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生まれた家2
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「本邸より使いが参りまして、お夕食の準備が整いましたと……」
「分かった」
すぐ近くでジスランの声がし、コレットの肩がピクッと動いた。
「ん……」
小さく呻いて伸びをしようとすると、自分の体に心地いい重みが加わっているのに気付く。
「ん……、あれ」
視線を下ろすと、見慣れた腕と手がある。
「ジスラン……様?」
もそりと体を反転させると、そこにはジャケットを脱いだジスランが寝転がっていた。コレットの隣で彼も眠っていたのか、目元が少し眠たそうだ。
「疲れは取れたか?」
いつも通り感情の起伏があまり窺えない、だがコレットだけが分かる、彼女を気遣う声で問う。そして美麗な顔が近付いてきたかと思うと、ペロリとコレットの口端が舐められた。
「んっ?」
一瞬キスをされるかと思って、まどろんでいた意識が一気に覚醒した。ブワッと体が熱くなり、瞬時に汗ばむ。
「少し涎が垂れていた」
ジスランの目が僅かに細められ、あまりの恥ずかしさにコレットが呻く。
「ううううう……っ」
彼の胸板に額を付け、リンゴのように真っ赤になった顔を隠そうとする彼女の上で、くっくっく……と笑いを押し殺す声がした。
「……い、意地悪……」
涙目になって顔を上げると、ポンポンと優しく頭が撫でられた。
「本邸から使いが来ている。急がなくていいから、着替えなさい」
意地悪には触れず、ジスランはベッドから下りてジャケットを手にする。
「食後にあなたの部屋や、屋敷を案内してくださるそうだ」
「そう……ですか」
遅れてベッドから下りようとすると、続き間の向こうに侍女の姿があった。
目覚めてからの遣り取りを見られていたのかと、また体がカッと熱くなる。だが侍女たちは「何も見ておりません」という顔つきで、スッと寝室に入りコレットの着替えを手伝い始めた。
「ココ、美味いか? お前はうちのシェフが作った鴨肉のローストがとても好きだったな。このソースも、変わらず庭園で採れたオレンジを使ったものだぞ」
細長いテーブルで、デジレの声が軽快に弾む。
「はい、お父様。とても美味しいです」
それに応えるコレットの声も明るいのだが、他の三人が微妙な緊張を孕んでいるので、自然と声が曇る。
ジスランとカロリーヌは表情一つ変えず黙々と食事をし、兄のディオンはそんな一同をたまにチラッと見回してから、気遣わしげな視線をジスランにやる。
明らかにコレットが知らない〝何か〟が、ジスランとブリュイエール家にあるのは確かだ。
そのような食事を何とか終えて食後の紅茶も済んだ頃、コレットがおずおずと切り出す。
「あの……。私が使っていたお部屋を見せてくださると……。お屋敷の中も案内してくださると……、伺ったのですが」
「ああ、構わないとも。お前の家なのだから、ゆっくり見て回りなさい」
デジレが立ち上がり、コレットも「ありがとうございます」と微笑んで席を立つ。カロリーヌとディオンはそのままだったが、ジスランも当たり前という顔でコレットに同行しようとする。
だが、ディオンがジスランを引き留めた。
「ジスラン様。先日の手紙のことで、少々お話があるのですが……」
「……それは今でなければいけないのか?」
ディオンに対し面識があるのか、ジスランはデジレに対するよりは砕けた口調で話す。
「……はい。ココが案内を受けている間、話したいのですが……」
「…………」
コレットがいないあいだと言われ、ジスランは目を眇めてから食堂に控えていたアベルに視線をやる。
影のように立っていたアベルは、無言で黙礼しコレットとデジレの方へ向かう。
「……わたくしは、別室で休ませて頂きます」
静かに言ってカロリーヌは立ち上がり、ジスランに一礼をして立ち去って行った。
「ではジスラン様、行って参りますね」
「ああ。くれぐれもアベルを側に置くように」
「? はい。心配性なのですね」
自分の生家を見るだけなのに……と少々おかしくなったコレットは苦笑する。
「さあ、行こうか。ココ」
デジレがコレットの背に手をやり、「はい、お父様」とコレットは従順に歩き出す。その背中をジスランが強い目で見送っていたが、コレットは何も気付かず瀟洒なしつらえの屋敷に目を奪われていた。
「一階は以上だ。何か思い出したか?」
ブリュイエール家の屋敷はシャブラン城には及ばないものの、広々としている。貴族の屋敷として必要なダンスホールや遊戯室、ロングギャラリーなど、一階には出迎えた客を楽しませる豪奢な部屋が多々あった。
