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第一部・出会い 編
序章2
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「何言ってるんですか!?」
目をまん丸にして素になって突っ込んだからか、佑はその反応を見てクックックッ……と笑い出した。
(からかわれた!)
瞬時に悟った香澄は真っ赤になり、バスローブの前を掻き合わせて立ち上がった。
「私、本当に帰りますから。いい服ができたらいいですね。できあがっても、報告は結構です」
少し怒ったまま早口に言うと、香澄はソファの上に置いていた自分のパンツスーツ一式やストッキングを持ち、隣室に向かう。
「服を着ますので、こっち来ないでくださいね!」
「分かったよ。怒らせたなら悪かった」
(イケメンで性格が良さそうなんて思ったの、間違いだったんだ。お金持ちでイケメンなら庶民に意地悪してもおかしくない)
いつもの自分なら思わない偏った考えになってしまうのは、ひとえに羞恥ゆえだ。
佑の事を格好いいと思い、好意的に見ていたからこそ、自分のうぬぼれを指摘された気がして一気に恥ずかしくなった。
それを誤魔化すために怒ったのも、ひとえに香澄が未熟だからだ。
隣室は書斎になっていて、香澄は椅子に服を引っかけるとバスローブを脱ぎ、ストッキングを穿く。
(……馬鹿みたい。有名人だからって言われるがままにホイホイ着いてきて、あり得ない事をされて、浮かれて……)
一通り怒ったあとは、すぐに反省モードになってゆく。
香澄はそれほど自己肯定感が高くない。
よく考えれば、御劔佑のような人が自分をまともに相手にする訳がないのだ。
シャツを着てズボンを穿き、〝いつもの自分〟の服装になっていくと、どんどん気持ちが落ち着いてゆく。
(そう。札幌にいる飲食店マネージャーが、東京にいる大企業の社長とどうかなるなんてあり得ないんだから)
ジャケットを羽織ると、一つ息をつく。
すっかり冷静になってから、リビングに戻った。
「帰ります」
短く告げ、香澄は自分のコートに袖を通すとマフラーを首に巻く。
「送るよ」
「結構です。勝手知ったるホームタウンですので、迷う事もありません」
言ってしまってから「やっぱり可愛げのない言い方しかできないな」と反省する。
「後日、また連絡するよ」
靴を履いて部屋から出た香澄を、ベストのままの佑が追いかけて来る。
「ご連絡は結構です。サイズを測りたいと仰ったので、私はそれに応じただけ。それ以降の事はノータッチです」
フロアを進んでエレベーターホールまで行くと、香澄は突き指しそうな勢いで下に向かうボタンを押した。
「君は俺のミューズだと言ったじゃないか」
――そう。
初対面のこの男は、香澄に向かっていきなりそう言ってきたのだ。
ミューズとはそのままの意味ではギリシャ神話の九人の女神を指すが、ことアパレル界においては、インスピレーションを与える存在としてよく言われる。
有名なモデルや女優がミューズと呼ばれるのなら納得するが、自分に対して過分な言葉を使われても、からかわれているとしか思えない。
フロアにエレベーターが着き、香澄はゴンドラに乗り込む。
あろう事か、佑もゴンドラに乗り込んできた。
「なっ、つ、ついて来なくていいですから! っきゃっ!?」
耳元でドン、と音がして肩をすくめ振り向くと、目の前に佑の顔がある。
体には触れられていない。
触れられていないが、身長の高い彼の腕の中に閉じ込められ、近い距離に美しい顔があり、非常に心臓に悪い。
佑はしばらく、その綺麗な色の瞳でジッと香澄を見ていた。
ゴンドラは階数ボタンを押していないからか、動いていない。
また、このエレベーターはスイートルーム専用であるため、他のフロアで誰かが操作する事もなかった。
「な……、なん、…………ですか……」
目をまん丸に見開いたまま、香澄は体を縮こまらせて問いかける。
すると、それまで真顔だった佑がニッコリ笑った。
「赤松さん、俺は『欲しい』と思ったものは手に入れたい性分なんだ」
「……そ、そうですか……」
ゾクリ、と変な寒気がする。
「君が側にいてくれると、デザインが浮かぶだけじゃなく、色んな事が上手くいきそうな気がする」
