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俺が一番喜ぶことが分かるかい?
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「私は殿下に出会えて良かったと思っています。殿下をお守りすることで、私は生きる意味を見つけました。恋にうつつをぬかしているより、ずっと大事なことです」
「う、うん。ありがとう」
「それとも殿下は、私の人生が哀れだとお思いですか?」
一歩ズイッと迫り、リリアンナは前屈するようにディアルトに顔を近づける。
「あ……」
リリアンナの胸当ては乳房の下半分を守っていて、上の方は夜会のドレスのように空いている。結果、ディアルトの目の前には深い谷間が迫っていた。
「…………」
思わず柔らかそうな胸の谷間を凝視するディアルトに、リリアンナは活を入れる。
「殿下! 何を呆けていらっしゃるのです! 聞いているのですか!?」
リリアンナが一喝すると、豊満な胸がユサッと揺れた。
「す、素晴らしいよ!? 君はとても素晴らしい!」
何が「素晴らしい」のか主語は明らかにしないが、ディアルトは何度も頷いた。
「でしたら良いのです。私はいま申し上げた通り、殿下にお会いして大事なものを知りました。ですから、それでいいのです」
望む言葉を引き出して満足し、リリアンナはストンとソファに腰掛ける。目の前のディアルトは自分の太腿を凝視しているようだが、慣れているので気にも掛けない。
「リリアンナ、ありがとう」
その「ありがとう」にどんな意味が込められているか、リリアンナは知るよしもない。
「いいえ、どういたしまして。私にとって殿下が大事な存在であると、理解して頂ければそれでいいのです」
「じゃあ、結婚してくれるか?」
(は!? いきなり何を仰っているの? この方は。私なにか別の話題を勘違いしていたかしら?)
ポカンとしてディアルトを見るが、彼は期待に満ちた目で見つめ返すだけだ。
昨日のバラ園での続きだと思ったリリアンナは、はぁ……と溜め息をつく。
「……それとこれとでは、お話が違います」
「駄目か」
床に座り込んだまま、ディアルトがガクッと項垂れる。
「……ちょっとでも怪我をしたら、俺の尻を蹴るんだっけ?」
落ち込んだと思ったのも束の間、ディアルトは騎士たちの誰もが「触りたい」と思うリリアンナの脚に手を掛ける。長靴に包まれた足を自分の膝の上に載せると、ふくらはぎを撫でて意味深に微笑んだ。
「で、殿下?」
ディアルトが時々すけべな目で自分を見ているのは分かっていたが、こうして触れられるのは慣れない。
「君の魅惑的な脚に蹴られるのなら、かすり傷程度なら負ってこようかな」
スリスリと太腿が撫でられ、リリアンナは逃れようとモゾモゾ腰を揺らす。
(く、くすぐったい……!)
本当なら悲鳴をあげたいのだが、リリアンナは毅然とした態度を取り続けた。
「そういう風にご褒美のように思われているのなら、蹴りません」
「何を今さら。俺にとってリリアンナの言葉や行い、すべてがご褒美だ」
「……変態」
半眼で睨みつけても、懲りないこの王太子は喜んでいる。
「あぁ、堪らないな。じゃあ、怪我を負わないで戻って来たら、どんなご褒美をくれる?」
「ご、ご褒美?」
罰を与えるとは言ったが、褒美をあげるなど言っていない。
「今まで経験済みのものは、除外とするよ?」
「え……。えぇ?」
太腿を撫でられながら、リリアンナは軽く混乱する。
「だからキスとかも駄目。抱きしめるとかも駄目。さて、君は何を提示してくれるかな?」
リリアンナは大きな目を瞠り、必死になって考える。だがディアルトは王太子であるため、彼のほうが財力がある。物を贈ってもリリアンナが自由にできる金で買ったものなら、きっとつまらないと思われかねない。
「えっと……」
珍しく言葉に詰まったリリアンナの太腿を撫で、ディアルトが甘く微笑む。
