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舞踏会1
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桜の花が咲き誇る王都につき、アリアはその美しさに溜息をついていた。
女性たちのドレスや宝石の輝きよりも、自然の美しさに感動する性質があるアリアは、花が咲き誇る春が一番好きだ。
まだ肌寒いのでショールを羽織っているが、一か月前に王都にいた時よりは暖かい。
社交界の交流があるので、今回は両親や妹も同行してフォーサイス家用のヴィラに滞在する。
王都の気候に慣れるまでの余白期間、アリアは特に浮き足立たず本を読んで過ごしていた。
たまに、外へ出て庭の桜や花々をスケッチする。
胸には今回の舞踏会では、いつもとどう違うのだろう? という期待がある。
けれどそれを前にして、いつも以上に鏡を見たりするアリアでもない。
自分は自分であり、普段から髪も肌も爪も、侍女たちにお願いをしてちゃんと整えてもらっている。
今までだってそうだし、これからもそうでいたい。
そう思うのは、仮に今回も何もなく、どの男性ともいい雰囲気にならなかったら……。という不安を打ち消すための理由だった。
「あなた、最近使用人からの人気が高いわよ」
ただ、母にそう言われたのは少し嬉しい。
あまり人の目を気にするタイプではないが、いつも以上に馬丁や御者、侍従たちが声をかけ、笑顔を見せてくれるようになったと思う。
(これがお婆さんの言う、妖精がかけていたフィルターが外れた。……ということならいいのだけれど……)
使用人たちが「お嬢さま、お綺麗です」と褒めてくれても、彼らは雇われている身だからそう言うのだ。と、少々ねじれたことを思ってしまう。
だからアリアは、マグノリアの神の祝福を舞踏会で試すのだった。
**
(……どうしましょう。思った以上に……)
数日後の舞踏会当日、アリアは冷や汗をかいていた。
(……思っていた以上に……見られている……!)
春の舞踏会には決まり事があり、女性は髪に、男性は胸に何かしらの花を挿すことになっている。
アリアは目の色に合わせて、ハルリンドウの花簪を挿していた。ドレスもそれに合わせた、ハッと目が覚めるような深いブルーだ。
それが口実を与えたかのように、男性たちはみな「美しいですね」「花があなたの瞳に負けている」と美辞麗句を並べ立ててくる。
まだワルツも始まっていないのに、だ。
アリアの周囲には男性の人垣ができ、未だかつてない事態に彼女は混乱している。
彼女の男運のなさを嘆いていた友人たちも、見違えるほどの男性人気には遠くから驚いて眺めているだけだ。
「どうぞ私と踊ってください」「いや、私と」「私が一番に彼女に気付いた」など、アリアの関知しない場所でなにやら争いが始まっている。
(……マグノリアさま……。助けてください)
困り果てて思考を放棄しようとした頭は、ついそんなふうに誰かに助けを求めようとしていた。
――と、いいタイミングでファンファーレが鳴り、王族の入場となる。
貴族たちはみな背筋を伸ばして、貴賓席を見上げた。
そうなってはアリアも動けず、中年になってなお美貌を誇る国王が挨拶をするのを黙って聞く。
(王子さまのルーカスさま、今年もすてきだわ。一生ご縁のない方だと思うけれど、陛下のご挨拶の時ばかりはこうやって見つめられるわ)
アリアの視線の先には、このリファリア王国の王太子、ルーカスがいる。
黒髪をツンツンとさせた髪型は、貴族たちや城下でも真似をする者がいる。
金色の目はとても珍しく、他の王族の中にも同じ色を持つ人物はいない。
その神々しい色からか、誰がいい始めたのか「神に愛された王太子」という異名まである。
背が高く胸板も厚く、毎年初夏に行われる武道大会では騎士に混じってトップ争いをしている。文武両道で眉目秀麗な王太子は、当然女性人気がある。
――が、そんな王太子が二十六歳になる今まで、どこぞの令嬢と浮名を流したという噂は聞いたことがない。
(どなたか心に決めた姫でもいるのかしら?)
