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十四時過ぎになると姉妹は眠気を訴え、葵はリビングに隣接している和室にマットを敷いて子供たちを寝かせた。
葵が姉妹の母親から預かったらしいお気に入りのバスタオルを掛けてやると、疲れてしまった姉妹はあっという間に寝てしまった。
障子を静かに閉めて葵は「寝ました」とこっそり笑い、小さめの声で「コーヒー淹れますね」と言って台所に立つ。
今まで子供たちのペースに乗って時間を過ごしていた時人だが、やっとゆっくりと葵と話ができる気がする。
コーヒーのいい香りがしてきたと思うと、マグカップにたっぷりとコーヒーを入れた葵が時人の前に「どうぞ」と桜柄の青いカップを置く。
「ふふ、このマグカップ可愛いなぁって思ったんですが、ペアのもんやったんです。そやし、何だかやっと本来の使い方ができたような気がします」
そう言ってはにかむ葵の手には、同じデザインのピンクの物がある。
「嬉しいです」と素直に言うのが恥ずかしく、時人は微妙に誤魔化し笑いをしてコーヒーを一口飲んだ。
先ほど葵が台所でコーヒーを淹れているのを見ていると、手動のコーヒーミルで丁寧に豆を挽いていた。その後にやはり手動でドリップしていたので、手間が掛かっている分、昼のレストランで飲んだものよりもずっと美味しく感じた。
「私、コーヒー大好きなんです。紅茶も好きなんですが、こうやって手間かけて丁寧に入れると、その後の美味しさが自分に返ってくるみたいに思えて」
リビングのソファはロングソファの他に一人掛けの物があったが、葵はそちらに座らずひと一人分を開けて時人の隣に座っていた。ペアカップの下りも、隣に座るという葵の行動にも、時人は勘違いしそうで胸を高鳴らせていた。
「俺もコーヒーは好きです。あまりブラックばかり飲み過ぎると良くなさそうな感じがするので、量は抑えていますが……その。……良ければ、今度コーヒーの淹れ方を教えてくれませんか?」
勇気を出して時人が言うと、葵は美しい笑顔で快諾する。
「ええですよ。ほんまに簡単なんです。後は気持ちを込めて美味しくなーれ、って思うだけ」
そう言って軽やかに笑う彼女に、時人もドキドキしたまま笑い返す。
その後少しの沈黙があって、時計の秒針の音が二人の空気を刻んでゆく。
先に口を開いたのは葵の方だった。
「時人さんのこと……教えてもろてもええですか? あぁ、その前に私のことを簡単に言いますね。京都の家は……うーん……まぁちょっと大きな家で会社経営とか京の伝統工芸とか、手広くやってる感じです。姉が一人いまして、姉は結婚して東京に住んでます。私は見ての通りピアニストを目指してまして……。ほんまはお婿になる人を見付けて来ぃ、って言われてるんですが」
最後は少し早口に言って笑い、指を揃えた手をひょいと時人にやって「どうぞ」と彼の話を促す。
「えぇと……。生まれも育ちも東京です。もしかしたらご存知かもしれませんが、父が宇佐美グループという大きめの企業を扱っています。俺もいずれはその後を継がなければならず……今は経営学部に在籍しています。趣味……とかそういうものがほとんどない……つまらない人間です」
最後の一言は、心の底から恥じている消え入りそうな声だった。
それを葵も察したのか、ソファに置かれている時人の手にそっと触れる。
「少なくとも……私から見て時人さんはつまらへん人間やありません。とても……その、魅力的に見えます」
葵の言葉に時人が視線を上げると、目の前で葵が微笑んでいる。
「けど……、俺は気の利いた言葉も出ないし、友達からも話が弾まないと有名です。合コンとかにも、数合わせばかりで」
「ふぅん? 合コン行かはるんですね? ……ふぅん?」
突然葵は合コンという単語に異様に反応し、ソファに手を置いて時人を至近距離で見つめてくる。
「え……えっ、と」
猫のように大きくて真っ直ぐな目が迫り、時人は焦って身をのけぞらせる。
「私が合コンで時人さんと出会ってたら、お持ち帰りしてくれはりますか?」
