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二〇四七年 十二月
「美弥ちゃん、今日はここまでにしておこうか」
あれから美弥は時人が自宅に帰る時間に彼のマンションに通うようになり、時人に勉強を教えてもらっていた。
日本一と言われる大学を出て、更にそのあと海外の有名大学を出た時人の教え方は、学校の先生より分かりやすい。
本当に頭のいい人というのは、難しい問題を解けるだけではない。自分の中で問題を噛み砕いて、相手に分かりやすく教える事ができる人だと、このとき美弥は思った。
「まだ私、大丈夫だよ?」
分からない問題を相手に、一人で頭を悩ませていたのなら頭も疲れるだろう。だが美弥は時人の教えを、砂が水を吸うように吸収していった。理解できる勉強を純粋に面白いと思い、彼女の知識欲はもっと学びたい、理解したいと訴えている。
「美弥ちゃん。美弥ちゃんの脳はいまフル回転していて興奮状態にある。まだできると思っても、脳を休めてあげる事も大切なんだよ」
「……はぁい」
時人の言い分は何でも正しいと、美弥は素直に言う事を聞く。
時計を見ると、針は二十一時ほどを指していた。
「何か温かい物でも飲んでから、家まで送るよ」
「……ねぇ、時人さん。今日土曜日だし、泊まったら駄目?」
「え?」
キッチンに向かおうとしていた時人が振り向くと、彼女は思い詰めた目をしてじっとこちらを見ていた。最近、美弥がこういう目をする事が多い。感じやすそうな大きな目の奥に、思春期の不安定で刹那的な思いが込められている。
もう精神的にとっくに落ち着いた年齢になっている時人は、その目が自分に向けられるのを「申し訳ない」と思う。
美弥が自分をどう思っているかは、告白されなくても分かっている。
けれど彼は良識のある大人であり、沙夜の友人だ。時人に少女趣味の気がないとしても、世間から勘違いされるような事があってはいけない。
「でも、お母さんが心配するだろう?」
「べつに……、時人さんの家に来てるって分かってるから、平気だよ?」
思い詰めた美弥の顔は期待で紅潮している。
泊まる事で時人と少しでも距離を詰めることができたら、親しくなれたら……。そんな期待を込めた目は、欲を纏っているはずなのにどこまでも純粋だ。
「じゃあ、沙夜ちゃんに訊いてみるね」
許可が下りればいいというスタンスを崩さず、時人は腕時計型のデバイスを弄りだす。
沙夜に連絡をすると聞いて一瞬身構えた美弥だが、時人は目の前にリアルタイムのホログラム通信を展開する事はなかった。一分ほどしてから時人がこちらを向き微笑む。
「今日だけ特別だって。良かったね」
「ありがとう……! 時人さん!」
緊張が取れた笑顔で美弥は礼を言い、不安だった心はオセロが黒から白へ引っくり返るように、パッと浮かれる。
「パジャマとかはどうしようか……」
「大丈夫! 私コンビニで買ってくるから」
「あぁ、美弥ちゃんに余計なお金を使わせられないよ。もし、俺の使ってないTシャツとかでいいのなら……」
「本当? それでいいです! お願いします!」
まさか時人の家で『彼シャツ』ができるとは思わず、美弥は思わず前のめりになって時人にお願いする。
「ちょっと待って。いま大きめのがないか探してくるから」
時人は苦笑しつつリビングを出て、廊下の方へ姿を消してしまう。
「やった……。やったぁ」
美弥は一人で喜びを噛みしめ、その場で小さく足を踏み鳴らすのだった。
時人のTシャツを借りて美弥は客間に案内され、まるで高級ホテルのようなベッドに目を輝かせる。
「ハウスキーパーさんに綺麗にしてもらっているけど、使ってない部屋だから行き届いてない事があったらごめん」
「ううん! こんな大きなベッドで眠れるの嬉しい!」
「そう? じゃあ俺はこれから少しやる事があるから、ここからはそれぞれ自由時間にしよう。洗面所には歯ブラシとか出してあるから好きに使っていいし、明日遅くならない時間に寝るんだよ」
「はい」
そう言って時人は書斎に向かい、美弥は彼の背中を見送る。
