【R-18版】薔薇の執念~秘密を抱えた令嬢騎士は王太子のしつこい告白にほだされる

臣桜

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ここ、気持ちいいか?

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 女性は感じると濡れる、ぐらいは知っているが、自分の体がこんなにもはしたない音を立てると思っていなかった。

「ぁ、……っあ、でん、――ディアルトっ」

 お腹の一部にある、くすぐったいとも何とも言えない場所を擦られ、リリアンナの腰がびくんっと跳ね上がる。

「ここ、気持ちいいか?」

 そう尋ねるディアルトは、リリアンナがこんなに一杯一杯だというのに余裕たっぷりで、どこか憎らしくもなる。

「んっ、ぅ――。わ、……かりま、せ……っ」

 足に力が入り、リリアンナの腰はブリッジをするかのように少し浮いていた。

「じゃあ、ここは?」
「ぇ? ……っあ! っあぁああっ」

 不意にそれまで触られていなかった場所――花弁の上部にある突起に触れられ、リリアンナは思わず大きな声を上げてしまった。
 体内をまさぐられるのは慣れていないため何とも言えなかったが、ソコはあまりに分かりやすい快楽をリリアンナに伝えてくる。

「ん! んぅ! やっ、ディアルト、やぁあっ」

 いつものリリアンナならまず上げない、鼻に掛かった声を出し、彼女は首を左右に振りたくる。知らない〝気持ちよさ〟が体を襲って恐ろしいというのに、ディアルトは執拗にその膨らみをコリコリと指の腹で転がした。
 その刺激を受けてリリアンナの蜜の量も増えたようで、先ほどより柔らかくなった場所をディアルトの指が奥まで探る。
 ジュプ、ジュプと丁寧に肉襞に指先が当たっては押し、体の表側では突起への刺激が、脳髄に直接訴えかけるような鋭い淫悦を教える。
 次第に体内で蠢く指にも感じるかに思え、リリアンナは必死になってディアルトの手首を掴んだ。

「待って……っ、ディアルト、待って……っ、ん、――く、ぅうっ」

 歯を食いしばり、襲い来る波に似た感覚を懸命に堪える。
 だがディアルトがまた乳房に舌を這わせだした途端、胸に与えられた優しい感覚と下腹部の激しさの落差に、リリアンナは達してしまった。

「――ひ、……ぁっ……」

 ふぅっと体が浮き上がったかのように感じたあと、全身に力が入って膣奥が勝手にピクピクと動く。胎児のように体を丸めたリリアンナは、生まれて初めて絶頂を覚えた。

「ぁ……、あ……」

 ゆっくりと体から力が抜けていき、もう何も考えられない。
 疲れ切ったリリアンナにディアルトが優しくキスをし、蜜壷から指を引き抜いた。

「ありがとう、リリィ」

(それは……。何の、『ありがとう』……ですか……)

 ボーッとした意識のなかディアルトに尋ね、――リリアンナは意識を失った。

**

 翌朝ディアルトより早く目覚めたリリアンナは彼に顔を合わせられず、ひとまず自分の離宮に戻った。

 その背中をディアルトが薄目を開けて見ているとは知らず、コソコソと一人で着替え月の離宮を去る。
 朝帰りをしたリリアンナを、アリカは腹が立つほどニヤニヤして迎えた。
 ふぬけた思考を叩き直すために、リリアンナはいつもの運動着に着替えると王宮の周りを五周した。
 汗だくになって花の離宮に戻り、風呂に入ってアリカのマッサージを受け、いつものバラの香油で体を整えられる。

 しっかりと朝食をとってから、やっと〝いつもの自分〟を取り戻した気がした。





 その日ディアルトが中央宮殿に向かうことは分かっていたので、リリアンナはいつもの時間になると月の離宮に向かった。
 表情はいつも通りクールに整え、ディアルトに何を言われようとも動じない心構えだ。

「殿下、おはようございます」

 いつも以上にキビキビとした声に、寝台にいるディアルトが寝ぼけた目を向ける。

「……あれ。甲冑姿……」
「〝いつも通り〟に起こしに参りました。もう朝食の準備もできております。それとも、もう少しお休みになられますか?」
「……リリィがほしい」

 手が伸びてくるが、リリアンナは真顔のまま赤面するだけだ。

「夢は夜にみるものですよ。私は控えておりますので」

 それだけ言うと、リリアンナはベッドルームの続き部屋まで戻り、ビシッと直立不動をした。
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