葵はズイ、とさらに迫り、時人の心臓は今にも口から出てしまいそうだった。
「ちょ……っ、ちょっと、葵さん! ち、近い……です」
「しぃ。近くしてるんです」
焦った時人が声を出しても、葵は動じた様子を見せず、和室の方を指差して時人を黙らせてしまう。
「…………」
もう少し迫ればキスができてしまう距離で二人は見つめ合い、時人は息を止めていた。
葵はじっと時人を見つめた後、ふぅ、と溜息をついて顔を離す。
「……あかん。妬いてまいました」
「妬……いた?」
今度は時人がきょとんとして問うと、葵はいじけた顔で彼を横目で見る。
「……一目惚れや、って言うたやないですか」
「あ……、や、でも……」
「嫌い、ですか? 彼女さんいはりますか? 私のこと肉食やと思ってます?」
次々に訊かれて時人は返答に窮し、「落ち着いて」と自分と葵の間に手を翳す。
ストップをかけられて葵はシュンとし、乗り出していた体を元に戻す。その様子に彼女を傷付けてしまったかと、時人はすぐに言い直す。
「そうじゃないんです。すみません。気になった女性に迫られたことがなくて、……その、ドキドキしてしまいました。上手く言えずすみません」
「気に……してくれはってるんですか?」
キョトンとする葵に、時人は自分の中で渦巻いているものを整理しながら、ゆっくり説明してゆく。
変わらず葵からはいい香りがしている。目の前に彼女の顔が迫った時、自分の内なる衝動のままに彼女に手を出さないで良かったと、時人は内心胸を撫で下ろしている。
「結論から言うと、俺も葵さんに一目惚れしました」
「やった」
時人の言葉に葵は思わず呟き、拳を握る。その後、自分の心の声が漏れたのに気付いて慌てて口元を隠した。
そんな風に自分を偽らない葵に更に好感を高め、積極的な彼女に比べて自分は……と懊悩する。
「すぐに色々反応できなかったのは、俺が女性に慣れていない……というか、人に好意を持つのが初めてだからです。それで戸惑ってしまいました」
「時人さん、こないに格好良くて性格もええのに、お付き合いしたことあらへんのですか?」
葵に言われ、時人は一瞬視線を泳がす。
「何度かは……あります。ですが自分から好きになった訳ではないので、乗り気になれなくて」
「ほな、私に初恋、してくれましたか?」
「随分とグイグイくるな」と思う。だが彼女に好意を抱いている時人は、葵の態度に嫌悪を抱く訳もなく、ただただ嬉しい。
「はい。初恋……です」
時人の返事に葵は少女のように破顔し、両手を胸の前で組んで無言で悶える。
そんな純粋な彼女は、やはり光の中で生きる人だと思う。同時に堪らなく愛しい。
しばらく無言で喜びを味わっていた葵だったが、ふと真顔になり目の前の空間を見て黙り込んでしまった。
「……どうかしましたか?」
「時人さん、それでいま彼女さんはいはりますか?」
「いいえ。いません」
時人の返答に葵はホッとしたような顔になり、その後更に暗い顔になってポツリと呟く。
「……私、今彼氏さんいてるんです」
「そう……ですか。いえ、そうじゃないかと思っていました。葵さんはとても魅力的な人ですし、俺は」
「けど」
消極的な時人らしく身を引こうとした彼の手を、葵は言葉を遮るのと同時に握った。
「私、時人さんとお付き合いしたいです。きっとあなたとなら、上手くいく。そう思うんです」
時人の手を握り真っ直ぐな目で願う葵。その言葉の裏を彼は慮った。
「……失礼ですが、彼氏さんと上手くいっていないんですか?」
その問いに葵は彼女らしくなく口ごもり、少し沈黙する。やがてきまり悪い顔で、小さく答えた。
「……好きやないんです。大事にしてくれはらなくて、……たまにぶたれます」
「え……」
思わず時人は自分の耳を疑った。
こんな誰からも愛されるのが前提の美しい女性を、まさか付き合っている男が殴っているとは――。
何かの冗談かと思った。同時に覚えたのは、生まれて初めて味わう『怒り』という感情。会ったこともない相手に『殺意』すら抱いたかもしれない。
