゃないんだ。俺だって普通に友達とスーパー銭湯とか行くし」
「御劔佑がスーパー銭湯!」
目を見開いて突っ込むと、佑が苦笑いした。
「俺を何だと思ってるんだ。コンビニもスーパーも行くよ。何なら駅のトイレだって使うし」
「…………」
目をまん丸にしていると、さらに佑が笑う。
「確かに家族は少し特別だけど、学校は普通に公立だし、大学も金が掛からない方がいいと思って、国公立入ったよ」
「すご……」
香澄もできるならそうしたかったが、成績的に無理だったので大学は私立に通わせてもらった。
「普通に制服着て、友達と話して笑って、多分香澄の学生時代とあまり変わりないと思うよ」
「佑さんの制服姿、見たいな……。学ランだった? ブレザーだった?」
「お、食いついたな。中学は学ランで、高校はブレザーだったよ」
「えっち……!」
想像しただけでキュンとして、香澄は両手で顔を覆う。
「何だよ、エッチって。香澄は? 学生時代の制服」
「ん? 佑さんと逆。中学はブレザーで、高校はセーラー」
「やらしい……」
「同じ反応じゃん!」
思わず呟いた佑に、香澄は全力で突っ込む。
「佑さん、まだ制服持ってる?」
「ん? ……同じ事考えてたな」
香澄の質問を聞いて、佑はニヤッと笑う。
「俺のは実家の押し入れにあると思うけど、入るかな……」
佑の言葉を聞き、香澄もサァッと青くなった。
「やばい……。スカートのウエスト絶対入らない」
「いや、香澄のは俺が仕立て直してあげるから。何ならオリジナルデザインでセーラー作ってあげてもいいし」
「いや、そこまではいいです。そういえば、バニースーツも作ろうとしてたよね?」
「仕事の合間に鋭意制作中です」
「んもー」
香澄は呆れ半分にクスクス笑う。
「でもいつか、二人だけで学生コスしたいな」
「んー、恥ずかしい」
「香澄は? 見たくない? 三十男の制服姿」
佑は自分で言いながら途中で笑い出す。
「んふふふふ、すっごい見たい! なんなら、アラサーのセーラー服も特別に見せてもいいよ」
「よし、約束だ」
佑はお湯から手を出し、小指を絡ませてきた。
「ゆーびきーりげーんまーん……」
手を上下に振りながら、子供の頃によく歌った歌を口ずさみ、香澄は自分の胸が温かなものに包まれるのを感じた。
「佑さんの制服って、ボタンが焼け野が原になってそう」
「あー……」
佑が苦笑いする。
「当たってるでしょ」
「いや……、何て言うか、少し違うかな」
「ん?」
今まで積極的に佑の過去に触れなかったのは、しつこく聞いたら嫌われると思っていたからだ。
少なくとも健二は元カノについて聞かれるのを非常に嫌がり、逆ギレしていたものだ。
「……聞いて、いい? いや、あの。話したくないなら全然いいんだけど」
「いや? 全然構わないよ。むしろ話したら香澄が嫌がると思ってた」
「あー……。確かに、聞いて楽しい話じゃないかもしれないけど、興味はある……かな」
「今、聞く?」
尋ねられ、ソワッと興味は湧いたものの、ふと現実に返った。
(今はアドラーさんと節子さんが日本にいらっしゃった歓迎会で、そこでもし私が不機嫌になったらいけない)
自分を戒め、香澄は微笑んで首を横に振った。
「自分から言っておきながらごめん。今はまだ……いい」
「ん、分かった」
佑は香澄を抱き締め、背中をポンポンと叩く。
「ちょっとだけ。予告編。凄かった? 取っ替え引っ替え?」
「いや、そんな事はないよ」
香澄の言い方に、佑は思わず笑う。
「初めて出会った頃に色々言ったけど、世間が思うような派手な女性関係を築いていた訳じゃない……と思ってる」
「うん」
「学生時代は一歩引いた感じで、二十代前半はまじめに付き合った。失恋して、やけくそになった。……それから悟りを開いたかな」
「ふふ、悟りって」
彼の恋愛遍歴を聞いて、〝まじめに〟という単語に胸の奥が痛んだ。
「まぁ、今は一人にターゲットを絞って、夢中になってくれないかジワジワ攻めてるけどな」
チュッとキスをされ、香澄は佑を抱き締め返した。
「んー……」
佑の胸板に顔を押しつけ、しばし幸せに浸る。
「……あはは、もともと何の話してたんだっけ?」