ぼんやりと思いながら王太子を鑑賞していると、ふと目があった――ような気がした。
(……気のせい、よね)
けれど少し後ろめたい気持ちになり、アリアは視線を少しずらして国王を見る。
が、次の王太子の行動に会場がざわついた。
貴賓席の手すりに掴まり、ルーカスは目をこらしてアリアの方を見ている。
国王もその異変に気付いたのか、ルーカスの行動がエスカレートしないうちに挨拶を終わらせてしまった。
拍手があり、デビュタントたちがワルツを踊り出す。
ジャンッと躍動するような一音が始まる前に、ルーカスは貴賓席から飛び出して階段を下りていた。
令嬢たちがキャアッと声をあげ、王太子がそれほどまで誰に夢中になっているのか見守る。
(どなたかに一目惚れしたのかしら)
いっぽうアリアはそんな呑気なことを考えつつ、男性たちの包囲網から逃げ出す。
「失礼いたします。友人に用があるので」
セリフだけは令嬢らしく優雅に、アリアはちょこんとお辞儀をするのももどかしく身を翻す。
「待ってくれ」
男性の誰かが言い、それを別の誰かが止めたり、邪魔をしたり……したのだろうか?
背後にワイワイという喧噪を感じつつ、アリアは人混みの間を縫うように歩いてゆく。
途中、不自然に思われないように給仕の盆からシャンパンを取った。
目に入る花々は、舞踏会の会場にいるというのに花畑にいるようだ。
(同じ花簪でにらみ合っているけれど、そこのお二人もすてきだわ)
挑戦的な目で会話をしている女性二人の横を通り過ぎ、アリアはあともう少しで会場の出入り口近く……という場所まできた。
――そこに。
「待ってくれ!」
大きなダンスホールに響くほどの声がし、アリアの肩をグッと掴む手がある。
「きゃっ」
驚いて立ち止まり、細長いグラスの中で金色のシャンパンがちゃぷんと跳ねた。
「な……っ、なにっ?」
ブルーの目を丸くして振り向いた先には――、遠くから見ていただけの王太子の顔。それを見て、アリアの目はこれ以上ないぐらいに見開かれた。
「俺と……、踊ってくれないか?」
少し呼吸を乱したルーカスは、金色の目で真剣に言う。
「あ……。フォーサイス伯爵家のアリアと申します。殿下。……ご機嫌うるわしく……」
ポカンとしたアリアが条件反射のように膝を折ると、そこで初めてルーカスも自分が礼を欠いたことに気付いたようだ。
「すまない。俺……いや、私はルーカス。麗しい青の令嬢。君と最初に踊る栄誉を私に」
ルーカスが自分のことを『俺』から『私』に言い直し、そこに彼の素が見えた気がした。
(殿下も、地の部分があるのね)
それを好ましく思ったアリアは、近くにいた給仕の盆にシャンパングラスを戻し、改めて貴婦人の礼をする。
「王太子殿下と踊る栄誉を与えてくださり、恐悦至極に存じます」
周囲の令嬢たちはアリアに羨望のまなざしを向け、貴族たちもルーカスをうらやましそうに見ている。
デビュタントのワルツは終わりまであともう少しという所で、ルーカスはアリアの手を取ってダンスホールの端に進む。
「失礼だが、アリア嬢は舞踏会への出席は初めてか?」
「いいえ。覚えている限り、舞踏会に出席できる年齢になってからは、毎回参加しております」
自分の手を軽く握っているルーカスの手は、とても大きい。
手袋をはめた手同士だが、自分で「格好いい」と意識する男性に手を握られていると思うと、気持ちがムズムズする。
緊張からか、答える声はやや早口になっていた。
「……私は君を見落としていたのだろうか? 君のような美女を、放っておく訳がないのに」
そう言ったルーカスの言葉は、最後のほうは独り言のようになっている。
(……妖精に邪魔をされていたんです。……とは言いにくいわ)
アリアは前方を向いたまま、なんと説明したものかと沈黙する。
その沈黙を、ルーカスはやや誤解したようだ。
