【本編完結】【R-18】逃れられない淫らな三角関係~美形兄弟に溺愛されています~

臣桜

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番外編 2 タワマン事件簿

招待状

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「それで、夜は家族と過ごすとして、昼間に体が空いてる奥様っていうのは経営者の妻とか、限られたタイプの人になるんじゃないかな?」

「あー、なるほど……」

 腕の中で、俊希は私のおっぱいを弄りながらウトウトしている。

「文香ちゃんもそうなるんじゃない?」

 確かに、文香は基本的に投資やって、依頼があったら原稿を書いてる。
 化粧品のほうも〝趣味として〟使い比べて情報発信をして……ってやってる。

 お金はある訳だし、遊ぼうと思えばいつでも遊べる。

 とはいえ、私も彼女も絶賛育児中だ。

 文香は私に色々話を聞いてきて、何かと生活スタイルを参考にしている。
 いやらしい話だけど、お金を使えばシッターさんも家政婦さんも雇えてしまえるし、母親の負担は減る。

 その分、私と文香はたまにの息抜きで、シッターさんに子供を預けてちょっとだけお茶……とか、楽をさせてもらっていた。

 このマンションの奥様たちも、似たような感じで過ごしてるのかな。

「でも、文香はマンションの住人とは、まったく交流してないって言ってたかな」

「彼女なら、自分から進んで交流はしなさそうだな」

 慎也が言って小さく笑い、私に抱かれている俊希を示して唇の前に指を立てた。

「お」

 卒乳はしたけどおっぱいは大好きな俊希は、いつの間にかスヤリと眠ったみたいだ。
 立ちあがって彼をベビーベッドに寝かせ、私は伸びをする。

「俊希も男だなぁ。おっぱい触って気持ちを落ち着かせるとか」

 慎也がボソッと呟き、私はクワッと目を見開いて彼を睨む。

「ちょっとやめてよ。こういうのは女の子でも同じなの。お前らと一緒にすんな」

 ドスッとソファに座ると、隣に座っていた正樹がスライディングで私の膝に頭をのせてきた。

「優美ちゃん甘えたい~」

「はいはい。よしよしよし」

 私は犬にでもするように、正樹のお腹をワシャワシャ撫でる。

「正樹、ずるい。俺も」

 慎也が向かいのソファから近寄ってくるので、私はニヤリと笑って意趣返しをした。

「正樹の事はワンチャン風に可愛がってるから、慎也はネコチャン風に可愛がってあげようか?」

「え? 猫ってどうだったっけ?」

「お尻ポンポン」

 言われて、ネコチャンがお尻を叩かれて、気持ちよさそうに尻尾ピーンをしている動画を思いだした慎也は笑み崩れた。



**



 その数週間後、忘れていた頃に〝招待状〟が届いた。

「おやおやまあまあ」

「マジか。モノホンか」

 文香が遊びに来ていた時だったので、二人して封筒を開けてみる事にした。

 ちなみにレターセットはさすがタワマンの奥様という感じで、事務作業に使うようなのではなく、光沢のある綺麗な物だ。

 手紙を開けようとして、私は文香に尋ねる。

「文香ってさ、オープナーとかペーパーナイフ使う?」

「ああ、愛用してるのはあるけど」

 そう言って彼女が口にしたブランドは、泣く子も黙るハイブランドだ。

「うちにもあるんだけどさ、ついついハサミ使っちゃうよね……」

 言いながら私は引き出しからハサミを出し、封筒の端っこを慎重に切る。

「こうやって切って〝損なう〟事とか、もしかしたら中身も切れちゃう事を考えると、ペーパーナイフが一番いいんだろうね」

「私、出版社からファンレターを転送してもらう事あるけど、大体封筒の上をオープナーで開いた状態で送られてくるよ」

「そっかー」

 そうだろうな、と思いつつも、慣れ親しんだ使い方は体から消えてくれない。

 調理器具を買うのが趣味になった正樹が、楽しそうにピーラーでキャベツの千切りをしているのを見ても、私はつい包丁でやってしまう。そんな感じ。

 そんな会話をしつつ〝招待状〟を開くと、手書きの綺麗な文字で〝パーティー〟への招待が書かれてある。

 特に個人的な連絡はなく、何月何日に三十階にあるパブリックスペースでパーティーを開くので、どうぞ来てください。との事だ。
 なお、宛てられたのは私だけれど、勿論、慎也も正樹も、なんなら友達も連れて来ていいらしい。

「ふーん」

 手紙を覗き込み、文香が大きな「ふーん」を言う。

「私、行ってもいい?」
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