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第一部・出会い 編
御劔邸1
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――と、自分がお上りさん丸出しなのに気付いて、急に恥ずかしくなってきた。
「す、すみません……。田舎者で……」
「いや? 俺だって普段行かない場所に行ったら、見るもの何でも珍しいと思うし、楽しいし興奮する。普通の反応なんだから、そんなに気にしなくていいよ」
「は、はい……」
「観光的な事を言えば、レインボーブリッジを右手に望んだあと、車は都心に向かう。その途中で右手に東京タワーが見えるから、それも楽しみにしているといいんじゃないかな」
「うう……、はい。楽しみにします」
もうここまで来たら、言われるがままに楽しむしかない。
スマホを構えて窓の外を見ていると、やがて夜空に浮かぶように、くっきりと虹色の橋が見えた。
「本当に虹色だ……」
アルファベットの『U』を逆にしたような形の主塔は、上から赤、黄色、黄緑、緑、青……と虹色に光っている。
そして高層ビルの合間に東京タワーが見え、香澄は「あっ」と小さく声を上げ、首を左右に動かし必死にその姿を確認しようとする。
佑が隣で微笑ましく見守っているのを知らず、香澄はブレブレの写真を撮ってひとまず満足するのだった。
やがて空港から三十分も経たず、車は閑静な住宅街の中で減速してゆく。
「えっと……ここは何て言う所ですか?」
「白金って聞いた事あるかな?」
「アッ! シロガネーゼの……!」
一昔前に話題になった単語を口にし、香澄は自分が大層な土地に来てしまったと知る。
おまけに窓の外には延々と壁が続いていて、どうやら敷地的に大豪邸がありそうだ。
ようやく車が一時停止したかと思うと、海外ドラマか映画に出て来そうな錬鉄の門が自動で開いていく。
そのまま車は門の中に入り、一軒家のある敷地とは思えないアプローチを進んでいく。
(えっ? 奥にあるお屋敷がそう……なら、この手前にある家は何? で、あれはプール? え?)
頭の中が疑問符で一杯になり、香澄は混乱する。
やがて佑が「着いたよ」と言って車のドアを開け、先に下りる。
香澄もドアを開けようとしたのだが、ドアを開ける取っ手がどこにあるのか分からない。
焦っているところ、運転手が外からドアを開けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて外に出ると、冬の外気が頬をかする。
「わ……」
目の前にそびえる豪邸は、横幅があり全面は広い面積がガラス張りになっていて、個人所有の一軒家とは思えない。
(あの目隠しの壁があるから、中がガラス張りでも大丈夫なんだろうな)
後ろを見てみると壁の内側には庭木がある。
ライトアップされが美しい庭は、屋敷に向かって右側が日本庭園風で、左側が洋風になっている。
日本庭園と屋敷の間にはプールがあるが、季節的に中の水は抜かれているようだ。
さらに屋敷の右側には家とはまた違う建物があり、恐らく物置かガレージか……というところだ。
「佑さんのおうちはあの豪邸ですか?」
「豪邸かは分からないけど、そうだよ」
(豪邸です!)
心の中ですかさず突っ込み、香澄は後ろに見える普通の一軒家を指差す。
「あの家はなんでしょうか?」
「あれは、常駐している警備員さんのための家。他にも運転手や護衛、家政婦さんが仕事外の時に使う事もある。俺たちはあまり立ち入らない場所だと思って構わないよ。郵便物や宅配物などは、全部警備員さんに任せている。選別したあとに母屋に運んでくれているから、香澄は何もしなくていいよ」
「は、はぁ……」
「寒いから、中に入ろう」
佑は先に歩き始め、少し進んで香澄を振り向く。
「は、はいっ」
手荷物のクロスボディバッグだけを持ち、香澄はビクビクしながら豪邸の玄関に向かった。