ぎり、と心の中で真っ黒で太い縄が、絡み合ってきつく捩れた音がする。
葵が姉妹の母親から預かったらしいお気に入りのバスタオルを掛けてやると、疲れてしまった姉妹はあっという間に寝てしまった。
障子を静かに閉めて葵は「寝ました」とこっそり笑い、小さめの声で「コーヒー淹れますね」と言って台所に立つ。
今まで子供たちのペースに乗って時間を過ごしていた時人だが、やっとゆっくりと葵と話ができる気がする。
コーヒーのいい香りがしてきたと思うと、マグカップにたっぷりとコーヒーを入れた葵が時人の前に「どうぞ」と桜柄の青いカップを置く。
「ふふ、このマグカップ可愛いなぁって思ったんですが、ペアのもんやったんです。そやし、何だかやっと本来の使い方ができたような気がします」
そう言ってはにかむ葵の手には、同じデザインのピンクの物がある。
「嬉しいです」と素直に言うのが恥ずかしく、時人は微妙に誤魔化し笑いをしてコーヒーを一口飲んだ。
先ほど葵が台所でコーヒーを淹れているのを見ていると、手動のコーヒーミルで丁寧に豆を挽いていた。その後にやはり手動でドリップしていたので、手間が掛かっている分、昼のレストランで飲んだものよりもずっと美味しく感じた。
「私、コーヒー大好きなんです。紅茶も好きなんですが、こうやって手間かけて丁寧に入れると、その後の美味しさが自分に返ってくるみたいに思えて」
リビングのソファはロングソファの他に一人掛けの物があったが、葵はそちらに座らずひと一人分を開けて時人の隣に座っていた。ペアカップの下りも、隣に座るという葵の行動にも、時人は勘違いしそうで胸を高鳴らせていた。
「俺もコーヒーは好きです。あまりブラックばかり飲み過ぎると良くなさそうな感じがするので、量は抑えていますが……その。……良ければ、今度コーヒーの淹れ方を教えてくれませんか?」
勇気を出して時人が言うと、葵は美しい笑顔で快諾する。
「ええですよ。ほんまに簡単なんです。後は気持ちを込めて美味しくなーれ、って思うだけ」
そう言って軽やかに笑う彼女に、時人もドキドキしたまま笑い返す。
その後少しの沈黙があって、時計の秒針の音が二人の空気を刻んでゆく。
先に口を開いたのは葵の方だった。
「時人さんのこと……教えてもろてもええですか? あぁ、その前に私のことを簡単に言いますね。京都の家は……うーん……まぁちょっと大きな家で会社経営とか京の伝統工芸とか、手広くやってる感じです。姉が一人いまして、姉は結婚して東京に住んでます。私は見ての通りピアニストを目指してまして……。ほんまはお婿になる人を見付けて来ぃ、って言われてるんですが」
最後は少し早口に言って笑い、指を揃えた手をひょいと時人にやって「どうぞ」と彼の話を促す。
「えぇと……。生まれも育ちも東京です。もしかしたらご存知かもしれませんが、父が宇佐美グループという大きめの企業を扱っています。俺もいずれはその後を継がなければならず……今は経営学部に在籍しています。趣味……とかそういうものがほとんどない……つまらない人間です」
最後の一言は、心の底から恥じている消え入りそうな声だった。
それを葵も察したのか、ソファに置かれている時人の手にそっと触れる。
「少なくとも……私から見て時人さんはつまらへん人間やありません。とても……その、魅力的に見えます」
葵の言葉に時人が視線を上げると、目の前で葵が微笑んでいる。
「けど……、俺は気の利いた言葉も出ないし、友達からも話が弾まないと有名です。合コンとかにも、数合わせばかりで」
「ふぅん? 合コン行かはるんですね? ……ふぅん?」
突然葵は合コンという単語に異様に反応し、ソファに手を置いて時人を至近距離で見つめてくる。
「え……えっ、と」
猫のように大きくて真っ直ぐな目が迫り、時人は焦って身をのけぞらせる。
「私が合コンで時人さんと出会ってたら、お持ち帰りしてくれはりますか?」
葵はズイ、とさらに迫り、時人の心臓は今にも口から出てしまいそうだった。
