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番外編 2 タワマン事件簿
夢みたい、ありがとね!
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そのあと、似たような感じの個室が幾つもあるのを確認した。
とはいえ、それぞれ個室にトイレがついていて立派だなぁ……と思う。
しかもトイレのタンクに手洗いがついてるタイプじゃなくて、トイレの個室内に独立した手洗い場がある。高級……。
「これって、将来的には子供たちそれぞれにトイレ掃除やってもらうやつ?」
「そうそう。自分の事は自分でやってもらわないとね」
正樹は笑顔で頷く。
ああ……、なんか。うん。いつもの飄々とした笑顔のまま、子供にも厳しい時は厳しいお父さんになりそうだ。
けど、甘やかしすぎるより、そのほうがいいんだろう。
「俺も同意だな。未成年のうちは養って守っていくけど、高校卒業する頃には、自炊ができて生活力のある子になってほしい。あとは将来のために資産を作る勉強も教えておきたい」
慎也の言葉に、文香が頷いた。
「あー、それは私も賛成。お金について、学校では教えてくれない事って多いよね。だから私が知っている事をきちんと教えて、将来困らない蓄えができる生き方をしてほしい」
彼女は和人くんが抱っこしている大輝くんを見て微笑んだ。
なお、俊希も大輝くんも爆睡中である。
なんでか知らないけど、抱っこと歩きのコンボがあると寝付きがいいらしい。
「……当の本人たちはまだコレだけどな」
和人くんがボソッと突っ込み、私たちはすこやかに寝ている子供達を見て破顔する。
「四階も似たような感じだから、スルーしよっか」
そう言って正樹はさらに階段を上り、屋上に向かう。
「まだ何かあるの?」
自宅だっていうのに、結構な運動になるな。
尋ねると、正樹はニッコリ笑う。
「きっと気に入ると思うよ」
なんだろ?
疑問に思っていたけれど、すぐに目の前に〝答え〟がやってきた。
「すっご……!!」
ドアを開けると屋上になっていて、そこにドーン! とプールがあった。
「……バカみたい」
文香さんは冷静だ。
「ちょっと文香ちゃん、聞き捨てならないなぁ。仮にもこれから遊びに来て、優美ちゃんとここでキャッキャウフフする立場なんだよ? それに君の家なら、実家とか〝こう〟でもおかしくないじゃん」
さすがに正樹が突っ込むと、文香は手庇で大事な顔を日差しから守りつつ言う。
「そこまで言ってないじゃん。まだ何もかも不確定な段階で、こんな豪邸建てる思考回路がバカみたいって思ったの」
「それは確かに私もちょっと思った」
同意すると、正樹は「マジかー」とショックを受けてしゃがみ込んでしまった。
「いやー! でも見事だね! 見事なまでの豪邸! お城みたい!」
私は空気を切り替えるために明るく言う。
何だかんだ突っ込んでしまったけど、この豪邸への素直な感嘆は勿論ある。
「こんなところに住めるなんて夢みたい。ありがとね!」
屋上には大きなプールだけでなく、ジェットバスもある。
周囲からプライバシーを守るために目隠しばっちりで、のびのび過ごせるようになっていた。
私たち一家でここを住みきるってなると、ちょっと持て余しそうだけど、凄いものは凄い。
「頑張って子供産まないとなー」と思ったけど、それはまた別の問題にしておこう。
「近いうちに、引っ越しパーティーでもやるか? 勿論、身内だけだけど」
慎也の提案に、私はサムズアップする。
「おっ、いいねー」
「私、肉系か海鮮系か、どっちか請け負ってもいいよ。ツテがあるから」
「ヒューヒュー! 文香さん頼もしい! カッコイイ!」
褒め称えると、彼女は得意げな顔になる。
今はちょっとふざけちゃったけど、文香のこういうところを心底格好いいなと思っている。
「文香って、そうやってちゃんとお金出すからカッコイイよね」
「え? だって私たちも食べるんだし、当たり前じゃん」
文香は目を瞬かせる。
正樹がニヤニヤしながら言った。
「文香ちゃんみたいに綺麗な女の子って、ご馳走してもらって当然って思ってる子が多いからなんじゃないの?」
「はぁ!?」
彼女は声を上げ、ギロリと正樹を睨んでから私を見る。
おい! 援護のないただの射撃はやめろ!
