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女子会 編
女子会の終わり
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「あ、返事きた」
「なっ、なんて言ってますかッ!?」
私は思わず食い気味にエミリさんに尋ねてしまう。
「『明日のチェックアウトの時、預けていた猫を引き取りにいく』だって。猫!!」
「ニャーーーーオ!!」
案の定、二人は大喜びし、春日さんは化け猫みたいな声を上げてから「ガハハハハ!」と笑う。……こりゃ駄目だ。
「……そろそろお開きにしましょうか。春日さん、潰れてきてる」
「まだ大丈夫~~~~。酔ってなぁい!」
彼女は駄々っ子のように首を振り、私に抱きついてくる。
「酔っ払いは決まってそう言うんですよ」
私はポンポンと春日さんの頭を撫で、「立てますか?」と彼女に肩を貸して立ちあがる。
「歯磨きしてから寝ましょうね」
「んー……」
私も割と飲んだら酷く酔っぱらうタチだけど、自分より酷い人を見ると結構冷静になるもんだ。
「じゃあ、私この辺片づけるわ」
エミリさんはそう言ってテーブルの上を片づけ始め、私は春日さんを引きずって洗面所に向かう。
「はい、一緒に歯磨きしましょうね」
「はーい!」
顔を赤くしてニヤニヤしている彼女を見ると、泣く子も黙る三ノ宮重工のお嬢様と思えない。
(でもお嬢様だから悩み知らずの立派な人……ってのは、偏見なんだよな。今回の女子会で凄くわかった。逆に、一般人だから苦労して当たり前、ってのも違うんだろうな。色んな事がかみ合ってうまく生きている人は、他人が〝苦労〟と思うものをつらいと感じていない)
春日さんは思うように彼氏が作れない事で苦しんでいるけれど、人によっては彼氏がいなくても何とも思わない人だっている。
恵もそういうタイプで、彼女の場合は私と一緒にいるために、カモフラージュの相手を探している感じだ。
(みんな、それぞれだな)
歯を磨き終わってうがいをした私は、洗面所に置いておいたサプリを春日さんに渡した。
「はい、どうぞこれ」
「ん? なにこれ」
「沢山飲んだので、口臭ケアのサプリです。そのあとに……ジャン! マウスウォッシュ」
ポーチから出したのは、携帯用のマウスウォッシュだ。
「お~、気が利くぅ! 乙女だからね……、口が臭かったら駄目だからね……」
ブツブツ言いながら春日さんはサプリを飲み、マウスウォッシュでうがいをする。
私も同様にし、少しスッキリして洗面所を出た。
リビングはあらかた片付いていて、途中まで食べていたおつまみ類は、ジッパー付きビニール袋にしまわれていた。
「準備いいですね」
「友達と飲んだ時に、毎回こうやってしまっておくの。宅飲みの時は家主に任せがちだけど、消耗品ぐらいは用意したほうがいいかと思って」
「さすが!」
褒めるとエミリさんはピースした。
「洗面所に口臭ケアのサプリとマウスウォッシュあるので、使ってください」
「ありがと」
「んー……、エミリさんはいい嫁になるよぉ……、エミリぃ……」
私に抱きついている春日さんは、やっぱりおじさんみたいにブツブツ言い、私とエミリさんは顔を見合わせて笑う。
「先に寝室に行ってますね」
「ん」
エミリさんとアイコンタクトをとったあと、私は寝室まで春日さんを連れて行き、横たわらせた。
「……朱里さん、隣寝て」
「はいはい」
春日さんに手を引っ張られ、私はキングサイズのベッドの真ん中に寝転ぶ。
「……私んち、ベッドが大きいのよ。だからたまに寂しくなるわ。……誰かが隣にいるっていいわね」
「もう友達ですからね、呼ばれたら行きますよ」
「……うん」
