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手に入れた女神 編

けだもの ☆

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『……だって、気持ちいいって思えなかったんです。痛かったんです。何回か我慢して付き合ったけど、〝もう一回したい〟と思えませんでした。くっついているのは気持ちいいけど、デリケートな所を触られると痛くて……』

 ――田村の事なんて忘れるぐらい、俺が気持ちいい思いをさせてやるよ。

『……下手くそだったんだろうな』

 朱里は男の側が下手だと考えた事がなかったのか、俺の言葉を聞いて目を瞬かせた。

『……ど、どうして元彼が下手だって言えるんです?』

『女に〝痛い〟なんて言わせる奴は、下手以外の何者でもないだろう。俺だったら痛がらせず、ちゃんと濡らして気持ちよくさせてから抱く』

 そこで初めて『俺なら』と自分の存在を示したからか、朱里は無言で息を吸い、体を緊張させた。

 よし、俺を〝自分を抱くかもしれない男〟として見たな?

 あと一押しだ。

『……試してみるか?』

 暗いなか、俺は朱里を見てニヤリと笑ってみせる。

 ネオンに照らされた彼女は、戸惑った表情で俺を見ていたが、やがて小さく頷いた。

 ――落ちた。

 十二年、ずっと大切に守ってきた果実は、いまや完全に熟した。

 甘い匂いを放ち、みずみずしい果汁がたっぷり詰まった楽園の実を、俺はこの手でもいで食い散らかすのだ。

 隣で朱里が緊張する気配を感じながら、俺は暗い目で満足げに笑った。





 朱里には『シャワーに入っている間、大人しく待っていてください』と言われた。

 だが水音を聞いているうちに平静でいられなくなり、服を脱ぎ始めた。

 ――もう駄目だ。我慢できない。

 いきなりドアを開けてバスルームに入ったものだから、朱里は目を見開いて驚いた。

 だが理性を飛ばした俺は、彼女を抱き締め、柔らかな唇に吸い付いた。

 ザアアアア……、とシャワーが降り注ぎ、裸になった俺たちを濡らしていく。

 もう自分の気持ちに嘘をつかない。

 黙っていたほうがいい事はあるだろうが、朱里を好きだという想いは偽らない。

 今まで誰の事も大切にできなかった。

 その分、思いきりお前を可愛がり、愛させてくれ。

 望むものは何でも与える。美味い物が食べたかったらどんなレストランでも連れて行く。旅行も行こう。お前と一緒ならどこに行っても楽しいに決まってる。

 ――朱里、お前が好きだ。





 そのあとの俺は、けだもののようだった。

 恋い焦がれ続けた女の体は、触れるだけでも気持ちいい。

 朱里の肌は柔らかでとても滑らかだ。すべすべしていて、そこに欲芯を押しつけて果ててしまいたいと思うほど、極上の肌質をしている。

 夢にまでみた乳房は張りがあって大きく、とても柔らかいのに形がいい。

 乳首の色まで綺麗で、俺は夢中になってそれにしゃぶりついた。

 どこを触っても気持ちがいい。いい匂いがする。

 朱里のすべてが俺の理性をたやすく奪っていく。

『あ……っ、あぁ、もっと……っ、ぶちょ、もっとぉ……っ』

 俺はヌルヌルになった朱里の膣内を愛撫しながら、彼女の嬌声を聞いて溜め息をつく。

 ――まだだ。もう一つ壁を壊さなきゃ。

『……こういう時まで部長って呼ばれるのは萎えるな。名前で呼べ。――朱里』

 初めて大人になった彼女の名前を呼び捨てにした俺は、興奮のあまり屹立を大きくさせた。

 朱里の嬌態を見ているだけで愚息はいきり立ち、すでに先端から透明な涎を零している。

 肉体的な興奮だけでなく、ようやく彼女を抱く事ができる心の悦楽も相まって、今すぐにも射精してしまいそうだ。

『――――ひぅっ』

 耳元で囁かれた朱里は、首を竦めて小さく悲鳴を上げた。

『ァ……あ、みこ……と、さんっ』

 求めていた女がトロンとした顔で俺の名前を呼ぶ。

 あまりにエロい顔、声で呼ばれて頭の中がジンと甘く痺れた。

『朱里、こんなにココをヌルヌルにして、そんなに俺の指がイイか?』

『あぁ……っあ、いい……、です……っ、ぶちょ……、尊……さんの、指……いいっ』

 俺は完全に手の中に落ちた朱里の姿を見て、悦びに表情を彩らせた。

『一回達け。朱里のイキ顔が見たい』

 囁いた俺は、朱里の膣肉を丁寧にほぐしていった。

 柔らかくぐずついた場所に指を滑り込ませ、グチャグチャと音を立てて擦り、本当の彼女を暴いていく。

 完全に女になった朱里の甘ったるい声を聞き、俺はどんどん興奮していった。

 ふっくらと充血した淫芽を撫で、さやからはみ出た肉真珠を指の腹で執拗に撫でていく。

 弱点をひたすらに愛撫したからか、朱里は大きな波を迎えたようだった。

『やぁああぁっ、達く――、イッちゃ……っ』

『――朱里、俺の指を覚えて達け』

 ――田村なんて忘れろ。

 ――俺の事で頭をいっぱいにするんだ。

 囁いたあと、俺は舌でねっとりと朱里の耳孔を犯しながら、痙攣する彼女を抱き締める。

 彼女がブシャッと派手に愛潮を漏らしたのを感じ、俺は愉悦に満ちた笑みを浮かべた。

 ――あぁ、朱里を達かせられた。

 ――できたじゃないか。俺は女を愛せる。悦ばせられる。

 だが、前戯だけで終わってやれない。終われるはずもない。

『抱くぞ、朱里』

 ぐったりとした彼女の耳元で、俺は自分に言い聞かせるように告げた。
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