「他の男性を押しのけてダンスを申し込んで……、強引すぎたか? もしかしてもう先約がいたか?」
「いいえ、まだどなたともお約束はしておりません」
「良かった……」
ルーカスはホッと息をつき、その表情にはあからさまな安堵がある。
そこでデビュタントのワルツが終わり、主役である貴族たちがダンスホールに入ってゆく。
(どうしよう……。緊張するわ)
今まで男性と踊ったことはあるものの、妖精の魔法が解けてからは初めて。
自分が異性に「美しい」と思われているのを知るのも初めてだ。
そして王太子にいきなりダンスを申し込まれるのも、突然すぎてハードルが高い。
女性たちのドレスや宝石の輝きよりも、自然の美しさに感動する性質があるアリアは、花が咲き誇る春が一番好きだ。
まだ肌寒いのでショールを羽織っているが、一か月前に王都にいた時よりは暖かい。
社交界の交流があるので、今回は両親や妹も同行してフォーサイス家用のヴィラに滞在する。
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ただ、母にそう言われたのは少し嬉しい。
あまり人の目を気にするタイプではないが、いつも以上に馬丁や御者、侍従たちが声をかけ、笑顔を見せてくれるようになったと思う。
(これがお婆さんの言う、妖精がかけていたフィルターが外れた。……ということならいいのだけれど……)
使用人たちが「お嬢さま、お綺麗です」と褒めてくれても、彼らは雇われている身だからそう言うのだ。と、少々ねじれたことを思ってしまう。
だからアリアは、マグノリアの神の祝福を舞踏会で試すのだった。
**
(……どうしましょう。思った以上に……)
数日後の舞踏会当日、アリアは冷や汗をかいていた。
(……思っていた以上に……見られている……!)
春の舞踏会には決まり事があり、女性は髪に、男性は胸に何かしらの花を挿すことになっている。
アリアは目の色に合わせて、ハルリンドウの花簪を挿していた。ドレスもそれに合わせた、ハッと目が覚めるような深いブルーだ。
それが口実を与えたかのように、男性たちはみな「美しいですね」「花があなたの瞳に負けている」と美辞麗句を並べ立ててくる。
まだワルツも始まっていないのに、だ。
アリアの周囲には男性の人垣ができ、未だかつてない事態に彼女は混乱している。
彼女の男運のなさを嘆いていた友人たちも、見違えるほどの男性人気には遠くから驚いて眺めているだけだ。
「どうぞ私と踊ってください」「いや、私と」「私が一番に彼女に気付いた」など、アリアの関知しない場所でなにやら争いが始まっている。
(……マグノリアさま……。助けてください)
困り果てて思考を放棄しようとした頭は、ついそんなふうに誰かに助けを求めようとしていた。
――と、いいタイミングでファンファーレが鳴り、王族の入場となる。
貴族たちはみな背筋を伸ばして、貴賓席を見上げた。
そうなってはアリアも動けず、中年になってなお美貌を誇る国王が挨拶をするのを黙って聞く。
(王子さまのルーカスさま、今年もすてきだわ。一生ご縁のない方だと思うけれど、陛下のご挨拶の時ばかりはこうやって見つめられるわ)
アリアの視線の先には、このリファリア王国の王太子、ルーカスがいる。
黒髪をツンツンとさせた髪型は、貴族たちや城下でも真似をする者がいる。
金色の目はとても珍しく、他の王族の中にも同じ色を持つ人物はいない。
その神々しい色からか、誰がいい始めたのか「神に愛された王太子」という異名まである。
背が高く胸板も厚く、毎年初夏に行われる武道大会では騎士に混じってトップ争いをしている。文武両道で眉目秀麗な王太子は、当然女性人気がある。
――が、そんな王太子が二十六歳になる今まで、どこぞの令嬢と浮名を流したという噂は聞いたことがない。
(どなたか心に決めた姫でもいるのかしら?)