「あー」
佑もそれに気付き、一緒に笑う。
「あぁ、大浴場からだな」
「あ、そっかそっか」
「俺が大浴場じゃなくて個室を探してたのは、香澄と一緒に入りたいからだよ。それ以外ない」
甘く微笑まれ、香澄はにやけながら赤面する。
「それに、個室についてる風呂なら、香澄の裸を見る人が俺しかいないし」
「んもー」
独占欲を露わにされ、嬉しくて照れて、香澄はクスクス笑う。
「はぁ、あったまった。そろそろ出ないと茹だっちゃう」
やんわりと佑の腕を外し、香澄は両手でお湯をザパリと掻く。
「出ようか」
「ん」
恥ずかしいけれど香澄は先に露天風呂から上がり、サッサッと室内に向かう。
そのお尻がプリプリ動いているのを佑がガン見していた。
**
――――――――――
香澄が言ってる洞爺湖のホテルのモデルは、乃の風です。以前泊まりに行ったことがあるのですが、良い所です。
「ん? ファンなんていいよ」
佑はそう言って、香澄の乳房をポヨポヨと揉んでくる。
「あー、『ファンなんて』っていけないんだ」
「表向きは〝綺麗に〟ファンサービスしてるから大丈夫だよ。ファンは恋人と風呂に入ってる俺の事なんて知らないからいいんだ、っていう意味」
「もぉ……」
口の減らない佑にむくれて見せてから、香澄は思わず笑う。
「……私は佑さんのヌードを知ってる、数少ない女です」
ふふん、と自慢げに言うと同時に、当たり前だけれど他にもいるのだな、と思って少し悲しくなる。
「〝数少ない女〟じゃなくて、〝最後の女〟じゃないか?」
「ん? んー……、ふふ、……へへ。そう、……ならいいな」
彼に今まで彼女がいるのは当たり前として、自分が結婚相手で文字通り佑の人生で最後の女になれるのなら、これ以上の事はない。
「俺は〝二番目の男〟だけど、一番目なんて目にないぐらい、〝初めて〟を沢山味わわせて、沢山満足させて、『他の男なんていらない』って思わせる自信があるよ」
佑が自信たっぷりに言うので、香澄は嬉しくなってにっこり笑う。
「それはもう、現時点でもとても思ってる」
「そう? お褒めにあずかり光栄」
佑が後ろからギュッと抱き締め、頬にキスをしてきた。
「あーあ、いい気持ち! お部屋についてる露天風呂なんて初めて!」
「そっか。じゃあ次の温泉もそういう部屋にしような」
佑が香澄の頭にちゅ、とキスをする。
「ふふ、大浴場も好きだけど。前にね、洞爺湖にあるホテルでインフィニティバスに、麻衣と入ったの! 目の前に洞爺湖があって、温泉がそのまま続いてるみたいで、気持ち良かったよ」
「ふぅん、そっか。気持ちよさそうだな。それ、個室?」
「ううん? 大浴場」
「そっか…………」
佑はうなって黙ってしまった。
「どしたの?」
ちゃぷ、と水音を立てて彼を振り向くと、難しい顔をしている。
「……いや、インフィニティバスの個室温泉なかったかな、と思って」
「大浴場嫌い? あ……そっか」
ついつい自分の感覚で話していたので、佑が一般人に交じって大浴場に入るリスクを失念していた。
「いや、そうじゃないんだ。俺だって普通に友達とスーパー銭湯とか行くし」
「御劔佑がスーパー銭湯!」
目を見開いて突っ込むと、佑が苦笑いした。
「俺を何だと思ってるんだ。コンビニもスーパーも行くよ。何なら駅のトイレだって使うし」
「…………」
目をまん丸にしていると、さらに佑が笑う。
「確かに家族は少し特別だけど、学校は普通に公立だし、大学も金が掛からない方がいいと思って、国公立入ったよ」
「すご……」
香澄もできるならそうしたかったが、成績的に無理だったので大学は私立に通わせてもらった。
「普通に制服着て、友達と話して笑って、多分香澄の学生時代とあまり変わりないと思うよ」
「佑さんの制服姿、見たいな……。学ランだった? ブレザーだった?」
「お、食いついたな。中学は学ランで、高校はブレザーだったよ」
「えっち……!」
想像しただけでキュンとして、香澄は両手で顔を覆う。
「何だよ、エッチって。香澄は? 学生時代の制服」
「ん? 佑さんと逆。中学はブレザーで、高校はセーラー」
「やらしい……」
「同じ反応じゃん!」
思わず呟いた佑に、香澄は全力で突っ込む。
