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妊娠・出産 編

体の奥に宿った火 ☆

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「…………っ」

 真っ赤になって両手で顔を覆う私を見て、正樹がまた意地悪に笑う。

 何も言わないけれど、その表情を見ただけで、彼が私の罪悪感をからかっているのが分かった。

 やがて微かな足音を立てて、慎也が上がってくる。
 そして私たちを見て足を止め、眉を上げて苦笑いしてから、ベッドに乗ってきた。

「まだおねむみたいだよ」

「う、うん」

 彼から報告を受け、私はぎこちなく頷く。

「……同じ空間はやりづらい?」

 そして微笑みながら私の顔を覗き込んできた。

「ん……」

 慎也の問いかけに、私は正樹に指を入れられ真っ赤になった顔で頷くしかできない。

「俺、俊希見てるから、奥の部屋の客間ででも続きしたら?」

 彼はそう言うけれど、私は首を横に振る。

 慎也がとても興奮した証を、私は見てしまった。

 二人を夫にすると決めた時点で、私には彼らを平等に愛する義務がある。
 だから、今は正樹と子作りに励む時期だと分かっていても、慎也を放っておくつもりにはならなかった。

 同じ空間には俊希がいるけれど、皆家族で、皆大切だ。

 だから……。

 スリ……とシーツの上で足を滑らせ、私は脚を開く。
 そして正樹の指が抜けた場所を、両手でくぱ……と開いてみせた。

「……きて」

 赤面して精一杯誘った私を見て、慎也は一瞬目を見開き、それからクシャリと破顔した。
 彼がベッドに手をつき、微かに軋んだ音がする。

「いいの?」

 目の前に迫った秀麗な顔が、妖艶な雰囲気を帯びた。

 意志の強そうな黒い目に見つめられ、私はコクンと頷く。

 フ……、と柔らかに笑った慎也は、私の頭を撫で、髪を手で梳いていく。
 それから顔を傾け、そっと唇を重ねてきた。

 ちゅ、と小さな音を立てて触れるだけのキスをし、少し顔を離して私の目をまた見てから、微笑んで再度口づけてくる。

 私と慎也がキスをしている間、正樹が私の後ろに座って体を支えてくる。

 そしてやんわりと乳房を揉んできた。

 慎也はキスをしながら、私のお腹に触れ、指先をつけたまま、つつ……と下腹部へと手を移動させる。
 その触れるか触れないかの感触に、私はゾクゾクと身を震わせた。

 ハァッと切ない吐息をついて口を開いた瞬間、慎也の舌がヌルッと入ってくる。
 肉厚な舌が私の舌をヌルヌルと舐め、前歯の裏側をたどって口内を探り、私の舌に絡みついてグチュリと音を立てた。
 キスをしている間、慎也の指は私の秘所に指を滑らせる。

「ん……っ」

 まだ興奮を残してさやからはみ出ている淫玉に慎也の指が触れ、濡れた乳首には正樹の指が当たり、スリスリと撫でてきた。

「……っは、……ぁ、――ん、ン……」

 また、私の体の奥に火が宿る。

 闇の中にジリッと音を立てて火が灯り、微かな香りを発しながら徐々に炎を大きくしていくイメージだ。
 その火は私の性感を煽る芳香を放ち、二人の愛撫を受けて育っていく。

 目を閉じると、二人の気配を鮮明に感じる。

 舌を舐める温かでなめらかな感触。
 背中に当たる正樹の体の温もりと、腰に感じる屹立の硬さ。
 淫玉をクチュクチュと撫でる、慎也の指の繊細な動き。

 キスの合間に切ない吐息をつき、懸命に息を吸うと、それすらも許さないと言わんばかりに彼の唇が塞いでくる。

「……ん、――ン、ぅ……」

 ちう……っ、と唇を吸われ、くぐもった声が漏れた。
 鼻から息を漏らし体の力が抜けた時、慎也の指がぬぷぅっと侵入してくる。

「んっ! んぅっ」

 ビクッと腰を跳ねさせる私の唇を、ようやく慎也が解放した。

「あー、中ドロドロ……」

 呟きながら媚肉をかき分け、擦って圧迫しながら、彼の指は奥へと進んでいく。

「正樹の精液か、優美の愛液か分かんないや」

 言ってグチグチと私の中をかき回し、慎也が煽るように笑う。

「そういうの……っ、言わないで……っ、――――んっ」

 反抗して力の入らない目で睨もうとすると、正樹が両手の指でクリクリと乳首を転がしてくるので体をくねらせてしまう。

「おっぱい舐めさせて」

 慎也が囁き、背中を丸めると私の乳首にちゅっと吸い付いてくる。
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