【R-18】悪人は聖母に跪く

臣桜

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こんなの、知らない ☆

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「すっごい濡れてるよ。グチョグチョだ。鞠花は濡れやすい体質なんだな。中がヌルヌルになって滑りが良くて、とっても気持ちいい。熱くて、ふわトロで、凄い名器だ……っ」

 修吾が恥ずかしい言葉を並べて鞠花を賛辞する言葉すら、まともに頭に入ってこない。

 彼の太竿でゴリゴリ内部を擦られ、ポルチオを突かれるたび、鞠花はこの世の表と裏を悲鳴を上げながら行き来する。

 全身が魂ごとフワッと浮いてこのまま天国にいくのでは、と思った直後、汗みずくになった肉体にすべてが戻り、激しく高鳴った鼓動を味わい、修吾の容赦のない突き上げに切ない呼吸を繰り返す。

 もう彼は初めの頃のように、鞠花の様子を窺って手加減するのをやめていた。

「やだぁ……っ、も、やぁ……っ! 気持ちぃ……っ、のっ、やぁあ……っ!」

 鞠花は両手でバリバリとシーツを引っ掻き、足を滑らせて本気の抵抗を見せる。

 過ぎる快楽は時に毒になる。

 それを身をもって知った訳なのだが、修吾は気持ちよさに耐性があるのか、嬉しそうな顔をしてさらに鞠花を攻めてきた。

「鞠花、もっと気持ち良くなろう……っ」

 ズチュグチュと突き上げられ、鞠花は頭の中を真っ白にさせながら悶え、痙攣しては修吾の背中を引っ掻く。
 彼の背中を引っ掻いて申し訳ないと、考える心の余裕もなかった。

 生まれて初めてこんなに感じるセックスをして、鞠花は恐怖を抱きながらも夢中になって快楽を貪った。

 修吾は荒々しい呼吸の合間に鞠花を「可愛い」と褒め、「気持ちいい、最高だ」と体の相性についても賛美する。

 好きなように淫悦を貪っていた修吾も、やがて高まりを覚えたようだ。
 言葉少なになり、修吾はひたすらに腰を打ち付ける。

「んぁああっっ、あっ、あっ、あっ、んンーっ、あぁあんっ、んーっ!」

 鞠花は甘ったるい声を上げ、涙を流して修吾にしがみつく。
 もう、淫芽への刺激を受けなくても、彼女はポルチオを突き上げられるだけで深く達する事を覚えさせられていた。

 ――こんなの、知らない……っ!

 本当のセックスを教えられ、鞠花は快楽を貪るというよりも、驚いたまま正気に戻る事ができないでいる。

 汗を掻いた肌が触れ合い、二人分の吐息が混じる。
 キスをされ、羞恥心も忘れて鞠花は舌を出して修吾を求めた。

「あぁ……っ、ぁ、…………あっ、鞠花……っ!」

 彼女が何度目かのオーガズムを味わって痙攣している間、修吾は最後に激しく腰を叩きつけたあと、ぐぅっと亀頭で子宮口を押し上げて胴震いした。

(……達ってる……、の……?)

 膣内で修吾の肉棒がビクッビクッと脈打ち、彼が荒々しい呼吸を吐く。
 修吾はさらに数度腰を打ち付けて、残滓をすべて出し切ったようだった。

「っはぁ……」

 鞠花の頬にポタッと修吾の汗が落ち、彼が自分を見て愛しそうに微笑んだのが見えた。

 疲れ切った鞠花は何か言おうとしたが、気力がなく目を閉じる。

 修吾はしばらく鞠花の体に体重を預け、彼女の耳元で荒くなった呼吸を整えていた。
 やがて彼は緩慢な動作で屹立を引き抜き、避妊具を処理する。

「大丈夫?」

 汗で顔に貼り付いた髪を、修吾は優しく撫でつけてくれる。

「ん……」

 膣奥はまだピクピクと痙攣していて、鞠花は深い快楽の残滓を味わっていた。

「水、飲める?」

「ん……」

 きちんと返事ができない鞠花の頭をもう一度撫で、「持ってくるよ」と言って修吾はベッドルームを出て行った。
 少しして裸足で室内を歩く足音がし、ベッドマットをたわませて修吾が戻った。

「起きれる?」

「ん……」

 返事をするものの、鞠花はピクリとも動けない。
 修吾はそんな彼女の後頭部を支えて持ち上げると、口移しで水を飲ませた。

「ん……く」

 冷たい水が喉を通ってゆくと、快楽でドロドロに溶けていた体が少し正気を取り戻した。

 モゾモゾと身じろぎをして起き上がろうとすると、修吾が手伝ってくれる。

 左手にある一面のガラスには、夜景が映っている。
 それを見て、現実味のない濃密な交わりから、ようやくリアルに戻って来られた気がした。

 修吾がクッションや枕を集めてくれ、鞠花はそれにもたれかかって水を飲む。

 我に返るととても恥ずかしい事をしたと自覚し、修吾になんと言ったらいいのか分からない。

「凄い気持ち良かったよ」

 けれど先に言われ、鞠花は照れながらもペコリと頭を下げる。
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