「佑さん、まだ制服持ってる?」
「ん? ……同じ事考えてたな」
香澄の質問を聞いて、佑はニヤッと笑う。
「俺のは実家の押し入れにあると思うけど、入るかな……」
佑の言葉を聞き、香澄もサァッと青くなった。
「やばい……。スカートのウエスト絶対入らない」
「いや、香澄のは俺が仕立て直してあげるから。何ならオリジナルデザインでセーラー作ってあげてもいいし」
「いや、そこまではいいです。そういえば、バニースーツも作ろうとしてたよね?」
「仕事の合間に鋭意制作中です」
「んもー」
香澄は呆れ半分にクスクス笑う。
「でもいつか、二人だけで学生コスしたいな」
「んー、恥ずかしい」
「香澄は? 見たくない? 三十男の制服姿」
佑は自分で言いながら途中で笑い出す。
「んふふふふ、すっごい見たい! なんなら、アラサーのセーラー服も特別に見せてもいいよ」
「よし、約束だ」
佑はお湯から手を出し、小指を絡ませてきた。
「ゆーびきーりげーんまーん……」
手を上下に振りながら、子供の頃によく歌った歌を口ずさみ、香澄は自分の胸が温かなものに包まれるのを感じた。
「佑さんの制服って、ボタンが焼け野が原になってそう」
「あー……」
佑が苦笑いする。
「当たってるでしょ」
「いや……、何て言うか、少し違うかな」
「ん?」
今まで積極的に佑の過去に触れなかったのは、しつこく聞いたら嫌われると思っていたからだ。
少なくとも健二は元カノについて聞かれるのを非常に嫌がり、逆ギレしていたものだ。
「……聞いて、いい? いや、あの。話したくないなら全然いいんだけど」
「いや? 全然構わないよ。むしろ話したら香澄が嫌がると思ってた」
「あー……。確かに、聞いて楽しい話じゃないかもしれないけど、興味はある……かな」
「今、聞く?」
尋ねられ、ソワッと興味は湧いたものの、ふと現実に返った。
(今はアドラーさんと節子さんが日本にいらっしゃった歓迎会で、そこでもし私が不機嫌になったらいけない)
自分を戒め、香澄は微笑んで首を横に振った。
「自分から言っておきながらごめん。今はまだ……いい」
「ん、分かった」
佑は香澄を抱き締め、背中をポンポンと叩く。
「ちょっとだけ。予告編。凄かった? 取っ替え引っ替え?」
「いや、そんな事はないよ」
香澄の言い方に、佑は思わず笑う。
「初めて出会った頃に色々言ったけど、世間が思うような派手な女性関係を築いていた訳じゃない……と思ってる」
「うん」
「学生時代は一歩引いた感じで、二十代前半はまじめに付き合った。失恋して、やけくそになった。……それから悟りを開いたかな」
「ふふ、悟りって」
彼の恋愛遍歴を聞いて、〝まじめに〟という単語に胸の奥が痛んだ。
「まぁ、今は一人にターゲットを絞って、夢中になってくれないかジワジワ攻めてるけどな」
チュッとキスをされ、香澄は佑を抱き締め返した。
「んー……」
佑の胸板に顔を押しつけ、しばし幸せに浸る。
「……あはは、もともと何の話してたんだっけ?」
「あー」
佑もそれに気付き、一緒に笑う。
「あぁ、大浴場からだな」
「あ、そっかそっか」
「俺が大浴場じゃなくて個室を探してたのは、香澄と一緒に入りたいからだよ。それ以外ない」
甘く微笑まれ、香澄はにやけながら赤面する。
「それに、個室についてる風呂なら、香澄の裸を見る人が俺しかいないし」
「んもー」
独占欲を露わにされ、嬉しくて照れて、香澄はクスクス笑う。
「はぁ、あったまった。そろそろ出ないと茹だっちゃう」
やんわりと佑の腕を外し、香澄は両手でお湯をザパリと掻く。
「出ようか」
「ん」
恥ずかしいけれど香澄は先に露天風呂から上がり、サッサッと室内に向かう。
そのお尻がプリプリ動いているのを佑がガン見していた。
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香澄が言ってる洞爺湖のホテルのモデルは、乃の風です。以前泊まりに行ったことがあるのですが、良い所です。
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