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第三部・元彼 編
愛されてるんだ ☆
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「はぁ……っ、あ、――あぁ……っ」
愛しい形を迎え入れ、香澄は歓喜の声を上げる。
「気持ちいい?」
佑が香澄の頭を撫で、優しく尋ねてきた。
「ん……っ、ん、きもち、――いい……っ」
ヌプ、ヌプと佑は香澄の様子を窺いながらゆっくり抽送を始める。
――気持ちいい。
セックスをして素直にその言葉を言えた自分が、誇らしい。
目を開けると、美しい人が自分だけを見て微笑んでくれている。
少しでも痛がったり嫌なところがあれば、やめてくれる優しさのある人だ。
(健二くんとは違う)
心の奥底で香澄は自分に言い聞かせ、彼に向かって笑いかけた。
「佑さん、……大好き、……だよ」
その言葉を聞いて、佑は嬉しそうに目を細めた。
「俺も、愛してるよ」
どん底に落ちたからこそ、普通に愛してくれる男性のありがたみが身に染みる。
彼は自分本位のセックスをしない。
彼は痛い事をしない。
香澄が嫌がる事を絶対にしないし、言わない。
それだけのシンプルな事をできる男性が、とても貴重で大切に思える。
「う、……うぅ、……あ、……あっ」
佑が腰を動かすたび、この上もない快楽が香澄を包み込む。
――好き。
――私、愛されてるんだ。
――もう、怖がらなくていいんだ。
――信じてもいいんだ。
こみ上げる開放感に、香澄は涙を流し晴れやかな笑みを浮かべた。
両腕を彼の首に回し、自分からキスをする。
佑と舌を擦り合わせ、唇を吸い、顔を離すと微笑み合った。
「もう、怯えないよ。……逃げない。私、もう大丈夫……っ」
「香澄は俺が守る」
何度も聞いたその言葉を、今なら心から信じられる。
「ん……っ、ん、んぅ」
深いキスをして舌を絡め合いながら、佑が深い場所でズグズグと香澄を突き上げてきた。
この上なく気持ちいい肉体の快楽に、香澄は頭がボーッとするのを感じる。
彼の動きに合わせて腰を揺らすのも、「恥ずかしい」よりも「気持ちいい」を優先するのにも、さほど罪悪感を覚えない。
――もっと気持ち良くなりたい。
――この人と愛し合いたい。
悦びが体中を駆け抜け、香澄の腰を動かし、思いを迸らせる。
硬い肉棒が柔らかくなった膣襞をさざめかせ、何度も前後した。
ヌチュグチュと大きな水音がし、聴覚から香澄に淫らな感覚を教え込む。
「んぁ……っ、あぁあ、あ、んーっ、あぁあぁっ」
香澄は奔放に嬌声を上げ、自ら積極的に腰を動かして快楽を貪る。
「気持ちいい……っ、ぁあ、……た、……っ、すく、さ……っ」
わなわなと唇を震わせる香澄の涙を、佑は舌で舐め取った。
「俺も気持ちいいよ」
愛しげに微笑んでから、佑は艶冶な息をつき目を閉じて己の快楽を貪る。
(あぁ……。こんなに綺麗な人が、私の体で気持ち良くなってくれてる……)
ムニュリと乳房を揉まれ、柔肉に食い込む指の感覚が気持ちいい。
胸を揉んで佑が二重に喜んでくれるのなら、幾らでも揉んでほしいとすら思った。
「香澄、もっと気持ち良くなって」
佑が奉仕の精神を示し、親指で濡れそぼった淫玉を撫で回してきた。
「っひぁあああぁ……っ! あああぁーっ!」
途端に、強すぎるほどの悦楽が香澄を襲い、彼女は腰を弓なりに反らして絶頂した。
「香澄、可愛いよ。もっとイキ顔見せて」
愉悦の籠もった佑の声がし、さらなる淫悦が香澄を襲う。
大きな波が次々に押し寄せ、香澄は泣きながら深い法悦を得ていた。
涙を零し涎を垂らしてみっともない姿を見せても、佑はそれを「可愛い」とすべて受け入れてくれる。
――嬉しい。
家族、麻衣以外に、こんなにも深く信じられたのは初めてだ。
健二によって男性不信になりかけていた香澄を、佑は〝上書き〟というオスのマーキング行為で救ってみせた。
佑は気持ちよさそうな声を漏らし、夢中になって腰を振っている。
ひと突きごとに、香澄は自分が生まれ変わっているかのような心地を得ていた。
「達く……っ、また、――ぃ、……くっ」
「いいよ、何度でも達って」
頭をサラリと撫でられ、あまりにも嬉しくて香澄は泣きながらまた絶頂した。
