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マグノリアの神
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そして現在、アリアは一人で山を登っていた。
マーサに大体の道筋を書いてもらった地図を手に、延々数時間歩いているような気がする。
靴は泥だらけで、スカートの裾も汚れている。たすきがけにした水筒も、だいぶ軽くなっていた。
周りはマグノリアの木ばかりで、しっとりとした甘い香りに包まれている。
なので、どの木が自分の目指す神木なのかが分からなかった。
(神木の近くに祠があるという話だったけれど……)
時間の感覚も狂い、いまが何時ほどなのかも分からない。
いまは実家であるフォーサイス伯爵領から、フェリシアに会うために王都に来ている。他の友人たちもほぼ同じような感じだ。
全員王都にあるそれぞれの家のヴィラにいて、朝食を終えると馬車でここまで来た。御者には待っているよう伝えたが、あれからどれぐらい経ったのだろう?
「どこなのかしら……」
疲れた、とかそういうネガティブな言葉は口にしないようにしていたのに、つい迷いが口を出る。
毎日散歩ていどのことはしているが、アリアは特に鍛えているという訳でもない。
足の疲労は、たくさんワルツを踊って疲れたという性質とも、また違う。
いつも綺麗に着飾った社交界か、心地よく整えられた屋敷にしかいないアリアは、自分が泥だらけになって山にいるのが信じられなくなってくる。
「もう……帰ろうかしら」
思わずそんな弱音が出て、アリアはすぐに首を振る。
「いいえ、駄目よ。そんな弱気でいたら、お友達の親切や心配に応えられないじゃない」
グッと拳を握り、いつのまにか地面を見ていた視線を上げた。
「私は幸せになるのよ……! 特別幸せじゃなくてもいい、人並みに幸せになるの!」
自らを鼓舞するように声を張り上げると、アリアの声に周囲のマグノリアが震えたような気がした。
大声を出して気持ちを入れ直すと、ふと目の前にフワッと白いものがよぎった気がした。
「あら?」
目をしばたかせ、もう一度見てみる。
「え……と」
しかし気のせいでも疲れのせいでもなく、アリアの前方少しの場所に白っぽい『何か』がある。
「――幽霊?」
が、のんびりしているアリアは、ここで悲鳴をあげる女性ではない。
興味を隠さず、一歩、二歩とその『何か』に近づいてみる。すると、『何か』も同じくらいの距離を先に移動する。
「……もしかして案内してくれるの?」
不思議な現象に恐怖を抱くことなく、アリアは白い道案内についてゆく。
大きさは人ぐらいで、白っぽいけれど輪郭はあやふやで、ところどころ透明になっている。
それがもし自分が目指しているマグノリアの使いなのだとしたら、ありがたい事この上ない。
(……でも、大丈夫かしら?)
ふとマーサが、「今年でおしまいかもしれない」と言っていたのを思い出す。
妖精の力すら上回るほどの神木があるとして、それがなけなしの力を自分のために振り絞ってくれているのだとしたら……。
ありがたいのと同時に、申し訳ない。
「私、走っていくから、あなたもスピードアップして大丈夫よ」
もちろん疲れていたが、こうなればアリアも気持ちが変わる。スカートをたくし上げ、斜面を蹴った。
白い影は驚いたように形を大きく揺らがせたが、アリアがグングンと近づいてくる。
そして彼女の意思を汲むように、先へ先へと斜面を滑り上がっていった。
進むべき方向が分かると、アリアも先ほどまでの落ち込みがどこかへいったのを感じる。
むしろいまは、目的地に向かって進むことができるのが嬉しくて堪らない。
マグノリアの香りに包まれたまま斜面を進んでゆくと、やがて前方に小さな祠が見えた。
「あ……」
大きめの石を組み合わせたようなそれに気づき、アリアは少し足を止める。
白い影はここまで来れば大丈夫、と思ったのか、そのまま祠の中にスゥッと姿を消していった。
「わ……、すごい……」
次に気付いたのは、その祠に覆い被さるようにして生えたマグノリアの巨木。
その花の付き方は、たくさんの白い小鳥が巨木にとまっているようだ。
厚みのある花びらがツンと上向いて膨らみ、普通の園芸種の花とは違った上品さがある。
辺りはたおやかな香りに満たされ、アリアは疲れも忘れてボーッとその巨木に見とれていた。
『よく……、来たな』
その時、空気を震わせるような声がした。
ハッとして周囲を見回すと、あの祠の前に白い人影がある。
一度祠に入って力を蓄えたのだろうか。先ほどまでのあやふやな形ではなく、『それ』はちゃんとした人の形をとっていた。
「はじめ……まして……」
呆然としたまま、アリアは目の前の人影に頭を下げる。
“それ”はちゃんと人の輪郭をとっているものの、顔の細部や髪の流れなどはよく分からない。
服も、なんとなく神話時代のような物をまとっているのか……? と分かる程度だ。
『我はマグノリアの神。妖精に愛されし乙女よ……、願いを叶えにきたのか?』
その声もきっと神がもっと元気なら、鮮明に聞こえたのだろうと思う。
けれどアリアは神がこうやって自分の目の前に現れてくれただけで、感謝をしたい。