ぼんやりと思いながら王太子を鑑賞していると、ふと目があった――ような気がした。
(……気のせい、よね)
けれど少し後ろめたい気持ちになり、アリアは視線を少しずらして国王を見る。
が、次の王太子の行動に会場がざわついた。
貴賓席の手すりに掴まり、ルーカスは目をこらしてアリアの方を見ている。
国王もその異変に気付いたのか、ルーカスの行動がエスカレートしないうちに挨拶を終わらせてしまった。
拍手があり、デビュタントたちがワルツを踊り出す。
ジャンッと躍動するような一音が始まる前に、ルーカスは貴賓席から飛び出して階段を下りていた。
令嬢たちがキャアッと声をあげ、王太子がそれほどまで誰に夢中になっているのか見守る。
(どなたかに一目惚れしたのかしら)
いっぽうアリアはそんな呑気なことを考えつつ、男性たちの包囲網から逃げ出す。
「失礼いたします。友人に用があるので」
セリフだけは令嬢らしく優雅に、アリアはちょこんとお辞儀をするのももどかしく身を翻す。
「待ってくれ」
男性の誰かが言い、それを別の誰かが止めたり、邪魔をしたり……したのだろうか?
背後にワイワイという喧噪を感じつつ、アリアは人混みの間を縫うように歩いてゆく。
途中、不自然に思われないように給仕の盆からシャンパンを取った。
目に入る花々は、舞踏会の会場にいるというのに花畑にいるようだ。
(同じ花簪でにらみ合っているけれど、そこのお二人もすてきだわ)
挑戦的な目で会話をしている女性二人の横を通り過ぎ、アリアはあともう少しで会場の出入り口近く……という場所まできた。
――そこに。
「待ってくれ!」
大きなダンスホールに響くほどの声がし、アリアの肩をグッと掴む手がある。
「きゃっ」
驚いて立ち止まり、細長いグラスの中で金色のシャンパンがちゃぷんと跳ねた。
「な……っ、なにっ?」
ブルーの目を丸くして振り向いた先には――、遠くから見ていただけの王太子の顔。それを見て、アリアの目はこれ以上ないぐらいに見開かれた。
「俺と……、踊ってくれないか?」
少し呼吸を乱したルーカスは、金色の目で真剣に言う。
「あ……。フォーサイス伯爵家のアリアと申します。殿下。……ご機嫌うるわしく……」
ポカンとしたアリアが条件反射のように膝を折ると、そこで初めてルーカスも自分が礼を欠いたことに気付いたようだ。
「すまない。俺……いや、私はルーカス。麗しい青の令嬢。君と最初に踊る栄誉を私に」
ルーカスが自分のことを『俺』から『私』に言い直し、そこに彼の素が見えた気がした。
(殿下も、地の部分があるのね)
それを好ましく思ったアリアは、近くにいた給仕の盆にシャンパングラスを戻し、改めて貴婦人の礼をする。
「王太子殿下と踊る栄誉を与えてくださり、恐悦至極に存じます」
周囲の令嬢たちはアリアに羨望のまなざしを向け、貴族たちもルーカスをうらやましそうに見ている。
デビュタントのワルツは終わりまであともう少しという所で、ルーカスはアリアの手を取ってダンスホールの端に進む。
「失礼だが、アリア嬢は舞踏会への出席は初めてか?」
「いいえ。覚えている限り、舞踏会に出席できる年齢になってからは、毎回参加しております」
自分の手を軽く握っているルーカスの手は、とても大きい。
手袋をはめた手同士だが、自分で「格好いい」と意識する男性に手を握られていると思うと、気持ちがムズムズする。
緊張からか、答える声はやや早口になっていた。
「……私は君を見落としていたのだろうか? 君のような美女を、放っておく訳がないのに」
そう言ったルーカスの言葉は、最後のほうは独り言のようになっている。
(……妖精に邪魔をされていたんです。……とは言いにくいわ)
アリアは前方を向いたまま、なんと説明したものかと沈黙する。
その沈黙を、ルーカスはやや誤解したようだ。
「他の男性を押しのけてダンスを申し込んで……、強引すぎたか? もしかしてもう先約がいたか?」
「いいえ、まだどなたともお約束はしておりません」
「良かった……」
ルーカスはホッと息をつき、その表情にはあからさまな安堵がある。
そこでデビュタントのワルツが終わり、主役である貴族たちがダンスホールに入ってゆく。
(どうしよう……。緊張するわ)
今まで男性と踊ったことはあるものの、妖精の魔法が解けてからは初めて。
自分が異性に「美しい」と思われているのを知るのも初めてだ。
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