【R-18版】薔薇の執念~秘密を抱えた令嬢騎士は王太子のしつこい告白にほだされる

臣桜

文字の大きさ
上 下
44 / 109

ここ、気持ちいいか?

しおりを挟む
 女性は感じると濡れる、ぐらいは知っているが、自分の体がこんなにもはしたない音を立てると思っていなかった。

「ぁ、……っあ、でん、――ディアルトっ」

 お腹の一部にある、くすぐったいとも何とも言えない場所を擦られ、リリアンナの腰がびくんっと跳ね上がる。

「ここ、気持ちいいか?」

 そう尋ねるディアルトは、リリアンナがこんなに一杯一杯だというのに余裕たっぷりで、どこか憎らしくもなる。

「んっ、ぅ――。わ、……かりま、せ……っ」

 足に力が入り、リリアンナの腰はブリッジをするかのように少し浮いていた。

「じゃあ、ここは?」
「ぇ? ……っあ! っあぁああっ」

 不意にそれまで触られていなかった場所――花弁の上部にある突起に触れられ、リリアンナは思わず大きな声を上げてしまった。
 体内をまさぐられるのは慣れていないため何とも言えなかったが、ソコはあまりに分かりやすい快楽をリリアンナに伝えてくる。

「ん! んぅ! やっ、ディアルト、やぁあっ」

 いつものリリアンナならまず上げない、鼻に掛かった声を出し、彼女は首を左右に振りたくる。知らない〝気持ちよさ〟が体を襲って恐ろしいというのに、ディアルトは執拗にその膨らみをコリコリと指の腹で転がした。
 その刺激を受けてリリアンナの蜜の量も増えたようで、先ほどより柔らかくなった場所をディアルトの指が奥まで探る。
 ジュプ、ジュプと丁寧に肉襞に指先が当たっては押し、体の表側では突起への刺激が、脳髄に直接訴えかけるような鋭い淫悦を教える。
 次第に体内で蠢く指にも感じるかに思え、リリアンナは必死になってディアルトの手首を掴んだ。

「待って……っ、ディアルト、待って……っ、ん、――く、ぅうっ」

 歯を食いしばり、襲い来る波に似た感覚を懸命に堪える。
 だがディアルトがまた乳房に舌を這わせだした途端、胸に与えられた優しい感覚と下腹部の激しさの落差に、リリアンナは達してしまった。

「――ひ、……ぁっ……」

 ふぅっと体が浮き上がったかのように感じたあと、全身に力が入って膣奥が勝手にピクピクと動く。胎児のように体を丸めたリリアンナは、生まれて初めて絶頂を覚えた。

「ぁ……、あ……」

 ゆっくりと体から力が抜けていき、もう何も考えられない。
 疲れ切ったリリアンナにディアルトが優しくキスをし、蜜壷から指を引き抜いた。

「ありがとう、リリィ」

(それは……。何の、『ありがとう』……ですか……)

 ボーッとした意識のなかディアルトに尋ね、――リリアンナは意識を失った。

**

 翌朝ディアルトより早く目覚めたリリアンナは彼に顔を合わせられず、ひとまず自分の離宮に戻った。

 その背中をディアルトが薄目を開けて見ているとは知らず、コソコソと一人で着替え月の離宮を去る。
 朝帰りをしたリリアンナを、アリカは腹が立つほどニヤニヤして迎えた。
 ふぬけた思考を叩き直すために、リリアンナはいつもの運動着に着替えると王宮の周りを五周した。
 汗だくになって花の離宮に戻り、風呂に入ってアリカのマッサージを受け、いつものバラの香油で体を整えられる。

 しっかりと朝食をとってから、やっと〝いつもの自分〟を取り戻した気がした。





 その日ディアルトが中央宮殿に向かうことは分かっていたので、リリアンナはいつもの時間になると月の離宮に向かった。
 表情はいつも通りクールに整え、ディアルトに何を言われようとも動じない心構えだ。

「殿下、おはようございます」

 いつも以上にキビキビとした声に、寝台にいるディアルトが寝ぼけた目を向ける。

「……あれ。甲冑姿……」
「〝いつも通り〟に起こしに参りました。もう朝食の準備もできております。それとも、もう少しお休みになられますか?」
「……リリィがほしい」

 手が伸びてくるが、リリアンナは真顔のまま赤面するだけだ。

「夢は夜にみるものですよ。私は控えておりますので」

 それだけ言うと、リリアンナはベッドルームの続き部屋まで戻り、ビシッと直立不動をした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

処理中です...