「っんぁあああぁ……っ!」
これ以上ないというほど激しく痙攣し、目の前がチカチカと瞬くような感覚を得てから、強すぎる快楽の波濤を味わいすぎて香澄は意識を失った。
「ぁ……っ、香澄、――香澄……っ」
香澄が気絶してしまったのは分かりながらも、佑は腰を止められない。
彼女の名前を呼んで何回か激しく腰を叩きつけたあと、喉の奥で低くうめいて吐精した。
「……っ、はっ、はぁ……っ、――ぁっ、……あ……っ」
滴るほどの汗を掻き、佑は必死に呼吸を整える。
いまだ香澄の温かな膣内に包まれたまま、彼女の乱れた髪を整えた。
「……好きだよ」
呟いて気絶した彼女にキスをしてから、佑は艶冶な息をつき屹立を引き抜いた。
避妊具の始末をしたあと、まだまだ彼女を抱きたい欲をグッと抑える。
しどけなく眠る香澄を見て、独占欲を満足させたあと、佑はベッドから下りて冷蔵庫から水を出した。
(香澄とセックスするようになってから、体調が良くなった気がするよな……)
汗で濡れた髪を掻き上げ、佑はぼんやりと考える。
セクシャルな意味で、他人からどう見られるかは、ほぼ気にしない。
だが香澄と付き合うようになってから、「色気が増した」とか「肌つやが良くなってより若く見える」など、男女問わず言われるようになった。
(まぁ、健康そう、若そうっていうのは言われて損ではないよな)
無意識に割れた腹筋をピタピタと手で叩き、ペットボトルをベッドサイドに置く。
(『気持ちいい』って言ってくれて良かった。すぐにトラウマから立ち直るのは無理かもしれないけど、これをきっかけに前向きになってくれたらいいな)
香澄の隣に戻り、少し汗が引いた体に羽根布団を掛ける。
「……おやすみ。俺はいつも側にいるよ。ずっと香澄の味方だから」
彼女の前髪を掻き分け唇をつけると、香澄が微かに笑ったような気がした。
**
(……してしまった……)
翌朝、香澄は佑が作ってくれたトロフワオムレツをつつきながら、ずぅん……と沈んでいた。
「どうした? モンサンミッシェル風、好きじゃない?」
向かいに座った佑は一口大に切ったスフレオムレツを、フォークの上でプルプルと震わせてみせる。
「う、ううん! すっごい美味しい! モンサンミッシェル行ったことないけど、現地のオムレツよりずっと美味しいよ!」
「ははっ、ありがと」
フワフワのオムレツは、見た目はまるでデザートのようなのに、トマトベースのソースが掛かっているので、食べると完全におかずだ。
パンは近所のパン屋で買ってきたバゲットなど数種類がテーブルの中央にあり、佑が作ってくれたクラムチャウダーに浸すと美味しい。
朝早くから電動泡立て器を使って手の込んだものを作ってくれていたが、流石広い屋敷である上、防音も効いているので音で目覚める事はなかった。
「それじゃあ、他に何かあった? ……昨晩ので、体調が悪いとか」
彼が気にする様子を見せたので、香澄は慌てて否定する。
「う、ううん! 気持ち良かったよ! あっ、……その。……大変乱れてしまいましたが、……良い思いをさせて頂きました」
シラフの状態で素直に「気持ち良かった」と言うのは流石に恥ずかしく、最後はポソポソと小声になる。
その途端、佑がブフッと噴き出し、横を向いてクックックッ……と肩を揺らし笑い出した。
「こちらこそ、結構なものを頂きました」
そしてノッて返事をしてくるので、余計に恥ずかしくなってしまった。
「……いやぁ……、その、ね? 今日、これからご家族に会いに行くのに、前日にあんな事していいのかな……って」
今日はこれから、佑の家族とランチ会の予定だ。
それなのに……と、まじめな香澄は思ってしまうのだ。
「いいんじゃないか? 二人の絆を強めるために、必要な事だったと思うよ」
佑はスッキリした顔をしていて、香澄は思わず「体力オバケ」と心の中で呟く。
「体、つらい?」
「ん……。でも、午前中に少し休んでたら大丈夫だと思う」
「分かった。無理させてごめんな。移動は車だし、特に歩いて移動とかもないと思うから、そこは安心して」
「うん」
気を取り直し、ひとまず佑が作ってくれた朝食を平らげる事にした。
――――――――――――――――
大分間隔が空いてすみません。メリークリスマス!