「俺が一番喜ぶことが分かるかい?」
「え?」
きょとんとしてディアルトの金の瞳を見つめると、彼の手が不埒に動いてペチコートの奥に潜り込もうとする。
「う、うん。ありがとう」
「それとも殿下は、私の人生が哀れだとお思いですか?」
一歩ズイッと迫り、リリアンナは前屈するようにディアルトに顔を近づける。
「あ……」
リリアンナの胸当ては乳房の下半分を守っていて、上の方は夜会のドレスのように空いている。結果、ディアルトの目の前には深い谷間が迫っていた。
「…………」
思わず柔らかそうな胸の谷間を凝視するディアルトに、リリアンナは活を入れる。
「殿下! 何を呆けていらっしゃるのです! 聞いているのですか!?」
リリアンナが一喝すると、豊満な胸がユサッと揺れた。
「す、素晴らしいよ!? 君はとても素晴らしい!」
何が「素晴らしい」のか主語は明らかにしないが、ディアルトは何度も頷いた。
「でしたら良いのです。私はいま申し上げた通り、殿下にお会いして大事なものを知りました。ですから、それでいいのです」
望む言葉を引き出して満足し、リリアンナはストンとソファに腰掛ける。目の前のディアルトは自分の太腿を凝視しているようだが、慣れているので気にも掛けない。
「リリアンナ、ありがとう」
その「ありがとう」にどんな意味が込められているか、リリアンナは知るよしもない。
「いいえ、どういたしまして。私にとって殿下が大事な存在であると、理解して頂ければそれでいいのです」
「じゃあ、結婚してくれるか?」
(は!? いきなり何を仰っているの? この方は。私なにか別の話題を勘違いしていたかしら?)
ポカンとしてディアルトを見るが、彼は期待に満ちた目で見つめ返すだけだ。
昨日のバラ園での続きだと思ったリリアンナは、はぁ……と溜め息をつく。
「……それとこれとでは、お話が違います」
「駄目か」
床に座り込んだまま、ディアルトがガクッと項垂れる。
「……ちょっとでも怪我をしたら、俺の尻を蹴るんだっけ?」
落ち込んだと思ったのも束の間、ディアルトは騎士たちの誰もが「触りたい」と思うリリアンナの脚に手を掛ける。長靴に包まれた足を自分の膝の上に載せると、ふくらはぎを撫でて意味深に微笑んだ。
「で、殿下?」
ディアルトが時々すけべな目で自分を見ているのは分かっていたが、こうして触れられるのは慣れない。
「君の魅惑的な脚に蹴られるのなら、かすり傷程度なら負ってこようかな」
スリスリと太腿が撫でられ、リリアンナは逃れようとモゾモゾ腰を揺らす。
(く、くすぐったい……!)
本当なら悲鳴をあげたいのだが、リリアンナは毅然とした態度を取り続けた。
「そういう風にご褒美のように思われているのなら、蹴りません」
「何を今さら。俺にとってリリアンナの言葉や行い、すべてがご褒美だ」
「……変態」
半眼で睨みつけても、懲りないこの王太子は喜んでいる。
「あぁ、堪らないな。じゃあ、怪我を負わないで戻って来たら、どんなご褒美をくれる?」
「ご、ご褒美?」
罰を与えるとは言ったが、褒美をあげるなど言っていない。
「今まで経験済みのものは、除外とするよ?」
「え……。えぇ?」
太腿を撫でられながら、リリアンナは軽く混乱する。
「だからキスとかも駄目。抱きしめるとかも駄目。さて、君は何を提示してくれるかな?」
リリアンナは大きな目を瞠り、必死になって考える。だがディアルトは王太子であるため、彼のほうが財力がある。物を贈ってもリリアンナが自由にできる金で買ったものなら、きっとつまらないと思われかねない。
「えっと……」
珍しく言葉に詰まったリリアンナの太腿を撫で、ディアルトが甘く微笑む。
「俺が一番喜ぶことが分かるかい?」
「え?」
きょとんとしてディアルトの金の瞳を見つめると、彼の手が不埒に動いてペチコートの奥に潜り込もうとする。
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