「素晴らしいお屋敷ですね。……ですが、あまり……記憶に繋がる所はないようです」
「では二階に向かおう。二階には図書室や来客があった時の応接室や会議室、ガラスのコレクションを集めた部屋や、シノワズリの部屋もある」
「素敵ですね。ジスラン様のお城もとても贅沢でしたが、他のお屋敷に入ると、また飾る芸術品が異なるので目の保養になります」
とても優しい父は終始にこやかで、コレットも自然と笑顔になる。
その後ろをやはり何も言わないアベルが付き従っているが、この分では彼の出番もないだろう。
そう思いつつ、一階同様素晴らしい二階を案内され、三階へ向かう。
地下室と屋根裏は使用人の領域なので、案内する間でもない。三階は家族のプライベートエリアのようで、ここが最重要部分だと思うとドキドキする。
使用人たちは夕食の後片付けや、これから夜を迎えるに至って働いているようだ。廊下はシンとしていて人の気配がない。貴族の屋敷や城には使用人が使う裏通路もあるが、壁の裏にも人の気配はなかった。
「まずはお待ちかねのココの部屋から見ていこうか」
「はい。少しドキドキします」
父に向かって笑顔を向けつつも、コレットは不思議に思っていた。
ここまで丁寧に案内されていながら、コレットの記憶をくすぐる風景は一つもないのだ。まさか自分はこの屋敷にいなかったのでは……? と不安になるが、ここまで親切にしてくれている家族が今さら他人と言うはずもない。
「ここがココの部屋だ」
コレットの部屋は、三階の一番端にあった。閉じてあるドアは、一見他の部屋と変わらない白木の物だ。框部分に美しい彫刻が施されているのも、他と同じ。
深く笑んだデジレが金色のノブを掴み、ドアを引く。
(……あら?)
一瞬コレットは違和感を覚えたが、それが何なのかよく分からない。
「さあ、何か思い出すかな?」
「ここが……私の……」
薄暗い部屋には、確かにコレットの体臭がまだ残っている感じがする。
「ランプはデスクの上にあるよ」
「はい」
部屋の内部はカーテンが閉まっていて薄暗く、廊下から入り込む光でしか分からない。だが言われた通り部屋の奥にはデスクがあり、ランプの曲線も窺えた。
コレットは迷いなく奥に進み――、部屋が静かに暗闇に包まれ、カチャッと小さい音がしたのを耳にした。
「……え?」
「ブリュイエール卿!?」
ドアの向こうからアベルの焦った声がし、ガチャガチャと何度もドアノブを回す音がする。
「分かった」
すぐ近くでジスランの声がし、コレットの肩がピクッと動いた。
「ん……」
小さく呻いて伸びをしようとすると、自分の体に心地いい重みが加わっているのに気付く。
「ん……、あれ」
視線を下ろすと、見慣れた腕と手がある。
「ジスラン……様?」
もそりと体を反転させると、そこにはジャケットを脱いだジスランが寝転がっていた。コレットの隣で彼も眠っていたのか、目元が少し眠たそうだ。
「疲れは取れたか?」
いつも通り感情の起伏があまり窺えない、だがコレットだけが分かる、彼女を気遣う声で問う。そして美麗な顔が近付いてきたかと思うと、ペロリとコレットの口端が舐められた。
「んっ?」
一瞬キスをされるかと思って、まどろんでいた意識が一気に覚醒した。ブワッと体が熱くなり、瞬時に汗ばむ。
「少し涎が垂れていた」
ジスランの目が僅かに細められ、あまりの恥ずかしさにコレットが呻く。
「ううううう……っ」
彼の胸板に額を付け、リンゴのように真っ赤になった顔を隠そうとする彼女の上で、くっくっく……と笑いを押し殺す声がした。
「……い、意地悪……」
涙目になって顔を上げると、ポンポンと優しく頭が撫でられた。
「本邸から使いが来ている。急がなくていいから、着替えなさい」
意地悪には触れず、ジスランはベッドから下りてジャケットを手にする。
「食後にあなたの部屋や、屋敷を案内してくださるそうだ」
「そう……ですか」
遅れてベッドから下りようとすると、続き間の向こうに侍女の姿があった。
目覚めてからの遣り取りを見られていたのかと、また体がカッと熱くなる。だが侍女たちは「何も見ておりません」という顔つきで、スッと寝室に入りコレットの着替えを手伝い始めた。
「ココ、美味いか? お前はうちのシェフが作った鴨肉のローストがとても好きだったな。このソースも、変わらず庭園で採れたオレンジを使ったものだぞ」
細長いテーブルで、デジレの声が軽快に弾む。
「はい、お父様。とても美味しいです」
それに応えるコレットの声も明るいのだが、他の三人が微妙な緊張を孕んでいるので、自然と声が曇る。
ジスランとカロリーヌは表情一つ変えず黙々と食事をし、兄のディオンはそんな一同をたまにチラッと見回してから、気遣わしげな視線をジスランにやる。
