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元彼に会う前に 編

もっと見せて ☆

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「んっ、んぅ、あ、あ、…………んぅっ」

 最奥に亀頭が当たった時、私はまたジィン……と染み入る悦楽に酔いしれる。

 うっとりと目を瞑っていた時に口づけられ、私たちはまた甘美なキスを交わし始めた。

 柔らかく滑らかな舌を舐め、チュパッと吸っては唇を甘噛みする。

 ヌルヌルと舌同士を擦り合わせ、口内に挿し込まれた彼の舌を、フェラするように吸う。

 上も下もずっぷりと繋がり合い、私は幸せ一杯にお腹の奥をヒクつかせる。

 まだ抽送は始まっていないのに、彼の分身を蜜壷で含んでいるだけで、奥からトロトロと愛蜜が溢れてくるのが分かった。

 ――幸せ。

 ――この幸せだけで達っちゃう。

 スゥッと鼻で息を吸うと、尊さんがつけている香水の匂いがする。

 ウッディムスクの官能的な香りの奥に、微かにバニラが混じり、その匂いを堪能しながら、まるで自分が美しい食虫植物に囚われているような感覚に陥った。

 甘い香りを放つ美しい花におびき寄せられ、気がつけばネバネバとした粘液に搦め捕られ、逃げられなくなっている。

 けれどこのまま彼から離れられなくなっても、たとえ溶かされてしまっても、私は決して後悔しないだろう。

 肉体だけでなく精神的な快楽に耽溺した頃、唇を離した尊さんがゆっくり腰を動かし始めた。

 彼はわざとゆっくり肉竿を抜いては、また時間を掛けて蜜壷に埋め、その行為を何回も繰り返す。

 静かな室内には二人の荒くなった呼吸音と、ネチャネチャという淫音、ときおり尊さんがつらそうに「くっ」と息を詰める音が響く。

 触れ合ったところがとても熱く、そこから彼と一つに溶け合ってしまいそうだ。

 彼のまっすぐな目を見ると、とても恥ずかしいのに、私は吸い寄せられるように彼の目を見つめ続けた。

 ――もっと感じてる顔、見せて。

 ――私だけが知る、あなたの素顔を見せて。

 しっとりと濡れた目に想いを乗せ、私は唇からハァハァと荒くなった呼吸を漏らしながら、手で優しく彼の腕や肩、背中を愛撫する。

 胸板を撫でて乳首をつんと摘まむと、尊さんが悪戯を窘めるように睨んできた。

 何回も繰り返し緩慢な抽送を繰り返すうちに、蜜壷からはとっぷりと愛蜜が溢れ、思わず耳を塞ぎたくなるようないやらしい音が立つようになっていた。

 グッチュグッチュ、ジュボジュボと泡だった音がするたびに、私は赤面し泣きそうに表情を歪ませる。

「気持ちいい……っ、もっと……っ!」

 私は彼の両腕を掴み、さらなる刺激を求めてギュッと下腹に力を込めた。

「……っ、泣いても知らねぇぞ」

 ふーっ、ふーっと荒い息を吐いた尊さんは、私の太腿の裏を押さえ、バチュバチュと音が立つほど腰を叩きつけてきた。

「っんあぁあっ、あっ、あぁあああっ!」

 エラの張った雁首に膣壁をゴリゴリと擦られ、私は喉を晒し悶える。

 亀頭にドスドスと子宮口付近を突き上げられるたび、内臓ごと圧迫されるような感覚を味わうけれど、それすらも気持ちよくて堪らない。

 尊さんは性急に私を求めながら、片手で私の乳房を揉み、指で乳首をコリコリと弄る。

 そしてもう片方の手の親指で、それまで意識していなかった淫芽をヌチュヌチュと撫で始めた。

「っんあぁあああっ、あーっ!」

 吠えるような嬌声を上げた途端、目の前でパチパチと何かが明滅し、フワッと体が浮き上がった感覚を得る。

 なおも尊さんに情熱的に貫かれて、獣のような声を上げ続けているのに、私の精神は少し離れたところでフワフワとした心地よさに包まれている。

 達きっぱなしの状態になり、突き上げられるたびに、ジョッジョッと愛潮を漏らしてしまっているのを知らず、私はこの上ない快楽を得て絶頂を味わい続けた。

 やがて、尊さんは私を達かせるだけ達かせたあと、私の片脚を抱えて松葉崩しの体勢になり、さらに深いところまでえぐった上で、淫芽を撫でてきた。

「んぁああっ! あーっ、あっ、んっ、ぉっ、あぁあ……っ」

 また目の前で光が明滅したあと、私は愛潮を飛ばしながらガクンッと意識を飛ばしてしまう。

 気絶したのは一瞬の事だったみたいだけど、我に返った私が味わうのはさらなる快楽だった。

「も……っ、もぉっ、い……っ、から、ぁ……っ」

 切れ切れの声で訴えるけれど、尊さんは解き放たれた獣のように荒々しい呼吸を繰り返し、ガツガツと腰を叩きつけてくる。

 ――もう駄目……っ。

 そう思った時、尊さんは「出る……っ」と呻いたあと、私の脚を放して思いきり抱き締めてきた。

 同時に胴震いすると、体内で大きくなった肉棒がビクビクと震え、被膜に白濁を勢いよく吐き出す。

「あぁ…………、ああ、あぁあ、…………あぁああ…………」

 私は悲鳴にも似た声を漏らし、汗みずくになって乱れた呼吸を繰り返す。

 ――もうできない。無理。

 ぐったりと脱力していると、尊さんが優しく微笑み、キスをしてくれた。

 そのあと、私はフッ……と意識を失ってしまった。



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