12月のお仕事は終わったのですが、他にやることがあって忙しいままです(笑)
愛しい形を迎え入れ、香澄は歓喜の声を上げる。
「気持ちいい?」
佑が香澄の頭を撫で、優しく尋ねてきた。
「ん……っ、ん、きもち、――いい……っ」
ヌプ、ヌプと佑は香澄の様子を窺いながらゆっくり抽送を始める。
――気持ちいい。
セックスをして素直にその言葉を言えた自分が、誇らしい。
目を開けると、美しい人が自分だけを見て微笑んでくれている。
少しでも痛がったり嫌なところがあれば、やめてくれる優しさのある人だ。
(健二くんとは違う)
心の奥底で香澄は自分に言い聞かせ、彼に向かって笑いかけた。
「佑さん、……大好き、……だよ」
その言葉を聞いて、佑は嬉しそうに目を細めた。
「俺も、愛してるよ」
どん底に落ちたからこそ、普通に愛してくれる男性のありがたみが身に染みる。
彼は自分本位のセックスをしない。
彼は痛い事をしない。
香澄が嫌がる事を絶対にしないし、言わない。
それだけのシンプルな事をできる男性が、とても貴重で大切に思える。
「う、……うぅ、……あ、……あっ」
佑が腰を動かすたび、この上もない快楽が香澄を包み込む。
――好き。
――私、愛されてるんだ。
――もう、怖がらなくていいんだ。
――信じてもいいんだ。
こみ上げる開放感に、香澄は涙を流し晴れやかな笑みを浮かべた。
両腕を彼の首に回し、自分からキスをする。
佑と舌を擦り合わせ、唇を吸い、顔を離すと微笑み合った。
「もう、怯えないよ。……逃げない。私、もう大丈夫……っ」
「香澄は俺が守る」
何度も聞いたその言葉を、今なら心から信じられる。
「ん……っ、ん、んぅ」
深いキスをして舌を絡め合いながら、佑が深い場所でズグズグと香澄を突き上げてきた。
この上なく気持ちいい肉体の快楽に、香澄は頭がボーッとするのを感じる。
彼の動きに合わせて腰を揺らすのも、「恥ずかしい」よりも「気持ちいい」を優先するのにも、さほど罪悪感を覚えない。
――もっと気持ち良くなりたい。
――この人と愛し合いたい。
悦びが体中を駆け抜け、香澄の腰を動かし、思いを迸らせる。
硬い肉棒が柔らかくなった膣襞をさざめかせ、何度も前後した。
ヌチュグチュと大きな水音がし、聴覚から香澄に淫らな感覚を教え込む。
「んぁ……っ、あぁあ、あ、んーっ、あぁあぁっ」
香澄は奔放に嬌声を上げ、自ら積極的に腰を動かして快楽を貪る。
「気持ちいい……っ、ぁあ、……た、……っ、すく、さ……っ」
わなわなと唇を震わせる香澄の涙を、佑は舌で舐め取った。
「俺も気持ちいいよ」
愛しげに微笑んでから、佑は艶冶な息をつき目を閉じて己の快楽を貪る。
(あぁ……。こんなに綺麗な人が、私の体で気持ち良くなってくれてる……)
ムニュリと乳房を揉まれ、柔肉に食い込む指の感覚が気持ちいい。
胸を揉んで佑が二重に喜んでくれるのなら、幾らでも揉んでほしいとすら思った。
「香澄、もっと気持ち良くなって」
佑が奉仕の精神を示し、親指で濡れそぼった淫玉を撫で回してきた。
「っひぁあああぁ……っ! あああぁーっ!」
途端に、強すぎるほどの悦楽が香澄を襲い、彼女は腰を弓なりに反らして絶頂した。
「香澄、可愛いよ。もっとイキ顔見せて」
愉悦の籠もった佑の声がし、さらなる淫悦が香澄を襲う。
大きな波が次々に押し寄せ、香澄は泣きながら深い法悦を得ていた。
涙を零し涎を垂らしてみっともない姿を見せても、佑はそれを「可愛い」とすべて受け入れてくれる。
――嬉しい。
家族、麻衣以外に、こんなにも深く信じられたのは初めてだ。
健二によって男性不信になりかけていた香澄を、佑は〝上書き〟というオスのマーキング行為で救ってみせた。
佑は気持ちよさそうな声を漏らし、夢中になって腰を振っている。
ひと突きごとに、香澄は自分が生まれ変わっているかのような心地を得ていた。
「達く……っ、また、――ぃ、……くっ」
「いいよ、何度でも達って」
頭をサラリと撫でられ、あまりにも嬉しくて香澄は泣きながらまた絶頂した。
「っんぁあああぁ……っ!」
これ以上ないというほど激しく痙攣し、目の前がチカチカと瞬くような感覚を得てから、強すぎる快楽の波濤を味わいすぎて香澄は意識を失った。
「ぁ……っ、香澄、――香澄……っ」
