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親友の恋 編
緊張をほぐすために
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「どうなるでしょう?」
「まぁ、涼に任せときゃいいんじゃないか? あいつ、女慣れしてる……って訳でもないけど、いろいろ器用なんだ。責任ある立場にあるからこそ、色んな人と対面して他者の心を汲み取る能力がある。だから中村さんを傷つける事はないと思ってるよ。だから俺も今回あいつを連れてきたし」
私はそう言った尊さんの腕に自分のそれを絡め、体をくっつける。
「類友ですよね。尊さんもそういうタイプだと思います」
「ん? ……あんがと」
尊さんはクスッと笑ったあとに私の額にキスをし、「寝る準備するか」と言った。
**
涼さんが……、この部屋に……、来る……?
私は窓辺で棒立ちになったまま、見事に固まって何もできずにいる。
朱里が出ていったあと、涼さんは「荷物を取ってくる」と言って一度部屋を出ていった。
(……鍵、開けておいたほうがいいのかな)
おずおずとドアに近寄った時、ロックが解除されドアが空いた。
「!!」
今度は叫ばずに無言で驚けた私は、サササ……と壁際に寄って息を殺す。
「忍者モードはもういいよ」
涼さんはクスクス笑って部屋の中ほどに入り、アルコーベッドの上にバッグを置いてから、「こっちか」と空いたベッドに腰かける。
「緊張してる?」
ニコニコ笑った彼に話しかけられ、私は無言のままコクコクと頷く。
「じゃあ、こっちおいで。ツボ押してあげる」
涼さんは私を手招きし、私は「ツボ?」と首を傾げる。
おそるおそる彼に近づくと、涼さんは私を隣に座らせ、手を握ってくる。
「わっ」
ビクッとして身を竦ませると、彼は「相当緊張してるね。手が冷たい」と驚いたように言って、自分の両手で私の手を包んできた。
「あっ、あの、手汗掻いてるかもしれないので」
慌てて言うけれど、「掻いてないよ」とサラリと受け流される。
かわりばんこに手を温められたあと、彼は私の掌の真ん中あたりを指圧してきた。
「ここは老宮。手を握った時に、中指の先が当たる所。こっちは内関。手首の皺から指三本分下」
そう言って、涼さんは私の手首の真ん中をギュウ……と押す。
「ゆっくり深呼吸してね。怖い事は何もない。今日はこれから、一日の疲れを癒すために寝るだけ」
言いながら、涼さんは私の背中に手を置き、円を描くように撫でた。
「ひっ、…………ぅ」
「はい、リラックス。背中を撫でられると安心するよ。怖くない、怖くない」
ゆったりとした声で誘導されているうちに、だんだん張り詰めていた気持ちがほぐれていく気がする。
「……ツボ、詳しいんですね」
「定期的に整骨院に通っていて、先生とも話すし、興味があって自分でも本を買って見てみたんだ。東洋医学も面白いよ」
そう言ったあと、涼さんはニヤッと笑って私の頭のてっぺんを親指でグーッと押してきた。
「そこ、ゲリツボじゃないですか!」
突っ込むと、彼は「あははは!」と笑う。
「よくそう言われてるけど、ここは百会。俺もよく、自律神経を整えるためにここに鍼を打ってもらってる」
「えぇ? 頭のてっぺんに? ……痛くないです?」
「鍼は慣れたらこっちのもんだよ。逆に普通の電気マッサージより効くから、俺は鍼のほうが好きだね」
「ふぅん……」
涼さんは頭のてっぺんを押すのをやめ、また手のツボを優しく押してくる。
「女性だと顔の美容鍼をする人もいるね。うちの母親や姉なんかは、鍼まみれになった写真を送ってくる」
「……あ、お姉さんいるんですか」
「二つ上の三十四歳、既婚。甥っ子と姪っ子が可愛いよ」
「へぇ……」
今まで涼さん単体で見て、手の届かない物凄い人と思っていたけれど、考えてみれば彼にもご家族がいるのは当たり前だ。
「セレブ一家、凄いお屋敷に住んでそう」
思わずボソッと呟くと、彼はにっこり笑って言った。
「じゃあ今度、俺の家に来る? 家族に会わせてもいいけど」
「まぁ、涼に任せときゃいいんじゃないか? あいつ、女慣れしてる……って訳でもないけど、いろいろ器用なんだ。責任ある立場にあるからこそ、色んな人と対面して他者の心を汲み取る能力がある。だから中村さんを傷つける事はないと思ってるよ。だから俺も今回あいつを連れてきたし」
私はそう言った尊さんの腕に自分のそれを絡め、体をくっつける。
「類友ですよね。尊さんもそういうタイプだと思います」
「ん? ……あんがと」
尊さんはクスッと笑ったあとに私の額にキスをし、「寝る準備するか」と言った。
**
涼さんが……、この部屋に……、来る……?