「そ、そんな大した存在ではありませんので、お構いなく!」
顔を背けて腕の下から脱出しようとしたが、佑が伸ばしていた腕を曲げてさらに密着してきた。
「っ!」
香澄は目玉が零れんばかりにさらに目を大きく見開き、彼の美しい顔を凝視する。
(あ……。薄茶色の目じゃない。オレンジとか黄色……黄緑色まである……)
目の前に迫った綺麗な色の瞳を見て、香澄はつい色味を確認してしまった。
「俺はもちろん、運命論者じゃない」
「はっ、はいっ」
見とれていたが、急に話し掛けられて香澄は我に返る。
「出張先で見かけた女性を、こんな風に口説く事もない」
「…………」
それは信用できないので、返事をせず黙り込む。
「……信じられない、か」
佑は苦笑し、体を離すと腕を伸ばして一階のボタンを押した。
ゴンドラは下降し始め、香澄は慌てて佑から距離を取る。
「その気になれば、さっき君を無理矢理抱く事もできたし、ホテルから帰さないという選択もとれた。そこは信じてくれるか?」
「……はい」
言われた通り、ここまで身長が高くガッシリした体つきの男性が本気になれば、香澄などひとたまりもないだろう。
「正直、君を見た時に『好きだな』って思ったよ」
佑はゴンドラの壁に寄りかかり、前を向いたまま言う。
香澄はその言葉が信じられず、黙ってまた目を剥いた。
「運命は信じないけど、自分の勘は信用してる。経営者をやっていたり、投資をしていたりすると、勿論データも必要だけどあとは自分の勘が必要という時もあるんだ」
投資の事は知らないが、経営者に勘が必要というのは、ある意味分かる気がした。
膨大な量のデータがある上で、そのカリスマで会社を引っ張っていったから、この御劔佑という男は、三十二歳にして世界的に知名度が上がるまでになった。
「……冗談も……ほどほどにしないと……」
チラッと彼の方を向いた時、こちらを見ていた佑と目があって心臓が飛び出るかと思った。
目が合ったのもそうだが、彼はいつもテレビなどで見せる表情とはまったく異なる、切なげで柔らかな微笑みを浮かべていたからだ。
スイートルームは二十二階で、下降しているゴンドラはあと少しで一階に着こうとしていた。
「だから自分の勘を信じて、俺は君を好きになろうと思う」
「は……!?」
またギョッとして香澄は佑を見て、口をあんぐり開く。
「ああ、もう着いちゃうな。赤松さん、俺は東京住まいだけど、今回の仕事が終わるまでに君の元に通って、それでも駄目なら東京から通って、君を口説き落とす」
「っっ…………」
真っ赤になった香澄が何か言いかけた時、ポーンと電子音が鳴ってゴンドラが一階に着いた。
ドアが左右に開き、佑は固まっている香澄に向けて、ドアの片方を手で押さえて「どうぞ?」と微笑んでくる。
(何! この人!)
雲の上の人に好きだと言われたり、口説くと言われて照れるというより、ただただ怖い。
何かのドッキリでもされているのでは、とホテルのロビーを見回したが、深夜近くになり人気が少なくなっているそこに、テレビクルーの姿は見当たらなかった。
金色のシャンデリアを反射する黒い大理石の床を進み、香澄はマフラーに顎を埋めて外を目指す。
コンシェルジュももう退勤している時間で、香澄は円形になっている自動ドアをくぐろうとした。
――が。
「待って」
外に出ようとしている時にグイッと佑に腕を引かれ、思わずたたらを踏む。
「なっ、何ですか!」
「明日もまた、『Bow tie club』で。待ってるから」
今日佑と出会った店の名前を出され、香澄は顔を引き攣らせる。
自分が勤務している店の名前を出され、マネージャーとしての仕事を求められれば、断る訳にいかない。
「……卑怯ですよ」
上目遣いに睨んでも、彼には通じない。
「卑怯? 君が勤めている店に金を落としに行こうと言っているんだ。歓迎してほしいな」
「そっ、そういう事を言うのが卑怯だって言ってるんです!」
邪険にならない程度に佑の手を振り払ったあと、香澄はホテル前にタクシーが停まっているのに気付いた。
(御劔さんの手配だな……)
そう言えば着替えている時に、佑が誰かに電話していたような気がしていた。
目をまん丸にして素になって突っ込んだからか、佑はその反応を見てクックックッ……と笑い出した。
(からかわれた!)
