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北海道旅行 編
悩むのはいつでもできる
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「ぷあー……」
コートを脱いでベッドに倒れ込むと、尊さんが靴を脱がしてくれる。
「お疲れさん。あとでちゃんと顔洗って、歯磨けよ」
「ん……。お父さんみたい」
「誰がお父さんだ」
尊さんは私のほっぺを摘まみ、にゅー、と引っ張る。
「お父さん……、パンをこねないで」
冗談を言うと、彼は両方のほっぺをムニュムニュとこねる。
「たっぷり発酵して、よーく膨らむんだぞ」
尊さんはそう言ったあと、「がぶっ」と言って私のほっぺに噛み付いてきた。
「がぶがぶっ」
「んふふっ、中身は餡子たっぷり……?」
笑いながら某パンマンネタを出すと、尊さんはふと顔を上げて腕を組んだ。
「あれ、全部食われた時、よく前向いて飛べるよな」
「あー、確かに」
納得した私はクスクス笑う。
「んー、よいしょ。このままだとお尻に根っこが生えちゃうから、とっととやっちゃおう」
お腹いっぱいでちょっと酔ってて本当はこのまま寝ていたいけど、明日も行動しないといけないから早めに寝ないと。
「尊さん、先にお風呂入ります?」
「あとでもいいよ。寒かったろ、先にあったまってくれ。俺は旅行のお楽しみ、地方局の番組を見てるから」
「あはは! それ!」
時々、恵と一緒に国内旅行に行ってるけど、その土地ならではの情報番組があったり、天気予報にしてもいつもと見てる地図が違うので新鮮だ。
「じゃあ、先にいただきますね。お湯貯めておくので」
「ん、サンキュ」
私はスーツケースから着替えを出し、洗顔料なども出してバスルームに向かう。
一泊なのに尊さんは最上階のスイートをとってくれ、三十四階にある部屋はとても眺望がいい。
(本当はロマンチックに夜景を見下ろしながらエッチ……、とかしたいけど、さすがに忙しいもんなぁ)
イチャつきたいけど、私にも体力の限界ってもんがあるので、してしまったら明日元気に動けなくなる。
普通のホテルならシャワーカーテンを引いて、バスタブの中で体を洗って……となるけど、さすがスイートで、独立したシャワーブースがあるので、そこで髪と体を洗ってからゆったり湯船に浸かれる。
お手洗いもガラスドアで区切られていて、洗面所も広く使えるので快適だ。
(……とはいえ、もう同棲してるけど、お手洗い一緒って何気に恥ずかしいな)
色々気をつけてはいるけど、同棲したら今まで見せなかった部分も目にする事になるので、何かがきっかけで嫌われたらどうしようと不安になってしまう。
私はバスタブにお湯を貯めながら、全裸になってまずメイクを落とす。
(でも尊さん、『朱里には俺が吐いてる姿を見られたしな』って遠い目になってたっけ。私は好きな人のなら全然構わないし、必要があれば処理できるし、尊さんもそうならいいな)
悶々と考えながらメイクを落としていたけど、せっかく楽しい旅行に来てるんだから、悩むのはやめようと思った。
(悩むのはいつでもできるもんね。今は楽しまないと)
お湯の貯まり具合を見たあと、私はシャワーブースに入り、体と髪を洗うと、まだ少なめだけどお湯に浸かり、溜め息をつく。
(明日、温泉かぁ。楽しみだな)
尊さんと温泉ってだけでも、ニヤニヤしてしまう。
温泉から無料の送迎バスが出ていて、大通公園のテレビ塔付近から十四時半発らしい。
それまでちょこっと観光してお昼も食べられる。
(よし、早めに寝よう)
温まったあと、酔いは大分醒め、体を拭いてTシャツとスウェットズボンに着替えると、ドライヤーを掛けてバスルームを出た。
テレビの音が聞こえるのでリビングルームを覗くと、尊さんはカウチソファに横になって寝ていた。
道具をしまった私は、彼の前にしゃがんで寝顔を見る。
(睫毛ながーい。唇のケアちゃんとしてる。プルプル。けしからん)
国宝級の顔面を見ているとムズムズと悪戯心が湧いて、私はそっと顔を寄せると尊さんの頬にキスをした。