とはいえ、それぞれ個室にトイレがついていて立派だなぁ……と思う。
しかもトイレのタンクに手洗いがついてるタイプじゃなくて、トイレの個室内に独立した手洗い場がある。高級……。
「これって、将来的には子供たちそれぞれにトイレ掃除やってもらうやつ?」
「そうそう。自分の事は自分でやってもらわないとね」
正樹は笑顔で頷く。
ああ……、なんか。うん。いつもの飄々とした笑顔のまま、子供にも厳しい時は厳しいお父さんになりそうだ。
けど、甘やかしすぎるより、そのほうがいいんだろう。
「俺も同意だな。未成年のうちは養って守っていくけど、高校卒業する頃には、自炊ができて生活力のある子になってほしい。あとは将来のために資産を作る勉強も教えておきたい」
慎也の言葉に、文香が頷いた。
「あー、それは私も賛成。お金について、学校では教えてくれない事って多いよね。だから私が知っている事をきちんと教えて、将来困らない蓄えができる生き方をしてほしい」
彼女は和人くんが抱っこしている大輝くんを見て微笑んだ。
なお、俊希も大輝くんも爆睡中である。
なんでか知らないけど、抱っこと歩きのコンボがあると寝付きがいいらしい。
「……当の本人たちはまだコレだけどな」
和人くんがボソッと突っ込み、私たちはすこやかに寝ている子供達を見て破顔する。
「四階も似たような感じだから、スルーしよっか」
そう言って正樹はさらに階段を上り、屋上に向かう。
「まだ何かあるの?」
自宅だっていうのに、結構な運動になるな。
尋ねると、正樹はニッコリ笑う。
「きっと気に入ると思うよ」
なんだろ?
疑問に思っていたけれど、すぐに目の前に〝答え〟がやってきた。
「すっご……!!」
ドアを開けると屋上になっていて、そこにドーン! とプールがあった。
「……バカみたい」
文香さんは冷静だ。
「ちょっと文香ちゃん、聞き捨てならないなぁ。仮にもこれから遊びに来て、優美ちゃんとここでキャッキャウフフする立場なんだよ? それに君の家なら、実家とか〝こう〟でもおかしくないじゃん」
さすがに正樹が突っ込むと、文香は手庇で大事な顔を日差しから守りつつ言う。
「そこまで言ってないじゃん。まだ何もかも不確定な段階で、こんな豪邸建てる思考回路がバカみたいって思ったの」
「それは確かに私もちょっと思った」
同意すると、正樹は「マジかー」とショックを受けてしゃがみ込んでしまった。
「いやー! でも見事だね! 見事なまでの豪邸! お城みたい!」
私は空気を切り替えるために明るく言う。
何だかんだ突っ込んでしまったけど、この豪邸への素直な感嘆は勿論ある。
「こんなところに住めるなんて夢みたい。ありがとね!」
屋上には大きなプールだけでなく、ジェットバスもある。
周囲からプライバシーを守るために目隠しばっちりで、のびのび過ごせるようになっていた。
私たち一家でここを住みきるってなると、ちょっと持て余しそうだけど、凄いものは凄い。
「頑張って子供産まないとなー」と思ったけど、それはまた別の問題にしておこう。
「近いうちに、引っ越しパーティーでもやるか? 勿論、身内だけだけど」
慎也の提案に、私はサムズアップする。
「おっ、いいねー」
「私、肉系か海鮮系か、どっちか請け負ってもいいよ。ツテがあるから」
「ヒューヒュー! 文香さん頼もしい! カッコイイ!」
褒め称えると、彼女は得意げな顔になる。
今はちょっとふざけちゃったけど、文香のこういうところを心底格好いいなと思っている。
「文香って、そうやってちゃんとお金出すからカッコイイよね」
「え? だって私たちも食べるんだし、当たり前じゃん」
文香は目を瞬かせる。
正樹がニヤニヤしながら言った。
「文香ちゃんみたいに綺麗な女の子って、ご馳走してもらって当然って思ってる子が多いからなんじゃないの?」
「はぁ!?」
彼女は声を上げ、ギロリと正樹を睨んでから私を見る。
おい! 援護のないただの射撃はやめろ!
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