(つまんないの……。もう少し何かあってもいいのにな)
中学生の薄い胸はトクトクと淡い恋心にときめき、更なる欲を求める。
大人のように快楽が欲しいとか、時人という権力や財力のある人と結婚したいという思いはない。美弥はただ好きな人に見てほしい、側にいたい。純粋にそれだけで『何か』を欲している。
「もう少し……、側にいたいな」
そう呟くと、美弥は書斎に向かった。
「ん? どうかした? 美弥ちゃん」
人の気配を感じて時人が顔を上げると、部屋の入り口に美弥が立っている。
美少女が大きめのTシャツに男物のハーフパンツを身に着け、スラリとした脚を晒しているのは、見ようによっては善からぬ気持ちを抱く男もいるかもしれない。
だが時人は美弥のそんな姿を、姪を見る目で見ている。勿論、身内贔屓で美弥を「美少女」と思う気持ちはあるが、そこに邪な感情はない。
「お仕事? あのね、邪魔しないからこの部屋にいていい? 静かにしてるから」
猫のように足音を忍ばせて入る美弥に、時人は「いいよ」と承諾して室内にあるソファを示す。
時人はデスクで何か書き物をしている。美弥は邪魔をしないように、濃いブラウンのソファに腰を下ろした。
クラシック音楽が小さな音量で流れていて、小さな音量ながらもその音質はとてもいい。
美弥の家にもアップライトのピアノがあり、美弥自身も習い事としてピアノを弾いている。なので美弥にとってクラシック音楽は、一番聴いていて心地いい音楽だった。
間接照明が置かれてBGMもあり、部屋の雰囲気はとてもいい。映画のワンシーンみたいな状況で、美弥は時人の気配を楽しんだ。
ふと気付けば、時人は書き物をしながら優しい顔をしている。その目は時折愛しげに、机の上にある写真立てに注がれている。
美弥はその写真立てが気になって仕方がない。時人の邪魔をしないと言ったばかりなのに、つい声をかけてしまう。
「ねぇ、時人さん。何してるの? お仕事?」
「ん? あぁ、仕事じゃないよ。手紙を書いてるんだ」
「手紙……」
そう言われてふと壁際を見ると、ストレージブックがずらりと並んでいる。
時人は人脈が広いから、今まで仕事やプライベートで関わりのあった人と、こうやってアナログな繋がりを大切にしているのかと、美弥は感心した。
今は仕事ではないと言っているが、恩人とかそういう人に手紙を書いているのかな、と思う。だが、写真立ての人物は誰なのだろう、という疑問はなかなか頭から離れてくれない。
「それ……。写真立て、誰? 時人さんの家族?」
「これは……、大切な思い出だよ」
美弥の問いに、時人は言葉始めを少し迷わせて答える。
「そう……?」
邪魔をしないと言ってしまった手前、時人のデスクまで行ってその写真を覗くのは憚られる。それでも美弥は恋する少女の自制できない気持ちのまま、邪推してしまった。
家族の写真なら家族だと答えるはずだ。なのに時人は『大切な思い出』と言った。
若い頃であろう思い出を風化させたくないから、ああやって今でもすぐ目につく場所に写真を置いているに違いない。それほどまでに時人が大切にしたい物は何なのか……。美弥はどうしても気になる。
「覗き見をしたい」という誘惑にかられたままデバイスを弄って過ごし、二十二時半過ぎに時人に言われて就寝した。
夜中美弥は渇きを覚えて、ベッドを抜け出した。キッチンで水を飲んで、目をこすりながらまた部屋に戻りかける。
が、ふとあの写真を思い出して、好奇心のまま時人の部屋へ向かってしまった。部屋の照明はつけず、常夜灯の明かりを頼りにデスクまで歩く。デスクライトだけと思ってタッチすると、照明がついた。
「あ……」
机の上にある写真には、美弥の知らない女性が笑っていた。
同時に胸の奥を深く鈍く抉ってゆく感覚を覚える。
「綺麗な人……」
芸能人と言っても差し支えのない美貌が、いつもここで時人に向かって笑いかけているのだろうか。そう思うと、美弥の胸の中はムカムカしてくる。
時人の思い出というのは、どれぐらい前の出来事なのだろう? 時人が何歳の時に付き合った人なのだろう?