小さく返事をした彼女は、少ししてから寝息を立て始めた。
そのあと、エミリさんが静かに寝室に入ってきた。
「なっ、なんて言ってますかッ!?」
私は思わず食い気味にエミリさんに尋ねてしまう。
「『明日のチェックアウトの時、預けていた猫を引き取りにいく』だって。猫!!」
「ニャーーーーオ!!」
案の定、二人は大喜びし、春日さんは化け猫みたいな声を上げてから「ガハハハハ!」と笑う。……こりゃ駄目だ。
「……そろそろお開きにしましょうか。春日さん、潰れてきてる」
「まだ大丈夫~~~~。酔ってなぁい!」
彼女は駄々っ子のように首を振り、私に抱きついてくる。
「酔っ払いは決まってそう言うんですよ」
私はポンポンと春日さんの頭を撫で、「立てますか?」と彼女に肩を貸して立ちあがる。
「歯磨きしてから寝ましょうね」
「んー……」
私も割と飲んだら酷く酔っぱらうタチだけど、自分より酷い人を見ると結構冷静になるもんだ。
「じゃあ、私この辺片づけるわ」
エミリさんはそう言ってテーブルの上を片づけ始め、私は春日さんを引きずって洗面所に向かう。
「はい、一緒に歯磨きしましょうね」
「はーい!」
顔を赤くしてニヤニヤしている彼女を見ると、泣く子も黙る三ノ宮重工のお嬢様と思えない。
(でもお嬢様だから悩み知らずの立派な人……ってのは、偏見なんだよな。今回の女子会で凄くわかった。逆に、一般人だから苦労して当たり前、ってのも違うんだろうな。色んな事がかみ合ってうまく生きている人は、他人が〝苦労〟と思うものをつらいと感じていない)
春日さんは思うように彼氏が作れない事で苦しんでいるけれど、人によっては彼氏がいなくても何とも思わない人だっている。
恵もそういうタイプで、彼女の場合は私と一緒にいるために、カモフラージュの相手を探している感じだ。
(みんな、それぞれだな)
歯を磨き終わってうがいをした私は、洗面所に置いておいたサプリを春日さんに渡した。
「はい、どうぞこれ」
「ん? なにこれ」
「沢山飲んだので、口臭ケアのサプリです。そのあとに……ジャン! マウスウォッシュ」
ポーチから出したのは、携帯用のマウスウォッシュだ。
「お~、気が利くぅ! 乙女だからね……、口が臭かったら駄目だからね……」
ブツブツ言いながら春日さんはサプリを飲み、マウスウォッシュでうがいをする。
私も同様にし、少しスッキリして洗面所を出た。
リビングはあらかた片付いていて、途中まで食べていたおつまみ類は、ジッパー付きビニール袋にしまわれていた。
「準備いいですね」
「友達と飲んだ時に、毎回こうやってしまっておくの。宅飲みの時は家主に任せがちだけど、消耗品ぐらいは用意したほうがいいかと思って」
「さすが!」
褒めるとエミリさんはピースした。
「洗面所に口臭ケアのサプリとマウスウォッシュあるので、使ってください」
「ありがと」
「んー……、エミリさんはいい嫁になるよぉ……、エミリぃ……」
私に抱きついている春日さんは、やっぱりおじさんみたいにブツブツ言い、私とエミリさんは顔を見合わせて笑う。
「先に寝室に行ってますね」
「ん」
エミリさんとアイコンタクトをとったあと、私は寝室まで春日さんを連れて行き、横たわらせた。
「……朱里さん、隣寝て」
「はいはい」
春日さんに手を引っ張られ、私はキングサイズのベッドの真ん中に寝転ぶ。
「……私んち、ベッドが大きいのよ。だからたまに寂しくなるわ。……誰かが隣にいるっていいわね」
「もう友達ですからね、呼ばれたら行きますよ」
「……うん」
小さく返事をした彼女は、少ししてから寝息を立て始めた。
そのあと、エミリさんが静かに寝室に入ってきた。
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