瞬時に悟った香澄は真っ赤になり、バスローブの前を掻き合わせて立ち上がった。
「私、本当に帰りますから。いい服ができたらいいですね。できあがっても、報告は結構です」
少し怒ったまま早口に言うと、香澄はソファの上に置いていた自分のパンツスーツ一式やストッキングを持ち、隣室に向かう。
「服を着ますので、こっち来ないでくださいね!」
「分かったよ。怒らせたなら悪かった」
(イケメンで性格が良さそうなんて思ったの、間違いだったんだ。お金持ちでイケメンなら庶民に意地悪してもおかしくない)
いつもの自分なら思わない偏った考えになってしまうのは、ひとえに羞恥ゆえだ。
佑の事を格好いいと思い、好意的に見ていたからこそ、自分のうぬぼれを指摘された気がして一気に恥ずかしくなった。
それを誤魔化すために怒ったのも、ひとえに香澄が未熟だからだ。
隣室は書斎になっていて、香澄は椅子に服を引っかけるとバスローブを脱ぎ、ストッキングを穿く。
(……馬鹿みたい。有名人だからって言われるがままにホイホイ着いてきて、あり得ない事をされて、浮かれて……)
一通り怒ったあとは、すぐに反省モードになってゆく。
香澄はそれほど自己肯定感が高くない。
よく考えれば、御劔佑のような人が自分をまともに相手にする訳がないのだ。
シャツを着てズボンを穿き、〝いつもの自分〟の服装になっていくと、どんどん気持ちが落ち着いてゆく。
(そう。札幌にいる飲食店マネージャーが、東京にいる大企業の社長とどうかなるなんてあり得ないんだから)
ジャケットを羽織ると、一つ息をつく。
すっかり冷静になってから、リビングに戻った。
「帰ります」
短く告げ、香澄は自分のコートに袖を通すとマフラーを首に巻く。
「送るよ」
「結構です。勝手知ったるホームタウンですので、迷う事もありません」
言ってしまってから「やっぱり可愛げのない言い方しかできないな」と反省する。
「後日、また連絡するよ」
靴を履いて部屋から出た香澄を、ベストのままの佑が追いかけて来る。
「ご連絡は結構です。サイズを測りたいと仰ったので、私はそれに応じただけ。それ以降の事はノータッチです」
フロアを進んでエレベーターホールまで行くと、香澄は突き指しそうな勢いで下に向かうボタンを押した。
「君は俺のミューズだと言ったじゃないか」
――そう。
初対面のこの男は、香澄に向かっていきなりそう言ってきたのだ。
ミューズとはそのままの意味ではギリシャ神話の九人の女神を指すが、ことアパレル界においては、インスピレーションを与える存在としてよく言われる。
有名なモデルや女優がミューズと呼ばれるのなら納得するが、自分に対して過分な言葉を使われても、からかわれているとしか思えない。
フロアにエレベーターが着き、香澄はゴンドラに乗り込む。
あろう事か、佑もゴンドラに乗り込んできた。
「なっ、つ、ついて来なくていいですから! っきゃっ!?」
耳元でドン、と音がして肩をすくめ振り向くと、目の前に佑の顔がある。
体には触れられていない。
触れられていないが、身長の高い彼の腕の中に閉じ込められ、近い距離に美しい顔があり、非常に心臓に悪い。
佑はしばらく、その綺麗な色の瞳でジッと香澄を見ていた。
ゴンドラは階数ボタンを押していないからか、動いていない。
また、このエレベーターはスイートルーム専用であるため、他のフロアで誰かが操作する事もなかった。
「な……、なん、…………ですか……」
目をまん丸に見開いたまま、香澄は体を縮こまらせて問いかける。
すると、それまで真顔だった佑がニッコリ笑った。
「赤松さん、俺は『欲しい』と思ったものは手に入れたい性分なんだ」
「……そ、そうですか……」
ゾクリ、と変な寒気がする。
「君が側にいてくれると、デザインが浮かぶだけじゃなく、色んな事が上手くいきそうな気がする」
「そ、そんな大した存在ではありませんので、お構いなく!」
顔を背けて腕の下から脱出しようとしたが、佑が伸ばしていた腕を曲げてさらに密着してきた。
「っ!」
