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睦み愛 編

この人の妻になりたい ☆

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「は……っ、あぁ……っ、あ……っ」

 最奥を硬い亀頭で押し上げられるたび、全身にジィン……と甘美な愉悦が駆け巡り、脳内をとろかせて切なく喘いだ私は、無意識に彼の動きに合わせて腰を動かしてしまう。

「朱里……っ、気持ちいい……っ」

 尊さんは陶酔した表情で呟き、愛しげな表情で私を見つめてくる。

「……っ、うん……っ」

 ――私の事、大好きで堪らないって顔だなぁ。

 私はこの上ない喜悦を感じながら、確かめるように尊さんの頬を撫でた。

 尊さんは額に汗を浮かべて腰を動かし、私の事を見つめては微笑みかけ、頭を撫でてキスをし、ぐぅっと最奥まで亀頭を押し込んでくる。

 セックスをしての快楽も強いけれど、彼にとても大切にされて愛されているという感覚が私の体を満たしてくる。

 ――あぁ、好きだなぁ。

 ――大好き。

 胸の奥からはシンプルな感情が湧き起こり、言葉にしきれない分は涙となって零れていく。

 彼は大きな手で胸を揉み指の腹で乳首を弾いてくる。

 そのたびに下腹部にジィンとした甘い疼きが伝わり、私は子宮をキュンキュンさせて彼の分身を締め付けた。

「あ……っ、はぁ、……う、うぅ……っ」

 私の嬌声を聞いた尊さんは嬉しそうに笑い、その笑みが色っぽくて堪らない。

 逞しい胸板や割れた腹筋を晒した彼は、美しい一匹の雄となって私を求めてくる。

 ――こんなに素敵な人に愛されて、私ほど幸せな女性ひとはいない。

 そう自覚すると、あまりに嬉しくてまた新たな涙が零れる。

「朱里……っ、愛してる……っ」

「私、も……っ」

 切れ切れの声で返事をした瞬間、体の奥底にあった不安や恐怖が、シュワッと浄化されるように溶けていくのを感じた。

 抱かれている間の一時的なものであったとしても、彼の温もりに包まれ深くまで穿たれている今は何も心配しなくていい。

 ――もっとしっかりした女性になりたい。

 ――彼の優しさに縋らなくても済む自立した女性になって、たまには尊さんに甘えられたい。

 心の奥底からポコポコとあぶくのように湧き起こるのは、「女性として愛されたい」と願う次の段階の想いだ。

 ――この人の妻になりたい。

 尊さんが前を歩くのではなく、彼の横を歩きたい。

 いつか子供が生まれたら、二人で両側から手を繋いで、大切な宝物を守っていきたい。

 そう思うと同時に、彼が言った言葉を思いだした。

『この手に掴まって一緒に歩いて、つらくて歩けなくなった時は〝助けて〟って言えばいい。俺は朱里を背負って歩くし、子供ができたら抱っこして進む』

 何度、胸の中でこの言葉を思いだして救われただろう。

「……っ、好き……っ」

 沢山の想いを込めた二文字の言葉を口にすると、彼は優しく目を細めた。

 尊さんは一度腰の動きを止めて唇を重ね、舌を絡ませる深いキスをする。

 たっぷりと私の口内を味わって口を離したあと、彼は意地悪に笑ったあと、親指で淫芽を撫でながらズンズンと腰を突き入れてきた。

「っ~~~~っ、あぁああぁっ!」

 その瞬間、パチパチッと目の前で何かが爆ぜ、私は口を大きく開いてガクガクと体を痙攣させる。

 ギュッと締め付けられた蜜孔を硬くて太い肉棒が前後し、大きな亀頭がドチュドチュと子宮口を突き上げる。

「~~~~っ、駄目……っ!」

 グワッとこみ上げた感覚を堪えきれず、私は両手両脚で思いきり尊さんを抱き締めると、全身を力ませて大きな絶頂を迎えた。

「っ、締まる……っ!」

 その瞬間、尊さんは苦しげに言い、さらにガツガツと腰を振り立てて私を攻め抜く。

「んっ、あぁああぁっ、あーっ!」

 先ほどみたいに考える余裕もなくなった私は、獣のように声を上げて善がり狂い、勝手にギュウギュウと収斂を繰り返す肉体の奴隷になったような感覚を味わう。

「ぁ……っ」

 尊さんはかすれた声を漏らして腰を止めると、私を思いきり抱き締めて胴震いする。

 そして最後に二度、三度と突き入れながら、被膜の中にビュルビュルと吐精した。

「――――っはぁっ、……はぁっ、……ぁ、……あ、…………ぁ……」

 私は汗みずくになって脱力し、自分の心臓がドクドクと馬鹿みたいに鳴っているのを感じる。

 尊さんはしばし私の体の上に覆い被さっていたけれど、やがて緩慢に体を起こすと避妊具を処理した。

「……悪い、疲れさせたな」

 彼はそう言ってベッドから下りると、すぐに水のペットボトルを持って戻ってきた。
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