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序章2 ☆

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「ちゃんといい子で夫を待っていたようだな」

 妻の純潔を確認したオーガストは、満足気に笑って首から提げていた鍵を取る。

「……早く、解放して……っ」

 既に肌をしっとりと濡らしているリディアを前に、オーガストは酷薄に笑うとスリットの上部を指で押した。

「っひぃん!」

 貞操帯の内部には真珠が取り付けられており、それがリディアの真珠に当たって彼女はビクンと体を跳ねさせた。同時にスリットから蜜が出て、敷布を濡らす。

「俺の妻は淫らだな」

 何度か同じ箇所を指で押し、グリグリと上下させてリディアを虐めると、あっけなく彼女は達してしまった。

「んんぅ……っ、ぁ、――はっ」

 緊張していた体は弛緩し、ドッと溢れた透明な蜜が革製の貞操帯の色を濃くしていった。

「いま解放してあげるよ、母上」

 愉悦を隠さないオーガストは、鍵でもってリディアの貞操帯を外してやる。秘部を覆っていた縛めが取れ、蜜の香りが濃厚に立ち上った。

「……その呼び方で呼ばないで……」

 切れ切れの声に、オーガストは何も言わない。
 長い指がネグリジェのボタンを順番に外し、ハラリと絹が左右に分けられるとそこにはまろやかな真珠の肌があった。

「……何度見ても美しい」

 芸術品に対する賛辞の如く、オーガストの声には畏敬の念がある。けれど胸の奥に煮えたぎっているのは、ただ純粋な肉欲だ。
 赤い舌を僅かに覗かせ、ハァ……と息を吸い込む音がした後、リディアの胸が口腔に包まれた。

「んっぁ……」

 舌先でグルリと乳暈をなぞり、その後チロチロと乳嘴を弄ぶ。ちゅうちゅうと赤ん坊のように吸い付くのは、以前からの癖だ。もう片方の手はたわわに実った乳房を揉み、指先がプクリと勃ち上がった先端を転がした。

「相変わらず淫らな乳だ。俺がずっとしゃぶっていたから、こんなに育って……」
「やめ……て……っ」

 確かに閨を共にするようになってから執拗に乳首を弄られたが、そんな風に言わなくたっていいと思う。オーガストはわざとリディアの恥辱を煽る言葉を選び、皮肉げな言い方で虐める。
 リディアの乳首は少女の頃のいとけなさはどこかへ、オーガストに触れられるとすぐに充血し大きく勃起するようになってしまった。
 本人もそれを恥じているというのに、どうして意地悪を言うのか。

 現在二十八歳のリディアの体は、成熟しきっていた。

 先王の側室として望まれた時は十七歳。『お手つき』になる前に先王は崩御してしまった。側室だったとしても、リディアは確かにあの優しい王を愛していたのに――。
 その時のリディアは、自分が実の息子として愛そうと誓ったオーガストに、このように組み敷かれるとは思っていなかった。

「感じきっている癖に何を言う? ここだって……」

 蠱惑的な笑みを浮かべたまま、オーガストは胸の膨らみからなだらかな腹部を辿り、窪んだ臍を辿って下腹部の茂みに至った。既に熱気を伴っているそこは、リディアの意志とは裏腹に潤沢な蜜を湛えていた。
 特に濡らそうともせず、オーガストの指は迷いなく蜜口に差し入れられる。
 ちゅぶりと粘液質な音がし、リディアの膣肉は息子の指を受け入れた。ジュップジュップと前後に出し入れされるたび、そこは粘度の高い蜜を吐き出し更に絡みつく。

「指一本では満足しないだろう? 順番に指を増やしていくから」
「いや……っ、あぁあっ……」

 オーガストはすぐに端正な顔を伏せ、またリディアの胸にしゃぶりつく。そこがお気に入りなのだ。ワナワナと震えるリディアの脚が、閉じないという事を彼は知っている。だからこそ蜜壷を蹂躙する手は更に大胆になっていった。
 二本に増えた指はピタリと揃えられた状態で、リディアの弱い場所をしつこく擦る。

「ん、ン、ん……あ、ァあ……っ……、そこ、そこだめぇっ」

 モゾモゾと快楽が体を駆け回り、心許ない状態になったリディアは腰を浮かす。けれど顔を上げたオーガストに、キュウッと乳首を噛まれてしまった。

「膝を抱えて、ちゃんとやりやすいようにして。母上」
「ん……っ、う、……っく」

 羞恥極まりないが、リディアはオーガストの言葉に従った。開いていた脚を更に開き、膝の裏を己の手で抱え上げる。

「……いい子だね、母上」

 ご褒美と言わんばかりに、チュッと唇にキスをされた。そのまま舌がトロリと唇のあわいに入り込み、リディアの口腔を犯してくる。

「んぁ……ふ、あ、……ぁ」

 濃厚なキスに押し流されている間、オーガストの指は三本に増えて蜜孔を穿っていた。ヌッチヌッチと前後した後、既に感じきった子宮口付近をじわりと押してくる。

「んンーっ!」

 グポッと溢れた蜜は会陰を通り、菊孔を伝って体の背面に伝っていった。
 オーガストの小指は前後するたびに時折菊孔を撫で、親指は気まぐれに真珠を押し潰してくる。もう片方の手はフカフカとした乳房を揉み、指先で先端を弾く。
 すぐに二回目の絶頂がリディアを襲った。

「ん、んンぅうウぅっ! ……ぁ、は」

 秘部を嬲られて達したのは明白だが、リディアはオーガストのキスにすっかり慣らされていた。力の抜けた彼の舌は柔らかく、ベルベットのように滑らかだ。それに弱い場所を優しく執拗に擦られれば、あっという間に頭がオーガストで一杯になってしまう。
 もっとして欲しいと自ら舌を拙く蠢かせれば、オーガストの舌も唇も優しくいらえてくれる。ずっぷりと口内まで繋がり合う至福を覚えさせられ、いつの間にかリディアはキスだけでも達する淫らな体になっていた。

「あ……、ァ、あ……」

 ピクンピクンと震える膣から指が引き抜かれる。粘度の高い蜜がオーガストの指だけではなく掌までも濡らし、白い糸が引いた。数度その濡れ具合を確かめるように、オーガストはピシャピシャと秘部を撫でつける。

「……ん。これだけ濡れていたら大丈夫だな」

 ガウンと下穿きを躊躇いなく脱ぎ捨てると、そこには若々しい肉体が晒された。
 青年期中盤において、オーガストの体は騎士団と共に鍛え上げられ分厚い胸板を有していた。その下に割れた腹筋や鼠径部に至るラインも、ただリディアを興奮させるしかない。
 オーガストの肉体を見て体がはしたなく疼き、彼の下腹で兇悪に反り返っているモノを見てドキリと胸を高鳴らせる。
 血管を浮かび上がらせて膨れ上がった屹立を、リディアは毎回信じられない思いで見てしまう。アレがいつも自分の胎内に入り込んでしまうのだ。

「……物欲しそうな顔をしているね、母上」
「……リディアと、……呼んでください」

 抱かれる時にまで『母上』と呼ばれるのは耐えられなかった。彼女の哀願に、オーガストは少し考えたようだが、あっさり頷く。

「いいだろう、リディア。あなたをそう呼ぶようになれたのは、妻に娶った証しだからね。……けれど、また何か歯向かうような様子を見せれば、俺はあなたの嫌がる事をすべてする。いいね?」
「…………」

 脅す言葉に、リディアは震えて横を向いた。
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