明らかにコレットが知らない〝何か〟が、ジスランとブリュイエール家にあるのは確かだ。
そのような食事を何とか終えて食後の紅茶も済んだ頃、コレットがおずおずと切り出す。
「あの……。私が使っていたお部屋を見せてくださると……。お屋敷の中も案内してくださると……、伺ったのですが」
「ああ、構わないとも。お前の家なのだから、ゆっくり見て回りなさい」
デジレが立ち上がり、コレットも「ありがとうございます」と微笑んで席を立つ。カロリーヌとディオンはそのままだったが、ジスランも当たり前という顔でコレットに同行しようとする。
だが、ディオンがジスランを引き留めた。
「ジスラン様。先日の手紙のことで、少々お話があるのですが……」
「……それは今でなければいけないのか?」
ディオンに対し面識があるのか、ジスランはデジレに対するよりは砕けた口調で話す。
「……はい。ココが案内を受けている間、話したいのですが……」
「…………」
コレットがいないあいだと言われ、ジスランは目を眇めてから食堂に控えていたアベルに視線をやる。
影のように立っていたアベルは、無言で黙礼しコレットとデジレの方へ向かう。
「……わたくしは、別室で休ませて頂きます」
静かに言ってカロリーヌは立ち上がり、ジスランに一礼をして立ち去って行った。
「ではジスラン様、行って参りますね」
「ああ。くれぐれもアベルを側に置くように」
「? はい。心配性なのですね」
自分の生家を見るだけなのに……と少々おかしくなったコレットは苦笑する。
「さあ、行こうか。ココ」
デジレがコレットの背に手をやり、「はい、お父様」とコレットは従順に歩き出す。その背中をジスランが強い目で見送っていたが、コレットは何も気付かず瀟洒なしつらえの屋敷に目を奪われていた。
「一階は以上だ。何か思い出したか?」
ブリュイエール家の屋敷はシャブラン城には及ばないものの、広々としている。貴族の屋敷として必要なダンスホールや遊戯室、ロングギャラリーなど、一階には出迎えた客を楽しませる豪奢な部屋が多々あった。
「素晴らしいお屋敷ですね。……ですが、あまり……記憶に繋がる所はないようです」
「では二階に向かおう。二階には図書室や来客があった時の応接室や会議室、ガラスのコレクションを集めた部屋や、シノワズリの部屋もある」
「素敵ですね。ジスラン様のお城もとても贅沢でしたが、他のお屋敷に入ると、また飾る芸術品が異なるので目の保養になります」
とても優しい父は終始にこやかで、コレットも自然と笑顔になる。
その後ろをやはり何も言わないアベルが付き従っているが、この分では彼の出番もないだろう。
そう思いつつ、一階同様素晴らしい二階を案内され、三階へ向かう。
地下室と屋根裏は使用人の領域なので、案内する間でもない。三階は家族のプライベートエリアのようで、ここが最重要部分だと思うとドキドキする。
使用人たちは夕食の後片付けや、これから夜を迎えるに至って働いているようだ。廊下はシンとしていて人の気配がない。貴族の屋敷や城には使用人が使う裏通路もあるが、壁の裏にも人の気配はなかった。
「まずはお待ちかねのココの部屋から見ていこうか」
「はい。少しドキドキします」
父に向かって笑顔を向けつつも、コレットは不思議に思っていた。
ここまで丁寧に案内されていながら、コレットの記憶をくすぐる風景は一つもないのだ。まさか自分はこの屋敷にいなかったのでは……? と不安になるが、ここまで親切にしてくれている家族が今さら他人と言うはずもない。
「ここがココの部屋だ」
コレットの部屋は、三階の一番端にあった。閉じてあるドアは、一見他の部屋と変わらない白木の物だ。框部分に美しい彫刻が施されているのも、他と同じ。
深く笑んだデジレが金色のノブを掴み、ドアを引く。
(……あら?)
一瞬コレットは違和感を覚えたが、それが何なのかよく分からない。
「さあ、何か思い出すかな?」
「ここが……私の……」
薄暗い部屋には、確かにコレットの体臭がまだ残っている感じがする。
「ランプはデスクの上にあるよ」
「はい」
部屋の内部はカーテンが閉まっていて薄暗く、廊下から入り込む光でしか分からない。だが言われた通り部屋の奥にはデスクがあり、ランプの曲線も窺えた。
コレットは迷いなく奥に進み――、部屋が静かに暗闇に包まれ、カチャッと小さい音がしたのを耳にした。
「……え?」
「ブリュイエール卿!?」
ドアの向こうからアベルの焦った声がし、ガチャガチャと何度もドアノブを回す音がする。
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