18 / 1,559
第一部・出会い 編
信じます
しおりを挟む
「突然だけど、今日もし良かったらご両親のご都合はつかないだろうか?」
「えっ!?」
いきなり両親に会いたいと言われ、香澄は混乱する。
「そっ、そりゃあ、家族には相談しないとって思ってましたが、急に御劔さんを連れていくなんて……」
――まるで結婚の許しを得に行くみたい。
と思って口を噤む。
「俺も赤松さんに、突然すぎる申し出をしている自覚はあるんだ。赤松さん本人に、君の事は俺が責任を取ると伝えても、ご両親は赤松さんが東京に行くと言い出したら、当然不安に思うだろう。だから、きちんとご挨拶をして、東京での赤松さんの身元はしっかり預かりますとお伝えしたいんだ」
「……そういう、事なら……」
結婚の許しではなく、真面目に仕事の話なら……と香澄は頷く。
反面、ほんの少しだけガッカリしている自分もいて、そんな自分が嫌になる。
佑の事を素敵だと思っても、出会ってすぐの人に恋なんてしない。
そう思っていたのに、ずっと自分に対してグイグイ押してきた佑が引く姿を見ると、物足りなくなってしまう。
(私、御劔さんに求められる事を気持ち良く思い始めてる。……自惚れないように気を付けないと。いざという時に『やっぱりやめた』ってされたら、目も当てられない)
自分を戒めていた時、佑が顔を覗き込んできた。
「……どうした?」
「えっ?」
軽く微笑んでいるその顔を見て、香澄はドキッと胸を高鳴らせる。
薄く綺麗な色の瞳は、まるで香澄の感情を見透かしているように思えた。
「何か、ガッカリしてる?」
佑が笑みを深めたのを見て、香澄は一気に赤面した。
「いっ、いえっ! ガッカリだなんてっ」
ブンブンと首を振り、香澄は自分が彼に〝期待〟していたのを隠そうとする。
「ご両親に交際の許可を求めていいなら、勿論そうしたいけど」
「いっ、いえっ!」
自分が考えていた事がすべて筒抜けになっていて、香澄は恥ずかしくて堪らない。
「赤松さん? 俺と付き合うのは嫌?」
けれど改めて尋ねられ、香澄は返すべき言葉に迷う。
「…………」
黙っていると、佑が別の言葉で尋ね直す。
「俺の外見に生理的拒絶は? クォーターだから嫌だとか」
「そっ、そんな! ありません! ……か、格好よすぎてビビってるというか……は、ありますけど」
「じゃあ、内面は? 強引すぎるとか、金持ちがいけ好かないとか」
「う、うーん……。強引さは多少感じますけど、不快に思うほどじゃないです。ちょっと調子に乗ってきたな……って感じた時は、ちゃんと引き際をわきまえていますし。正直、紳士的だと思いますし丁寧で、人として信頼できそう……とは思います」
「うん、ありがとう。じゃあ、仕事や東京での生活の不安は置いておいて、俺と付き合う事について、他に不安は?」
微笑んだまま、佑は丁寧に香澄の気持ちを解きほぐしてゆく。
(この人、こうやって丁寧に解決しようとするんだよなぁ。何でも持っているそのパーフェクトさで、『自分なら許されるだろう』って強引に事を運ばない。だから……気にしてしまうのかもしれない)
自分の中で〝理由〟をきちんとつけて、香澄は納得する。
少なくとも、今感じたこれは佑の魅力だ。
(逃げてないで、御劔さんが魅力的だっていう事は認めないと)
うん、と心の中で頷き、香澄は佑の問いに答えた。
「素直に言えば、御劔さんはとても魅力的で、自分でブレーキを掛けないとあっという間に恋してしまいそうです」
「どうしてブレーキを掛ける?」
さらに問われ、香澄は唇を一度引き結んでからおずおずと口を開く。
「……御劔さんが、あまりに有名な方で素敵で、自分に釣り合わないと思うからです。いまだに現実味が感じられなくて、いつか『冗談だよ』って言われてポイッと捨てられる未来がたやすく想像できる……。そうなったら、情けなくてみっともなくて……恥ずかしい。……だから、自分に『自惚れたら駄目』ってブレーキを掛けているんです」
「うーん……、そっか」
佑は頷き、ソファに座り直して脚を組む。
「俺はある程度、自分がそういう風に見られているのを自覚している。でも先日話した通り、中身はごく普通の男だよ。必要があるなら、前の彼女とどうやって駄目になったのか、話してもいい」