「……ん、……んー」
目を覚ました尊さんは、うなりながら私を抱き締めてくる。
コートを脱いでベッドに倒れ込むと、尊さんが靴を脱がしてくれる。
「お疲れさん。あとでちゃんと顔洗って、歯磨けよ」
「ん……。お父さんみたい」
「誰がお父さんだ」
尊さんは私のほっぺを摘まみ、にゅー、と引っ張る。
「お父さん……、パンをこねないで」
冗談を言うと、彼は両方のほっぺをムニュムニュとこねる。
「たっぷり発酵して、よーく膨らむんだぞ」
尊さんはそう言ったあと、「がぶっ」と言って私のほっぺに噛み付いてきた。
「がぶがぶっ」
「んふふっ、中身は餡子たっぷり……?」
笑いながら某パンマンネタを出すと、尊さんはふと顔を上げて腕を組んだ。
「あれ、全部食われた時、よく前向いて飛べるよな」
「あー、確かに」
納得した私はクスクス笑う。
「んー、よいしょ。このままだとお尻に根っこが生えちゃうから、とっととやっちゃおう」
お腹いっぱいでちょっと酔ってて本当はこのまま寝ていたいけど、明日も行動しないといけないから早めに寝ないと。
「尊さん、先にお風呂入ります?」
「あとでもいいよ。寒かったろ、先にあったまってくれ。俺は旅行のお楽しみ、地方局の番組を見てるから」
「あはは! それ!」
時々、恵と一緒に国内旅行に行ってるけど、その土地ならではの情報番組があったり、天気予報にしてもいつもと見てる地図が違うので新鮮だ。
「じゃあ、先にいただきますね。お湯貯めておくので」
「ん、サンキュ」
私はスーツケースから着替えを出し、洗顔料なども出してバスルームに向かう。
一泊なのに尊さんは最上階のスイートをとってくれ、三十四階にある部屋はとても眺望がいい。
(本当はロマンチックに夜景を見下ろしながらエッチ……、とかしたいけど、さすがに忙しいもんなぁ)
イチャつきたいけど、私にも体力の限界ってもんがあるので、してしまったら明日元気に動けなくなる。
普通のホテルならシャワーカーテンを引いて、バスタブの中で体を洗って……となるけど、さすがスイートで、独立したシャワーブースがあるので、そこで髪と体を洗ってからゆったり湯船に浸かれる。
お手洗いもガラスドアで区切られていて、洗面所も広く使えるので快適だ。
(……とはいえ、もう同棲してるけど、お手洗い一緒って何気に恥ずかしいな)
色々気をつけてはいるけど、同棲したら今まで見せなかった部分も目にする事になるので、何かがきっかけで嫌われたらどうしようと不安になってしまう。
私はバスタブにお湯を貯めながら、全裸になってまずメイクを落とす。
(でも尊さん、『朱里には俺が吐いてる姿を見られたしな』って遠い目になってたっけ。私は好きな人のなら全然構わないし、必要があれば処理できるし、尊さんもそうならいいな)
悶々と考えながらメイクを落としていたけど、せっかく楽しい旅行に来てるんだから、悩むのはやめようと思った。
(悩むのはいつでもできるもんね。今は楽しまないと)
お湯の貯まり具合を見たあと、私はシャワーブースに入り、体と髪を洗うと、まだ少なめだけどお湯に浸かり、溜め息をつく。
(明日、温泉かぁ。楽しみだな)
尊さんと温泉ってだけでも、ニヤニヤしてしまう。
温泉から無料の送迎バスが出ていて、大通公園のテレビ塔付近から十四時半発らしい。
それまでちょこっと観光してお昼も食べられる。
(よし、早めに寝よう)
温まったあと、酔いは大分醒め、体を拭いてTシャツとスウェットズボンに着替えると、ドライヤーを掛けてバスルームを出た。
テレビの音が聞こえるのでリビングルームを覗くと、尊さんはカウチソファに横になって寝ていた。
道具をしまった私は、彼の前にしゃがんで寝顔を見る。
(睫毛ながーい。唇のケアちゃんとしてる。プルプル。けしからん)
国宝級の顔面を見ているとムズムズと悪戯心が湧いて、私はそっと顔を寄せると尊さんの頬にキスをした。
「……ん、……んー」
目を覚ました尊さんは、うなりながら私を抱き締めてくる。
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