「元カノかな」
時人に現在恋人がいるという話は聞かない。だとしたら時人は今はもう付き合っていない人を、まだ想っている事になる。
自分がどれだけ恋い焦がれても、時人は保護者の姿勢を崩さない。ライバルはいないと安心していた彼が、こんな形で一人の女性を思い続けているとは思わなかった。今付き合っている人はいないという時人の言葉は、嘘ではないのだろう。けれど、彼は好きな人がいないとは言っていない。
「まだ……、思い続けてるのかな……」
呟くとその言葉が真実になってしまう気がした。不安を打ち消すようにかぶりを振り、美弥はデスクライトを消して速足に部屋に戻った。ベッドに潜り込み布団を被ると、胸がドキドキと嫌な音で鳴りまわる。荒々しく大きな手で心臓を握られたように、美弥の胸は荒れ狂っていた。
「苦しい……」
涙が零れ、枕を濡らしてゆく。
触れなくてもいい所に自分から手を突っ込み、思いもよらぬ獣か蛇にでも酷く噛まれた気分だった。
「美弥ちゃん、今日はここまでにしておこうか」
あれから美弥は時人が自宅に帰る時間に彼のマンションに通うようになり、時人に勉強を教えてもらっていた。
日本一と言われる大学を出て、更にそのあと海外の有名大学を出た時人の教え方は、学校の先生より分かりやすい。
本当に頭のいい人というのは、難しい問題を解けるだけではない。自分の中で問題を噛み砕いて、相手に分かりやすく教える事ができる人だと、このとき美弥は思った。
「まだ私、大丈夫だよ?」
分からない問題を相手に、一人で頭を悩ませていたのなら頭も疲れるだろう。だが美弥は時人の教えを、砂が水を吸うように吸収していった。理解できる勉強を純粋に面白いと思い、彼女の知識欲はもっと学びたい、理解したいと訴えている。
「美弥ちゃん。美弥ちゃんの脳はいまフル回転していて興奮状態にある。まだできると思っても、脳を休めてあげる事も大切なんだよ」
「……はぁい」
時人の言い分は何でも正しいと、美弥は素直に言う事を聞く。
時計を見ると、針は二十一時ほどを指していた。
「何か温かい物でも飲んでから、家まで送るよ」
「……ねぇ、時人さん。今日土曜日だし、泊まったら駄目?」
「え?」
キッチンに向かおうとしていた時人が振り向くと、彼女は思い詰めた目をしてじっとこちらを見ていた。最近、美弥がこういう目をする事が多い。感じやすそうな大きな目の奥に、思春期の不安定で刹那的な思いが込められている。
もう精神的にとっくに落ち着いた年齢になっている時人は、その目が自分に向けられるのを「申し訳ない」と思う。
美弥が自分をどう思っているかは、告白されなくても分かっている。
けれど彼は良識のある大人であり、沙夜の友人だ。時人に少女趣味の気がないとしても、世間から勘違いされるような事があってはいけない。
「でも、お母さんが心配するだろう?」
「べつに……、時人さんの家に来てるって分かってるから、平気だよ?」
思い詰めた美弥の顔は期待で紅潮している。
泊まる事で時人と少しでも距離を詰めることができたら、親しくなれたら……。そんな期待を込めた目は、欲を纏っているはずなのにどこまでも純粋だ。
「じゃあ、沙夜ちゃんに訊いてみるね」
許可が下りればいいというスタンスを崩さず、時人は腕時計型のデバイスを弄りだす。
沙夜に連絡をすると聞いて一瞬身構えた美弥だが、時人は目の前にリアルタイムのホログラム通信を展開する事はなかった。一分ほどしてから時人がこちらを向き微笑む。
「今日だけ特別だって。良かったね」
「ありがとう……! 時人さん!」
緊張が取れた笑顔で美弥は礼を言い、不安だった心はオセロが黒から白へ引っくり返るように、パッと浮かれる。
「パジャマとかはどうしようか……」
「大丈夫! 私コンビニで買ってくるから」
「あぁ、美弥ちゃんに余計なお金を使わせられないよ。もし、俺の使ってないTシャツとかでいいのなら……」
「本当? それでいいです! お願いします!」
まさか時人の家で『彼シャツ』ができるとは思わず、美弥は思わず前のめりになって時人にお願いする。
「ちょっと待って。いま大きめのがないか探してくるから」
時人は苦笑しつつリビングを出て、廊下の方へ姿を消してしまう。
「やった……。やったぁ」
美弥は一人で喜びを噛みしめ、その場で小さく足を踏み鳴らすのだった。
時人のTシャツを借りて美弥は客間に案内され、まるで高級ホテルのようなベッドに目を輝かせる。
「ハウスキーパーさんに綺麗にしてもらっているけど、使ってない部屋だから行き届いてない事があったらごめん」
「ううん! こんな大きなベッドで眠れるの嬉しい!」
「そう? じゃあ俺はこれから少しやる事があるから、ここからはそれぞれ自由時間にしよう。洗面所には歯ブラシとか出してあるから好きに使っていいし、明日遅くならない時間に寝るんだよ」
「はい」
そう言って時人は書斎に向かい、美弥は彼の背中を見送る。
(つまんないの……。もう少し何かあってもいいのにな)
中学生の薄い胸はトクトクと淡い恋心にときめき、更なる欲を求める。
