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俺は本気だよ
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「やっ……、ちょ、な、何をするんですかっ!」
とっさに大事な部分を両手で押さえたが、ディアルトの手は内腿を撫で回す。
「ん……っ」
ゾクゾクッと名状しがたい感覚に襲われ、リリアンナは俯いて変な声が出そうになるのを必死に堪えた。
「リリィ。俺は随分我慢したと思うんだ。……俺は君がほしい。結婚してほしい」
けれどディアルトがまったく知らない男性の顔をして言うので、リリアンナは真っ赤になって抵抗することすら忘れてしまった。
「……でん……か」
力が抜けたリリアンナの手を振りほどき、ディアルトはペチコートの中に手を潜り込ませ、そのままソファの上に彼女を押し倒した。
「んっ」
程よい弾力のあるソファの上で仰向けになり、ハッと目を開けば自分の上にディアルトがいる。
いつもは温厚で穏やかな瞳に、リリアンナの知らない獣のような危険な光があった。
「リリィはいつも俺を『手の掛かる困った主』と思っているかもしれないけど、俺は君をいつだって『愛しい女性』として見ているよ。……それを、分かっていなかったのかい?」
ディアルトが指の背中で、リリアンナの頬をツゥッとなぞる。
「っぁ……、でん、か」
押し流されそうで、けれど別の何かが懸命に「駄目だ」と言い、リリアンナは困り切った顔で首を横に振る。
「君は俺のことが好きじゃないのか? 好きじゃなかったら、キスも許していないだろう。それとも、命令だから聞いてる?」
畳みかけるように言われ、リリアンナは自分の本音を口にしようとして――『秘密』を思い出しギュッと目を閉じる。
(私は……)
「それは……。違います。……けど」
「ちゃんと役目を終えて戻って来たら、結婚してほしい。いいね?」
いつになく強気に言い放ったディアルトは、最後にリリアンナの額にキスをして起き上がった。解放されたリリアンナはクラクラするのを必死に堪え、自分も起きて乱れたスカートを直す。
(本音を言えば、舞い上がりたいほど嬉しい。……でも、私には殿下のお気持ちに頷けない理由がある)
「俺は本気だよ、リリィ」
テーブルの上に置かれてあった二本のバラをまたリリアンナに持たせ、ディアルトが念を押すように微笑んだ。
「そこでゆっくり考えていてくれ。俺は出発前に、やらなければいけないことがあるから」
ディアルトが執務室に向かったところで、リリアンナは反射的にディアルトのお茶を用意しなければと立ち上がった。――そこで、思い出してしまった。
「あっ! お茶をすっかり忘れていました!」
ガラスのポットの中には、すっかり色を濃くさせた紅茶がなみなみと入っていたのだった。
とっさに大事な部分を両手で押さえたが、ディアルトの手は内腿を撫で回す。
「ん……っ」
ゾクゾクッと名状しがたい感覚に襲われ、リリアンナは俯いて変な声が出そうになるのを必死に堪えた。
「リリィ。俺は随分我慢したと思うんだ。……俺は君がほしい。結婚してほしい」
けれどディアルトがまったく知らない男性の顔をして言うので、リリアンナは真っ赤になって抵抗することすら忘れてしまった。
「……でん……か」
力が抜けたリリアンナの手を振りほどき、ディアルトはペチコートの中に手を潜り込ませ、そのままソファの上に彼女を押し倒した。
「んっ」
程よい弾力のあるソファの上で仰向けになり、ハッと目を開けば自分の上にディアルトがいる。
いつもは温厚で穏やかな瞳に、リリアンナの知らない獣のような危険な光があった。
「リリィはいつも俺を『手の掛かる困った主』と思っているかもしれないけど、俺は君をいつだって『愛しい女性』として見ているよ。……それを、分かっていなかったのかい?」
ディアルトが指の背中で、リリアンナの頬をツゥッとなぞる。
「っぁ……、でん、か」
押し流されそうで、けれど別の何かが懸命に「駄目だ」と言い、リリアンナは困り切った顔で首を横に振る。
「君は俺のことが好きじゃないのか? 好きじゃなかったら、キスも許していないだろう。それとも、命令だから聞いてる?」
畳みかけるように言われ、リリアンナは自分の本音を口にしようとして――『秘密』を思い出しギュッと目を閉じる。
(私は……)
「それは……。違います。……けど」
「ちゃんと役目を終えて戻って来たら、結婚してほしい。いいね?」
いつになく強気に言い放ったディアルトは、最後にリリアンナの額にキスをして起き上がった。解放されたリリアンナはクラクラするのを必死に堪え、自分も起きて乱れたスカートを直す。
(本音を言えば、舞い上がりたいほど嬉しい。……でも、私には殿下のお気持ちに頷けない理由がある)
「俺は本気だよ、リリィ」
テーブルの上に置かれてあった二本のバラをまたリリアンナに持たせ、ディアルトが念を押すように微笑んだ。
「そこでゆっくり考えていてくれ。俺は出発前に、やらなければいけないことがあるから」
ディアルトが執務室に向かったところで、リリアンナは反射的にディアルトのお茶を用意しなければと立ち上がった。――そこで、思い出してしまった。
「あっ! お茶をすっかり忘れていました!」
ガラスのポットの中には、すっかり色を濃くさせた紅茶がなみなみと入っていたのだった。
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