「ちょ……っ、ちょっと、葵さん! ち、近い……です」
「しぃ。近くしてるんです」
焦った時人が声を出しても、葵は動じた様子を見せず、和室の方を指差して時人を黙らせてしまう。
「…………」
もう少し迫ればキスができてしまう距離で二人は見つめ合い、時人は息を止めていた。
葵はじっと時人を見つめた後、ふぅ、と溜息をついて顔を離す。
「……あかん。妬いてまいました」
「妬……いた?」
今度は時人がきょとんとして問うと、葵はいじけた顔で彼を横目で見る。
「……一目惚れや、って言うたやないですか」
「あ……、や、でも……」
「嫌い、ですか? 彼女さんいはりますか? 私のこと肉食やと思ってます?」
次々に訊かれて時人は返答に窮し、「落ち着いて」と自分と葵の間に手を翳す。
ストップをかけられて葵はシュンとし、乗り出していた体を元に戻す。その様子に彼女を傷付けてしまったかと、時人はすぐに言い直す。
「そうじゃないんです。すみません。気になった女性に迫られたことがなくて、……その、ドキドキしてしまいました。上手く言えずすみません」
「気に……してくれはってるんですか?」
キョトンとする葵に、時人は自分の中で渦巻いているものを整理しながら、ゆっくり説明してゆく。
変わらず葵からはいい香りがしている。目の前に彼女の顔が迫った時、自分の内なる衝動のままに彼女に手を出さないで良かったと、時人は内心胸を撫で下ろしている。
「結論から言うと、俺も葵さんに一目惚れしました」
「やった」
時人の言葉に葵は思わず呟き、拳を握る。その後、自分の心の声が漏れたのに気付いて慌てて口元を隠した。
そんな風に自分を偽らない葵に更に好感を高め、積極的な彼女に比べて自分は……と懊悩する。
「すぐに色々反応できなかったのは、俺が女性に慣れていない……というか、人に好意を持つのが初めてだからです。それで戸惑ってしまいました」
「時人さん、こないに格好良くて性格もええのに、お付き合いしたことあらへんのですか?」
葵に言われ、時人は一瞬視線を泳がす。
「何度かは……あります。ですが自分から好きになった訳ではないので、乗り気になれなくて」
「ほな、私に初恋、してくれましたか?」
「随分とグイグイくるな」と思う。だが彼女に好意を抱いている時人は、葵の態度に嫌悪を抱く訳もなく、ただただ嬉しい。
「はい。初恋……です」
時人の返事に葵は少女のように破顔し、両手を胸の前で組んで無言で悶える。
そんな純粋な彼女は、やはり光の中で生きる人だと思う。同時に堪らなく愛しい。
しばらく無言で喜びを味わっていた葵だったが、ふと真顔になり目の前の空間を見て黙り込んでしまった。
「……どうかしましたか?」
「時人さん、それでいま彼女さんはいはりますか?」
「いいえ。いません」
時人の返答に葵はホッとしたような顔になり、その後更に暗い顔になってポツリと呟く。
「……私、今彼氏さんいてるんです」
「そう……ですか。いえ、そうじゃないかと思っていました。葵さんはとても魅力的な人ですし、俺は」
「けど」
消極的な時人らしく身を引こうとした彼の手を、葵は言葉を遮るのと同時に握った。
「私、時人さんとお付き合いしたいです。きっとあなたとなら、上手くいく。そう思うんです」
時人の手を握り真っ直ぐな目で願う葵。その言葉の裏を彼は慮った。
「……失礼ですが、彼氏さんと上手くいっていないんですか?」
その問いに葵は彼女らしくなく口ごもり、少し沈黙する。やがてきまり悪い顔で、小さく答えた。
「……好きやないんです。大事にしてくれはらなくて、……たまにぶたれます」
「え……」
思わず時人は自分の耳を疑った。
こんな誰からも愛されるのが前提の美しい女性を、まさか付き合っている男が殴っているとは――。
何かの冗談かと思った。同時に覚えたのは、生まれて初めて味わう『怒り』という感情。会ったこともない相手に『殺意』すら抱いたかもしれない。
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