チョコレート色の両開きのドアの周りは、レンガ造りになっていて雰囲気がある。
玄関周りのアーチ部分のみレンガでできていて、他の外壁は白い。
佑がスマホを操作すると、それだけで家の鍵が開いてしまった。
「家の鍵ってスマホ対応なんですか!?」
「ん? うん。スマートロックって言うんだ」
キョトンとした佑と一緒に玄関に入った途端、玄関のキャビネットの上に置かれていたAIアシスタントが「お帰りなさい、佑さん」と挨拶をした。
「わっ! びびった!」
従兄弟の家にもAIアシスタントはあるので、存在は知っている。
けれど突然の事だったので、つい小さく飛び上がって声を出してしまった。
そんな香澄に笑みを漏らし、佑は〝彼女〟を紹介してくれる。
「〝彼女〟はフェリシア。……まぁ、商品名だね。家の中のあちこちに置いてあるから、電気の点灯やカーテンの開閉、オーディオ器機の操作や、……まぁ、他にも基本的に天気を聞いたり、ネット検索変わりに使ったり。色々できるよ。香澄の声にも反応するように設定しておく」
「え、えぇ、あぁ、う。は、はいっ」
もはや言葉になっていない声で返事をし、玄関というには広すぎる空間をよく見ようとした時――。
「御劔さん、お帰りなさい」
女性の声がし、奥から一人の女性が出てきた。
年齢は四十代半ばほどで、細身で顔立ちが可愛らしい人だ。
髪はショートカットで、茶色いエプロンをつけている。
「斎藤さん、ただいま。こちらが、話していた赤松香澄さん。香澄、こちらは家政婦さんの斎藤さん。通いで来てもらっている」
「は、初めまして。赤松香澄です」
「初めまして、斎藤貴恵(さいとうきえ)です」
ニコニコとした彼女を見て、少しだけ自分が受け入れられた気がした。
「色々用意できますが、何なら召し上がれますか?」
「香澄は何が食べたい?」
「えっ? で、でも……材料だって色々あるでしょうし」
モゴモゴと言葉に詰まると、斎藤がにっこり笑う。
「御劔家には食料庫もありますし、恒常的に和洋中どんな料理でも提供できるようになっています。食材についてはご心配なく」
「は、はぁ……」
(食料庫!)
驚いている香澄をよそに、佑が顎に手を当て考える。
「そう言えば、札幌のホテルでパスタを食べていたっけ。麺もの好き?」
「は、はい。麺、大好きです」
「赤松さん、麺なら何がお好きですか?」
「麺なら、何でも食べます!」
力を入れて頷いたからか、斎藤は破顔して「了解致しました!」と拳を握った。
「少しお時間頂きますね。お部屋へのご案内など、お好きにどうぞ」
笑いながら斎藤が言い、また奥に引っ込んでいった。
「明るい方ですね」
「もともと、パリまでフレンチの修行に行っていた人だから、コミュニケーション能力は高いはずだよ」
「すご!」
はぁー……、と溜め息をつき、自分がまだ靴すら脱いでいない事に気付く。
「スリッパをどうぞ」
「は、はい」
玄関は普通の家のように一段上がるタイプではなく、同じ高さの床が続いている。
ただ、土足でもいい場所が黒い床になっていて、スリッパが置かれているのが白い床なので分かりやすい。
玄関に入って右側にはフェリシアや、綺麗な花が生けられた花瓶がのっているキャビネットがあり、後ろの壁には風景画もある。
キャビネットの右手にある目立たないドアは、納戸に続いているのかもしれない。
キャビネットの左側には、靴を履くためなのか、アンティークな感じのソファが置かれてあった。
玄関に入って左手には、天井まで届きそうな鏡がある。そして佑がその床近くを足でトンと押した。すると鏡が左右に開き、奥に空間が広がる。
「へっ……」
「ここはシューズクローゼット」
佑は一歩中に入り、電気をつける。
すると木でできたシューズボックスに、紳士靴やブーツ、スニーカーなどが芸術品のように並んでいた。
照明なども凝っていて、ディスプレイの仕方が普段履く靴に見えない。
「香澄の靴を置くスペースも沢山あるから、これからはここに」
(そんなに靴いらない!)
