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北海道旅行 編
札幌観光
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「東京だとなかなか雪が積もらないから、これがデフォっていうの凄いですよね」
「公園は雪が積もって遊具が駄目になるから、秋になるとブランコを支柱に縛り付けるらしいぜ。あと、兼六園とかでもやってるけど、冬囲いって言って、雪の重みで庭木が折れないように、ロープで縛るんだ」
「へええ……」
そんな私の頭に〝遊具、植物SM〟なんて言葉が思い浮かんだのは秘密にしておく。
「俺の知り合いはテレビで本州の冬を見て、普通に噴水が流れてるのに感動してたな」
「へぇ~。同じ日本でもやっぱり土地によって常識が違うんですね」
「あと、瓦屋根に感動してたな。それと竹や椿、金木犀がないとか。ちょっと前までは新幹線もないって言ってて、今では函館のほうに通ってるけど、札幌まではまだ来てないから、北海道に新幹線がきてる実感がないそうだ」
「へええ~」
「新幹線が札幌駅まで来るのに合わせて、中心部の再開発が進んでるそうだけど、オリンピック招致を諦めたから、工事の進みが鈍ってるらしい」
「ああー……、正直……」
「まぁ、また色々賑やかになった頃に、また来ようぜ」
「はい!」
次の約束ができるのが嬉しくて、私はニヤニヤする。
スマホで札幌グルメとか色々見て尊さんと話しているうちに、快速電車は五十分ほどで札幌駅に着いた。
一泊目は札幌駅直結のホテルに泊まり、中心部を楽しんでから南区の定山渓温泉に行って、温泉宿に泊まる事になっている。
「張り切って来ちゃいましたけど、チェックイン前だけど大丈夫です?」
「ホテルに確認したけど、当日なら荷物を預かってくれるそうだ」
「良かった」
そのまま、私たちはホテルのフロントに向かい、大きい荷物を預かってもらった。
「さて……!」
時刻は十一時過ぎになり、私たちはワクワクしながら札幌駅前に出る。
当たり前だけど寒い。雪がチラついてる。
地面には踏みしめられて硬くなった雪があり、私はそれを踏んでテンションを上げてしまった。
「尊さん、尊さん、ツーショしましょう! この日のために買ってきた……、テレレテッテレ~! 自撮り棒~」
最後は某えもん風に言い、私はバッグから棒をつけてスマホに取り付ける。
「テンション高ぇな」
尊さんはクスクス笑い、私がスマホを構えると肩を抱いて顔を寄せてくれた。
「3、2,1……」
〝札幌駅〟と書かれた壁が写るように記念撮影をしたあと、人物なしでその辺を撮った。
目の前には大丸札幌があって、百貨店なら東京にもあるのに、つい寄り道したくなる。
「デパ地下にお菓子売ってるでしょうか?」
「あー、毎日開店前から列ができて、すぐ完売するチーズの菓子があるって言ってたな。……顔!」
私が目を見開き口まで開いて大丸の出入り口を見たので、尊さんは突っ込んで笑い出す。
「ま、土産物は最終日に買おうぜ」
「そうですね。お昼、ラーメン!」
「よし行くぞ」
それから私たちは駅からまっすぐ歩き、途中で右手側にある赤レンガ庁舎を写真に収める。
手前にはポプラ並木があって、夜はイルミネーションになっているらしい。
次のフォトスポットは時計台だけど、その前に北二条西一丁目にあるラーメン屋さん『奥原流久楽』に入り、味噌ラーメンにトッピングをして思う存分食べた。
その隣にあるスープカレー屋さん『ピカンティ』は、知らない世界でも紹介された有名な所らしい。
紹介されたのは北大近くにある本店で、こっちは支店になる。他にも二駅隣の琴似、北海道神宮がある円山にも支店があるみたいだ。
ラーメンを食べ終わったあとは、隣にある札幌創成スクエア一階に入っている、森彦コーヒーで休憩。
こちらは北海道で展開しているお店で、ゆったりと寛げる空間がめちゃお洒落だ。
各店舗、それぞれ内装の雰囲気が違っていて、けれどセンスが抜群なのは同じ。同じビルの二階には、森彦で経営しているフレンチレストラン『ダフネ』もある。
休憩し終わったあと、時計台を写真に収めた。
「……思ってたより、ビルの間に埋もれてますね」
「それな」
私たちはボソッと言い、無言で写真を撮る。
時計台は現在の北大の前身に当たる、札幌農学校(『きのとや』に同じ商品名のクッキーがある)の、入学式や卒業式などを行うための演武場だったらしい。