香澄は目玉が零れんばかりにさらに目を大きく見開き、彼の美しい顔を凝視する。
(あ……。薄茶色の目じゃない。オレンジとか黄色……黄緑色まである……)
目の前に迫った綺麗な色の瞳を見て、香澄はつい色味を確認してしまった。
「俺はもちろん、運命論者じゃない」
「はっ、はいっ」
見とれていたが、急に話し掛けられて香澄は我に返る。
「出張先で見かけた女性を、こんな風に口説く事もない」
「…………」
それは信用できないので、返事をせず黙り込む。
「……信じられない、か」
佑は苦笑し、体を離すと腕を伸ばして一階のボタンを押した。
ゴンドラは下降し始め、香澄は慌てて佑から距離を取る。
「その気になれば、さっき君を無理矢理抱く事もできたし、ホテルから帰さないという選択もとれた。そこは信じてくれるか?」
「……はい」
言われた通り、ここまで身長が高くガッシリした体つきの男性が本気になれば、香澄などひとたまりもないだろう。
「正直、君を見た時に『好きだな』って思ったよ」
佑はゴンドラの壁に寄りかかり、前を向いたまま言う。
香澄はその言葉が信じられず、黙ってまた目を剥いた。
「運命は信じないけど、自分の勘は信用してる。経営者をやっていたり、投資をしていたりすると、勿論データも必要だけどあとは自分の勘が必要という時もあるんだ」
投資の事は知らないが、経営者に勘が必要というのは、ある意味分かる気がした。
膨大な量のデータがある上で、そのカリスマで会社を引っ張っていったから、この御劔佑という男は、三十二歳にして世界的に知名度が上がるまでになった。
「……冗談も……ほどほどにしないと……」
チラッと彼の方を向いた時、こちらを見ていた佑と目があって心臓が飛び出るかと思った。
目が合ったのもそうだが、彼はいつもテレビなどで見せる表情とはまったく異なる、切なげで柔らかな微笑みを浮かべていたからだ。
スイートルームは二十二階で、下降しているゴンドラはあと少しで一階に着こうとしていた。
「だから自分の勘を信じて、俺は君を好きになろうと思う」
「は……!?」
またギョッとして香澄は佑を見て、口をあんぐり開く。
「ああ、もう着いちゃうな。赤松さん、俺は東京住まいだけど、今回の仕事が終わるまでに君の元に通って、それでも駄目なら東京から通って、君を口説き落とす」
「っっ…………」
真っ赤になった香澄が何か言いかけた時、ポーンと電子音が鳴ってゴンドラが一階に着いた。
ドアが左右に開き、佑は固まっている香澄に向けて、ドアの片方を手で押さえて「どうぞ?」と微笑んでくる。
(何! この人!)
雲の上の人に好きだと言われたり、口説くと言われて照れるというより、ただただ怖い。
何かのドッキリでもされているのでは、とホテルのロビーを見回したが、深夜近くになり人気が少なくなっているそこに、テレビクルーの姿は見当たらなかった。
金色のシャンデリアを反射する黒い大理石の床を進み、香澄はマフラーに顎を埋めて外を目指す。
コンシェルジュももう退勤している時間で、香澄は円形になっている自動ドアをくぐろうとした。
――が。
「待って」
外に出ようとしている時にグイッと佑に腕を引かれ、思わずたたらを踏む。
「なっ、何ですか!」
「明日もまた、『Bow tie club』で。待ってるから」
今日佑と出会った店の名前を出され、香澄は顔を引き攣らせる。
自分が勤務している店の名前を出され、マネージャーとしての仕事を求められれば、断る訳にいかない。
「……卑怯ですよ」
上目遣いに睨んでも、彼には通じない。
「卑怯? 君が勤めている店に金を落としに行こうと言っているんだ。歓迎してほしいな」
「そっ、そういう事を言うのが卑怯だって言ってるんです!」
邪険にならない程度に佑の手を振り払ったあと、香澄はホテル前にタクシーが停まっているのに気付いた。
(御劔さんの手配だな……)
そう言えば着替えている時に、佑が誰かに電話していたような気がしていた。
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