「まぁ、色々TPOに合わせて必要になるだろうから」
香澄の考えを見透かしたように言い、佑はシューズクローゼットを閉じて奥に進んでいく。
彼は途中で左側に通じるドアを開け、その奥にも広い空間がある。
「こっちはジム。体型維持もしないとだし、健康には気を遣っているから、器具は一通りある。パーソナルトレーナーにも通ってもらっているから、香澄も興味があるならいつでも。あと、整体師さんにも通ってもらっているから、体のメンテナンスもできるよ」
「は、はぁ……」
(この人、王様なのかな……)
もうセレブの〝普通の生活〟が分からなくなり、香澄は考える事を放棄している。
――――――――――――――
色々、「今さら感」がありますが、お付き合いくださいませ(笑)
少しの間、単純に書いている私が楽しいだけの、「ぼくの考えた最強の豪邸」みたいなお宅紹介が続きます。
ご容赦ください。
「す、すみません……。田舎者で……」
「いや? 俺だって普段行かない場所に行ったら、見るもの何でも珍しいと思うし、楽しいし興奮する。普通の反応なんだから、そんなに気にしなくていいよ」
「は、はい……」
「観光的な事を言えば、レインボーブリッジを右手に望んだあと、車は都心に向かう。その途中で右手に東京タワーが見えるから、それも楽しみにしているといいんじゃないかな」
「うう……、はい。楽しみにします」
もうここまで来たら、言われるがままに楽しむしかない。
スマホを構えて窓の外を見ていると、やがて夜空に浮かぶように、くっきりと虹色の橋が見えた。
「本当に虹色だ……」
アルファベットの『U』を逆にしたような形の主塔は、上から赤、黄色、黄緑、緑、青……と虹色に光っている。
そして高層ビルの合間に東京タワーが見え、香澄は「あっ」と小さく声を上げ、首を左右に動かし必死にその姿を確認しようとする。
佑が隣で微笑ましく見守っているのを知らず、香澄はブレブレの写真を撮ってひとまず満足するのだった。
やがて空港から三十分も経たず、車は閑静な住宅街の中で減速してゆく。
「えっと……ここは何て言う所ですか?」
「白金って聞いた事あるかな?」
「アッ! シロガネーゼの……!」
一昔前に話題になった単語を口にし、香澄は自分が大層な土地に来てしまったと知る。
おまけに窓の外には延々と壁が続いていて、どうやら敷地的に大豪邸がありそうだ。
ようやく車が一時停止したかと思うと、海外ドラマか映画に出て来そうな錬鉄の門が自動で開いていく。
そのまま車は門の中に入り、一軒家のある敷地とは思えないアプローチを進んでいく。
(えっ? 奥にあるお屋敷がそう……なら、この手前にある家は何? で、あれはプール? え?)
頭の中が疑問符で一杯になり、香澄は混乱する。
やがて佑が「着いたよ」と言って車のドアを開け、先に下りる。
香澄もドアを開けようとしたのだが、ドアを開ける取っ手がどこにあるのか分からない。
焦っているところ、運転手が外からドアを開けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて外に出ると、冬の外気が頬をかする。
「わ……」
目の前にそびえる豪邸は、横幅があり全面は広い面積がガラス張りになっていて、個人所有の一軒家とは思えない。
(あの目隠しの壁があるから、中がガラス張りでも大丈夫なんだろうな)
後ろを見てみると壁の内側には庭木がある。
ライトアップされが美しい庭は、屋敷に向かって右側が日本庭園風で、左側が洋風になっている。
日本庭園と屋敷の間にはプールがあるが、季節的に中の水は抜かれているようだ。
さらに屋敷の右側には家とはまた違う建物があり、恐らく物置かガレージか……というところだ。
「佑さんのおうちはあの豪邸ですか?」
「豪邸かは分からないけど、そうだよ」
(豪邸です!)
心の中ですかさず突っ込み、香澄は後ろに見える普通の一軒家を指差す。
「あの家はなんでしょうか?」
「あれは、常駐している警備員さんのための家。他にも運転手や護衛、家政婦さんが仕事外の時に使う事もある。俺たちはあまり立ち入らない場所だと思って構わないよ。郵便物や宅配物などは、全部警備員さんに任せている。選別したあとに母屋に運んでくれているから、香澄は何もしなくていいよ」
「は、はぁ……」
「寒いから、中に入ろう」
佑は先に歩き始め、少し進んで香澄を振り向く。
「は、はいっ」
手荷物のクロスボディバッグだけを持ち、香澄はビクビクしながら豪邸の玄関に向かった。
チョコレート色の両開きのドアの周りは、レンガ造りになっていて雰囲気がある。
玄関周りのアーチ部分のみレンガでできていて、他の外壁は白い。
佑がスマホを操作すると、それだけで家の鍵が開いてしまった。
「家の鍵ってスマホ対応なんですか!?」
