上 下
204 / 454
元彼に会う前に 編

今日はじっくりできなさそうだ ☆

しおりを挟む
「んっ! んぅぅ……っ」

 私はジーンと全身に染み入る悦楽を、顔を仰のけて受け入れる。

 尊さんが指を動かすたびにグチュグチュといやらしい音が立ち、たっぷりと濡れて柔らかくなった場所が好きなように弄られているのを知る。

 と、油断していた時に、興奮してピンと硬くなっていた肉芽をクリュンと撫でられ、大きな声が口を突いて出た。

「はぁんっ!」

 そこに触れられた瞬間、物凄い淫悦が全身にビリビリッと伝わり、堪らなくなった私は体を揺さぶって快楽を表現する。

「可愛い……」

 尊さんはそんな私をうっとりとした目で見て、不意に乳房に顔を寄せると、見せつけるように舌を出し、上目遣いに私を見ながら乳首を舐めてきた。

「ん……、んぅ、ん、あぁ、あ……」

 ネロネロといやらしく乳首を舐められ、私は切ない声を漏らす。

 舌の動きはとても優しいのに、蜜孔をほじられ淫芽をヌチュヌチュと撫でられる刺激は強く、私は呼吸を乱して高まりを迎える。

「駄目……っ、だめ、だめ、……ぁ、……ぁ、あ……っ!」

 とうとう大きな快楽の波にさらわれた私は、尊さんの頭をギュッと抱き締めて全身を大きく震わせた。

 私はトロンとした目で中空を見て、半開きになった口端から涎を垂らす。

 尊さんは私の胸元に顔を押しつけていたけれど、やがて私が脱力したあと「ぷはっ」と息を吐き顔を上げた。

「朱里の胸で窒息するなら、いいのかもな……」

 真顔でそんな事を言うものだから、私は快楽の残滓に浸りながらも思わず笑ってしまう。

 彼は微笑む私を見て優しい顔をしてから、少し余裕のない表情になりベッドサイドの引き出しに手を伸ばす。

「……悪い。今日はじっくりできなさそうだ」

「ううん。私も早く尊さんがほしい」

 もう十分すぎるほど愛撫されてぐっしょり濡れているし、体が早く硬く大きなモノに貫かれたがっている。

 尊さんは手早くゴムをつけ、目に熱を宿して私を見下ろす。

「抱くぞ」

 短く告げたあと、彼は私の太腿を抱え上げ、濡れそぼった蜜孔に亀頭を押しつけた。

 ――くる。

 ――大きいの、きちゃう……。

 私は期待に胸を高鳴らせ、ふーっ、ふーっ、と呼吸を繰り返す。

 と、尊さんは荒い息を吐いたあと、慎重に腰を進めてきた。

「んっ……、んぅぅ……」

 挿入されるのは久しぶりに思え、蜜口は十分に濡れて柔らかくなっているはずなのに、私はきつさを覚えてうめく。

「痛いか?」

 けれど尊さんに気遣われ、私はフルフルと首を横に振る。

「入れて……」

 吐息をつきながらねだると、彼は「痛かったら言えよ」と私の頭を撫でてから、さらにグッと腰を突き入れてきた。

「んあぁあっ!」

 硬くたくましい肉棒がヌルンッと体内に入ってきたのを感じた私は、艶冶な声を上げ蜜壷を締める。

「……っ、あぁ……っ、くそっ、締まりが良すぎる……っ」

 尊さんが怒ったような声で言ったので、私はなんとなく不安になってしまい、潤んだ目で彼を見上げた。

「……痛い……?」

 小さな声で窺うと、彼はクシャリと笑う。

「すっげぇ気持ちいい。……ちょっとぶりだから、やべぇ……。腰溶ける……」

 そんなふうに言われると、自分の体で気持ちよくなってもらえているのが、とても嬉しくなった。

「もっとしていいよ。気持ちよくなって」

 囁くように言い、尊さんの頬に手を伸ばしたけれど、彼は私の手を大事そうに両手で包み、首を横に振った。

「俺だけ気持ちよくなっても駄目だって、前に言っただろ」

 そして彼はまた、騎士が姫にするように手の甲にキスをし、優しい目で私を見つめてくる。

「っ~~~~……、……しゅき……」

 彼の何気ない行動だけでも、キューンとときめいてしまった私は、顔を真っ赤にし目を潤ませて呟いた。

「もうちょっと我慢してくれ」

 尊さんは優しく微笑んだあと、私の腰を掴んでズッ、ズッと淫刀を押し込んできた。
しおりを挟む
感想 182

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

ナイトプールで熱い夜

狭山雪菜
恋愛
萌香は、27歳のバリバリのキャリアウーマン。大学からの親友美波に誘われて、未成年者不可のナイトプールへと行くと、親友がナンパされていた。ナンパ男と居たもう1人の無口な男は、何故か私の側から離れなくて…? この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。

地味女で喪女でもよく濡れる。~俺様海運王に開発されました~

あこや(亜胡夜カイ)
恋愛
新米学芸員の工藤貴奈(くどうあてな)は、自他ともに認める地味女で喪女だが、素敵な思い出がある。卒業旅行で訪れたギリシャで出会った美麗な男とのワンナイトラブだ。文字通り「ワンナイト」のつもりだったのに、なぜか貴奈に執着した男は日本へやってきた。貴奈が所属する博物館を含むグループ企業を丸ごと買収、CEOとして乗り込んできたのだ。「お前は俺が開発する」と宣言して、貴奈を学芸員兼秘書として側に置くという。彼氏いない歴=年齢、好きな相手は壁画の住人、「だったはず」の貴奈は、昼も夜も彼の執着に翻弄され、やがて体が応えるように……

絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

『逃れられない淫らな三角関係』番外編 ヘルプラインを活用せよ!

臣桜
恋愛
『逃れられない淫らな三角関係』の番外編です。 やりとりのある特定の読者さまに向けた番外編(小冊子)です。 他にも色々あるのですが、差し障りのなさそうなものなので公開します。 (他の番外編は、リアルブランド名とかを出してしまっている配慮していないものなので、ここに載せるかは検討中)

一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。

青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。 その肩書きに恐れをなして逃げた朝。 もう関わらない。そう決めたのに。 それから一ヶ月後。 「鮎原さん、ですよね?」 「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」 「僕と、結婚してくれませんか」 あの一夜から、溺愛が始まりました。

処理中です...