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絶望と救い2 ☆

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「カルヴィンが後ろ暗い事をしていたのは、ずっと前から掴んでいた。だが父上が亡くなってパールが動き出した頃になり、やっと尻尾を見せ始めた。そろそろカルヴィンが行動を始め、表立って俺を陥れようとするだろう。だが俺はその何手も先を読んでいる。だからあなたは狼狽える事なく、王妃らしく堂々としていること。いいね?」
「……はい」

 やっと寝所まで戻って来て、オーガストは隠し扉をまた元通りに戻す。その後リディアを繋がったまま寝台に押し倒した。

「……ン、ぁ。はぁ……っ、オーガスト……。……あの、……ちょうだいっ。今だけ私にすべてを忘れさせて……っ」

 信じていたカルヴィンに裏切られ、リディアの心は荒れていた。自分が縋れるのはこの年下の夫だけ。

 この上もなく孤独で、父と元夫の死が悲しく、己が恐ろしい。
 誰も信じられない恐怖や罪の意識を、肉体への激しい刺激で癒やしてほしかった。

「分かってる、リディア」

 オーガストはガウンを矧ぎ、腰紐を解いていたトラウザーズも脱ぎ去った。
 唇が訪れ互いの舌を吸い、舐め合い探り、クチャクチャと淫らな音が脳髄を蕩かしてゆく。やがてオーガストの腰も動き出し、ブチュブチュと激しい音がし蜜が敷布に飛び散った。
 通路の行為でいつも以上に濡れたリディアは、秘部から蜜を滴らせていた。
 オーガストの屹立が押し込まれれば蜜がブチュリと飛び出て、腰が引かれると白く泡立ったものが纏わり付く。

「あ、ぁあ、ぁ、あ……っ、お願い……っ、もっと、激しくして……っ。酷い事をして!」
「リディア……っ」

 涙を流したリディアの気持ちに応えるが如く、オーガストは彼女の脚を抱え上げ肩の上に載せた。より深く繋がる体勢になると、遮二無二腰を打ち付ける。

「んあああぁっ! ……っあ、すごいっ、深……っ、ァ、あぁっ、ア、あ、あ!」

 律動に合わせて揺れる胸をオーガストが揉み、腰はリディアを壊してしまいかねない激しさなのに、指は優しく胸の先端をくすぐってきた。

「――っひ、ああァあア!」

 体を丸めのたうちまわってリディアが達し、汗みずくになった体をオーガストが抱き締めてくる。まだリディアの深部がヒクヒクと痙攣しているのに、オーガストは彼女を引き起こし自身の腰の上に跨がらせた。

「リディア、あなたの好きなように動くといい。あなたが受けた心のショックを、俺の体を使って癒やせばいい。触れて欲しい場所があればどこでも触る。俺はあなたの夫であり主人。同時にあなたの僕だ」
「ん……ぁ、……ア」

 泣き出しそうにクシャリとリディアの顔が歪んだあと、ゆっくり彼女の体が上下し始めた。
 慣れない腰使いながらも、自分の一番いいと思う場所に先端を押しつけ、腰を前後に揺らしてグリグリと快楽を探求する。



「気持ちいいか? リディア。俺の前でだけ、あなたは本能のままでいられるんだ」
「あ……っ、私は……、オーガストの前でだけ……っ」

 タンタンと腰を打ち付け、悦に入った顔でリディアはしきりに唇を舐める。

「リディア、触ってほしい所は?」
「……ン、む、胸……と、あ、あそこ……っ」

 小さな声でねだるリディアの意図を汲み、オーガストはまず魅惑的に揺れる乳房に手を這わせた。たっぷりと質感のある胸を下から揉み上げ、ツンと尖っている先端をコロコロと転がす。
 途端にリディアは甘い声を上げ、ぎゅうと蜜壷を締めてオーガストの精を誘う。

「胸……っ、ァ、気持ち……のっ、オーガスト……っ、好きっ」

 淫らに腰を動かし、クネクネと前後させるリディアは、普段の清廉な雰囲気はどこかへまるで妖婦の如くだ。

「あなたが気持ちいいのなら、俺も嬉しい。ホラ、ここも好きだろう?」

 オーガストの片手が胸から腹部を撫で下ろし、臍のくぼみを辿って膨らんだ肉芽を弄り出した。

「っああぁアんっ、そこっ、そこやぁア! 感じちゃうから……っ、やぁ、やっ」
「たっぷり感じて達け、リディア」

 オーガストも下からズンズンと突き上げ、リディアのシルバーブロンドが滝のように揺れる。豊かな乳房も弾み、玉の汗を浮かべた白い肢体が艶めかしくくねった。
 直後突き上げるほどの快楽が駆け上がり、リディアは絶頂に飛ばされた。

 ――痴態をすべて見られている。

 騎乗位に興奮したリディアは、それでも自身を嗤ったり貶めたりしないオーガストに深い感謝を覚える。自分がどれだけ他者から蔑まれても、オーガストだけは昔から自分を慕い側にいてくれたのだ。

「――許してっ、許して! オーガスト! 私、知らなかったの! 陛下にお出ししていたお茶に……っ、私……っ、――ひぃっ」

 肉体の昂ぶりと共にリディアの感情も決壊し、ガクガクと体を震わせたまま獣の断末魔のような声が漏れた。

「いいんだ。あなたは何も知らなかった。あなたは何も悪くない。俺はカルヴィンの企みを知っていて、あなたに敢えて教えなかった。自分を責めるな」

 オーガストの父を殺したのは自分だというのに、彼は責める事なく励ましてくれている。

 ――ありがとう。

 深い感謝を抱き、リディアはオーガストに体を重ね自ら深くキスをした。
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