「いっ……いえっ! そ、そんな突っ込んだ事、聞けません」
「そうか? ……じゃあ、もう少し身近に感じられるように、香澄って呼ぼうか」
「えっ!?」
突然、下の名前で呼ばれ、香澄はあたふたとする。
「香澄も俺の事を〝佑〟って呼んでいいよ」
「そっ、そんな……!」
両手を顔の前でブンブンと振り、香澄はとんでもないと訴える。
「一歩踏み出さないと、いつまで経っても前に進めないと思う」
「そ、それはそうですが……」
「あと、さっきのどうしても不安になる事についてだけど、何なら契約書を用意しようか」
「けっ、契約書!?」
一度立ち上がった佑は、書斎から書類を持ってきた。
テーブルの上に置かれたので、つい手に取って見てみる。
それは企業で取り交わされている物よりはずっと略式化しているが、最後のページには佑のサインが書かれ、印鑑が押されてあった。
「理解しやすい文章で書いたから、読んでみて」
「はい……」
書かれてある文章に目を通すと、佑は香澄が求める限り、東京での生活と安全を保証し、仕事においても無責任に解雇しないと書かれてあった。
仕事について香澄の方から辞めたいという意志があった場合は、きちんと相談し合って決めるともある。
他、仮に同棲に至った場合、香澄が同意しないなら無理な性行為もしないとも書いてある。
全体的に、香澄にとってとても有利な内容だった。
香澄が途中で会社を辞めると言ったとしても、次の職が見つかるまでの保証金を出し、積極的に転職の手伝いをすると書いてある。
その上、同棲を解消した場合は、無条件で佑が持つ不動産を無償で貸し、次の住居が見つかるまで無期限で住んでいい事になっている。
『Chief Every』で社長秘書として勤めた場合の雇用条件の他、同棲した場合は一切家事をやらなくていいとも書いてあった。
その他、社長秘書として身なりを整えるのに必要となる服や化粧品、その他習い事などに掛かる金も佑が支払うとある。
「……これで、御劔さんはどうやって得するんですか?」
「得? 俺は香澄に側にいてほしいだけだけど」
また香澄と呼び、佑が邪気のない表情で笑う。
この契約書と彼の態度で、佑が自分と付き合うためなら、本気で何でもしようと思っているのを感じた。
(負けだ……)
香澄は手にしていた契約書をテーブルの上に置く。
佑は契約書を用意する事で、香澄が現在抱えている不安すべてを解消しようと先回りしていた。
これで、〝いつか捨てられた時の現実的な辛さ〟はすべて解消される。
少なくとも、手元には巨額の金が入るし、住む場所も失わない。
次の仕事が見つかるまで、贅沢三昧できそうなほどの保証が書かれてあった。
「……御劔さんは、同棲したいんですか?」
「可能ならそうしたいかな。好きになった女性とは、常に一緒にいたい。仕事でも側にいてもらうけど、やっぱり接する時間が多い方が君に早く好きになってもらえると思うんだ」
「……全部、本気なんですか?」
香澄が前向きになったのを感じ、佑は惚れ惚れとするような笑みを浮かべた。
「本気だよ。俺は香澄のすべてがほしい」
名前で呼ばれているからか、その言葉を聞いて胸の奥が熱くなった。
鼓動が徐々に速まり、自分が佑を意識しているのを自覚する。
香澄は一度佑から視線を外したあと、テーブルの上の契約書に目を落とす。
それから目を閉じて、自分の心と向き合った。
自分はどうしたいのか。
御劔佑という人に望まれて、どう感じているのか。
仕事、恋人、結婚、それらについて、どうなれば自分が幸せに感じられるか。
――やがて。
「……あなたを、信じます」
目を開け、顔を上げた香澄は、佑をまっすぐ見つめて決意を口にする。
「俺と一緒に来てくれる?」
佑が目を細め、立ち上がる。
そしてテーブルを回り込んで、香澄の前に立ち手を差し伸べた。
「……はい。宜しくお願い致します。佑さん」
香澄も立ち上がり、彼の大きな手をキュッと握った。
「ありがとう!」
その途端、握った手を引かれて抱き締められた。
「わっ……」
Tシャツの柔らかな生地越しに、厚い胸板と彼の体温を感じる。
そして鼻腔を満たした官能的な雄の香りに、思わず赤面した。