私は窓辺で棒立ちになったまま、見事に固まって何もできずにいる。
朱里が出ていったあと、涼さんは「荷物を取ってくる」と言って一度部屋を出ていった。
(……鍵、開けておいたほうがいいのかな)
おずおずとドアに近寄った時、ロックが解除されドアが空いた。
「!!」
今度は叫ばずに無言で驚けた私は、サササ……と壁際に寄って息を殺す。
「忍者モードはもういいよ」
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「緊張してる?」
ニコニコ笑った彼に話しかけられ、私は無言のままコクコクと頷く。
「じゃあ、こっちおいで。ツボ押してあげる」
涼さんは私を手招きし、私は「ツボ?」と首を傾げる。
おそるおそる彼に近づくと、涼さんは私を隣に座らせ、手を握ってくる。
「わっ」
ビクッとして身を竦ませると、彼は「相当緊張してるね。手が冷たい」と驚いたように言って、自分の両手で私の手を包んできた。
「あっ、あの、手汗掻いてるかもしれないので」
慌てて言うけれど、「掻いてないよ」とサラリと受け流される。
かわりばんこに手を温められたあと、彼は私の掌の真ん中あたりを指圧してきた。
「ここは老宮。手を握った時に、中指の先が当たる所。こっちは内関。手首の皺から指三本分下」
そう言って、涼さんは私の手首の真ん中をギュウ……と押す。
「ゆっくり深呼吸してね。怖い事は何もない。今日はこれから、一日の疲れを癒すために寝るだけ」
言いながら、涼さんは私の背中に手を置き、円を描くように撫でた。
「ひっ、…………ぅ」
「はい、リラックス。背中を撫でられると安心するよ。怖くない、怖くない」
ゆったりとした声で誘導されているうちに、だんだん張り詰めていた気持ちがほぐれていく気がする。
「……ツボ、詳しいんですね」
「定期的に整骨院に通っていて、先生とも話すし、興味があって自分でも本を買って見てみたんだ。東洋医学も面白いよ」
そう言ったあと、涼さんはニヤッと笑って私の頭のてっぺんを親指でグーッと押してきた。
「そこ、ゲリツボじゃないですか!」
突っ込むと、彼は「あははは!」と笑う。
「よくそう言われてるけど、ここは百会。俺もよく、自律神経を整えるためにここに鍼を打ってもらってる」
「えぇ? 頭のてっぺんに? ……痛くないです?」
「鍼は慣れたらこっちのもんだよ。逆に普通の電気マッサージより効くから、俺は鍼のほうが好きだね」
「ふぅん……」
涼さんは頭のてっぺんを押すのをやめ、また手のツボを優しく押してくる。
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「……あ、お姉さんいるんですか」
「二つ上の三十四歳、既婚。甥っ子と姪っ子が可愛いよ」
「へぇ……」
今まで涼さん単体で見て、手の届かない物凄い人と思っていたけれど、考えてみれば彼にもご家族がいるのは当たり前だ。
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思わずボソッと呟くと、彼はにっこり笑って言った。
「じゃあ今度、俺の家に来る? 家族に会わせてもいいけど」
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