【本編完結】【R-18】逃れられない淫らな三角関係～美形兄弟に溺愛されています～

妊娠・出産 編

幸せな人生 （本編・完）

　自分の小さな物差しで、他人を測って勝手に断罪してくる人が現れたら、私たち三人で立ち向かって相手になると決めている。

　勿論、心強い味方も大勢いるしね。



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「おかあさーん！　お弁当忘れてる！」

「やばっ、ありがと！　莉央！」

　時は経ち、子供たちは制服に身を包んで学業に励んでいる。

　私は四人の子育てをある程度終えた頃から、久賀城ホールディングス本社勤務を始めていた。

　同時に、またジムに通ってしっかり心も体も鍛えて、気合いを入れている。
　一時はかなり丸みのついた体も、数年掛けて引き締める事に成功した。

　思春期になった子供たちは、家族の事でなんやかやあったけれど、きっちり私たち三人が対応し、今では割り切ってくれている。

　莉央には、「しかしお母さん、よく受け入れたねぇ……」なんて言われるけど……。

「いってきます！」

　もう十何年の付き合いになる家政婦さんに挨拶し、私は玄関を出た。

　子供が四人できて大きくなり、住まいもあのマンションから正樹所有の豪邸一軒屋に移った。
　子供それぞれの部屋があり、なおかつゆったり過ごせる豪邸で快適に暮らし、今も仕事をバリバリこなせている。

　勿論、一筋縄ではいかない事もあるし、時が経つにつれてお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの健康が心配になってきたり、不安に思う事は多々ある。

　それでも、私は自分の人生を大きな声で「幸せだ」と言える。

　身も心も大きく変わるきっかけをもらえ、初恋の人と結婚し、可愛い子供にも恵まれた。

　これ以上は欲張らないので、あとはこの幸せをキープし、子供の成長と彼らが良い人生を歩める事を望むのみだ。





　外に出ると、庭にある桜の木が満開で、思わず目を細める。

「優美ちゃん、乗って！」

　大村さんが後部座席のドアを開いて立った奥、正樹が声を出す。
　慎也はすでに助手席でシートベルトを装着していた。

「いってらっしゃい！」

　自転車に跨がった子供たちに手を振り、彼らから「いってらっしゃい！」と返事をもらってから、私は車に乗り込んだ。



　完