「えっ!?」
いきなり両親に会いたいと言われ、香澄は混乱する。
「そっ、そりゃあ、家族には相談しないとって思ってましたが、急に御劔さんを連れていくなんて……」
――まるで結婚の許しを得に行くみたい。
と思って口を噤む。
「俺も赤松さんに、突然すぎる申し出をしている自覚はあるんだ。赤松さん本人に、君の事は俺が責任を取ると伝えても、ご両親は赤松さんが東京に行くと言い出したら、当然不安に思うだろう。だから、きちんとご挨拶をして、東京での赤松さんの身元はしっかり預かりますとお伝えしたいんだ」
「……そういう、事なら……」
結婚の許しではなく、真面目に仕事の話なら……と香澄は頷く。
反面、ほんの少しだけガッカリしている自分もいて、そんな自分が嫌になる。
佑の事を素敵だと思っても、出会ってすぐの人に恋なんてしない。
そう思っていたのに、ずっと自分に対してグイグイ押してきた佑が引く姿を見ると、物足りなくなってしまう。
(私、御劔さんに求められる事を気持ち良く思い始めてる。……自惚れないように気を付けないと。いざという時に『やっぱりやめた』ってされたら、目も当てられない)
自分を戒めていた時、佑が顔を覗き込んできた。
「……どうした?」
「えっ?」
軽く微笑んでいるその顔を見て、香澄はドキッと胸を高鳴らせる。
薄く綺麗な色の瞳は、まるで香澄の感情を見透かしているように思えた。
「何か、ガッカリしてる?」
佑が笑みを深めたのを見て、香澄は一気に赤面した。
「いっ、いえっ! ガッカリだなんてっ」
ブンブンと首を振り、香澄は自分が彼に〝期待〟していたのを隠そうとする。
「ご両親に交際の許可を求めていいなら、勿論そうしたいけど」
「いっ、いえっ!」
自分が考えていた事がすべて筒抜けになっていて、香澄は恥ずかしくて堪らない。
「赤松さん? 俺と付き合うのは嫌?」
けれど改めて尋ねられ、香澄は返すべき言葉に迷う。
「…………」
黙っていると、佑が別の言葉で尋ね直す。
「俺の外見に生理的拒絶は? クォーターだから嫌だとか」
「そっ、そんな! ありません! ……か、格好よすぎてビビってるというか……は、ありますけど」
「じゃあ、内面は? 強引すぎるとか、金持ちがいけ好かないとか」
「う、うーん……。強引さは多少感じますけど、不快に思うほどじゃないです。ちょっと調子に乗ってきたな……って感じた時は、ちゃんと引き際をわきまえていますし。正直、紳士的だと思いますし丁寧で、人として信頼できそう……とは思います」
「うん、ありがとう。じゃあ、仕事や東京での生活の不安は置いておいて、俺と付き合う事について、他に不安は?」
微笑んだまま、佑は丁寧に香澄の気持ちを解きほぐしてゆく。
(この人、こうやって丁寧に解決しようとするんだよなぁ。何でも持っているそのパーフェクトさで、『自分なら許されるだろう』って強引に事を運ばない。だから……気にしてしまうのかもしれない)
自分の中で〝理由〟をきちんとつけて、香澄は納得する。
少なくとも、今感じたこれは佑の魅力だ。
(逃げてないで、御劔さんが魅力的だっていう事は認めないと)
うん、と心の中で頷き、香澄は佑の問いに答えた。
「素直に言えば、御劔さんはとても魅力的で、自分でブレーキを掛けないとあっという間に恋してしまいそうです」
「どうしてブレーキを掛ける?」
さらに問われ、香澄は唇を一度引き結んでからおずおずと口を開く。
「……御劔さんが、あまりに有名な方で素敵で、自分に釣り合わないと思うからです。いまだに現実味が感じられなくて、いつか『冗談だよ』って言われてポイッと捨てられる未来がたやすく想像できる……。そうなったら、情けなくてみっともなくて……恥ずかしい。……だから、自分に『自惚れたら駄目』ってブレーキを掛けているんです」
「うーん……、そっか」
佑は頷き、ソファに座り直して脚を組む。
「俺はある程度、自分がそういう風に見られているのを自覚している。でも先日話した通り、中身はごく普通の男だよ。必要があるなら、前の彼女とどうやって駄目になったのか、話してもいい」
「いっ……いえっ! そ、そんな突っ込んだ事、聞けません」
「そうか? ……じゃあ、もう少し身近に感じられるように、香澄って呼ぼうか」