香澄が気絶してしまったのは分かりながらも、佑は腰を止められない。
彼女の名前を呼んで何回か激しく腰を叩きつけたあと、喉の奥で低くうめいて吐精した。
「……っ、はっ、はぁ……っ、――ぁっ、……あ……っ」
滴るほどの汗を掻き、佑は必死に呼吸を整える。
いまだ香澄の温かな膣内に包まれたまま、彼女の乱れた髪を整えた。
「……好きだよ」
呟いて気絶した彼女にキスをしてから、佑は艶冶な息をつき屹立を引き抜いた。
避妊具の始末をしたあと、まだまだ彼女を抱きたい欲をグッと抑える。
しどけなく眠る香澄を見て、独占欲を満足させたあと、佑はベッドから下りて冷蔵庫から水を出した。
(香澄とセックスするようになってから、体調が良くなった気がするよな……)
汗で濡れた髪を掻き上げ、佑はぼんやりと考える。
セクシャルな意味で、他人からどう見られるかは、ほぼ気にしない。
だが香澄と付き合うようになってから、「色気が増した」とか「肌つやが良くなってより若く見える」など、男女問わず言われるようになった。
(まぁ、健康そう、若そうっていうのは言われて損ではないよな)
無意識に割れた腹筋をピタピタと手で叩き、ペットボトルをベッドサイドに置く。
(『気持ちいい』って言ってくれて良かった。すぐにトラウマから立ち直るのは無理かもしれないけど、これをきっかけに前向きになってくれたらいいな)
香澄の隣に戻り、少し汗が引いた体に羽根布団を掛ける。
「……おやすみ。俺はいつも側にいるよ。ずっと香澄の味方だから」
彼女の前髪を掻き分け唇をつけると、香澄が微かに笑ったような気がした。
**
(……してしまった……)
翌朝、香澄は佑が作ってくれたトロフワオムレツをつつきながら、ずぅん……と沈んでいた。
「どうした? モンサンミッシェル風、好きじゃない?」
向かいに座った佑は一口大に切ったスフレオムレツを、フォークの上でプルプルと震わせてみせる。
「う、ううん! すっごい美味しい! モンサンミッシェル行ったことないけど、現地のオムレツよりずっと美味しいよ!」
「ははっ、ありがと」
フワフワのオムレツは、見た目はまるでデザートのようなのに、トマトベースのソースが掛かっているので、食べると完全におかずだ。
パンは近所のパン屋で買ってきたバゲットなど数種類がテーブルの中央にあり、佑が作ってくれたクラムチャウダーに浸すと美味しい。
朝早くから電動泡立て器を使って手の込んだものを作ってくれていたが、流石広い屋敷である上、防音も効いているので音で目覚める事はなかった。
「それじゃあ、他に何かあった? ……昨晩ので、体調が悪いとか」
彼が気にする様子を見せたので、香澄は慌てて否定する。
「う、ううん! 気持ち良かったよ! あっ、……その。……大変乱れてしまいましたが、……良い思いをさせて頂きました」
シラフの状態で素直に「気持ち良かった」と言うのは流石に恥ずかしく、最後はポソポソと小声になる。
その途端、佑がブフッと噴き出し、横を向いてクックックッ……と肩を揺らし笑い出した。
「こちらこそ、結構なものを頂きました」
そしてノッて返事をしてくるので、余計に恥ずかしくなってしまった。
「……いやぁ……、その、ね? 今日、これからご家族に会いに行くのに、前日にあんな事していいのかな……って」
今日はこれから、佑の家族とランチ会の予定だ。
それなのに……と、まじめな香澄は思ってしまうのだ。
「いいんじゃないか? 二人の絆を強めるために、必要な事だったと思うよ」
佑はスッキリした顔をしていて、香澄は思わず「体力オバケ」と心の中で呟く。
「体、つらい?」
「ん……。でも、午前中に少し休んでたら大丈夫だと思う」
「分かった。無理させてごめんな。移動は車だし、特に歩いて移動とかもないと思うから、そこは安心して」
「うん」
気を取り直し、ひとまず佑が作ってくれた朝食を平らげる事にした。
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大分間隔が空いてすみません。メリークリスマス!
12月のお仕事は終わったのですが、他にやることがあって忙しいままです(笑)
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