「ん? うん。スマートロックって言うんだ」
キョトンとした佑と一緒に玄関に入った途端、玄関のキャビネットの上に置かれていたAIアシスタントが「お帰りなさい、佑さん」と挨拶をした。
「わっ! びびった!」
従兄弟の家にもAIアシスタントはあるので、存在は知っている。
けれど突然の事だったので、つい小さく飛び上がって声を出してしまった。
そんな香澄に笑みを漏らし、佑は〝彼女〟を紹介してくれる。
「〝彼女〟はフェリシア。……まぁ、商品名だね。家の中のあちこちに置いてあるから、電気の点灯やカーテンの開閉、オーディオ器機の操作や、……まぁ、他にも基本的に天気を聞いたり、ネット検索変わりに使ったり。色々できるよ。香澄の声にも反応するように設定しておく」
「え、えぇ、あぁ、う。は、はいっ」
もはや言葉になっていない声で返事をし、玄関というには広すぎる空間をよく見ようとした時――。
「御劔さん、お帰りなさい」
女性の声がし、奥から一人の女性が出てきた。
年齢は四十代半ばほどで、細身で顔立ちが可愛らしい人だ。
髪はショートカットで、茶色いエプロンをつけている。
「斎藤さん、ただいま。こちらが、話していた赤松香澄さん。香澄、こちらは家政婦さんの斎藤さん。通いで来てもらっている」
「は、初めまして。赤松香澄です」
「初めまして、斎藤貴恵(さいとうきえ)です」
ニコニコとした彼女を見て、少しだけ自分が受け入れられた気がした。
「色々用意できますが、何なら召し上がれますか?」
「香澄は何が食べたい?」
「えっ? で、でも……材料だって色々あるでしょうし」
モゴモゴと言葉に詰まると、斎藤がにっこり笑う。
「御劔家には食料庫もありますし、恒常的に和洋中どんな料理でも提供できるようになっています。食材についてはご心配なく」
「は、はぁ……」
(食料庫!)
驚いている香澄をよそに、佑が顎に手を当て考える。
「そう言えば、札幌のホテルでパスタを食べていたっけ。麺もの好き?」
「は、はい。麺、大好きです」
「赤松さん、麺なら何がお好きですか?」
「麺なら、何でも食べます!」
力を入れて頷いたからか、斎藤は破顔して「了解致しました!」と拳を握った。
「少しお時間頂きますね。お部屋へのご案内など、お好きにどうぞ」
笑いながら斎藤が言い、また奥に引っ込んでいった。
「明るい方ですね」
「もともと、パリまでフレンチの修行に行っていた人だから、コミュニケーション能力は高いはずだよ」
「すご!」
はぁー……、と溜め息をつき、自分がまだ靴すら脱いでいない事に気付く。
「スリッパをどうぞ」
「は、はい」
玄関は普通の家のように一段上がるタイプではなく、同じ高さの床が続いている。
ただ、土足でもいい場所が黒い床になっていて、スリッパが置かれているのが白い床なので分かりやすい。
玄関に入って右側にはフェリシアや、綺麗な花が生けられた花瓶がのっているキャビネットがあり、後ろの壁には風景画もある。
キャビネットの右手にある目立たないドアは、納戸に続いているのかもしれない。
キャビネットの左側には、靴を履くためなのか、アンティークな感じのソファが置かれてあった。
玄関に入って左手には、天井まで届きそうな鏡がある。そして佑がその床近くを足でトンと押した。すると鏡が左右に開き、奥に空間が広がる。
「へっ……」
「ここはシューズクローゼット」
佑は一歩中に入り、電気をつける。
すると木でできたシューズボックスに、紳士靴やブーツ、スニーカーなどが芸術品のように並んでいた。
照明なども凝っていて、ディスプレイの仕方が普段履く靴に見えない。
「香澄の靴を置くスペースも沢山あるから、これからはここに」
(そんなに靴いらない!)
「まぁ、色々TPOに合わせて必要になるだろうから」
香澄の考えを見透かしたように言い、佑はシューズクローゼットを閉じて奥に進んでいく。
彼は途中で左側に通じるドアを開け、その奥にも広い空間がある。
「こっちはジム。体型維持もしないとだし、健康には気を遣っているから、器具は一通りある。パーソナルトレーナーにも通ってもらっているから、香澄も興味があるならいつでも。あと、整体師さんにも通ってもらっているから、体のメンテナンスもできるよ」
「は、はぁ……」
(この人、王様なのかな……)
もうセレブの〝普通の生活〟が分からなくなり、香澄は考える事を放棄している。
――――――――――――――
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少しの間、単純に書いている私が楽しいだけの、「ぼくの考えた最強の豪邸」みたいなお宅紹介が続きます。
ご容赦ください。
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