「えっ!?」
突然、下の名前で呼ばれ、香澄はあたふたとする。
「香澄も俺の事を〝佑〟って呼んでいいよ」
「そっ、そんな……!」
両手を顔の前でブンブンと振り、香澄はとんでもないと訴える。
「一歩踏み出さないと、いつまで経っても前に進めないと思う」
「そ、それはそうですが……」
「あと、さっきのどうしても不安になる事についてだけど、何なら契約書を用意しようか」
「けっ、契約書!?」
一度立ち上がった佑は、書斎から書類を持ってきた。
テーブルの上に置かれたので、つい手に取って見てみる。
それは企業で取り交わされている物よりはずっと略式化しているが、最後のページには佑のサインが書かれ、印鑑が押されてあった。
「理解しやすい文章で書いたから、読んでみて」
「はい……」
書かれてある文章に目を通すと、佑は香澄が求める限り、東京での生活と安全を保証し、仕事においても無責任に解雇しないと書かれてあった。
仕事について香澄の方から辞めたいという意志があった場合は、きちんと相談し合って決めるともある。
他、仮に同棲に至った場合、香澄が同意しないなら無理な性行為もしないとも書いてある。
全体的に、香澄にとってとても有利な内容だった。
香澄が途中で会社を辞めると言ったとしても、次の職が見つかるまでの保証金を出し、積極的に転職の手伝いをすると書いてある。
その上、同棲を解消した場合は、無条件で佑が持つ不動産を無償で貸し、次の住居が見つかるまで無期限で住んでいい事になっている。
『Chief Every』で社長秘書として勤めた場合の雇用条件の他、同棲した場合は一切家事をやらなくていいとも書いてあった。
その他、社長秘書として身なりを整えるのに必要となる服や化粧品、その他習い事などに掛かる金も佑が支払うとある。
「……これで、御劔さんはどうやって得するんですか?」
「得? 俺は香澄に側にいてほしいだけだけど」
また香澄と呼び、佑が邪気のない表情で笑う。
この契約書と彼の態度で、佑が自分と付き合うためなら、本気で何でもしようと思っているのを感じた。
(負けだ……)
香澄は手にしていた契約書をテーブルの上に置く。
佑は契約書を用意する事で、香澄が現在抱えている不安すべてを解消しようと先回りしていた。
これで、〝いつか捨てられた時の現実的な辛さ〟はすべて解消される。
少なくとも、手元には巨額の金が入るし、住む場所も失わない。
次の仕事が見つかるまで、贅沢三昧できそうなほどの保証が書かれてあった。
「……御劔さんは、同棲したいんですか?」
「可能ならそうしたいかな。好きになった女性とは、常に一緒にいたい。仕事でも側にいてもらうけど、やっぱり接する時間が多い方が君に早く好きになってもらえると思うんだ」
「……全部、本気なんですか?」
香澄が前向きになったのを感じ、佑は惚れ惚れとするような笑みを浮かべた。
「本気だよ。俺は香澄のすべてがほしい」
名前で呼ばれているからか、その言葉を聞いて胸の奥が熱くなった。
鼓動が徐々に速まり、自分が佑を意識しているのを自覚する。
香澄は一度佑から視線を外したあと、テーブルの上の契約書に目を落とす。
それから目を閉じて、自分の心と向き合った。
自分はどうしたいのか。
御劔佑という人に望まれて、どう感じているのか。
仕事、恋人、結婚、それらについて、どうなれば自分が幸せに感じられるか。
――やがて。
「……あなたを、信じます」
目を開け、顔を上げた香澄は、佑をまっすぐ見つめて決意を口にする。
「俺と一緒に来てくれる?」
佑が目を細め、立ち上がる。
そしてテーブルを回り込んで、香澄の前に立ち手を差し伸べた。
「……はい。宜しくお願い致します。佑さん」
香澄も立ち上がり、彼の大きな手をキュッと握った。
「ありがとう!」
その途端、握った手を引かれて抱き締められた。
「わっ……」
Tシャツの柔らかな生地越しに、厚い胸板と彼の体温を感じる。
そして鼻腔を満たした官能的な雄の香りに、思わず赤面した。
52
お気に入りに追加
2,572
あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる