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二〇一三年 八月
時人と葵は幸せな交際を続けていた。
後藤も葵から手を引き、葵に聞けばそれから後藤と会っていないと言う。二人とも勇気を出して良かったと思い、日の当たる場所で堂々とデートを重ね笑い合っていた。
だがふとした時に、葵が物憂げな顔をしているのが時人はずっと気になっていた。
「どうかしましたか? 最近ボーッとしている事が多いように思えます」
二人で喫茶店でコーヒーを飲んでいると、向かいの席に座った葵は窓の外を見て何か考え込んでいる。
「あぁ、いえ。大した事やあらへんのです」
「何かあるのなら教えてください。些細な事でも、あなたが悩んでいる姿は不安になります」
「おおきに。……けど、ほんまにハッキリ時人さんに報告できるような事やないんです」
「どういう意味ですか?」
話を促すと、夏の日差しの下でも透けるような白い肌を見せる葵は、外の灼熱の道路を見て視線を落とす。
「最近、視線を感じたり、家に帰っても違和感を覚えたりするんです。物の位置が変わっているような……。けどそんなもんに普段気を配ってませんさかい、気のせいかな? って思ったり」
「それ、ストーカーじゃないですか?」
「いえ、ほんまに私の思い違いかもしれません。物証もあらへんのに、誰かを悪者にするのも嫌ですし」
葵の言う事は一理ある。けれど時人の心は黒く乱されたままだ。
容姿を見て騒がれ、外を歩けば秋波を送られるというのは時人もよく体験する。
その時感じる視線の感情は、好奇心だ。
どこのモデルだろうとか、若手の俳優だとか、勝手に時人の身の上を推測して、勝手に面白がる。時人の耳が必要以上の音を拾うため、彼女たちだけで話しているつもりの声もしっかり拾ってしまうのだ。
そういうものは一過性なのでいいとして、ごく稀に自宅まで尾行してくる女性もいる。尾行までしなくても、通学する際の電車で毎日見つめてきたり、つかず離れず纏わりつく視線も体験した。
今まで時人は顔がいいということで得をしたと思った事はなく、逆にストーカー的な目に遭い辟易としている。葵だって人並み外れた美貌を持っているが故に、後藤のような男に声を掛けられ、世間知らずな所が災いしてしまった。
同様に彼女に憧れる見知らぬ男がいてもおかしくない。
「何かあったら、絶対に教えて下さいね」
「はい、約束します」
事件になっていない出来事に怯えても仕方がない。その場はそれで収め、二人は次のデートはどこへ行くかという予定を立てた。
その次の週末、二人は美来の家族と一緒に出掛けていた。
一華と沙夜がアニメの映画を観たがっていたので白根の夫婦はそれに付き合い、そのあいだ時人と葵は自分達が見たい映画を観る。その後に合流して、買い物や食事をして……という流れだ。
待ち合わせした映画館で姉妹は久し振りに会う時人にじゃれつき、同じ映画を観てほしいと言う。
「いっちゃん、さっちゃん、映画終わったら一緒に美味しいもん食べようね」
苦笑した葵が姉妹の頭を撫でると、一華は前歯が抜けた笑顔でニカッと笑い、沙夜も嬉しそうに葵に抱きつく。
「お兄ちゃん、あとでね!」
ポップコーンを一つ摘まんで時人に食べさせた一華が言い、時人は「後でね」と手を振る。場内アナウンスが掛かって白根一家は入り口へ行き、時人と葵は時間まで少し待つ。
「ふふ、いっちゃんとさっちゃんも、すっかり時人さんに懐きましたね」
「嬉しいです。今まで小さい子に縁がなかったんですが、本当に可愛いなぁ」
目を細めて小さな子供を愛しむ時人の横顔を見て、葵は彼に顔を寄せ囁いた。
「私との子供も、可愛がってくださいね」
「えっ!?」
葵の言葉に驚き彼女を見ると、葵は悪戯っぽく白い歯を見せて笑った。
「欲しないですか? 子供」
相変わらず積極的な葵にたじたじになりながらも、時人は痒くもない頬を掻いて小さく呟く。
「……欲しいです」
「うふふ。やったぁ」
思い通りに事が運んだという顔で葵が笑い、人目をはばからず時人の腕に抱きつく。
「時人さん、学生結婚って嫌ですか?」
「え? 冗談じゃなくて本当の話ですか?」
「うーん……、今現在の話やなくて、もしものお話です」
「そうですね……。お互い好きで責任が取れるなら、いいんじゃないですか?」
アイスティーを飲んで気持ちを落ち着かせようとするが、葵はグイグイくる。
「時人さん、私のこと好きですか?」
「す、……好きです」
「責任、取れますか?」
「取ります。……って、言わせてるじゃないですか、葵さん」
おかしくなってとうとう笑い出すと、葵も屈託のない笑顔を浮かべ時人の肩に頭をつける。
「だって私、時人さんと結婚したいんやもーん」
公共の場であるにも関わらず、葵はいちゃつくのを躊躇わない。後藤に対して決して甘い感情を持てなかった反動なのか、彼女自身にも分からない。
ただただ、時人が好きだという気持ちが溢れ、彼と話ができるの嬉しい。優しい時人にどんどん惹かれてゆく。
「あのね、時人さん。私、恋が、好きな人とお付き合いするのがこんなに幸せで素晴らしい事やて、初めて知りました。私、この二十年こないにええ事、なんで知らなかったんやろ。もっと早よ時人さんと出会えてたら良かった」
いつも時人の嗅覚を罪深いほど刺激している葵の香りは、幸せと興奮で強まっているように思えた。外なので興奮して目が赤くなっては困るが、時人はほんの少しならと葵の匂いを吸い込んだ。
「幸せ、ですね」
雑踏のなか呟くと、肩口に顔を埋めている葵が頷く。
「……俺と結婚してください」
更に言葉を紡ぐと、ガバッと体を起こした葵と頭がぶつかった。ゴンッという衝撃と同時に、二人は一瞬眩暈を起こす。
「いたた……」
「すんません! 私、石頭なんです!」
頭頂部を押さえて葵が笑い、時人も額の辺りを押さえて苦笑する。
「いいえ、好きな人に頭突きされるの初めてなので、いい体験をさせてもらいました」
「それより! あの! 今の! ほんまですか?」
大きな目は真っ直ぐに時人を射貫き、ほんの少しの感情の揺れも逃さない。
(ピアノの事も、この女性は本来自分の欲に本当に素直な人なんだな)
葵を見ると猫のようだと思うのに、期待のこもった目で自分を真っ直ぐに見る様子は、忠犬のようにも見える。
(可愛いな)
葵に愛しさを感じる度、心の底にホッと温かな灯が灯った気がする。
「本当です。今すぐにとは言えないかもしれませんが、葵さんとならいい家庭を築ける気がします。俺のコンプレックスも……葵さんと築く幸せの前でなら、気にせず歩める気がします」
ロビーに設置されてある大きなテレビから、予告映像が大音量で流れている。恋愛映画の予告は、まるで二人のプロポーズのBGMのようだ。
「嬉しい……! はい、喜んで!」
葵の目は一瞬にして潤み、すぐに涙が零れ落ちた。
「必ず幸せにします。葵さんも、俺を幸せにしてください」
「任せてください」
これ以上ない笑顔を見せ、葵は飲み物をテーブルに置きギュッと時人に抱き付いた。
時人と葵は幸せな交際を続けていた。
後藤も葵から手を引き、葵に聞けばそれから後藤と会っていないと言う。二人とも勇気を出して良かったと思い、日の当たる場所で堂々とデートを重ね笑い合っていた。
だがふとした時に、葵が物憂げな顔をしているのが時人はずっと気になっていた。
「どうかしましたか? 最近ボーッとしている事が多いように思えます」
二人で喫茶店でコーヒーを飲んでいると、向かいの席に座った葵は窓の外を見て何か考え込んでいる。
「あぁ、いえ。大した事やあらへんのです」
「何かあるのなら教えてください。些細な事でも、あなたが悩んでいる姿は不安になります」
「おおきに。……けど、ほんまにハッキリ時人さんに報告できるような事やないんです」
「どういう意味ですか?」
話を促すと、夏の日差しの下でも透けるような白い肌を見せる葵は、外の灼熱の道路を見て視線を落とす。
「最近、視線を感じたり、家に帰っても違和感を覚えたりするんです。物の位置が変わっているような……。けどそんなもんに普段気を配ってませんさかい、気のせいかな? って思ったり」
「それ、ストーカーじゃないですか?」
「いえ、ほんまに私の思い違いかもしれません。物証もあらへんのに、誰かを悪者にするのも嫌ですし」
葵の言う事は一理ある。けれど時人の心は黒く乱されたままだ。
容姿を見て騒がれ、外を歩けば秋波を送られるというのは時人もよく体験する。
その時感じる視線の感情は、好奇心だ。
どこのモデルだろうとか、若手の俳優だとか、勝手に時人の身の上を推測して、勝手に面白がる。時人の耳が必要以上の音を拾うため、彼女たちだけで話しているつもりの声もしっかり拾ってしまうのだ。
そういうものは一過性なのでいいとして、ごく稀に自宅まで尾行してくる女性もいる。尾行までしなくても、通学する際の電車で毎日見つめてきたり、つかず離れず纏わりつく視線も体験した。
今まで時人は顔がいいということで得をしたと思った事はなく、逆にストーカー的な目に遭い辟易としている。葵だって人並み外れた美貌を持っているが故に、後藤のような男に声を掛けられ、世間知らずな所が災いしてしまった。
同様に彼女に憧れる見知らぬ男がいてもおかしくない。
「何かあったら、絶対に教えて下さいね」
「はい、約束します」