「マグノリアの神さま、導いてくださってありがとうございます。本当を言うと道に迷ってしまっていたので、心より感謝いたします」
スカートは汚れてしまっていたが、アリアは丁寧に淑女としての礼をしてみせる。
『願いはなんだ……? 富か? 名声か? 美貌か?』
マグノリアの神の表情らしい表情はよく分からない。
けれどその白い影が発光して、形を変えているのを見ると、喜んでいるだろうことが分かる。
「私、思っていたより、ずっと男性にご縁がないみたいなんです。それは私の周りにいる妖精たちのせいだと、妖精を見られるお婆さんに聞いたのです。もしできるのなら、神さまのお力で私に……恋をさせてください」
アリアはその場に跪き、手を祈りの形に組む。
マグノリアの神はアリアに近づき、そっと腕を払った。
アリアの目には見えない妖精たちが、自分たちよりもレベルが上の存在――神の意志により、離れてゆく。
『妖精たちには離れてもらった。自由に恋をしなさい』
声がして顔を上げると、マグノリアの神が目の前にいて自分を優しく撫でてくれている。
頭を撫でる手の感触はないものの、その優しい気配と芳しい香りは分かった。
「……ありがとう……、ございます」
『乙女に祝福を……』
最後にマグノリアの神は、アリアの額にそっとキスを落とした。
そして、そこで力尽きてしまったかのように、姿を薄くして消えてゆく。
「…………」
神の祝福を受けた額は、じんわりと温かいような気がした。
「どうもありがとうございます」
これで自分は自由に恋ができる。
そう思うとアリアは嬉しくてたまらない。
男性にアプローチを受け、心をときめかせるような恋愛とは、一体どういう気持ちになるのだろう?
考えただけでも心が躍る。
「神さまはもう眠ってしまわれたのかしら? 何か……恩返しができればいいけれど」
呟いて、アリアは水筒に残っていた水をハンカチに含ませ、祠を拭き始めた。
祠はところどころ苔がこびりついていて、アリアは手が汚れるのも構わず苔をむしり、岩を磨く。
よく見ると、祠の前にはワインや果物、花などが供えられていた跡があった。
「きっと神さまって……、人の願いによって存在を大きくも小さくもするんじゃないかしら? 山奥にいる神さまなら、人がその存在を知らなくても当たり前よね。でも……、こんなに見事なマグノリアの花を独り占めできるのは……、贅沢だわ」
周囲はしとやかな香りに包まれている。
巨木の側に立ち天を見上げると、こちらに降り注ぐように白い花がある。
薄曇りの空を背景に、その白い花は微かに光っているようにも思えた。
「はぁ、いい運動になったわ。神さま、またここに来てお祈りさせてくださいね」
祠を綺麗にし終わると、アリアの気持ちもスッキリする。
もう一度祈ってから帰ろうとすると、来る時は道が分からなかったのに、帰り道が分かるような気がした。
特に道があるという訳でもないが、アリアの目に“正しい道”が見える気がしたのだ。
「これも……ご加護なのかも」
数歩あるき、アリアは最後にまた祠に向かって頭を下げた。そして、あとは御者が心配してはいけないからと、帰り道を急いだ。
御者は泥だらけになって戻ってきたアリアを見て、当然のように仰天していた。
それからしばらくアリアを穴が開くほど眺める。
――が、アリアに声をかけられると、帰り道を急いでくれた。
**
その神は安堵していた。
自分がもう少しで力を失ってしまうのは分かっていた。
けれどその前に、美しい乙女の願いを叶えることができて良かった。
人に祈られ、その祈りの力だけ存在を大きくする神という存在は、そう思って安堵するのだ。
人の子というものは短命がゆえに移り気なものだから、あの乙女がここに来て祈ることももうないだろう。
最後に自分は神としての役目を果たせた。
それでいいではないかと自分を宥めつつ、神はまたあの乙女が来てくれればいいとそっと願うのだった。
**
後日アリアはマーサを訪れ、無事マグノリアの祠にたどり着けたことや、そこで不思議な体験をしたことなどを語った。
礼もかねての彼女の家族へのお土産は、王都で流行しているパティスリーの菓子を買った。
また、個人的に「もらうならお菓子も嬉しいけれど、食卓に並ぶものよね」と思い、野菜や肉なども持って行った。結果、それはとても喜ばれるのだった。
そして新婚のフェリシアを訪れる会も終わり、令嬢たちはおのおのの領地へ帰ってゆく。
そのひと月後には、春の舞踏会が行われることになっていた――。
マーサに大体の道筋を書いてもらった地図を手に、延々数時間歩いているような気がする。
靴は泥だらけで、スカートの裾も汚れている。たすきがけにした水筒も、だいぶ軽くなっていた。
周りはマグノリアの木ばかりで、しっとりとした甘い香りに包まれている。
なので、どの木が自分の目指す神木なのかが分からなかった。
(神木の近くに祠があるという話だったけれど……)
時間の感覚も狂い、いまが何時ほどなのかも分からない。
いまは実家であるフォーサイス伯爵領から、フェリシアに会うために王都に来ている。他の友人たちもほぼ同じような感じだ。
全員王都にあるそれぞれの家のヴィラにいて、朝食を終えると馬車でここまで来た。御者には待っているよう伝えたが、あれからどれぐらい経ったのだろう?