大人のように快楽が欲しいとか、時人という権力や財力のある人と結婚したいという思いはない。美弥はただ好きな人に見てほしい、側にいたい。純粋にそれだけで『何か』を欲している。
「もう少し……、側にいたいな」
そう呟くと、美弥は書斎に向かった。
「ん? どうかした? 美弥ちゃん」
人の気配を感じて時人が顔を上げると、部屋の入り口に美弥が立っている。
美少女が大きめのTシャツに男物のハーフパンツを身に着け、スラリとした脚を晒しているのは、見ようによっては善からぬ気持ちを抱く男もいるかもしれない。
だが時人は美弥のそんな姿を、姪を見る目で見ている。勿論、身内贔屓で美弥を「美少女」と思う気持ちはあるが、そこに邪な感情はない。
「お仕事? あのね、邪魔しないからこの部屋にいていい? 静かにしてるから」
猫のように足音を忍ばせて入る美弥に、時人は「いいよ」と承諾して室内にあるソファを示す。
時人はデスクで何か書き物をしている。美弥は邪魔をしないように、濃いブラウンのソファに腰を下ろした。
クラシック音楽が小さな音量で流れていて、小さな音量ながらもその音質はとてもいい。
美弥の家にもアップライトのピアノがあり、美弥自身も習い事としてピアノを弾いている。なので美弥にとってクラシック音楽は、一番聴いていて心地いい音楽だった。
間接照明が置かれてBGMもあり、部屋の雰囲気はとてもいい。映画のワンシーンみたいな状況で、美弥は時人の気配を楽しんだ。
ふと気付けば、時人は書き物をしながら優しい顔をしている。その目は時折愛しげに、机の上にある写真立てに注がれている。
美弥はその写真立てが気になって仕方がない。時人の邪魔をしないと言ったばかりなのに、つい声をかけてしまう。
「ねぇ、時人さん。何してるの? お仕事?」
「ん? あぁ、仕事じゃないよ。手紙を書いてるんだ」
「手紙……」
そう言われてふと壁際を見ると、ストレージブックがずらりと並んでいる。
時人は人脈が広いから、今まで仕事やプライベートで関わりのあった人と、こうやってアナログな繋がりを大切にしているのかと、美弥は感心した。
今は仕事ではないと言っているが、恩人とかそういう人に手紙を書いているのかな、と思う。だが、写真立ての人物は誰なのだろう、という疑問はなかなか頭から離れてくれない。
「それ……。写真立て、誰? 時人さんの家族?」
「これは……、大切な思い出だよ」
美弥の問いに、時人は言葉始めを少し迷わせて答える。
「そう……?」
邪魔をしないと言ってしまった手前、時人のデスクまで行ってその写真を覗くのは憚られる。それでも美弥は恋する少女の自制できない気持ちのまま、邪推してしまった。
家族の写真なら家族だと答えるはずだ。なのに時人は『大切な思い出』と言った。
若い頃であろう思い出を風化させたくないから、ああやって今でもすぐ目につく場所に写真を置いているに違いない。それほどまでに時人が大切にしたい物は何なのか……。美弥はどうしても気になる。
「覗き見をしたい」という誘惑にかられたままデバイスを弄って過ごし、二十二時半過ぎに時人に言われて就寝した。
夜中美弥は渇きを覚えて、ベッドを抜け出した。キッチンで水を飲んで、目をこすりながらまた部屋に戻りかける。
が、ふとあの写真を思い出して、好奇心のまま時人の部屋へ向かってしまった。部屋の照明はつけず、常夜灯の明かりを頼りにデスクまで歩く。デスクライトだけと思ってタッチすると、照明がついた。
「あ……」
机の上にある写真には、美弥の知らない女性が笑っていた。
同時に胸の奥を深く鈍く抉ってゆく感覚を覚える。
「綺麗な人……」
芸能人と言っても差し支えのない美貌が、いつもここで時人に向かって笑いかけているのだろうか。そう思うと、美弥の胸の中はムカムカしてくる。
時人の思い出というのは、どれぐらい前の出来事なのだろう? 時人が何歳の時に付き合った人なのだろう?
「元カノかな」
時人に現在恋人がいるという話は聞かない。だとしたら時人は今はもう付き合っていない人を、まだ想っている事になる。
自分がどれだけ恋い焦がれても、時人は保護者の姿勢を崩さない。ライバルはいないと安心していた彼が、こんな形で一人の女性を思い続けているとは思わなかった。今付き合っている人はいないという時人の言葉は、嘘ではないのだろう。けれど、彼は好きな人がいないとは言っていない。
「まだ……、思い続けてるのかな……」
呟くとその言葉が真実になってしまう気がした。不安を打ち消すようにかぶりを振り、美弥はデスクライトを消して速足に部屋に戻った。ベッドに潜り込み布団を被ると、胸がドキドキと嫌な音で鳴りまわる。荒々しく大きな手で心臓を握られたように、美弥の胸は荒れ狂っていた。
「苦しい……」
涙が零れ、枕を濡らしてゆく。
触れなくてもいい所に自分から手を突っ込み、思いもよらぬ獣か蛇にでも酷く噛まれた気分だった。
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