事件になっていない出来事に怯えても仕方がない。その場はそれで収め、二人は次のデートはどこへ行くかという予定を立てた。
その次の週末、二人は美来の家族と一緒に出掛けていた。
一華と沙夜がアニメの映画を観たがっていたので白根の夫婦はそれに付き合い、そのあいだ時人と葵は自分達が見たい映画を観る。その後に合流して、買い物や食事をして……という流れだ。
待ち合わせした映画館で姉妹は久し振りに会う時人にじゃれつき、同じ映画を観てほしいと言う。
「いっちゃん、さっちゃん、映画終わったら一緒に美味しいもん食べようね」
苦笑した葵が姉妹の頭を撫でると、一華は前歯が抜けた笑顔でニカッと笑い、沙夜も嬉しそうに葵に抱きつく。
「お兄ちゃん、あとでね!」
ポップコーンを一つ摘まんで時人に食べさせた一華が言い、時人は「後でね」と手を振る。場内アナウンスが掛かって白根一家は入り口へ行き、時人と葵は時間まで少し待つ。
「ふふ、いっちゃんとさっちゃんも、すっかり時人さんに懐きましたね」
「嬉しいです。今まで小さい子に縁がなかったんですが、本当に可愛いなぁ」
目を細めて小さな子供を愛しむ時人の横顔を見て、葵は彼に顔を寄せ囁いた。
「私との子供も、可愛がってくださいね」
「えっ!?」
葵の言葉に驚き彼女を見ると、葵は悪戯っぽく白い歯を見せて笑った。
「欲しないですか? 子供」
相変わらず積極的な葵にたじたじになりながらも、時人は痒くもない頬を掻いて小さく呟く。
「……欲しいです」
「うふふ。やったぁ」
思い通りに事が運んだという顔で葵が笑い、人目をはばからず時人の腕に抱きつく。
「時人さん、学生結婚って嫌ですか?」
「え? 冗談じゃなくて本当の話ですか?」
「うーん……、今現在の話やなくて、もしものお話です」
「そうですね……。お互い好きで責任が取れるなら、いいんじゃないですか?」
アイスティーを飲んで気持ちを落ち着かせようとするが、葵はグイグイくる。
「時人さん、私のこと好きですか?」
「す、……好きです」
「責任、取れますか?」
「取ります。……って、言わせてるじゃないですか、葵さん」
おかしくなってとうとう笑い出すと、葵も屈託のない笑顔を浮かべ時人の肩に頭をつける。
「だって私、時人さんと結婚したいんやもーん」
公共の場であるにも関わらず、葵はいちゃつくのを躊躇わない。後藤に対して決して甘い感情を持てなかった反動なのか、彼女自身にも分からない。
ただただ、時人が好きだという気持ちが溢れ、彼と話ができるの嬉しい。優しい時人にどんどん惹かれてゆく。
「あのね、時人さん。私、恋が、好きな人とお付き合いするのがこんなに幸せで素晴らしい事やて、初めて知りました。私、この二十年こないにええ事、なんで知らなかったんやろ。もっと早よ時人さんと出会えてたら良かった」
いつも時人の嗅覚を罪深いほど刺激している葵の香りは、幸せと興奮で強まっているように思えた。外なので興奮して目が赤くなっては困るが、時人はほんの少しならと葵の匂いを吸い込んだ。
「幸せ、ですね」
雑踏のなか呟くと、肩口に顔を埋めている葵が頷く。
「……俺と結婚してください」
更に言葉を紡ぐと、ガバッと体を起こした葵と頭がぶつかった。ゴンッという衝撃と同時に、二人は一瞬眩暈を起こす。
「いたた……」
「すんません! 私、石頭なんです!」
頭頂部を押さえて葵が笑い、時人も額の辺りを押さえて苦笑する。
「いいえ、好きな人に頭突きされるの初めてなので、いい体験をさせてもらいました」
「それより! あの! 今の! ほんまですか?」
大きな目は真っ直ぐに時人を射貫き、ほんの少しの感情の揺れも逃さない。
(ピアノの事も、この女性は本来自分の欲に本当に素直な人なんだな)
葵を見ると猫のようだと思うのに、期待のこもった目で自分を真っ直ぐに見る様子は、忠犬のようにも見える。
(可愛いな)
葵に愛しさを感じる度、心の底にホッと温かな灯が灯った気がする。
「本当です。今すぐにとは言えないかもしれませんが、葵さんとならいい家庭を築ける気がします。俺のコンプレックスも……葵さんと築く幸せの前でなら、気にせず歩める気がします」
ロビーに設置されてある大きなテレビから、予告映像が大音量で流れている。恋愛映画の予告は、まるで二人のプロポーズのBGMのようだ。
「嬉しい……! はい、喜んで!」
葵の目は一瞬にして潤み、すぐに涙が零れ落ちた。
「必ず幸せにします。葵さんも、俺を幸せにしてください」
「任せてください」
これ以上ない笑顔を見せ、葵は飲み物をテーブルに置きギュッと時人に抱き付いた。
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