「どこなのかしら……」
疲れた、とかそういうネガティブな言葉は口にしないようにしていたのに、つい迷いが口を出る。
毎日散歩ていどのことはしているが、アリアは特に鍛えているという訳でもない。
足の疲労は、たくさんワルツを踊って疲れたという性質とも、また違う。
いつも綺麗に着飾った社交界か、心地よく整えられた屋敷にしかいないアリアは、自分が泥だらけになって山にいるのが信じられなくなってくる。
「もう……帰ろうかしら」
思わずそんな弱音が出て、アリアはすぐに首を振る。
「いいえ、駄目よ。そんな弱気でいたら、お友達の親切や心配に応えられないじゃない」
グッと拳を握り、いつのまにか地面を見ていた視線を上げた。
「私は幸せになるのよ……! 特別幸せじゃなくてもいい、人並みに幸せになるの!」
自らを鼓舞するように声を張り上げると、アリアの声に周囲のマグノリアが震えたような気がした。
大声を出して気持ちを入れ直すと、ふと目の前にフワッと白いものがよぎった気がした。
「あら?」
目をしばたかせ、もう一度見てみる。
「え……と」
しかし気のせいでも疲れのせいでもなく、アリアの前方少しの場所に白っぽい『何か』がある。
「――幽霊?」
が、のんびりしているアリアは、ここで悲鳴をあげる女性ではない。
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「……もしかして案内してくれるの?」
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大きさは人ぐらいで、白っぽいけれど輪郭はあやふやで、ところどころ透明になっている。
それがもし自分が目指しているマグノリアの使いなのだとしたら、ありがたい事この上ない。
(……でも、大丈夫かしら?)
ふとマーサが、「今年でおしまいかもしれない」と言っていたのを思い出す。
妖精の力すら上回るほどの神木があるとして、それがなけなしの力を自分のために振り絞ってくれているのだとしたら……。
ありがたいのと同時に、申し訳ない。
「私、走っていくから、あなたもスピードアップして大丈夫よ」
もちろん疲れていたが、こうなればアリアも気持ちが変わる。スカートをたくし上げ、斜面を蹴った。
白い影は驚いたように形を大きく揺らがせたが、アリアがグングンと近づいてくる。
そして彼女の意思を汲むように、先へ先へと斜面を滑り上がっていった。
進むべき方向が分かると、アリアも先ほどまでの落ち込みがどこかへいったのを感じる。
むしろいまは、目的地に向かって進むことができるのが嬉しくて堪らない。
マグノリアの香りに包まれたまま斜面を進んでゆくと、やがて前方に小さな祠が見えた。
「あ……」
大きめの石を組み合わせたようなそれに気づき、アリアは少し足を止める。
白い影はここまで来れば大丈夫、と思ったのか、そのまま祠の中にスゥッと姿を消していった。
「わ……、すごい……」
次に気付いたのは、その祠に覆い被さるようにして生えたマグノリアの巨木。
その花の付き方は、たくさんの白い小鳥が巨木にとまっているようだ。
厚みのある花びらがツンと上向いて膨らみ、普通の園芸種の花とは違った上品さがある。
辺りはたおやかな香りに満たされ、アリアは疲れも忘れてボーッとその巨木に見とれていた。
『よく……、来たな』
その時、空気を震わせるような声がした。
ハッとして周囲を見回すと、あの祠の前に白い人影がある。
一度祠に入って力を蓄えたのだろうか。先ほどまでのあやふやな形ではなく、『それ』はちゃんとした人の形をとっていた。
「はじめ……まして……」
呆然としたまま、アリアは目の前の人影に頭を下げる。
“それ”はちゃんと人の輪郭をとっているものの、顔の細部や髪の流れなどはよく分からない。
服も、なんとなく神話時代のような物をまとっているのか……? と分かる程度だ。
『我はマグノリアの神。妖精に愛されし乙女よ……、願いを叶えにきたのか?』
その声もきっと神がもっと元気なら、鮮明に聞こえたのだろうと思う。
けれどアリアは神がこうやって自分の目の前に現れてくれただけで、感謝をしたい。
「マグノリアの神さま、導いてくださってありがとうございます。本当を言うと道に迷ってしまっていたので、心より感謝いたします」