二百円払って中に入ると、歴史に関する資料が残されていて、二階には演武場だった名残の椅子が並んでいる。クラーク博士の銅像が座っているベンチもあったので、隣に座ってツーショした。
「公園は雪が積もって遊具が駄目になるから、秋になるとブランコを支柱に縛り付けるらしいぜ。あと、兼六園とかでもやってるけど、冬囲いって言って、雪の重みで庭木が折れないように、ロープで縛るんだ」
「へええ……」
そんな私の頭に〝遊具、植物SM〟なんて言葉が思い浮かんだのは秘密にしておく。
「俺の知り合いはテレビで本州の冬を見て、普通に噴水が流れてるのに感動してたな」
「へぇ~。同じ日本でもやっぱり土地によって常識が違うんですね」
「あと、瓦屋根に感動してたな。それと竹や椿、金木犀がないとか。ちょっと前までは新幹線もないって言ってて、今では函館のほうに通ってるけど、札幌まではまだ来てないから、北海道に新幹線がきてる実感がないそうだ」
「へええ~」
「新幹線が札幌駅まで来るのに合わせて、中心部の再開発が進んでるそうだけど、オリンピック招致を諦めたから、工事の進みが鈍ってるらしい」
「ああー……、正直……」
「まぁ、また色々賑やかになった頃に、また来ようぜ」
「はい!」
次の約束ができるのが嬉しくて、私はニヤニヤする。
スマホで札幌グルメとか色々見て尊さんと話しているうちに、快速電車は五十分ほどで札幌駅に着いた。
一泊目は札幌駅直結のホテルに泊まり、中心部を楽しんでから南区の定山渓温泉に行って、温泉宿に泊まる事になっている。
「張り切って来ちゃいましたけど、チェックイン前だけど大丈夫です?」
「ホテルに確認したけど、当日なら荷物を預かってくれるそうだ」
「良かった」
そのまま、私たちはホテルのフロントに向かい、大きい荷物を預かってもらった。
「さて……!」
時刻は十一時過ぎになり、私たちはワクワクしながら札幌駅前に出る。
当たり前だけど寒い。雪がチラついてる。
地面には踏みしめられて硬くなった雪があり、私はそれを踏んでテンションを上げてしまった。
「尊さん、尊さん、ツーショしましょう! この日のために買ってきた……、テレレテッテレ~! 自撮り棒~」
最後は某えもん風に言い、私はバッグから棒をつけてスマホに取り付ける。
「テンション高ぇな」
尊さんはクスクス笑い、私がスマホを構えると肩を抱いて顔を寄せてくれた。
「3、2,1……」
〝札幌駅〟と書かれた壁が写るように記念撮影をしたあと、人物なしでその辺を撮った。
目の前には大丸札幌があって、百貨店なら東京にもあるのに、つい寄り道したくなる。
「デパ地下にお菓子売ってるでしょうか?」
「あー、毎日開店前から列ができて、すぐ完売するチーズの菓子があるって言ってたな。……顔!」
私が目を見開き口まで開いて大丸の出入り口を見たので、尊さんは突っ込んで笑い出す。
「ま、土産物は最終日に買おうぜ」
「そうですね。お昼、ラーメン!」
「よし行くぞ」
それから私たちは駅からまっすぐ歩き、途中で右手側にある赤レンガ庁舎を写真に収める。
手前にはポプラ並木があって、夜はイルミネーションになっているらしい。
次のフォトスポットは時計台だけど、その前に北二条西一丁目にあるラーメン屋さん『奥原流久楽』に入り、味噌ラーメンにトッピングをして思う存分食べた。
その隣にあるスープカレー屋さん『ピカンティ』は、知らない世界でも紹介された有名な所らしい。
紹介されたのは北大近くにある本店で、こっちは支店になる。他にも二駅隣の琴似、北海道神宮がある円山にも支店があるみたいだ。
ラーメンを食べ終わったあとは、隣にある札幌創成スクエア一階に入っている、森彦コーヒーで休憩。
こちらは北海道で展開しているお店で、ゆったりと寛げる空間がめちゃお洒落だ。
各店舗、それぞれ内装の雰囲気が違っていて、けれどセンスが抜群なのは同じ。同じビルの二階には、森彦で経営しているフレンチレストラン『ダフネ』もある。
休憩し終わったあと、時計台を写真に収めた。
「……思ってたより、ビルの間に埋もれてますね」
「それな」
私たちはボソッと言い、無言で写真を撮る。
時計台は現在の北大の前身に当たる、札幌農学校(『きのとや』に同じ商品名のクッキーがある)の、入学式や卒業式などを行うための演武場だったらしい。
二百円払って中に入ると、歴史に関する資料が残されていて、二階には演武場だった名残の椅子が並んでいる。クラーク博士の銅像が座っているベンチもあったので、隣に座ってツーショした。
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