スカートは汚れてしまっていたが、アリアは丁寧に淑女としての礼をしてみせる。
『願いはなんだ……? 富か? 名声か? 美貌か?』
マグノリアの神の表情らしい表情はよく分からない。
けれどその白い影が発光して、形を変えているのを見ると、喜んでいるだろうことが分かる。
「私、思っていたより、ずっと男性にご縁がないみたいなんです。それは私の周りにいる妖精たちのせいだと、妖精を見られるお婆さんに聞いたのです。もしできるのなら、神さまのお力で私に……恋をさせてください」
アリアはその場に跪き、手を祈りの形に組む。
マグノリアの神はアリアに近づき、そっと腕を払った。
アリアの目には見えない妖精たちが、自分たちよりもレベルが上の存在――神の意志により、離れてゆく。
『妖精たちには離れてもらった。自由に恋をしなさい』
声がして顔を上げると、マグノリアの神が目の前にいて自分を優しく撫でてくれている。
頭を撫でる手の感触はないものの、その優しい気配と芳しい香りは分かった。
「……ありがとう……、ございます」
『乙女に祝福を……』
最後にマグノリアの神は、アリアの額にそっとキスを落とした。
そして、そこで力尽きてしまったかのように、姿を薄くして消えてゆく。
「…………」
神の祝福を受けた額は、じんわりと温かいような気がした。
「どうもありがとうございます」
これで自分は自由に恋ができる。
そう思うとアリアは嬉しくてたまらない。
男性にアプローチを受け、心をときめかせるような恋愛とは、一体どういう気持ちになるのだろう?
考えただけでも心が躍る。
「神さまはもう眠ってしまわれたのかしら? 何か……恩返しができればいいけれど」
呟いて、アリアは水筒に残っていた水をハンカチに含ませ、祠を拭き始めた。
祠はところどころ苔がこびりついていて、アリアは手が汚れるのも構わず苔をむしり、岩を磨く。
よく見ると、祠の前にはワインや果物、花などが供えられていた跡があった。
「きっと神さまって……、人の願いによって存在を大きくも小さくもするんじゃないかしら? 山奥にいる神さまなら、人がその存在を知らなくても当たり前よね。でも……、こんなに見事なマグノリアの花を独り占めできるのは……、贅沢だわ」
周囲はしとやかな香りに包まれている。
巨木の側に立ち天を見上げると、こちらに降り注ぐように白い花がある。
薄曇りの空を背景に、その白い花は微かに光っているようにも思えた。
「はぁ、いい運動になったわ。神さま、またここに来てお祈りさせてくださいね」
祠を綺麗にし終わると、アリアの気持ちもスッキリする。
もう一度祈ってから帰ろうとすると、来る時は道が分からなかったのに、帰り道が分かるような気がした。
特に道があるという訳でもないが、アリアの目に“正しい道”が見える気がしたのだ。
「これも……ご加護なのかも」
数歩あるき、アリアは最後にまた祠に向かって頭を下げた。そして、あとは御者が心配してはいけないからと、帰り道を急いだ。
御者は泥だらけになって戻ってきたアリアを見て、当然のように仰天していた。
それからしばらくアリアを穴が開くほど眺める。
――が、アリアに声をかけられると、帰り道を急いでくれた。
**
その神は安堵していた。
自分がもう少しで力を失ってしまうのは分かっていた。
けれどその前に、美しい乙女の願いを叶えることができて良かった。
人に祈られ、その祈りの力だけ存在を大きくする神という存在は、そう思って安堵するのだ。
人の子というものは短命がゆえに移り気なものだから、あの乙女がここに来て祈ることももうないだろう。
最後に自分は神としての役目を果たせた。
それでいいではないかと自分を宥めつつ、神はまたあの乙女が来てくれればいいとそっと願うのだった。
**
後日アリアはマーサを訪れ、無事マグノリアの祠にたどり着けたことや、そこで不思議な体験をしたことなどを語った。
礼もかねての彼女の家族へのお土産は、王都で流行しているパティスリーの菓子を買った。
また、個人的に「もらうならお菓子も嬉しいけれど、食卓に並ぶものよね」と思い、野菜や肉なども持って行った。結果、それはとても喜ばれるのだった。
そして新婚のフェリシアを訪れる会も終わり、令嬢たちはおのおのの領地へ帰ってゆく。
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